2020/10/10 - 2020/10/11
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ウェンディさん
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この旅行記のスケジュール
2020/10/10
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うし代亭はGoto地域共通クーポンの使用可
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車での移動
台風の影響で466が通行止めで、万座ハイウェイへ。嬬恋高原あたりからゆっくりと紅葉が始まっていました
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日進館はキャパが大きいので温泉も密になりがち。でも、時間帯を選べば貸し切り状態になることも・・・。
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この旅行記スケジュールを元に
新型コロナでリモート・ワーク(テレ・ワーク)がかなり一般的となってきましたが、
ご自宅でリモートしている皆さん、
リモート・ワークは家庭にどのような影響を及ぼしていますか?
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
PR
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新型コロナが流行り始めて半年が過ぎ、リモート・ワークもある程度一般的になり、我が家でもリモート・ワークを職場から要請され実施しています。
通勤が無いのはウイルスへの感染予防になりありがたいのですが、リモートワークが始まって以来、家庭内では今まで起きていなかった問題が次々と起きています。
問題の一つが、Web会議の時間が家庭内で被りリビングがカオスな状態となること。
どういうことかというと、相棒の仕事は仕事時間の半分以上がweb会議で、大学生の娘もwebでのゼミの参加や講座受講。
そこに私が加わると部屋の中は3人がそれぞれの相手と会話をする、音が被さるカオス状態となり、企業の秘密保持契約に触れるような内容はとても話すことはできない状態です。
口では話せないことは文字通信で何とでもなりますが、会議中に誰かの食事の支度がキッチンで始まると、仕事のBGMには包丁や鍋らの賑やかな音が加わります。
まぁ、それだけならばコロナ禍だからと我慢もできるでしょう。
しかし、リモート・ワークはさらなる弊害を我が家にもたらしました。
それは、土日も平日と同じように仕事ができてしまうということで、職場の上司からは土日を構わずラインで連絡が入り、手元に職場のPCがあるために仕事ができてしまう状態が緊急事態宣言以降ずっと続いています。
土日が勤務日であれば仕事をするのは当たり前ですが、土日は勤務日ではありませんし、仕事をしても休日出勤扱いとはなりません。
それなのに、上司はお構いまし。
ブラックな職場と言えばその通りですが、それが当たり前とされている世界では、その常識には逆らえないのが日本のサラリーマン。
今まではあえて通信環境の悪い海外への逃亡で、仕事からは完全にOffとなる時期を作れていましたが、今年はそれも無理。
(写真:テレワーク関連の新聞記事) -
山に登っていても、家族と出かけていても上司からの連絡が入る状況はストレスがいっぱい!
そんな状態が続いていた我が家。
それならば、どうせ仕事をしなければならないならば、割り切っちゃって土曜日は仕事と勉強をする日と決めて旅に出ることにしました。
題して“週末 Workation♪”
土曜日はチェックイン時間に到着するように温泉宿へ。
到着してお湯に浸ってリラックスしたら、夕食まではお仕事タイム。
夕食後も温泉に再び入り、その後は就寝時間までお仕事タイム。
旅館の一室をシェアして、娘は試験勉強、相棒と私は仕事…。
淹れたての珈琲を飲みながら、それぞれが集中をして作業をします。
それってどうなの?という意見もありそうですが、家族の反応は意外と良く、特に娘は4月以来図書館も使えず家でしか勉強できない状態が続いていたので、環境が変わったことで勉強に集中できたと喜んでいました。
相棒も家に居る時よりは仕事がはかどったかもということで、週末 Workationは、お試し企画としては上々の反応でした。
今回の旅行記は、そんな“週末 Workation♪”旅行記です。 -
“週末 Workation♪”の舞台としてセレクトした温泉は、群馬県の万座温泉で、万座温泉までは我が家からは車で3時間半程度で行ける距離なのだが、この日は台風14号がもたらした雨の影響で速度規制やら通行規制があり、所要時間は4時間半。
ランチは途中の草津温泉のお蕎麦屋さん“うし代亭”で、お店のお勧めの”食べ比べ蕎麦”1200円を。
食べ比べ蕎麦は、普通の手打ちと草津温泉地方の田舎蕎麦の2種盛りで、田舎蕎麦は平麺でクルミが練りこんであり塩で食べるのがツウな食べ方とのこと。
蕎麦に塩とはビックリだったが、意外なことに田舎蕎麦の太い麺の存在感と塩の押しの強さのバランスがちょうど良く、美味しかった。うし代亭 グルメ・レストラン
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この日はあいにくの雨模様だったが、雨が残念ともいえないのが秋。
万座ハイウェイに入り嬬恋高原を過ぎたあたりから始まった木々の紅葉は、雨のおかげでその色味が増し、車窓は黄金色。万座ハイウェイ (浅間-白根火山ルート) 名所・史跡
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色づき始めのグラデーションがあまりに美しく、宿へ直行する筈が途中にある池のほとりで車を降りて、秋の色合いを堪能。
弦ヶ池 自然・景勝地
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イチオシ
池の名前は弦ヶ池。
霧雨が舞う秋景色の池は幻想的で、引き込まれてしまうような美しさだった。 -
万座温泉エリアの牛池の周辺も紅葉が始まっていて、キレイ。
いつもの旅ならば、ここで靴を履き替えて池の周りを歩いたりもするのだが、この日の目的は仕事場としての温泉。
車の窓からの光景だけで我慢をして宿へと向かう。牛池 自然・景勝地
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万座温泉の宿は日進館。
ここは20年近く前にも来たことがあり、お気に入りの白濁の湯だ。
温泉の種類は8種類で、露天風呂が二か所あり、私のおすすめは離れにある露天の極楽湯。
極楽湯は誰もいない夜に、ひっそりと星空を眺めながら入るのが最高に気持ちいい。万座温泉 日進舘 宿・ホテル
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20年前には無かった新しい屋内露天風呂“万天の湯”も出来ていて、こちらも大きな窓越しに紅葉が眺められる開放的な浴槽。
日進館は宿泊者も多いので、温泉も入浴時間帯によっては密になりがちなので、娘と私はできるだけ空いている時間を狙っての入浴作戦。
今回は作戦がうまくいき、チェックイン直後の14時過ぎと19時から20時の時間帯と朝の5時台は他のお客さんの姿もなく、娘と二人でのんびりと温泉を楽しめた。
ほかにも6つの泉質の槽がある長寿の湯があり、すべての温泉が27種の泉質をブレンドしてのかけ流しだとのこと。
傷に少しピリリとする湯もあったが、ひっかき傷程度ならば大丈夫だ。 -
部屋は6階で、エレベーターを二回乗り継ぐのが若干厄介だったが、万座の源泉や湯畑、強酸性の温泉が湧き出す熊四郎山が一望できる部屋。
PC仕事に疲れたら遠くに目をやると、自然たっぷりの光景が飛び込んでくる環境は気分転換効果も抜群だ。
新型コロナ以降は温泉がお初となる娘も、十分にWorkationを堪能したようだった。 -
宿の夕食は会席膳。
実は前回の宿泊の記憶から食事にはあまり期待していなかったのだが、今回は予想を良い方向に裏切られた。
お料理の内容も器も昔と比べたらずっと良くなっていて、これならば満足という感じ。
以前は古びた食堂が夕食会場で、お料理そのものも一見は健康に気を使っている風ではありながらもコストを抑えているのが明らかな雰囲気だったのだが、今回は一転して懐石料理で、一品一品に工夫が凝らしてあり、味も美味しかった。 -
1日目の土曜日はたっぷりと仕事をして、のんびり温泉に浸って、美味しい夕食を食べておやすみなさい。
そして翌朝は、もちろん早朝温泉+朝散歩。
部屋から見えていた万座温泉の湯元となる山;熊四郎山をお散歩する。 -
万座温泉があるのは標高1800mで。平地と比較したら酸素濃度が80%。
ましてや体がまだ目覚め切っていない早朝なので、ちょっと歩くだけで若干の息切れを感じてしまう自分が恨めしい。
例年ならば夏には山を歩き倒しているはずなのに、今年の夏は晴天に恵まれず、お出かけする度に曇りや雨ばかりで、山歩きも毎回が中途半端な状態で、筋力維持が今ひとつ。
早く、コロナが収束して、思い立った週末には山に行き、思う存分山歩きができるようになってほしい。 -
万座温泉はその硫黄濃度が日本でも最高濃度ということで、硫化水素臭(オナラ臭に近い)が強いのかと思いきや、温泉に入っていてもそんなに硫黄の匂いは気にならなかったが、源泉のある山ではそれなりに強い臭いが漂っていて、風向きによっては顔をしかめるほど。
ただ、匂いの性質は硫化水素のような息が詰まるような刺激臭ではなく、もう少しマイルドな感じだった。 -
山道には遊歩道が設置され、歩きやすい。
山肌を流れる川の水は透明で澄んでいるが、この川は生物がいない死の川;Death River。
白根火山の流れをくむ川の水はすべて硫黄を含む強酸性の水で、その酸性度はpH2付近であり、とても川魚や水生昆虫が生きていける環境ではないそうだ。
多分だが、山肌の木々も酸性土壌に強い種類なのだろう。
このような火山地帯では誰も畑作は考えないだろうが、アルカリ土壌を好む葉物野菜(ホウレンソウなど)は、育ちにくいのだと思う。 -
イチオシ
山は紅葉が始まったばかりで、夏には緑色だった木々が黄色や赤に変わってきている。
この日は朝から雲が厚く霧がかかっていたので、山の全体像はクリアには見えなかったが、晴れていればもっときれいに紅葉が発色していたのだろうね。 -
遊歩道の途中の大きな岩陰の洞窟にあるのは鳥居。
火山だから、山神様を祀ってあるのかと思いきや…。 -
その昔、熊四郎という名の狩人がいて、その人が万座温泉を発見したとか、命を飼い犬に救われたとかの言い伝えがあり、作られた鳥居らしい…。
それって、全然カミサマではない?と思うのだけれど…。
まぁ、日本は八百万の神の国だから、なんだってカミサマになれるのだからよいけど、釈然としないものはある。 -
この熊四郎洞窟は鳥居の意味云々よりも洞窟そのものが歴史的に価値のある場所で、この洞窟から弥生時代の土器が発見されたそうだ。
ということは、万座の湯は弥生人も利用していた温泉ということになり、3000年前の日本人の祖先が同じ万座の濁り湯に浸り、その湯や熱を利用して野菜をゆでたり、ジビエの肉を調理していたりしていたのかと考えると、なんだかワクワクする。万座 熊四郎洞窟 自然・景勝地
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展望台への遊歩道から眺める万座の秋景色。
霧の中に浮かび上がる黄金色に彩られた木々と点在する赤のコントラストが秋情緒たっぷりで癒しだった。 -
展望台までやってくると、緑豊かな山肌部分と草木すら生えない禿山が一望できる。
奥に見えているのが宿泊した万座温泉の日進館だ。
このあたりの風景は日本各地の温泉地でよく見かける殺生石のある土地の光景とよく似ていて、地面から噴き出す強い火山性ガスの影響で下草すら生えない殺伐とした感じ。
火山ガスの濃度が高い時には、時にはその上空を飛ぶ鳥さえもその命を失うことがあったに違いない。 -
山のすそ野には湯畑があり、その色は淡いエメラルド色。
万座温泉は硫化物イオンの濃度が高いので、この湯畑はとても重要。
硫化水素ガスを湯畑で曝気することのより、温泉湯の中から人体に有害な気体を取り除いている。万座温泉湯畑 自然・景勝地
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今回の旅は基本はWorkationなので、お遊び要素はあまり考えてはいなかったが、チェックアウト後の帰路に、通り道沿いの観光ポイントに立ち寄ることにした。
この日立ち寄ったのは2か所で、その1か所目が国指定天然記念物の穴地獄にあるチャツボミゴケ公園。
中之条の最奥のエリア六合(クニ)にあるチャツボミゴケ公園は、陸上の神秘が集まった土地で、ここでは世界的にも珍しい苔;チャツボミゴケ(茶蕾苔)が自生している。
コケのどこが珍しいの?
世界中どこに行っても湿っている土地にはコケは生えているのだから、全然珍しくはないでしょ!
我が家の娘は行く前はこんな風に思っていたらしい。 -
世界中には約1万8千種のコケがあるそうだがその中でも最も耐酸性が強いのがチャツボミコケと言われていて、チャツボミコケはpH2-4.6の強酸性の火山性土壌にしか生息しない。
火山大国の日本には酸性河川も多く、チャツボミコケそのものは何か所で生息は確認されているが、ここほど大規模なチャツボミコケの生育地は東南アジア最大級だということだ。
(写真:チャツボミコケ) -
入場料(保全協力費として600円/大人 小学生以下無料;GOTO地域共通クーポンの使用可能)を支払ったら、巡回バスでコケの自生エリアへと移動する。
バスは5分間隔で運行されているので、1便を逃してもすぐに次のバスがやってくる。
バスを降りるとその先には遊歩道があり、道沿いの木々は衣替えの最中で、緑から赤へのグラデ―ション。 -
温泉水の影響で寒暖差の激しいエリアの樹木は、ほとんどの葉を黄色に変え、その一部は真っ赤な秋の色。
艶やかな秋景色が広がっていた。 -
イチオシ
チャツボミコケの生育地は水のあるエリアで、遊歩道を少し歩くと、すぐに川沿いにチャツボミゴケの姿が見えてくる。
滝の下の川沿いの緑の絨毯がチャツボミコケだ。チャツボミゴケ 自然・景勝地
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紅葉し始めたモミジとチャツボミコケの鮮やかな緑のコントラストが見事。
このあたりの紅葉はまだ始まっていないだろうと思っていただけに、紅葉とコケのコラボが見られたのはうれしかった。
この二筋の滝は湯滝と呼ばれ、その名が示すように温泉水が川となって流れている。
そして、このあたりは歴史的に、鉱物学的にちょっとだけ重要な場所でもある。 -
コケが密生するチャツボミコケ。
この緑色のコケが石に姿を変える…と言ったら信じてもらえるだろうか。
コケが石へと変身する現象は“バイオミネラリゼーション (biomineralization) ”と呼ばれる反応で、酸性の温泉水が好きなコケが長い年月をかけて化石化し、鉄鋼石へと姿を変える。
その変身している最中のコケの姿を湯滝の下流で見ることができる。
チャボツミコケは強酸性土壌を好み、彼らが生息するエリアの川水(温泉水)にはミネラル(鉱物)が多く含まれる。
長い年月をかけてミネラルがタップリの水を採取し、そのコケ体の中にミネラル成分を濃縮していったチャボツミコケは、その命が尽きた後に自らが内包する鉄バクテリアにより数億年をかけてゆっくりとその体の形を石化させ鉄鋼石となるそうだ。
コケが石に変化するだなんて嘘みたいな話だが、自然界ではバイオミネラリゼーションは普通のことで、珊瑚の石灰質の骨格も海の中に存在する炭酸とカルシウムを用いたバイオミネラリゼーションの一つだ。
多分だが、コケの下に見えている茶色い岩、これが大昔のチャツボミコケが姿を変えた鉄鋼床。
苔が鉄鉱石に変わるだなんて、自分の目で見るまでは信じられなかったが、でも本当にそうなるらしい。
これは、地球が織り成す神秘の一つなのだと思う。 -
湯滝からさらに川の上流へと遡ると土の遊歩道が木道に変わり、ここからが東アジア最大級のチャツボミゴケの大群生地となる。
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木道の先は周遊路となっていて、その展望ポイントに立つと目の前に広がるのは深い緑色の世界。
チャツボミゴケ 自然・景勝地
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今まで見たことのない広大なMoss Worldがあった。
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イチオシ
チャツボミコケが群生するこの場所は“穴地獄”と呼ばれる、ほんの50年前は鉄鉱石の採掘場であった場所だ。
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穴地獄の名の由来は、かつてここが鉄鉱石の採掘場であった時代、現在コケが一面を覆うこの場所には鉄鉱石採掘用の深い穴があり、野生動物がその穴に落ちると自力では這い出ることができずにその命を落としてしまったから、地獄の穴と呼ばれていたそうだ。
50年前は穴地獄だったこのエリアは今は、チャツボミコケの楽園へと姿を変えている。 -
山の斜面の至るところから湧き出すのは、火山性の酸性の水。
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大好きな酸性の水を求め、コケたちは水辺へとその触手(一応書いておくがコケには触手はない)を伸ばし、水の中に顔を突っ込む。
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密度が高くみっしりと集まったコケ。
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ビロード生地のようにも見えるその表面は、触ったら柔らかいのか、トゲトゲしているのか。
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触れてみたいのだが、このエリアはラムサール条約に登録されている湿原の一部なので、生態系の保護のために許可のない人間がコケに触れることはできない。
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モコモコと意思を持ち、増殖しているかのようにも見える。
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木道遊歩道の一番高いところから眺める穴地獄のチャツボミゴケの楽園。
苔が石灰岩のカスケードの様に広がっていた。 -
チャツボミコケ以外の他の生き物は魚も、昆虫もその命を保つことのできない死の川。
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チャツボミゴケは、他の生物が嫌う金属成分が多い酸性水の中でどのようにして生きていけるのか。
気になって調べてみたのだが、その詳細が書かれた文献は見つけることはできなかったが、地元の高校生が2011年に研究し発表した文書(書いた彼らは今はもう25歳のオトナですね)を見つけたので、URLを載せておく。
https://www.shirane.ac.jp/201202anajigoku/anajigoku.pdf
彼らの文章によると、チャツボミゴケは火山性の川水に含まれる水銀やヒ素などの有害重金属を細胞質ではなく細胞壁に貯めこみ(人間に例えれば、重金属を内臓ではなく骨に蓄積)、生命活動に支障を生じないようにしているそうだ。
確かに、人間だって体に取り込んでしまった猛毒のヒ素を髪の毛に貯めこむシステムがあるし、生物の体はその環境に応じて、生きていけるように自分たちでうまく適応していっているのだろう。 -
チャツボミコケの遊歩道はゆっくりと散策して、所要時間は1時間ほど。
そのコケの生態は面白く、一人600円という協力金も高いとは思わなかった。 -
Workation旅行記は、このチャツボミコケ公園で終わりではなく、まだコケ関連で続く。
帰り道の途中で立ち寄った二か所目は、コケが形を変えた鉄鉱石に関連のある場所;鉄道駅の(旧)太子(おおし)駅だ。 -
太子駅は、50年前にはチャツボミコケがその姿を変えた鉄鉱石を運ぶための鉄道の始発駅として栄えた場所。
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このあたりは昭和40年代までは群馬鉄山と呼ばれたエリアで、鉱山では最盛期には2000人が鉄鉱石を採掘し、約300万トンの鉄鉱石を日本各地へと運び、第二次世界大戦後の日本の復興に寄与したとのことだ。
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イチオシ
しかし、海外からの安価な輸入品に押された鉄鋼採掘業の衰退とともに駅は廃駅となり、草木に埋もれ、どこに駅があったのかもわからないような廃墟と化していた。
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その廃駅が現代に鉄道遺構として蘇ったのが、2年前の2018年。
廃材の中に埋もれていた遺構が発掘され、昭和40年当時のホーム、駅舎の復元作業が行われた。 -
発掘された鉄道遺構は、まるで古代遺跡のようにも見えるが、足元にあるのは紛れもない線路で、かつては駅だったことを示している。
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旧太子駅は廃墟好きの私には心が沸き立つ場所だった。
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旧太子駅は中之条町の管理下にあり、駅舎の中に入るには入場料の200円が必要なのだが…
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チャボツミコケ公園入園時に貰える“なかのじょう周遊チケット(スタンプラリー帳)”を見せれば無料となる。
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イチオシ
白根火山は、温泉の恵みを弥生時代の祖先に与え、コケが化石となった鉄鉱石を戦後の私たちに与えてくれた。
しかし、火山には恩恵ではなく、負の面もあるということを忘れてはならない。
負の面とは、火山が作る水の流れは、“死の川”:Death Riverであるということ。
群馬県を流れる吾妻川は現在は清流として知られているが、かつては死の川と呼ばれ、硫黄分を中心にミネラルを多く含む火山性の温水を含んだ河川水は、川魚も生息することができないほどの酸負荷が強かった。
その河川水の水質を改良するために作られたのが、旧太子駅とチャツボミコケの生息地との間にある品木ダムで、白根火山から排出された酸性の河川水は品木ダムに集められ、硫黄分を沈殿させ中和をしてから吾妻川の本流へと排出されている。
そして、このダムを建築する時に当時の品木集落がダムの底に没したそうだ。
旧太子駅の案内書には、大地の贈り物の鉄鉱石のことだけではなく、火山によるこのエリアの歴史についても記されていた。
地球の息吹である火山は私たちに自然の恩恵も与えてくれるが、その反対に大切なものを奪う時もある。
1泊2日のWorkation旅は、温泉での仕事を楽しむだけではなく、火山性の河川水がコケを石化させる自然の神秘、そして火山の水対策としてその昔に沈んだ悲しみの村があることを私たちに教えてくれた。旧太子駅 名所・史跡
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この旅行記へのコメント (4)
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- pedaruさん 2020/10/19 07:26:26
- 温泉でリモートワーク
- ウェンディさん おはようございます。
>口では話せないことは文字通信で何とでもなりますが、会議中に誰かの食事の支度がキッチンで始まると、仕事のBGMには包丁や鍋らの賑やかな音が加わります。
笑ってしまいました、ニュースなどで聞いていましたが、こんなこともあるのですねぇ。発想の転換というのでしょうが、温泉に行って、浴衣姿でお仕事、しかもほろ酔い気分で・・・(これはないか)
もちろん経費は会社負担?うるさい上司の困った顔が見えるようです。
チャツボゴケの話、ウェンディさんらしい知的な解説で、よく理解できました。
しかし、自然は不思議ですねぇ、大きな島がサンゴだったり、石炭や石油が生物の死骸だったり、地球が丸いとは本当でしょうか?
pedaru
- ウェンディさん からの返信 2020/10/19 19:34:17
- RE: 温泉でリモートワーク
- pedaruさん こんばんは。
流行のワーケーションを我が家でも取り入れてみました。
といっても、あくまでも休日にボランティアで仕事をしているだけですから、お給料にも反映されませんし休日出勤手当も出ませんが、家でイヤイヤやるよりは全然はかどりました。
日本酒を飲みながらPCワークも見た目は乙ですが、お酒は思考回路をグチャグチャにするので、無理そうかな。
ただ、個人的な経験からお酒を飲むと外国語での会話がいつもよりスムースになりますよね。きっと、アルコールにより脳の中の羞恥心のガードが緩くなり、語学の抽斗が開きやすくなるのではないかと思います。
苔が鉄に変身するだなんて私も現地に行くまでは知らずに、酸性の温泉水でしか生育できない苔の群生地があるという情報のみを元に訪れたので、現地で知った地球の神秘に大興奮しました。
地球が未だドロドロの塊だった頃に、いくつもの隕石が遠い宇宙空間から運んできた鉄。
その鉄が地球の中で生物を通してリサイクルされているって面白いですね。
pedaruさんが提示した疑問”地球が丸いとは本当でしょうか?”。
コレは私も考えたことがあります。
アームストロングの月面着陸は実はフェイクで、あの映像は某国政府が作り出した国家権力を示すための映像である・・・なんていうウソのようで誰もその真実を知らない話も世界にはあります。
もし、私達が集団催眠のような状態にあり、地球は丸い・・・地球は丸い・・・と教え込まれていたならば、皆が当たり前のように地球は丸いと信じますよね。
映画Matrixの世界ではないですが、今、自分が見ている世界が本物、真実であるのかどうか・・・は、私も自信がありません。
ウェンディ
-
- ねもさん 2020/10/17 23:34:53
- お久しぶりです
- ウェンディさん いつもご投票ありがとうございます。
悩み多きオンラインなんちゃらというところでしょうか? 土日のそういう理不尽な要請はシャットアウトかと思ってましたが、ちょっと意外。
私はあと1年ちょっとで定年退職を錦の御旗に、出来ないことは「出来ません」で押し通しています(笑)
万座温泉は、かなり前にスキーで2回行きました。ここは、どう考えても温泉がメインで、ついでにスキーですね。
- ウェンディさん からの返信 2020/10/18 09:26:48
- Re: お久しぶりです
- ねもさん こんにちは。
ねもさんも活動的に週末を利用して山旅を楽しんでいらっしゃるようですね。
私達は旅行記のような事情でコロナが始まって以降はなかなか腰を落ちつけた旅が出来ていません。
すさまじきものは宮仕え・・・このフレーズは室町時代に初めて書かれたモノですが、それから500年以上を経た今も、その状況は変わっていません。
サラリーマンは真面目に文句を言わずにやれば月々の収入はある程度は安定している一方、上司からの命令は絶対。
安定をとるか、自由をとるか。
今のように経済状態が不安定な状況化では、家庭のことを考慮したら・・・ですよね。
はやく、リモートワークなんて終わってくれ!と思いますが、今朝もベルギーで感染者数が爆発的に増えたというニュースがあり、更に来年のオリンピック開催に向けての敷石なのか、海外からの日本へのビジネス渡航も解禁となるようで、私達の生活が落ち着いた生活に戻るのはいつになることやら。
逆に、国外から致死率の高い株が持ち込まれて、本当の第二波がこれから来るかもしれないと思うと、ちょっと憂鬱です。
そんなブルーな気分を解消すべく出かけた万座温泉のワーケーション。
家族には好評でしたので、また、そのうちにどこかに行けたら良いなと思っています。
ウェンディ
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