2019/08/10 - 2019/08/11
95位(同エリア236件中)
ショコラさん
2日3日岩手の旅の2日目は、花巻から遠野へ。
民話の里・遠野は、柳田國男の『遠野物語』の舞台になった場所。そのいくつかを訪ね、物語の世界にひたりました。
この旅行記では遠野初日の様子をまとめています(旅したのが1年前で、記憶がちょっと怪しくなっちゃってますが……)。
遠野へ行くにあたって、以下の本が参考になりました。
◆『図説 地図とあらすじでわかる! 遠野物語』(志村有弘監修/青春出版社)
◆『遠野物語』(柳田國男原作・柏葉幸子編著・田中六大絵/偕成社)
◆『水木しげるの遠野物語』(水木しげる著・柳田國男原作/小学館)
↑この本は、トラベラーのこあひるさんにお勧めいただきました。
【旅程】 ■この旅行記
□8月9日
東京 ⇒ 新花巻
●宮沢賢治記念館
●宮沢賢治童話村
[志戸平温泉/泊]
■8月10日
花巻 ⇒ 遠野
レンタカー・ピックアップ(遠野駅)
●伝承園/常堅寺&カッパ淵
●山崎のコンセイサマ/山口の水車/佐々木喜善の生家/デンデラ野
[遠野/泊]
□8月11日
●遠野ふるさと村
●卯子酉神社
レンタカー・ドロップオフ(遠野駅)
遠野 ⇒(SL銀河)⇒ 新花巻 ⇒ 東京
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
お宿のシャトルバスで花巻駅(釜石線)まで送っていただきました。
当初は、新花巻駅でレンタカーを借りるつもりでしたが、あいにく予約可能な車がありませんでした。それで遠野まで電車で行って、遠野駅でレンタカーを借りることに。
電光掲示板に表示されている、12時17分発の電車に乗ります。花巻駅 駅
-
釜石線の時刻表。
本数、少ないっ。こりゃ、乗り遅れたら大変だ。
お昼をゆっくり食べる時間がないので、駅構内のコンビニでおにぎりと飲み物を調達。
電車の中で食べようと思ったけれど、乗客も多くて、飲食できる雰囲気ではなかったので、遠野までお預けとなりました。 -
遠野に到着!
駅名板のデザイン、素敵だな。遠野駅 駅
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遠野駅にちょうど〈SL銀河〉が停車していました!
カッコイイ~♪
じっくり見たいけど、明日、乗車するので、今は写真を1枚撮るだけにしておきます。 -
駅のベンチでおにぎりを食べて、手早くお昼をすませました。
写真は遠野駅の駅舎。
まずはレンタカーをピックアップします。
レンタカーの営業所は駅舎の向かいにある、遠野観光交流センター内にあります。
車は明日のお昼までの24時間の借り出しにしました。 -
車をピックアップして、さあ、遠野さんぽに出かけます。
地図中の緑色で囲ったところが今日行く場所で、赤色で囲ったところは、明日訪れる場所です。
バスもありますが、本数が少なく効率が悪いので、レンタカーかタクシー、体力に自信があればレンタサイクルで巡るのがよさそうです。 -
最初の目的地はこちらの〈伝承園〉。
ここでは、遠野地方の農家のかつての生活が再現されているそう。
入口のこの茅葺きの建物は、農家の納屋を移築したものとのこと。伝承園 名所・史跡
-
入口の左手に竿が立てかけられています。そこにぶらさがっているのはキュウリ!
これ、カッパの釣り竿だね~。
茅葺きの建物の入口をくぐると、 -
日本昔話の世界が広がっていました。
左手の建物は帳場と催事処。 -
伝承園の案内図。
-
入って右手にあるこちらの建物は、遠野物語の話者、佐々木喜善に関する資料が集められた「佐々木喜善記念館」。
先に他を見てから、あとで立ち寄ろうと思ったけれど、結局、時間が足りなくなって見ずに終わってしまいました。 -
記念館の前には佐々木喜善の胸像がありました。
こんな風貌の方だったのか。 -
茅葺きの建物が建ち並んでいます。
-
左側の建物は、「板倉」と呼ばれる納屋で、壁がすべて板で作られています。
右側の建物は「工芸館」。民芸品や機織りの製作・実演が行われているそうですが、訪れたこの時間は実演はなかったみたい。
屋根をよく見ると、 -
ユリっぽり花がいっぱい咲いていた!
これ、植えてるわけじゃないよね? -
「板倉」の内部を見学。
天井が高い。外はすごく暑かったけれど、建物の中は風通しがよくて、涼しく感じました。 -
つるし雛がたくさん下がってる~!
この地方も、ひな祭りはつるし雛でお祝いするのかな?
調べてみたら、岩手県南から宮城県北にかけてつるし雛作りが盛んに行われているそうです。 -
綺麗だ~。
黒い壁と天井にとても映える。
夏のこの時期でも見ることができてうれしい♪ -
どうやらここでは、遠野の伝統工芸や文化が紹介がされているようで、
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遠野の民話語りの様子かな。
おばあちゃんたちの表情がお茶目♪ -
『遠野物語』にも登場している、「オシラサマ」も飾られています。
★『遠野物語』の「オシラサマ」:馬に恋した娘のお話。 -
「オシラサマ」は家の神で、蚕の神、馬の神、農業の神でもあります。
オシラサマは30センチほどの木の棒に布を着せた、男女1対の像になっていることが多く、頭の形は、馬頭と姫頭だったり、2体とも丸頭だったりなど、複数のタイプがあるようです。
年に1度、1枚ずつ布を重ね着させていくのだそう。 -
こんなかわいい飾りも。カッパかな?
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つるし雛だけでなく、木の枝にも飾るんですね。
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木の下にはイノシシの親子。
イノシシは子宝の動物で、たくさんの子どもに恵まれるようとの願いがこめられているそうです。 -
「湯殿」つまりお風呂。
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湯殿の内部。
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週に2~3回、入浴に使われていたとのこと。
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お風呂の水は、このつるべ井戸から金属の筒を通って風呂桶に注がれていたようです。
これだと水を運ぶ手間が省けますね。うまく出来てるな。 -
「曲り家」
住居と厩が一体になった家屋。 -
こちらは住居部分。
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で、こちらが厩部分。
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住居部分。左の棚は蚕の飼育に使われているようですが、このときはからっぽでした。
中央にあるのは機織り機。 -
囲炉裏の間。昔話の音声が流れていました。
昔はこんなふうに、語り部の話を囲炉裏を囲んで聞いていたのでしょうね。 -
繭玉かざり。綺麗だな。
作物や養蚕の豊穣を祈って、1月16日に家族で飾るのだそう。 -
曲り家から廊下でつながった土蔵へ。
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この先の土蔵にオシラサマが展示された「オシラ堂」があります。
廊下の両側には養蚕に使われる道具類が展示されていました。 -
こちらが「オシラ堂」。圧巻!
1000体も祀られているそうです。 -
オシラサマは遠野だけだと思っていたけど、青森県でも信仰されているんですね。
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入園者は願いをかけてオシラサマに布を着せることができます(有料)
願いの気がみなぎっているのか、ちょっとクラクラしちゃいました。 -
こちらの茅葺きの建物は「雪隠(せっちん)」。つまりトイレ。
このうちの一部は入園者用トイレとして実際に使われています。 -
伝承園の見学を終えて、次はカッパ淵へ。
ここから歩いて数分です。カッパ淵付近に駐車場はないので、ここに車を置いたまま向かいます。 -
途中に立っていたカッパの木像。
お賽銭箱にもカッパの絵が。 -
カッパ淵へカッパが案内してくれます。
カッパ淵は常堅寺の裏手にあります。 -
道の片側にずずっと続く、この緑のすだれのような植物は、
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ホップでした!
実際に見たのはこれが初めてかも。 -
常堅寺
常堅寺 寺・神社・教会
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お堂の前にたたずむこれは――
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カッパ狛犬!
頭のお皿には小銭が入っていました。 -
まっすぐカッパ淵へ。お参りもしなくてすみません。
案内版にカッパの足跡♪ -
小川に出ました。
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カッパ淵は左の小径の先にあるみたい。
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着きました!
人間を驚かすカッパが棲んでいたという淵です。
『遠野物語』では、カッパは人間の女性と密通し、馬にいたずらをします(カッパの話は数話あり)。カッパ淵 自然・景勝地
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カッパがいる! ちゃんとキュウリがお供えされています(笑)
奥の祠には河童神様が祀られています。 -
遠野のカッパは赤いそうだけど、これは青ですね。
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案内板に『遠野物語』の58話の一節が記されています。
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カッパ淵では、カッパ釣りもできます!(有料)
竿も用意されています。
餌はもちろん、キュウリです(笑) -
カッパ釣りに挑戦中の子どもたち。
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釣れるかな?
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カッパ淵周辺の田園風景。
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伝承園に戻って。
お食事処でソフトクリームを食べました。 -
このあとは、『遠野物語』ゆかりの場所をいくつか巡ります。
こちらは「コンセイサマ」が祀られている場所。
コンセイサマとは、男根を神体とする神様。子宝に恵まれるとされています。
『遠野物語』では、第16話に出てきます。山崎のコンセイサマ 名所・史跡
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「山崎金勢様」漢字だとこう書くんですね。
遠野には、このコンセイサマを祀っている場所がいくつかあるそうです。 -
この先のお堂に祀られている「コンセイサマ」は昭和47年に見つかったものなのか。
高さが1.5メートル! -
こちらがお堂。
あたりの空気が湿っぽくて、なんか心がざわつく。
妖怪でもいそうな雰囲気。 -
お堂の横にもコンセイサマが。
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お堂の扉はお賽銭箱でふさがれているので、扉越しに見てくださいってことでしょうか。
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扉のガラス越しに中をのぞくと、
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立派なコンセイサマが鎮座されておりました。
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車で引き返す途中の道沿いでも、コンセイサマを見かけました。
右側の石は女陰石のようです。 -
次は「山口の水車小屋」へ。
山口集落の水車 名所・史跡
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ここにある水車は、脱穀や製粉に使われていたそう。
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これが水車小屋か~。
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ここの山口集落は、『遠野物語』の代表的な景観地とのこと。
水車小屋が妙に新しいと思ったら、2016年に改修されたものでした。
新しすぎてちょっと浮いてるような気も……。 -
水車小屋の近くに、遠野物語の話者、佐々木喜善の生家がありました。
主屋は明治時代の南部曲り家。一般住居なので、通りから見るだけ。佐々木喜善の生家 名所・史跡
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この場所は遠野の聖地なのだそう。
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今日の最後の訪問場所は「デンデラ野」。
デンデラ野 名所・史跡
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『遠野物語』で姥捨て伝説の地として登場しています。
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今はトンボたちの休息地。
では、今日のお宿〈とおの屋 要〉へ向かいます。
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この旅行記へのコメント (2)
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- たらよろさん 2020/10/18 20:19:17
- 日本むかし話
- こんばんは、ショコラさん
日本むかし話の世界に私も行ってみたい…
遠野って書かれた駅の看板が本当に素敵。
どの駅も、こういう趣向が凝らしてあると、
用事もないのに駅に行ってしまいそう(笑)
それって、立派な町おこしになるよねー
そして、駅にSL銀河が停まっていた!っていうのもラッキーだなぁ。
近くで見てみたい!っていうか、
やっぱり遠野で乗ってみたいなぁ♪
たらよろ
- ショコラさん からの返信 2020/10/19 23:48:50
- RE: 日本むかし話
- たらよろさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!
遠野、ほんとに日本昔話そのまんまの風景が広がっていました〜。
ザシキワラシやカッパがひょっこり出てきそうで。
日本広しといえど、昔話や民話が今も息づいている町というのは、ほかにはもうあまりないかもしれませんね。
この世界をずっと守っていってほしいです。
駅の看板、素敵でした♪
釜石線の駅はこのデザインで統一されているようで、駅ごとにイラストが違うみたいです。「銀河鉄道の夜」と民話がコラボした感じで、なんともファンタジックでいいですよね〜。
この翌日はSL銀河に乗車して、童心に帰りました(笑)
ショコラ
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