2019/02/22 - 2019/03/22
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kemurさん
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2018年の夏。
小型サンショウウオに興味を持ち始めて八方手を尽くして自力で発見したヒダサンショウウオ生息地。
まだ繁殖期ではなかったので成体はさすがに見つけられませんでしたが(小型のサンショウウオは繁殖期以外は深い山の中で生活しているので見つけることが非常に困難なのです)、幼生を見つけることができ「繁殖期には必ず成体を発見したい!」と8か月間ほどずっと意気込んで年を越してしまいました。
その間、来るべきヒダサンショウウオとの遭遇に備え、知人("師匠"と呼んでます。)からシコクハコネサンショウウオやカスミサンショウウオなどの小型サンショウウオのレクチャーを受けてきました。
(参考)
シコクハコネサンショウウオの記事 https://4travel.jp/travelogue/11411854
カスミサンショウウオの記事 https://4travel.jp/travelogue/11438010
2018年の夏から2019年の繁殖期(2月ごろから始まります)まで、このポイントには合計10回以上は足を運びました。
自力で発見した生息地はそれだけ思い入れも深いため、気合が入ってしまうものです。
本記事には2018年夏の生息地発見から、2019年の繁殖期(2月~3月)までに観察した写真をまとめております。幼生の発見から、念願の成体発見までほぼ1年を通じて楽しむことができた素晴らしいポイントであり、何よりも格別に美しいヒダサンショウウオの熱狂的なファンになってしまいました。
※希少なサンショウウオの生息地保護の観点から、当記事に指定している「エリア」はダミーです。何卒ご了承くださいませ。
■■お知らせ■■■
下記のサイトにも小型サンショウウオやカエルなど両生類を中心とした記事を寄稿しております。よろしければご覧くださいませ。
https://totokore.com/
私の記事の一覧ページはこちら
https://totokore.com/author/kemur
- 旅行の満足度
- 5.0
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いきなりですが、近年、ネットオークションなどの商業目的による乱獲が、日本の両生類の絶滅リスクを高める要因となっています
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特に小型サンショウウオは見つけることが非常に難しいのですが、安易に購入に走らないことも大切です。購入する人がいる=市場に需要があると、乱獲と販売が収まらないでしょう。購入しないことが大切です。
とは言え、トウキョウサンショウウオのように法規制することが最善でしょうから、法規制を急いでいただきたいところです。 -
2018年夏。
各所から情報を仕入れてようやく見つけたヒダサンショウウオの生息地です。岩や砂礫が多い沢です。
夏は梅雨の影響もあってか、水量は割と多いところです。小型サンショウウオは主に冬~春に繁殖期を迎えるためその時期が成体の観察に最適な時期になります。同時に、探索は寒さとの戦いです。
さらに流水性の種類の場合(沢などに生息している種類)、生息場所は岩の隙間なのでとても探しづらく、坊主になることも多いのだとか。己の忍耐力との戦いでもあるわけですね。
まとめると、小型サンショウウオの観察には相当な気力と体力が要求されるということ。
良いポイントさえ見つけていつでも出会えるオオサンショウウオや、他の野生動物と比較すると難易度はかなり高いといえます。
さて夏に訪れたこの沢。冬に比べれば昼間は水面に照り返しがあって非常に探しづらいのですが、ダメもとで探してみました。幼生に出会えれば御の字なのですが・・・ -
橙色の実の隣に怪しい影が!
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偶然発見しました!ヒダサンショウウオの幼生です!!
初回の訪問で遭遇、これぞ完全なビギナーズラックですね。
残念ながらスマホしか所持していなかったので、動画を撮影し、画像としてキャプチャしたものになります。
真夏に発見してしまったので、うずうずとフラストレーションを貯めながら成体の観察に最適な初春を待つことになります。 -
春まで待つ間には「小型サンショウウオ観察の師匠」とも呼ぶべき人物と知り合い、シコクハコネサンショウウオとヒダサンショウウオが混生しているという沢に案内してもらいました。(このあたりの詳細は別の記事にまとめております:https://4travel.jp/travelogue/11411854)
探し続けること数十分、ヒダサンショウウオ幼生を発見してくださいました! -
そして念願の水中撮影も。
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おとなしい個体だったので、ゆっくり撮影させていただきました。
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尻尾の先が心なしかヒダサンショウウオっぽく紫色になっているような。
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やはり両生類の幼生は水中撮影が良い。
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あまりトーチライトで照らしても悪いのでここでお別れ。
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早春のヒダサンショウウオの繁殖期まで我慢できず、師匠にお願いして他県の生息地に赴き大雪の中で探索を行いましたが、結局見つけることはできず。
(その記事にについてはhttps://4travel.jp/travelogue/11438010にまとめております。)
そして年が明け、2019年2月下旬。
また自力で見つけたポイントに帰ってきました。夏場と違って沢はカラカラに乾いており、ほんの一部に水たまりが点在するのみ。
そして2018年の台風21号の影響により、木々が倒れこんでかなり荒れています。
このポイントは以前からヒダサンショウウオの探索が行われていたようで岩を無差別にひっくり返されておりかなり荒れていたので、これ以上荒らすわけにもいきません。
そういう時はリスク(イノシシとの遭遇や滑落転倒等による怪我)を覚悟のうえで、知人を拉致って夜間に突撃することに。
サンショウウオは夜行性のため、夜間であれば岩から出て徘徊している個体もいるのでは?と考えたからです。 -
そして狙い通りの展開。
夜間に水溜りに潜んでいる成体を発見!!
遂にこのポイントで成体に出会う日がやってきたのです。
しかも1つの岩もひっくり返すことなく。やはりサンショウウオに極力やさしい観察方法は「夜間突撃」だと思うのですが、いかがでしょうか。
※もちろん夜間は前述の通り様々なリスクがありますので観察は自己責任で。 -
予想していたより、黄色味が少なく、茶色っぽい個体でした。ちょっとヒダサンショウウオのイメージとは違います。
ヒダサンショウウオは小型サンショウウオ類の中でも際立って派手な模様(紫地に黄色の模様)なので楽しみににしていたのですが、これはちょっと意外でした。
※一時的に採取して撮影をしています。そのため、これ以下は生態写真ではありません。 -
尻尾が割と太いのでオスのようです。そして大きさもそれなりだったので、老成のオスだと思います。
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地色の紫が少なめですね。
どうせ見つからないだろうと諦めていたので、一眼レフを持参しておらず水中撮影用のコンデジで撮影することに。 -
8か月前から虎視眈々と温めてきたポイントだったのですが、拉致って同行してもらった知人が先に見つけてしまったためw自分の中で謎の炎が燃え上がってしまい・・・
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数日後、今度は一人で突撃してきました!
やはり自力で見つけてずっと温めていたポイントですから。自らの力で見つけてみたいですからね。
ただし、繰り返しになりますがやたらと岩をひっくり返して生息環境を荒らすような真似はしたくなかったですし、そんな体力もないので、師匠から教わった「コツ」を頼りに怪しげな岩を1つだけひっくり返すと・・・ -
イチオシ
岩の裏から黄色とピンクの美しいオスが現れたのです!
ヒダサンショウウオといえば地色が紫色のイメージですが、鮮やかな黄色が目に飛び込んできました! -
この個体が正真正銘、自力で発見したヒダサンショウウオ成体1号となりました!
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岩の下にうずくまる黄色い生き物を見つけた瞬間は写真には撮影できませんでしたが、今でも脳裏に焼き付いています。
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尾もスラリと長く、顔もイケメン。背面の黄色と腹面のピンクのコントラストがいい感じ。
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嬉しくて嬉しくて、発見した時は腰が抜けそうになりました。
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ネット上に掲載されている写真でもあまり見たことがない模様なので、感動も一入。
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これぞ両生類の個体差の魅力、というやつです。
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ここからはしばらく連写しまくった写真をどんどん貼り付けていきます。
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表情が精悍なので、両生類というよりは爬虫類っぽいですね。
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大きさは全長12cmくらいです。イモリと同じくらいの大きさでしょうか。
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模様は他の産地の個体と比べると、荒々しい感じかもしれません
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1匹目からこんな綺麗な個体を見つけてしまったので、2019年の運を全て使い果たしてしまったんじゃないかと心配になるほど。。
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すらりとした体躯はハコネサンショウウオすら連想させてくれます。
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イチオシ
日光浴をするイグアナのようなポーズも決めてくれました。
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図鑑風に真横から撮影。
生き物の写真は図鑑に載っているような写真が好きです。 -
撮影しながら、2018年に初めて幼生を発見してからこの成体を見つけるまでの長い道のりを思い返して感動に浸ってみたり。
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ヒダサンショウウオはカスミサンショウウオのような止水性サンショウウオと違って、岩がゴロゴロしていて水量があまり多くない沢に生息しているため、見つけようとするとそれなりに岩をひっくり返す必要があります。
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バール等を使ってそれらしい岩を根こそぎひっくり返す人もいるようですが、やはり荒らした環境は可能な限り元に戻すのがマナーかなあと思いますね。
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もちろん人間のエゴで成り立っている趣味ですし、自分もそれを趣味としている人間なんで偉そうなことは言えませんが。
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イチオシ
個人的にはひっくり返すためにバールが必要になるほどの大きな岩は、ひっくり返したところで元通りにするのが困難なはずなので環境が荒れるはずです。
ゆえにサンショウウオ探索にバールを使うのはやめた方がいいかな、と。 -
僕はひっくり返して元通りに戻せる岩だけ探ることができれば十分だと思います。
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サンショウウオに限らず、サワガニやタゴガエルもヒダサンショウウオと同じような環境に生息していることが多いので、彼らにも影響与えますしね。
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それにしてもあまり逃げることなく、撮影に応じてくれる個体で助かりました。
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たまにモデルのようなポーズを決めてくれる良い子です。
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ヒダサンショウウオ美個体、十分に堪能させていただきました。
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不思議なもので、1匹見つけてしまうと「師匠から教わったコツ」というのが体得できた瞬間も味わうことができ、妙に自信が付いてくるものです。
翌日も再度訪問し、怪しげな岩だけに狙いを定め、ひっくり返しては元通りに戻し、を繰り返していると何と3個目でもう1匹発見することができました。 -
イチオシ
前日の黄色い個体とは裏腹に、紫褐色が強いヒダらしいヒダです。
こちらも、岩をひっくり返して発見した瞬間は写真に撮影できませんでしたが特徴的な紫と黄色が真っ先に目に飛び込んできました。 -
前日の美個体よりも剽軽な顔をしています。
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もともと生息数が少ないポイントのはずなのですが。
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2日連続で発見することができて喜びとともに謎の自信が付きました。
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ヒダサンショウウオが潜んでいそうな岩にはタゴガエルも潜んでいることが多いです。
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そんなタゴガエルたちにも愛を感じてしまっているため、別の機会にタゴガエルについても記事をまとめたいと考えています。
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ヒダサンショウウオは苔の上よりも黒っぽい岩の上の方が派手な色彩が目立つかなと思って撮影してみたのですが。
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そこらじゅう苔むした岩ばかりで、意外とこのようなつるっとした黒っぽい岩を探すのがたいへんだったりします。
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イチオシ
黄色の模様は割とワイルドな感じですね。
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もちろん産地によって模様が異なるので、どんな模様が一般的になのかわかりませんが、ネット上で見ている印象ではもう少し模様が細かい印象。
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他の地域の個体群にもいつか出会いたいものです。
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ヒダといえばこの紫の地色がたまらないです。
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このポイントでは都合3匹も観察・撮影できました。大満足です。
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来シーズンが楽しみだなあとのんびりしていたのですが・・・
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3月下旬に行けば運が良ければければ卵嚢も観察できるかなと思い、また知人を拉致って最終訪問。
このポイントで最初の1匹を見つけてくれた知人が僅かな水たまりを徘徊していた個体を見つけてくれました。 -
抱卵して腹部がパンパンに腫れおり、尻尾も薄くて小ぶりなので間違いなくメスです。
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このポイントでは間違いなく紫が一番美しい個体でした。抱卵しているのであまりストレスをかけないようにパパっと撮影。
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イチオシ
ヒダサンショウウオの雌雄は尾の太さで見分けるそうです。
尾が太いのが雄で、細いのが雌。
この個体は雌なので、尾がペラペラでした。 -
沢の岩のうえに居るとさらに紫色が目立ちますね。
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真横から見ると、お腹がパンパンです。
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このポイントで発見したこれら4個体の写真を見比べるとおわかりいただけると思いますが、形態や模様の個体差が激しく、その個体差の観察こそが最大の楽しみであったりします。
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紫の地色に金粉を散りばめたような、典型的な関西のヒダサンショウウオに見えますね。
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イチオシ
またこの金粉模様の表情が個体によって違うので楽しみが(略
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もうすぐにでも卵を産んでしまいそうな個体なのですがオスはどのように察知して集まってくるんでしょうね。
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サンショウウオは魚類と同じく体外受精なので、必ず複数のオスが集まってくると思うんですけどね。
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以上、昨年からずっと狙ってきたヒダサンショウウオでした。
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関東のヒガシヒダサンショウウオも含めた広義の"ヒダサンショウウオ"としては生息範囲は広い種類で、小型サンショウウオの中では割と普通種になるかもしれませんが僕は間違いなく一番好きな小型サンショウウオです。
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来シーズンの観察も今から楽しみ。また1年間、うずうずさせられてしまいます。
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