2019/01/22 - 2019/01/22
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watersportscancunさん
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さて、そんなわけで、本題パート2、2019年度一発目の店長日記いってみよっか。
長々と、新年の挨拶を書いてしまったが、これを読んで怖くなってカンクンに来るのを止める人が出たらどうしようか?!という不安は当然ないことはない。だが、ボクが15年カンクンに在住してきた中で、怖い目にあった事は、正直5回もない。ブログではちょこちょこ書いているけれど、間抜けな強盗(素手だった(笑)に襲われたり、友人と昼食をとっていたら、駐車場で麻薬組織の幹部が暗殺されたり、カンクンではないけれど、メキシコシティで5人組の強盗に囲まれたり。。。知人のお店に強盗が入ったり、隣のゲイカップルの家に空き巣が入って根こそぎ持っていかれたり(電球の球や便座まで持っていかれた)、、ちょっと思い出してもこんなもん。。。
逆に、これも何度も書いているけど、アメリカ(ボストン)に7年いたころには、車両盗難1、車上荒らし1、拳銃強盗1(後ろから拳銃を後頭部に突き付けられた)、挙句、友人がナイトクラブで女の子を巡って言い争いになって目の前で撃たれるという事も一回あった(ちなみに、そのアメリカ人の友人は撃たれた場所と拳銃の口径が小さかった為、軽傷で済んだ)
正直、一般的にはアメリカの方がメキシコよりずっと安全という印象があると思うのだけれど、ボクの中ではアメリカの方がずっと危険な事が多いというイメージだ。そもそも、拳銃の一般所持が認められている時点で、それが認められていないメキシコとは雲泥の差がある。ボクのメキシコの友人で銃を所持しているのは一人しかいない。それも、しっかりと許可証から全て持っている日本で言う猟友会の友人だ。それ以外で所持しているのはゼロ。逆にアメリカ人の知人は自宅にほぼ例外なく拳銃やライフルがおいてある。
だからと言って、アメリカが怖い、アメリカにはいかない、、、なんて事はなく、今でもアメリカは大好きな国の一つだし、時々遊びに行ってもいる。
ボクが言いたいのは、危険な話や体験をしているが、こうした事は全て事前に知っていたら、避けられたことだということ。危ないと言われるエリアで食事をしたり、危険だと言われる時間帯に不用心に外を歩き回ったり、よく盗難があるといわれるエリアに車を駐車したり、、、そういう事をあらかじめ知っていたら、避けられたことばかりだという事だ。
実際、車が盗難されて、警察署に行って盗難報告書を書きながら、担当の警察官があの辺りは車両盗難が多いエリアなんだぜ、どうしてあんなところに停めてたんだ?!と言われた時には、そんなん知ってたら停めてねーよと言ってやった。バカにするにもほどがあるだろ(苦笑)
カンクンだってそうだ。危ないエリアを危ない時間帯に歩き回れば、強盗に合う確率だって上がる。要はそういう場所と時間帯をしっかりおさえておくという事だ。逆にそういう事が分かっていれば、安全に楽しむことだって出来るわけで、こうした情報を隠す理由などどこにもない。
備えあれば患いなし。皆さんも、しっかりと肝に銘じて旅行を思い出に満ちた素晴らしいものにして頂きたいと思う。
さて、年明けからメキシコシティ出張があったりとバタバタしたが、またその時の事は書くとして(今回は、ちょっとランクを上げて一泊2800円の宿に滞在して来たが、1000円台の宿と2000円台では雲泥の差があったぞ(苦笑))、今回は、最近品不足が続いて、問い合わせが増えているのになかなか良いものを提供できなかったパナマ帽の仕入れと、弊社で販売している「マヤの塩」の現場体験を中心に書きたいと思う。
年末年始の忙しさから解放され、今年一発目の買い付けの日がやってきた。毎年、年明けにはパナマ帽の買い付けに行くのだが、最近はメリダの卸には、全くといっていいほどグレード3以上が入らなくなった反面(逆にグレード2以下のものは比較的、市場には流れている)、需要はグレードが高いものが増しているという反比例するバランスを満たす為、ここのところは、産地まで出かけていくようになっている。
高騰を続けるパナマ帽の高いグレードは、メリダのお土産屋などにはおいてすらいない。あっても、軽く$200USDを超えた価格を言われるのが普通で、それすらあったらラッキーのような状況だ。繰り返すが、グレード2以下は結構見る。あ、カンクンでは全然売ってないけど。
これにはいろいろ理由がある。まず、原料となるトキヤ草の不作がずっとここ数年続いている事と、それ以上に深刻なのが、職人の減少と、若手育成の伸び悩みだ。
原料不足はどうしようもない事だが、作り手がいなくなる方は、実に深刻で根が深い。グレードが゛上がるほど細かくなっていく手作業は高齢の職人さんにも負担が大きくなっていて、ほぼ趣味と自らの技術の維持と、職人としてのプライドだけで作っているような状態だ。高齢化するパナマ帽職人は皆、びっくりするくらい厚い牛乳瓶の底(という表現わかる人、まだいるのかな(笑))のような老眼鏡をかけて作業を続けている。
ユカタン半島は、石灰岩の岩盤でセノーテがいたるところに存在するが、そうしたセノーテといわれる洞窟の中で、ろうそくの明かりと、差し込むわずかな日の光の中、湿度と気温が高い地下洞窟でもくもくと作業を続ける。
グレードの低いものでも2日から3日、弊社で需要が多いグレード3で1週間、グレード4で2週間も一つの帽子を編み上げるのにかかる。一人の職人が作り上げられる帽子の数は、グレード3でひと月たった4本しかない。。。
だから、当然数を多く作ることが出来る低グレードがメインに生産され、グレードの高いものは、メインとなる低グレードの帽子の生産(卸業者からの注文があるため、これが彼らの安定した収入源になっている)の方手間に、先にも書いたが、趣味的な位置づけで作り上げられていく。
方手間だから、真面目に作り続ければ一カ月に4本だが、実際は、ひと月1本も出来ていなかったりする。
産地を回り始めたころは、こうしたグレードの高いものも比較的在庫をしている印象だったのだが、これは、それまでに趣味的に作り続けたものが溜まっていた在庫で、販売用に生産がされたものではなく、あるだけ(といっても、10本くらい)買い付けてしまうと、次に行くと一つも買えなかったりという事が、産地にも関わらずあったりして、苦労をさせられた。
まぁ、ボクにとっては、これがメインの商売ではないし、なかったらないで問題はないわけだけれど、産地に出入りし、実際に職人さんと仲良くなってくると、感情移入もするわけで、、、商売を抜きに応援したいという気持ちがつよくなってしまった。
そもそも、若手が育成されないのは、その肉体的な負担の割りに儲からないからだ。今までも母親やお祖母ちゃん職人が、家事の方手間の内職として続けて来たもので、生活の足しにするという程度のものでしかなかった。今でもその構図はあまり変わっていない。だから、少なくとも、頑張ってパナマ帽を作れば、生活を豊かに出来るという夢が見えた方が絶対にいい。
そんなわけで、ボクは産地だからといって、安く買いたたくことはせず、メリダの卸から以前購入していた価格を、そのまま支払うようにして、更に、ある程度まとまめて発注し、希望のカタチや大きさ、つばの長さなどを指定して、出来上がったら取りに行くというスタイルを取るようにした。
中間マージンがなくなって、職人さんの手取りも増えるし、ボクの方も、好みのグレードでカタチや大きさを指定出来るので、お互いにウィンウィンというわけだ。
そんなわけで、頑張って作ってくれるのだけれど、それでも、半年で5~10本ほどを受け取ってくる感じだ。事前に注文をしているのに、半年で5本~10本。。。もちろん、直接買いに来る人に目先のお金の為に売ってしまう事もあるだろうけど、この少なさは否めず、、、今回も、提携の職人さんを回って、全部で23本をようやく手に入れてきた。
こうやって、少しでも現地の人に貢献できること。更に、お客様にも喜んでもらえる事。これってやはり仕事をしていてやりがいにつながる。これ商売としてやっていたら、絶対に出来ない。仕事ってのは、お金の為だけにやるものではない事を、こうしてボクはいつも感じさせられている。
というわけで、グレードの高いパナマ帽が入ったので、興味のある方はまたご連絡くださいね。
さて、こんな産地ベカルの街を後にして、ボクが向かったのは、セレストンの港町。ちょっと知っている人には有名なフラミンゴのいる街だ。弊社でもやっているリオラガルトスのピンクレイクと同様に、ここはフラミンゴ以外にも重要な産業がある。
そう、塩だ。
有名なピンクレイクも塩田なのだけど、大きな違いは、リオラガルトスは工場として操業しているのに対して、ここは全て昔ながらの手作業による日干し製法で塩が作られているということ。
弊社で販売しているマヤの塩は、ここの塩を使っている。
塩というと、塩化ナトリウムの結晶だけれど、日本で流通しているものは純度99%のほぼ完全な塩だ。この純度の高いものが質の高いものという位置づけであるならば、ここで作られるマヤの塩は、不純物一杯の塩という事になる。
しかしながら、96%くらいの純度で、残りはにがりやマグネシウムやカルシウムといった成分が含まれている方が、味わいに違いが出る事は、食通の人なら誰しもが知っていることだと思う。日本で販売しているこだわりの塩など、わざわざ、にがりを後から添加して生産しているものまであるくらいだ。
塩ってのはこだわり始めると宗教になっちゃうからね。。。と、ボクの知人に言われたことがあるのだけれど、まさにその通りで、ワインと同じで、塩加減という言葉があるように、本当にちょっとした違いが及ぼす味わいの変化には、驚かされるばかりだ。
そんな、ボクが愛してやまないマヤの塩の生産地も今回は紹介しよっか。
今回の目的は、僕自身も塩の採集作業を体験してみること。塩引きといって、結晶化した塩をかき集めるとっても重要な作業を体験する事だ。これ正直素人のボクのような人間にはやらせてもらえない作業なのだけれど、そこはメキシコ、お願いして少しだけやらせてもらう事になった。もちろん、メインは、この昔ながらの塩づくりを紹介する為に写真撮影もする事だったので、それ以外は、もっぱら見学と取材に徹したのだが。
ユカタン半島は6500万年前に隕石が衝突し、半島として土地が隆起してから、石灰岩の岩盤を通じて海水が内陸の沿岸部に入り込み湧き水のようにして湖が出来上がるようになった。通常、内陸深くに入ると、淡水度が増し、今では有名なセノーテとして、観光や地元の人々が遊泳をしたり、古代の時代(今でもだけれど)は、貴重な生活の水源として、また、地下世界へ通じるシバルバの世界として信仰の対象にもなって来た。
沿岸部は海とつながっている為、淡水以上に海水が混じり込み、塩湖が出来上がる。わざわざ、海水を引く必要がないのが特徴で、つまり、一般的な日干し製法は、海の干満を利用して、海水を引き入れるのだけれど、ここの塩湖は地底のセノーテから染み出る、石灰岩でろ過されて、ミネラルが加えられた海水がベースになっているのがポイントだ。
ちなみに、ピンクレイクのあるリオラガルトスは、現在は、効率化のために、人工的に海水を引き入れているから、古代から続く本物のマヤの製塩が続いているのはここだけになる。
しかも、何もしないで、雨期になると雨と湧き出す海水で塩湖が出来上がり、その後乾季に入るにしたがって自然に干上がる湖の表面に結晶として浮かび上がる塩を、丁寧にかき集めて、自然に日干し乾燥をさせるという、実に自然任せの、、、まさに古代マヤの時代から変わらない製法をとっている。
だからこそというか、自然による日干し乾燥で時間がかかる分、ミネラル分の流出がすくなく、とくににがりの成分が多く残るのが特徴で、塩分濃度が低い(舐めると通常の塩のような塩辛さが少ない)おいしい塩が出来あがる。
書くと簡単だが、ちなみにこれ、塩が出来るまでじっと何もしないで待っているわけではない。
塩湖が干上がっていくまでに、底にたまった汚泥を丁寧に取り払う実に地味だが、重要な地作りも大切な作業の一つ。大体収穫の最盛期を迎える5月に向けて、長い時間をかけて、一つ一つを手作業で行っていく。地作りの作業をやらせてほしいとお願いしたが、素人の私は怪我をするから止めとけととめられた。
曰く、塩の結晶というのは鋭いダイヤモンドのようなものだから、収穫が近づくこの時期(1月)は湖に入ると、その塩の結晶で足が切れるのだそうだ。
実際、そうして足を見せてくれたが、傷だらけだった。。。塩水に浸かって足が切れると、その痛みは半端ない事になるのは想像に難くない。。。というわけで、軟弱なボクは次回、足のサポーターをつけてくることで自分を納得させた。
それにしても、作業をするのは、地元のマヤの人たちで、スペイン語よりもマヤ語の方が当然だがネイティブだ。シャイな性格の彼らに、少しだけマヤ語で話かけると、途端に打ち解けていろいろ話を聞くことが出来たが、作業をしている一人の少年は、まだ16歳だと言っていた。。。
クリスチャンという少年は、なんと12歳からこの仕事をしているという。。。ちなみに、メキシコは18歳以下の雇用は禁止されている。親の承諾があれば16歳から働けるが、12歳は完全な違法だ。だからこそ、彼らは家業の手伝いという名目で仕事に従事をする。
塩袋に塩を目いっぱい詰め込んで60kgになったところで、車に乗せていくのだが、これが実に重い!! ベンチプレスで90kgがやっと上がるようになったボクでも、バーベルのようにバーがあるものではない60kgの袋を肩まで持ち上げて車に乗せるのはかなりの重労働だ。。。
それを100袋も一日に裁くという。。。驚くのは、一週間で1200袋を運ぶというその重労働の内容だ。ブラックとかいう問題じゃない。朝は7時に集まり、8時から塩引きや地ならしの作業をし、その後、14時まで作業をした後、昼食の時間を挟んで、工場で塩の洗浄をしたり荷物の積み下ろし出荷の手伝いなどをし、22時まで働くのだと言う。。。一日17時間労働だ。。。
いつ寝てるんだ?!という質問に、終わったら家に帰って寝るんだよ。。。と笑う。。。ちょっとでも体を壊せばおしまいじゃないか。。。が、もちろん、会社員として働いているので社会保障はついているそうだが。。。それにしても。。。(汗)
日本人は一体いくらくらいサラリーをもらうんだと言われたから、初任給で15万から20万円くらいだと控えめに現地通貨で答えたが、意外と少ないな。。。という反応にはちょっと笑ってしまったが(笑)
因みに、彼らの給料は、一つのバケツ(70kg)を運んで15ペソ(100円弱)がベースになっているそうで、大体日給で400ペソくらいらしい。ひと月8000ペソ(5万えん)くらいの計算だ。
ちょっと考えると結構もらってるな、、、と思ってしまうが、仕事の内容を考えるととてもではないが割りに合う仕事ではない。。。一日17時間も働いての数字なのだから。残業手当なんてつくわけもない。
とはいえ、では他の仕事があるかと言えば、選択肢は多くはない。生きていくためには仕事を選んでいられる土地でもない。だから、もくもくと仕事をこなす。そして、彼らは口々に言う。仕事がないよりマシだよ。仕事があるだけ神に感謝しなくちゃと。。。
ボクはこの土地の塩を売っている。大した数ではないし、ツアーではサービスとして差し上げたりもしているが、こうした頑張る彼らに少しでも貢献が出来たらと思ってやっている事だ。パナマ帽と同様に、この塩も商売としてやったら割に合わない。。。
ただ、ボクが、このマヤの塩を愛してやまない理由も分かってもらえると思う。
何故ボクがこの土地の塩を愛用し続けるのか。もはや、ボクにとってマヤの塩は宗教であり信仰にもなっているのは何故かが分かっていただけると思う。
こうしていろいろな縁でこの地と繋がったボクが、地域の人たちに微力でも貢献をすること。それがボクに出来る最大限の感謝のしるしだと考えている。そして、こんなこの土地から生み出される産物を手にするお客様もまた、この土地に深いつながりが出来ることになる。
こうした文化の橋渡しを、ボクはこれからも続けていくつもりだ。いらないと言われても、使ってみてくださいとこれからも、配り続けていくだろう(^^)少しでも、ファンが増えてくれるように。。。
さて、またまた長文になってしまったので、この辺で筆をおく。つづきは、お待ちかね、写真の方でご覧ください。一応、セレストンのボートツアーなどにも行って来たので、その写真もアップするよ!
皆様の素敵な一日を祈って!
店長吉田拝
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ベカルの街は、パナマ帽の街
だから、ソカロにはこんなモニュメントがそびえ立つ(笑)
この辺りをうろうろしていると、パナマ帽を買わないかーと声をかけられるので、よくわからなかったら、連れて行ってもらうのもいい。
もちろん、決して安くはないけれど、他では手に入れることが出来ないグレードの高いものが手に入る。 -
産地の職人さんの家の一つ。家の裏手に作業場(地下室)があって、そこで少しずつ生産をしている。そうして、出来上がったものを自宅兼店舗で販売もしている。
ベカルに行かれたら、こういうお店が結構あるので、行ってみると面白い。値段は決して安くないけれど、グレード5なんてとてつもない芸術品にも巡り合えたりするよ。
場所はメリダから車で1時間半。カンペチェ州境を超えた先にある小さな村。 -
お店の中ではこんなカラフルなパナマ帽も販売している。
ただし、こういう色のついたものはグレードが低いものしかない。基本、パナマ帽は素材感が大事なので、色付きの物は、作りの悪さを見た目で誤魔化すためのものでもある。
なので、グレードが高いもので色のついたものはない。
ただ、可愛いので子供用などには良いと思う。 -
作業場にはトキヤ草がこうして乾燥させられている。
今の時期は湿度が下がるので、大きな作品は作るのが大変だそうだ。湿度が高くないと、トキヤ草が編んでいる間に切れやすくなるからだそう。 -
地下の作業場へ続く階段。
入口はこうして人工的に整備してあるけど、地下におりると、自然のままのセノーテ(洞窟)が広がっている。各家庭にこのように洞窟が、こ村にはあって、そこでパナマ帽を伝統的に生産をしている。
作業風景は、ボクの過去ブログをご覧ください。 -
ここは、もう一つの生産者のお店。頼んでおいたパナマ帽の品質とサイズをチェック。。。親父さん、かぶってボクが注文したサイズと品質をチェック。。。
これがユカタン流。。。超アバウト(笑)
ただ、凄いのは、被り心地で、グレードが分かるところ。ほんとだよ(笑)
グレードの2と3ははっきり分かるけれど、3と4は本当に微妙な違いしかない。見た目だけでは、老眼の親父さんには分からないので、被って確認をするんだけれど、これが100発100中(笑)
今回こうして、いろいろ回って、やっと23本手に入った。これだけ苦労して手に入れても、全部売れても儲けは、ボクがここまで買付にいく経費が出るくらいしかない(苦笑)
でも、本文でも書いているけど、ボクは商売のために、パナマ帽を売っているわけではなく、産地への協力のつもりなので、それでいい。儲けを考えたら、とてもではないが、売れる金額では販売出来ない。。。ま、、、だから、カンクンではどこにも売ってないんだけれど。。。儲からないから。。。(苦笑)
産地で叩いて仕入れればもう少しは儲けが出るかもしれないけれど、そんなことはしたくないので、文化の橋渡しと思ってやってます。 -
そして、続いてはセレストンへ。。。
この穏やかで美しい海は、メキシコ湾。。。カヤックなんかも楽しめるとても美しい海。。。 -
この辺りは、周りに何も建造物がないので、ずーーーと、自然のままの美しいビーチが続きます。。。
因みに、セレストンはカンクンとは反対側の西海岸側にあるので、夕日は海に沈んでいきます。。。。
マヤ時代から作られる塩は、この美しい海から生まれます。 -
自然がおりなす波紋が美しい景色に彩を与えます。
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これは朝日。。。太陽が照らすのは美しい塩湖です。
さぁ、一日の始まりです -
なお、冬場の乾季は、特に、この生き物が多いです。。。
さて、何でしょうか?
脅かさないように、そっと近づいてみましょう。。。 -
正体は、そうフラミンゴです。
塩湖には、アルテミアという小さな甲殻類が生息していて、これをフラミンゴが捕食しています。このブラインシュリンプとも言われる1億年前から生態を変えていない生きる化石の色素によって、フラミンゴの色が決まります。
あと、良く、リオラガルトスのピンクレイクは、このアルテミアの発色でピンク色になっていると、説明がされることがありますが、そんなわけはなく、これは、塩湖に発生する好塩古細菌であるバクテリオロドプシンという細菌が紫外線に反応して発色するのが原因で、アルテミアとは関係がないので、注意が必要です。
まぁ、フラミンゴがピンクなのはアルテミアが原因なのと、湖がこのフラミンゴと同じピンク色ってことで、誤解を生んでいるのだとは思いますがね(^^;; -
因みに、セレストンの塩田は、ピンク色ではなくオレンジ色に輝くのですが、これは、ドナリエラという緑藻の一種で、この藻が産出するカルテノイドが原因と言われています。
なので、このエリアの湖がピンク色になる事はめったにありません。
なお、このドナリエラには強力な抗酸化作用があるため、ガンの抑制やアンチエイジングなどに利用もされている成分と言われています。
塩よりそっちの成分を抽出した方が産業になりそうですが。。。(苦笑) -
午前8時、作業が始まります。塩田の中に入る作業は健康への配慮から11時までと決められています。ただし、今の時期は入りっぱなしでの作業はほとんどないので、そこまで厳格に守られてはいません。
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このエリアにあるいくつかの塩湖で作業員が手分けをして各自の仕事にかかります。
日干し製塩で有名な塩掻き。このトンボのような道具で、表層に浮かび上がった塩の結晶を集めます。
ざっざっざっと軽快に塩を集めていくのは、簡単に見えますが、表面だけを掻かないといけないので、やってみると難しいのです。。。 -
店長もやらせてもらいました。
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難しいです。。。思ったように、引けない。。。ついつい、力が入って下の泥まで掻いてしまいます。。。
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これが塩の結晶です
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こうして集められた結晶は、このように山にしてまとめていきます
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実に美しい景色の一つ。
古代マヤの時代よりから変わる事のない塩山の景観です。
因みに、ここの湖も雨期になると空からふる雨の淡水と、地下から湧き上がる石灰岩にろ過されて湧き上がる海水が混ざり合い、自然の塩湖が出来上がります。
海の干潮を利用する海塩とは違い、このエリアの塩は、セノーテから湧き上がる海水によって出来上がる塩湖が、乾季にかけて干上がるユカタン半島だけの特殊な大自然のメカニズムによって生み出されています。 -
集めた塩を一輪車に載せて乾燥場に運びます。そこで自然乾燥をさせます。昔は、こんな便利な一輪車はなかったので、バケツに入れて頭で担いで運んでいたそうです。
ちょっとだけ?!文明の利器が使われています。 -
乾燥場で自然乾燥させた塩は、こうして60kgの塩袋にいれて集荷場まで運びます。
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まだ、16歳と17歳のクリスチャン君(左)とフランシスコ君(右)
12歳の時からこの仕事をしているといっていました。メキシコでは違法の年齢ですが、家事の手伝いという事で働いてきたそうです。
仕事は、当然これだけではありません。。。
上記の塩掻きと袋詰め以外にも、まだまだあります。 -
大切な地ならしです。
これから干上がっていく、他の塩湖を収穫時期に向けて、塩湖に沈殿している汚泥を取り除く作業です。 -
塩湖に浸かりながら、網を引いていきます。水深が浅くなってくると塩の結晶が溜まってくるので、足を切って怪我が絶えないそうで、私もやらせてほしいとお願いしましたが、止められました。
足を見せてもらいましたが、傷だらけ、、、塩水に沁みる傷口は、想像するだけで、痛そうでした。。。 -
因みに、これが塩の大きな結晶。
こんなのが、水中で足にこすれて切れるそうです。。。これは痛いし、怪我もします。。。 -
この地味だけれど、大切な作業は、収穫が始まるまで続くそうです。
このエリアの湖が完全に干上がり、収穫の最盛期は5月になります。その時期になると、このエリアには巨大な塩の山が出来上がります。 -
集荷された塩は、今度はこうして一つ一つ手で持ち上げて、トラックに積んで出荷されていきます。ちなみに、この塩は、グラノといって、工業用の塩になります。全体の80%は工業用の塩として出荷され、例えば、日本などで純度を高めて再加工され、工業用(これインスタント麺などにも使われる)や肥料や融雪剤として利用されます。
年間70万トン。ユカタン半島ではリオラガルトスについで2位の出荷量だそうです。 -
一人で100袋。週1200袋を積み込むんだぜ!と力自慢のマニュエル君もまだ16歳だと言っていました。
仕事があるだけ幸せだ。。。
まだ、そういう世界が世界中にはたくさんあるのです。 -
さて、塩にもいろいろあります。続いても、自然乾燥の天日精製による塩の中でも、最高級と名高い「塩の華(Flor Del Sal)」の塩田に出掛けてみました。
ボクも表層1%とかいうと、ビジネス的で好きな表現ではないのですが、先に御覧いただいた塩と違い、こちらの塩は見るからに上質です。
塩の山も実に美しく、、、将に湖に浮かぶダイヤモンドのように輝いています -
このエリアは表層がキラキラとダイヤモンドのように塩の結晶が輝いています。
写真でわかりますかね??? この美しい結晶だけを丁寧に集めます。 -
当然ですが、この塩田で作業が許されるのは熟練した職人さんに限られます。この道60年の熟練職人が、軽快に丁寧に塩を集めていきます。
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集められた最高級品の「塩の華」
これ市場では100g300ペソ($20USD)という高値で取引される超高級品です -
こうして集められた塩の山は、先と同じように一輪車で乾燥場に運ばれます。
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乾燥場の塩の山。自然乾燥だけで、仕上げていきます。
いとおしそうな眼差しを塩の山にむけながら、ここの塩は最高の塩なんだ。古代マヤの時代から何一つかわっちゃいない。。。大自然の恵みたっぷりで、化学物質なんて入っていない完全オーガニックなんだよ。。。
と自信ありげに語ってくれました。
「って、あんた、昨日も買いに来てくれたよな?」と言われたので、いや、、、初めてだけど、、、何、東洋人だったの?!と聞いたら、白人だったな。。。と(汗) どういう間違え方やねん!と突っ込みつつ、最近は、世界中からこの塩をわざわざ買いに来る料理人がいるんだよ。。。と、言って満足げに笑ってくれました(笑) -
この道一筋60年の、本当の意味で潮焼けをした精悍な顔が印象的でした。
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出来上がっている、塩の華の山から、ボクも塩を分けてもらって来ました。
実際に、作られた場所から持ってきたものだから、本物間違いなしです?!
1kgでいいと言ったに、、、5kg以上も入れてくれたのはいいのだけど、、、徒歩でやって来たボクにはちと重たいお土産になってしまいました(苦笑)
因みに、セレストンの街から、この場所まで徒歩で2時間くらい歩いたんだぜ(汗) -
弊社では、今回、この最高級品種の「塩の華」をパックして販売も開始したので、興味がある方は、ウォータースポーツカンクンの店長吉田までご連絡頂きたいと思います。
あ、今回もらって来た5kgの分は、100gずつ小分けにして、弊社ツアーご利用のお客様で、ご希望の方にプレゼントします(笑)
因みに、通常グレードの「マヤの塩」もこれまで通り販売しています。 -
これが一般市場に出回っている最高級品種と言われる「塩の華」
通常の塩より結晶が細かくキメが細かい。 -
これが、セレストン産の「塩の華」
上記の写真と比べても違いは明らか。。。結晶の粒が輝いているのが分かると思います。。。。 -
アップでの結晶の写真。これが、通常の「塩の華」
-
こっちが、セレストン産の塩の華。
マヤの時代から、最高級品種として重要な交易品として取り扱われて来た当時のまま。西洋に伝わってから600年、マヤの時代から少なくとも1500年前から、同じ方法で採集されている最上級の塩。。。
今でも、世界中から料理人が直接買い付けに来ると言われる理由は、この写真からだけでも、伝わるのではないでしょうか??
見た目で違うが所詮塩だろ?!と思いますか?!?! -
この塩を使って焼いたHuachinango(赤鯛)は、最高に美味かった。
セレストンのシーフードは、観光地化されているので値段は安くないが、とても美味い。その理由の一つは、間違いなく塩にあると確信をした店長吉田なのでした。
さて、続いては、観光地セレストンを少しだけ紹介しますよ -
と言うわけで、セレストンでは定番のボートツアーにレッツゴー!
ボートは個人で行くとチャーターのみしかなく、1時間15分のツアーで一艇1500ペソ(1万円弱)
分かると思うけれど、決して安くはありません。。。なので、メリダなどから、ツアーに参加してグループで訪れる外国人の観光客が多いです。 -
ボートツアーでの見どころは。。。
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当然フラミンゴ(笑)
乾季の冬場がやはり数が多いので、今の時期は最高のフラミンゴシーズンになります。 -
因みに、これはオス
どうしてわかるのかって?!
首を高くあげて、ギャーギャーうるさく歩き回っているのがオスだからです(笑)
メスはオスのまわりで、穏やかに捕食をしています。
フラミンゴのオスはいかにも男って感じで分かりやすいですね(笑) -
ボートツアーの見どころは、マングローブのジャングルを抜けるこの水路。
シアンカーンでも体験出来ますが、セレストンのマングローブは、カンクンエリアのマングローブの3倍から5倍の大きさがあり、迫力が違うのが特徴です。 -
マングローブがとにかくデカい!!
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シアンカーンでも見ることが出来ます、アリ塚。
こっちでは、テルミーガとかテルミンと呼ばれています。ハキリアリの一種ですね。 -
水路を過ぎると、OJO DE AGUAというエリアに立ち寄ります。
ここでは、セノーテからの湧き水が吹きあがっているのを確認できます。
遊泳可能ですので、泳ぎたい方は水着の準備を忘れずに。
ただ、この日はちょっと寒すぎたので、店長は見学のみでした。 -
とても綺麗な場所です。今時のことばだと、インスタ映えする場所っていうのかな(笑)
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プライベートチャーターだと連れて行ってもらえるもう一つの場所へ。。。
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もう一つのオホ・デ・アグア
ここは他のボートが来ないので、静かでとても幻想的な場所。。
店長むちゃくちゃ気に入ってしまった場所です。。。 -
水が沸き上がっていますが。。。
ん??? -
ガルサ・ティグレ(トラサギ/ 正式和名/ハゲノドトラフサギ)が獲物を狙っていました。
因みに、スペイン語での正式な学識名は"Tigrisoma mexicanum"と言います。 -
こうして近くで見るとトラジマが美しいですね。獲物を狙っていましたが、捕獲失敗し、何故がバツが悪そうなしぐさが可愛かったです。
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フラミンゴやトラサギ以外にも、カッショクペリカンなどが編隊を組んで飛んで来たり、将に野生の宝庫です。この辺りは、リオラガルトスのボートツアーでも体験出来ますね。
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アライグマも生息しています。ボートの発着場にはたくさん集まって来ていました。
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セレストンの街のビーチでは夕方になると、馬に乗った若者たちが我が物顔で投げ縄の練習をしにやってきます。
暴走族ならぬ暴馬族?!(笑)
田舎ならではの光景です。ちなみに、店長吉田も乗馬をしますが、ウエスタンスタイルでも乗ることが出来ます。ただし、投げ縄は無理です。。。ヨットでは得意ですが、馬上は難しいですね。。。(笑) -
我が家の犬も夕日の美しさに見惚れます
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セレストンは、海に夕日が沈みます。
本当に美しい夕日を拝むことが出来ます。
皆様の平和で幸せな一日がまた明日も訪れますように。。。 -
のんびりしたセレストンの街
いかがでしたでしょうか?!
物価は、観光地なので、イメージするよりかなり高めですが、この雰囲気はさっと立ち寄る日帰りツアーではちょっともったいない気がしますね。
今回は体験しませんでしたが、カヤックのツアーなどもあるので、より、エコな体験をされたい方は是非どうぞ(^^)
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カンクン(メキシコ) の旅行記
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