2018/12/28 - 2019/01/02
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kemurさん
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2018年を振り返ると、急激に両生類にハマってしまった年でした。
2017年後半から継続して奄美大島に通いつつ、同時に本州ではカエル類やサンショウウオ類を追いかけた年でしたね。
特に2018年後半は、カエルの観察がひと段落ついたこともあり、サンショウウオ類に急激にハマったのでした。
ただしサンショウウオ類の観察はあまり一般的ではなく、知見をもった皆様からの多大な協力を得て何とか実現してきました。本当に感謝しています。
2018年末は、ダメ元で繁殖期前のヒダサンショウウオと、真冬に繁殖期を迎える貴重な小型サンショウウオであるカスミサンショウウオを探しに岡山まで行ってきました。今回も"小型サンショウウオの師匠"の協力で実現したものです。
前日に襲い掛かってきた寒波のおかげでヒダサンショウウオ生息地はドカ雪。食い下がって雪をかき分け探索したものの、雪に阻まれ探索を断念。
夜からカスミサンショウウオにシフトし、繁殖期を迎えつつある個体群に遭遇することができたのでした。今回も"師匠"には本当に感謝しています。
※2019年、カスミサンショウウオが細分化され、この地域に生息していた個体群は"セトウチサンショウウオ"になりました。
※希少なサンショウウオの生息地保護の観点から、当記事に指定している「エリア」はダミーです。何卒ご了承くださいませ。
■■お知らせ■■■
下記のサイトにも小型サンショウウオやカエルなど両生類を中心とした記事を寄稿しております。よろしければご覧くださいませ。
https://totokore.com/
私の記事の一覧ページはこちら
https://totokore.com/author/kemur
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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いきなりですが、近年、ネットオークションなどの商業目的による乱獲が、日本の両生類の絶滅リスクを高める要因となっています。
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特に小型サンショウウオは見つけることが非常に難しいのですが、安易に購入に走らないことも大切です。購入する人がいる=市場に需要があると、乱獲と販売が収まらないでしょう。購入しないことが大切です。
とは言え、トウキョウサンショウウオのように法規制することが最善でしょうから、法規制を急いでいただきたいところです。 -
寒波が襲い掛かる中、決死の覚悟で(?)スタッドレス装備のレンタカーを借り、岡山へ。
師匠との待ち合わせ場所へ近づくと、すっかり雪国の景色になっていました。 -
この手の観察記・採集記(既に旅行記になっておらず申し訳ありません)では準備物について触れられることが少ない気がしたので、参考まで準備物の一部を紹介します。
まず必携アイテムとしては防寒長靴です。
https://4travel.jp/travelogue/10750780
↑にも記載しておりますが、もともとは真冬の知床でバードウオッチングするために購入したものですが
今やすっかり真冬のサンショウウオ探索に威力を発揮しています。 -
防寒長靴を履いていても足の末端部が冷えることがあります。
そんなときは、この沢登り用のソックスが大活躍!
http://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1125202
もともとは夏にオオサンショウウオを探索するために購入したものですが、小型サンショウウオ探索でも効果大。
サンショウウオ観察の必携アイテムとなりました。 -
まずヒダサンショウウオの生息地に向かいますが・・・
この積雪ではヒダサンショウウオに出会うことができる可能性は限りなくゼロに近いです。もともとサンショウウオ類は山地の渓流など、足場の悪い場所に生息しているうえにこの積雪。
生き物の探索は常に危険と隣り合わせです。 -
非繁殖期に小型サンショウウオの成体を探すこと自体が非常に困難なことなのですが、もしも諦めずに探索するなら倒木や岩をひっくり返しては元に戻すという途方もない作業を繰り返すことになります。
まあこんなにハードな条件で探索する人はほぼいない気がしますが。。 -
せっかく大阪から来たわけですし、諦めずに雪が積もっていても判別できる倒木をひっくり返しては戻すこと約1時間。。。
雪がひどくなってきて、探索している我々自身にも雪が積もりはじめたので泣く泣く撤退。
いつになったらヒダサンショウウオ成体に出会うことができるのか・・・。
永遠の憧れで終わることがないよう、次の繁殖期は万全の体制で臨みたいです。 -
豪雪地帯から撤退しつつ、冷えた心と体を温めるため、汁物を補給。
話は尽きないですが、時間がなくなってきたので続いてカスミサンショウウオのポイントへ走ります。 -
ヒダサンショウウオの豪雪ポイントから南下してきたので雪こそ積もっていないものの、内陸部なので底冷えエリア。
ご覧の通り、落ち葉や植物が凍り付き。。。 -
歩くとシャリシャリといい音がします。
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間違いなく気温は氷点下でしょうけど、なぜか寒く感じませんでした。
これぞ生き物観察のドーパミン効果でしょう! -
真夜中にヘッドライトを装備した男2人が水溜まりをまじまじと観察。
完全に変質者です。
カスミサンショウウオはヒダサンショウウオやハコネサンショウウオ等のように渓流に生息する流水性ではなく、止水性のためこのような僅かな水溜まりにも生息している可能性があります。
発見した場合は、このようなドロドロの場所に寝転んで撮影する必要も出てきます(写真にこだわらなければ寝転ぶ必要はないのですが・・・)。そのため安価なカッパを着用するなど、泥対策が必要になります。 -
発見!
カスミサンショウウオです! -
「個体差」がしっかりと感じられる種です。
両生類に夢中になる人にしかわからない、この「個体差の魅力」というのが何より恐ろしいものなのです。
これはハマってしまう予感。 -
枯葉や植物は凍てつきはじめているのに、ここの水はゆるやかに流れているので凍っていませんでした。
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婚姻色らしき黄色が出ているオスを発見。
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暗闇に映えます!
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イチオシ
泥に埋まっていることが多く、完全に自然な状態で撮影することは難しいです。この個体は落ち葉の上に乗っかってくれた優秀さんです。
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しばらくすると泥の中に隠れました。
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尻尾以外が少し青みがかった個体も発見。
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これが世にも恐ろしい「両生類の個体差を楽しむ」ということです・・・
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カスミサンショウウオらしく、青みがかったグレーのつぶつぶ模様があります。
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カスミサンショウウオは特に個体差がわかりやすいようで、実に興味深いです。
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水中撮影にも挑戦!
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イチオシ
細かい泥が堆積しているので、泥が舞わないように撮影するのがたいへんでした。
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しかも頭を泥に埋めたがるので、なかなか頭部を撮影するのは難しいのです。
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このようにどうしても顔を泥に埋めたくなるようです。
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それにしてもここの気温の低さときたら・・・
車の窓ガラスがすっかり凍結してしまいました。 -
そして「小さな生き物観察用」の捕獲網もこの通りカチカチに凍りました。
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一時的に捕獲してじっくりと撮影をすることにしました。そのため、これ以下は生態写真ではありません。
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もちろん撮影後は元居た場所にリリースしています。
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確保した個体のうち、美個体を選別して撮影することに。
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わかりづらいですが、黄色地に細かく紫色の模様が散りばめられた体色をしており、カスミサンショウウオらしくない魅力に溢れてます。
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イチオシ
カスミサンショウウオというより、ヒダサンショウウオっぽいですね。
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小ぶりですが、一番綺麗な個体です。
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正面顔もかわいいです。
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ハコネサンショウウオの撮影では悔しい思いをしたので、新しく導入したリングフラッシュが活躍してくれました。
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しばし美しさに見とれつつ、撮影。
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腹部が透き通って内臓が見えています。
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前述の通り、小型サンショウウオは主に渓流性のため捜索には危険が伴いますがカスミサンショウウオに限っては止水性で池や水溜まりにいるので難易度は少し低くなりますね。そのぶん、乱獲や生息地悪化等の問題もあるのですが。
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しかもここまで個体差が激しいと観察がどんどん面白くなってくるので・・・
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どんどんのめり込みそうです。
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これがはまると怖い小型サンショウウオの世界ですね。
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イチオシ
模様がある両生類は基本的に個体差がわかりやすいのでサンショウウオだけでなくカエルも含まれますが。
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イチオシ
初めての遭遇でこの美個体に出会えたことは幸せでした。
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続いて黒っぽい個体。
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正面から。
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標準的なカスミサンショウウオですね。
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もの凄く元気で、撮影中にもスタスタとよく歩いてました。
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脇腹のディテールがいいですね。
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これぞサンショウウオ!って感じです。
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最後は婚姻色らしき黄色がよく出たオス。
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イチオシ
黄色がとても美しいです。
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こちらも脇腹のディテールがよい!
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古代生物感すら漂います。
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表情はウーパールーパーのそれよりもかわいい気がするのですが。
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この鮮やかな黄色は他の種類ではなかなか見られないようなので貴重な存在です。
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ただ小型サンショウウオは採集圧が強いのが気になります。
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このように捕獲して撮影できるのも、天然記念物として保護されていないからなのですが、保護されていないからこそ採集圧が強いわけなので複雑な心境ですね。
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他の生き物のように生息地をインターネット上で公開しないことはもちろんですが、小型サンショウウオの場合は生息地を連想させるヒントになるようなキーワードすらNGですね。
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イモリなど、身近にいる有尾類にも同様のことが言えます。
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前足がかわいい。
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最後は尻尾が一部欠損している大型個体を。
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ザリガニか何かにかじられたんでしょうか。
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この真冬に観察できる貴重な小型サンショウウオに出会えて充実した時間を過ごすことができました。
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この時期に高確率で観察可能な両生類は実質、オオサンショウウオとカスミサンショウウオのようなので、また来年の冬も出会えることを楽しみにしています
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<2019年2月追記>
Googleを活用して調べ上げると、何と自宅から車で1時間もかからないような場所にカスミサンショウウオが生息していることがわかりました。
居ても立っても居らず、息子とともに網を持って怪しいポイントを捜索。
なんと一投目で卵嚢を探し当てました! -
卵の様子を見ると、どうやら産卵後間もないようです。
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この辺りはイノシシも多いので、撮影後は枯葉を被せて隠しておきました。
春になり、1匹でも多く無事に成長してほしいものですね。
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