2018/09/07 - 2018/09/16
56位(同エリア172件中)
白い雲さん
宮本輝の「草原の椅子」では、フンザを「桃源郷」と表現している。三月の下旬からは杏、胡桃、林檎の花が咲くのでこの言葉にふさわしい景色がみられるという。
しかし、宮崎駿の「風の谷のナウシカ」では、人口が500人ほどの農業と採取を生業とする国として描かれている。この姿は9月でも見られるのでないかと思った。
そんな日本の日常から遠く離れた生活をするパキスタン北部を駆け足で見届ける旅だった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 2.5
- グルメ
- 2.5
- ショッピング
- 3.5
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 観光バス
- 航空会社
- タイ国際航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
-
旅の経路
-
HILLVIEW Hotel(イスラマバード)
イスラマバード国際空港からは、40分ほどの距離にある街中のホテル。玄関には係員数人と銃を携えた警官が常駐し、入口には空港で見られるセキュリティの機械も設けられていた。さらに右の小屋には銃を入口に向けての警備もしていた。
部屋の広さはごく標準的で、調度品は質素という言葉があたっている。
ミネラルウオーター1.5Lが付いていた。
-
グランド・トランク・ロード(英語名)
紀元前にすでに印度の東の地域からパキスタンを結ぶ重要な道路として利用されていた。時代ごとの為政者がその重要性を捉え、警備や管理をしている。その都度、名前も呼び方も替わっているが「大幹道」と呼ばれたのがその役割を表す名前と思える。
今は、片側5車線もある重要な道路。
イスラマバードからラワルピンジへ出て、この道をタキシラへ向かった。 -
シルカップ
ガンダーラは,紀元前6世紀~11世紀の間存続した古代王国で、仏教を信仰したクシャナー朝(1~5世紀)の時代に最盛期を迎えた。アフガニスタン東部からパキスタン北西部がその範囲。
タキシラにはその遺跡が多く残っている。
シルカップは、タキシラに残る古代の都市遺跡。
BC2世紀にギリシャ人によって建設された。
中央にメインロードが造られその周辺に住宅や寺院などが配置。 -
シルカップ
双頭の鷲のストウパー
階段の右に双頭の鷲のレリーフがある。 -
シルカップ
拝火教寺院の円形の拝所 -
ジョウリアン遺跡
タキシラから北東に5~6km。
小高い丘の上にあって、200段ほどの階段を登る。
ストウパーと僧院跡が残っている。
ストウパーは、その彫刻などの崩壊を防ぐため1900年代後半に屋根が取り付けられた。 -
ジョウリアン遺跡
メインストウパーの周りに小ストウパーが配置されている。
素材が土なのでかなり崩壊が進んでいる部分もある。 -
ジョウリアン遺跡
小ストウパーの基壇のストウッコ(化粧漆喰)の彫刻。 -
ジョウリアン遺跡
僧院跡
中庭を僧坊が取り囲むような配置。 -
ジョウリアン遺跡
2階への階段
僧坊は、2階建てで石を積み重ねる建築手法。
修復がなされていて、オリジナルの石積みと修復された部分の境には線が入っている。 -
タキシラ博物館
シルカップ遺跡に隣接
1918年創立の政府直轄の考古・遺跡博物館 -
タキシラ博物館
博物館中央ホールのストウパー(レプリカ) -
タキシラ博物館
仏陀頭部(キリリとした口元) AD2~3世紀
ジョウリアン遺跡から出土 -
タキシラ博物館
仏陀頭部(微笑の口元) AD2~4世紀
ジョウリアン遺跡から出土 -
タキシラ博物館
瞑想姿の仏坐像
AD4~5世紀
ジョウリアン遺跡から出土 -
マンセラのバザール
グランド・トランク・ロードをタキシラで離れ、3時間余り北上するとマンセラ。
野菜や果物そして雑貨を扱う多くの商店
蝿が多いのに閉口。 -
カラコルム・ハイウエイ(KKH)
このハイウェイは、パキスタンのアボッターバードのハヴェリアンから中華人民共和国の新疆ウイグル自治区のカシュガル(喀什)を結ぶ約1,300km。
古代シルクロードに沿って建設。
ハッサンアブダル(イスラマバード西方の都市)でグランド・トランク・ロードに続く。
観光 -
PTDC Hotel
ベシャム(Besham)
マンセラから3時間45分。
PTDC(Pakistan Tourism Development Corporationパキスタン観光公社)の管轄下にある。
PTDCは、地域の輸送手段を提供し、全国のいくつかのモーテルを所有・運営。 -
PTDC Hotel
ベシャム( Besham)
平屋造りの建物から連絡用の小径にでるとそこにインダス川が蕩蕩と流れる。 -
カラコルム・ハイウエイ(KKH)
ベシャムを出て間もなく。
ベシャムから北へ向かうカラコルム・ハイウエイは道路状態がよくない。
急峻な谷間に建設されていて、川までの標高差が300mのところもある。 -
集落の見張り台
ベシャムを出て間もなく、谷間の集落。
かっては、集落間の争いが絶えず死人が出るようなこともあった。
他の集落からの襲撃に備えて見張り台を造って防備。 -
カラコルム・ハイウエイ(KKH)
道路の改修工事のため通行車両を停めることが頻繁にある。
この日は、30分間。
銃を持った警官が我々を警護のため乗り込んできた。 -
シャティアールの岩絵
4世紀から5世紀にかけて書かれた岩絵(ストゥーパ、仏陀そして文字)が残る。
ここはダレルからチラスへ向かう道が川を渡るので、
仏教徒は氷河が溶けて水量が多い夏は渡りにくく機会を待った。
その間に描かれた岩絵が多い。 -
シャティアールの岩絵
シャティアール 岩絵の蔭の ミニ西瓜 -
カラコルム・ハイウエイ(KKH)
チラス付近 -
チラス付近のインダス川
チラスは、乾燥がひどく気温が高い山岳砂漠地帯。
この辺りはインダス川の川幅が広く水深が浅く、川を渡る場所として利用された。
古くから川沿いの岩に絵が描かれた。
とくに仏教僧によるストゥーパ(仏塔)などが多い。 -
チラスの岩絵
チラスの岩絵は、分布は広く、数も多く、種類もさまざま、何千年にもわたって描かれている。
宮本神酒男氏による時代区分を利用させて頂く。
BC6000~BC2000 狩人のハンティング
BC2000~BC1000 遊牧民 牧畜 社会生活
スキタイ人の時期 ストゥーパ 動物
AD1000~現代 ストゥーパ 寺院 図形 男根 騎馬人 -
Nanga Parbat View Point
ナンガパルバット(8,126m) -
ナンガパルバット(Nanga Parbat 8,126m)
雲の間に僅かにそれらしきものが写っている。
近くの商店の若者から晴天時の山容をI フォンに送ってもらった人もいた。
往きも帰りもこの場所を通ったが、これがそれらしき1枚。 -
三大山脈合流ポイント
東に延びるカラコルム山脈の代表は K2 (8,611m)。
西の方向にヒンドウークシ山脈。
そして南に聳えるナンガパルバット( 8,126m)がヒマラヤ山脈の西端。 -
カラコルム・ハイウエイ(KKH)
三大山脈合流ポイント付近
デコトラ
警護の警官が乗り込んでくる(2度目)。 -
タトー付近の道路脇からの温泉
施設は何もない。
トラックの運転手が流れる温水で手を洗ったり、顔の汗を流す程度。 -
Old Silk Rordの看板
カラコルム・ハイウエイは、古いシルクロードに沿っている。 -
Old Silk Rord
この場所では、インダス川の対岸に岩肌を縫うような道が見えた。
遠目に、崖崩れで通行できないように見えた。
仏教僧侶達はここを通って印度へ教えを請いに行ったものと思われる。 -
DARBAR Hotel
カリマバード
フンザでは高級ホテル。
カってのミール(藩王)が建てた新しいホテル。
No205の部屋からの景色は、眼前にウルタル、フンザピークが見え贅沢の一言。
レストランは、硝子張りで正面にラカボシ(7,788m)の北壁が銀色に輝く。 -
DARBAR Hotel
サービスは、これからという感じ。
洗面台の水は、氷河の溶けた水がそのまま使われているかのようである。
もちろん、水洗便所の水もこの色。 -
フンザ渓谷
「風の谷」を彷彿とさせる。
フンザの中心は、カリマバード(Karimabad)
標高2,500m -
ドウイカル村の展望台
標高2,900m
日の出を見るためホテルをAM4:30出発。
ジープ(四輪駆動車)に3人づつ分乗。
いくつもの高山が見える
フンザの谷が一望できる。 -
ラカボシ(7,788m)
フンザの南に位置するため、雪が多く残っている北側の斜面が見えて美しい。 -
ウルタル(Ⅰ峰7329m Ⅱ峰7.388m)
フンザの北側に位置。
フンザの谷のすぐ目の前。 -
レディーフィンガー(5,985m)
ウルタルの西側に位置。 -
ナガール渓谷
ナガール藩王国が存在した土地。
カラコルム・ハイウェイの建設を拒んだので、藩王国時代の雰囲気が残る。
映画「草原の椅子」の撮影が行われた。 -
胡桃の大木
ナガール渓谷。
この場所でも「草原の椅子」のワンカットが撮られた。 -
ジープ
パキスタン軍は、アメリカのジープを購入、
耐用年数を過ぎた車両を払い下げる。
それを民間人が購入、
トヨタのエンジンを積み観光用に使っている。 -
ホーパル村
ナガール渓谷の最も奥。 -
ホーパル氷河
ディラン峰から落ちるホーパル氷河。 -
ホーパル村からのナガール渓谷
雲がかかっているのはウルタル(Ⅰ峰7329m Ⅱ峰7.388m) -
麦の収穫作業
ナガール渓谷
近くには学校があり、中心地。 -
シャイな小学生
”アープ カ ナーム キャーヘイ?(あなたお名前は?)”
通じているのに答えない。
隣の大人が促すと、
小声でボソボソ。 -
アルチット城
ナガール藩王国からフンザを防衛するために築かれたアルチット・フォート。 -
アルチット城
村は城壁に囲まれ、外部からの侵入を防ぐため城壁内部はさながら迷路。 -
アルチット城
ミール(藩王)時代に裁判所や集会所に使われた広場。
今は村の女たちが集まっておしゃべりや針仕事をする場所。 -
バルチット城
バザールロードと呼ばれるフンザのメインストリートから急な坂道を上ると、
かっては守衛が常駐した入場口に着く。 -
バルチット城
この城は岩山の中腹にある。
780年まえに建築。
チベット風に改造。
1892年王位についたムハマド・ナジム・カーン王が3階の大部分を改修し、
応接室などを造った。
1974年までミール(フンザの国王)が住んでいた -
バルチット城
髭で知られた名物守衛 -
バルチット城
フンザ藩王国の国旗。
弓矢が特徴。 -
バルチット城
屋上では裁判が行われた。
玉座 -
バルチット城
1900年代初頭にミールが着ていたインドのムガール様式の衣服。 -
バルチット城
1階の中央には広間があり、
床下は2,000kgの小麦が入る倉庫。 -
バルチット城
台所
石の鍋 -
バルチット城
スプーン
肥満の人には小さなスプーン
痩せた人には大きなスプーンを -
アッタバード湖
2010年1月4日、ゴジャール地区(上部フンザ)で地滑りが発生、
フンザ川を堰き止めてできた天然ダム。
カラコルム・ハイウエイは通行できなくなった。 -
中国の支援
中華人民共和国は
アッタバード湖岸に5つのトンネルを設ける道路復旧工事を
2015年に完成させている。 -
パスー氷河
パスーの町から中国との国境まで115㎞。 -
ススト
パキスタンの出国地点。
ここから30㎞は緩衝地帯
クンジュラブ国立公園なので入場料を支払う -
スストからクンジュラブ峠へのカラコルム・ハイウエイ
標高4,000mからは、右に左にとつづら折れ。 -
ススト
中国人労働者の宿泊施設。
各所で行われている大規模インフラ整備にかかわる。
カラコルム・ハイウエイの道筋で何カ所か見かけた。 -
クンジュラブ峠
標高4,733m
峠の頂上部は平坦な土地が広がっている -
クンジュラブ峠
パキスタン側 -
クンジュラブ峠
道標(烏魯木斉 喀什 塔什庫爾干) -
クンジュラブ峠
中華人民共和国国境の門。 -
クンジュラブ峠
パキスタンの建物の間にATM。 -
クンジュラブ峠
アイベックス(ゴマ粒が20~30ほど)。 -
長谷川恒男氏
日本アルパインガイド協会専務理事
1991年ウルタルⅡ峰で雪崩に巻き込まれ遭難死
フンザを愛していたので、村の共有地に埋葬、墓も作られた。 -
ハセガワ・メモリアル・スクール
長谷川恒男氏の奥さんがその遺志を継ぎ、
カリマバード福祉協会をつくったことに始まる。
1996年秋には民家を使って6クラス80名で授業が始まる。
1999年4月16日校舎が竣工。
日本人の多くが寄付をしている。 -
ハセガワ・メモリアル・スクール
朝礼。
国旗掲揚と校歌斉唱。
「春が来た」「ハセガワサンアリガトウ」も歌った。 -
ハセガワ・メモリアル・スクール
授業風景。 -
水路ウオーク
林檎の収穫期になっていた。
3種類の林檎を栽培。 -
水路ウオーク
フンザ川の氷河の溶けた水を引き入れている。
ペットボトルに飲み水を入れて冷やす知恵。 -
SERENA Hotel(セレナ・ホテル)
ギルギット。
北部山岳随一のホテル。
写真の芝生で、星空の下、ビュフェ形式の夕食。 -
SERENA Hotel
設備は欧米のホテルと遜色ない。 -
バブサル峠
チラスからカラコルム・ハイウエイと分かれる。 -
バブサル峠
急斜面にも民家が存在する
徒歩とロバの移動手段の人々は、自給自足の生活。
谷へ降りてくるのは病気の治療をするときだけとか。 -
バブサル峠
標高4,193m。 -
バブサル峠
ちょっとしたバザールの雰囲気。 -
バブサル峠
峠の南・カガン渓谷。
10月下旬から4月まで積雪で通行できなくなる。 -
バブサル峠
冬に備えて山羊をマンセルまで売りに行くアフガニスタン人 -
バブサル峠
カガン渓谷はナンガパルバットの南側なので、
インド洋からのモンスーンで降水量が多く、
松の大木林もみられる。 -
PTDC Hotel(NARAN)
ナランはパキスタン南部の人達の避暑地。
設備はTVもバスタブもなし。
シャワーも4畳くらいのタイル張りの部屋に質素な洗面台・便器と並んでいる。 -
デコバス
タキシラのバスセンター。
停車中のバスは全部このスタイル。
車内も色鮮やかなデコレーション。 -
デコトラ
デコトラ以外のトラックを探すのが難しいほど。 -
デコトラの工場
下地にグレーの塗装をして、
その上にシール状のものを張り付けたり、
ペンキで描いたりする。 -
デコトラの工場
既成のデザインがあるわけではなく、
職人の感覚と技術が作るシール。 -
デコトラの工場
ペンキで描く部分もある。
シールは5年ほど、
ペンキはもっと長く耐える。
1台の費用は、$3.000~5,000. -
ファイサル・モスク
イスラマバード。
1966年にサウジアラビアの国王シャー・ファイサルの寄進。 -
パキスタン・ルピー
日本の空港では両替できなかった。
現地ガイドが $30.00を3,500Rsで両替。
1Rs=約1円。 -
昼食
左の皿は、オクラノ炒め物。 -
昼食
左のトレーの葡萄とマンゴーは現地ガイドがマンセラのバザールで買ったもの。
右の器はヨーグルト。 -
朝食と夕食はホテルのレストランで
ビュフェ方式。
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