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今回の加賀紀行は金沢市内観光がメインになるのですが、敢えて金沢への交通アクセスの良くない山中温泉を宿泊地に選んだのにはそれなりの理由があります。<br />山中温泉街に沿って流れる大聖寺川の渓谷にあるこおろぎ橋から黒谷橋に至る1.3kmの区間は鶴仙渓と称され、渓谷沿いには散策のための遊歩道が整備されています。北陸随一と称する渓谷美を誇る名所であり、四季折々の景観と砂岩の浸食によって立ち並ぶ奇岩怪石や3つの橋巡りが愉しめるマイナスイオン系のパワースポットでもあります。<br />鶴仙渓の名は、明治時代の3筆のひとり、書家 日下部鳴鶴(くさかべ めいかく)が好んだ渓谷だったことに由来します。鳴鶴は、書の本場中国でも「東海の書聖」と称された文化人であり、山中温泉をこよなく愛した数多の文人墨客のひとりです。また、『おくのほそ道』の旅の途中、ここに立ち寄った松尾芭蕉も「行脚の楽しみここにあり」とことのほか気に入って9日も滞在しました。温泉の句をあまり残さず、温泉嫌いという説まであった芭蕉が魅了された謎解きも愉しいものです。渓谷の自然美と和の情緒が調和する静謐な空間は、まさに芭蕉が旅をしていた時代にタイムスリップしたかのようです。<br />渓流のせせらぎに耳を傾け、山紫水明な景観に見惚れ、芭蕉のように心を研ぎ澄ます旅へ出かけてみませんか?<br />山中温泉街、鶴仙渓のマップです。<br />https://www.yamanaka-spa.or.jp/wp-content/themes/yamanaka/images/download/pdf/pamphlet1.pdf

問柳尋花 加賀紀行①山中温泉 鶴仙渓

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2017/06/01 - 2017/06/03

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    56

    montsaintmichel

    montsaintmichelさん

    今回の加賀紀行は金沢市内観光がメインになるのですが、敢えて金沢への交通アクセスの良くない山中温泉を宿泊地に選んだのにはそれなりの理由があります。
    山中温泉街に沿って流れる大聖寺川の渓谷にあるこおろぎ橋から黒谷橋に至る1.3kmの区間は鶴仙渓と称され、渓谷沿いには散策のための遊歩道が整備されています。北陸随一と称する渓谷美を誇る名所であり、四季折々の景観と砂岩の浸食によって立ち並ぶ奇岩怪石や3つの橋巡りが愉しめるマイナスイオン系のパワースポットでもあります。
    鶴仙渓の名は、明治時代の3筆のひとり、書家 日下部鳴鶴(くさかべ めいかく)が好んだ渓谷だったことに由来します。鳴鶴は、書の本場中国でも「東海の書聖」と称された文化人であり、山中温泉をこよなく愛した数多の文人墨客のひとりです。また、『おくのほそ道』の旅の途中、ここに立ち寄った松尾芭蕉も「行脚の楽しみここにあり」とことのほか気に入って9日も滞在しました。温泉の句をあまり残さず、温泉嫌いという説まであった芭蕉が魅了された謎解きも愉しいものです。渓谷の自然美と和の情緒が調和する静謐な空間は、まさに芭蕉が旅をしていた時代にタイムスリップしたかのようです。
    渓流のせせらぎに耳を傾け、山紫水明な景観に見惚れ、芭蕉のように心を研ぎ澄ます旅へ出かけてみませんか?
    山中温泉街、鶴仙渓のマップです。
    https://www.yamanaka-spa.or.jp/wp-content/themes/yamanaka/images/download/pdf/pamphlet1.pdf

    同行者
    カップル・夫婦
    交通手段
    JR特急
    旅行の満足度
    5.0
    観光
    5.0

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    • JR大阪駅 特急「サンダーバード」<br />山中温泉の最寄り駅「JR加賀温泉駅」までは、特急「サンダーバード」を利用しました。<br />大阪と金沢・和倉温泉・富山を結んでおり、大阪から加賀温泉駅までは2時間20分程で到着します。また、683系4000番台車は、1995年の運行開始以来初めてリニュアルされています。しかし北陸新幹線とのデザインの共通性は限定的です。何故なら、近畿圏との往来を更に増やしたいというJR西日本の思惑があり、北陸新幹線との共通性を強調せず、従来のデザインを踏襲したためです。2022年までに北陸新幹線は敦賀まで延伸されるため、恐らくフルモデルチェンジの照準をここに合わせていると思われます。<br />因みに「サンダーバード (Thunder bird)」の名前は、アメリカ先住民族のスー族に伝わる神話に登場する雷光と雨を起こす巨大な鷲に似た空想上の鳥であり、これに由来しています。

      JR大阪駅 特急「サンダーバード」
      山中温泉の最寄り駅「JR加賀温泉駅」までは、特急「サンダーバード」を利用しました。
      大阪と金沢・和倉温泉・富山を結んでおり、大阪から加賀温泉駅までは2時間20分程で到着します。また、683系4000番台車は、1995年の運行開始以来初めてリニュアルされています。しかし北陸新幹線とのデザインの共通性は限定的です。何故なら、近畿圏との往来を更に増やしたいというJR西日本の思惑があり、北陸新幹線との共通性を強調せず、従来のデザインを踏襲したためです。2022年までに北陸新幹線は敦賀まで延伸されるため、恐らくフルモデルチェンジの照準をここに合わせていると思われます。
      因みに「サンダーバード (Thunder bird)」の名前は、アメリカ先住民族のスー族に伝わる神話に登場する雷光と雨を起こす巨大な鷲に似た空想上の鳥であり、これに由来しています。

    • 北琵琶湖<br />車窓から眺める北琵琶湖周辺の穏やかな表情は、思わず身を乗り出してしまうほどです。流れゆく景色を愉しみながら寛げるのは、列車の旅の醍醐味ではないでしょうか?隣には「爆睡」中の方もおられますが、日頃の内助の功を思えば、これもカミさん孝行のひとつかもしれません。<br />北琵琶湖と言えば、4月中旬に降雨による土砂崩れが発生し、桜の名所「海津大崎」の県道が通行止めになりました。現在もまだ解除に至っていないようです。琵琶湖を自転車で一周する「ビワイチ」のシーズン直撃ということもあり、関係者は気を揉まれたことでしょう。住民の方々の生活道路でもありますので、一日も早い復旧を願っております。

      北琵琶湖
      車窓から眺める北琵琶湖周辺の穏やかな表情は、思わず身を乗り出してしまうほどです。流れゆく景色を愉しみながら寛げるのは、列車の旅の醍醐味ではないでしょうか?隣には「爆睡」中の方もおられますが、日頃の内助の功を思えば、これもカミさん孝行のひとつかもしれません。
      北琵琶湖と言えば、4月中旬に降雨による土砂崩れが発生し、桜の名所「海津大崎」の県道が通行止めになりました。現在もまだ解除に至っていないようです。琵琶湖を自転車で一周する「ビワイチ」のシーズン直撃ということもあり、関係者は気を揉まれたことでしょう。住民の方々の生活道路でもありますので、一日も早い復旧を願っております。

    • 加賀温泉駅<br />まどろむ間もなく、加賀温泉駅に到着です。<br />駅舎の背後に聳え立つのは観音院加賀寺の高さ73mもある巨大な黄金観音像です。抱えている子供のサイズは、奈良の大仏様と同じだそうですから、吃驚ポンです。バブル真っ只中の1987年、「関西のビル王」嶋中利男氏が280億円をかけて建設したテーマパーク「ユートピア加賀の郷」のランドマークとして建立したものです。バブル崩壊後は閑古鳥が鳴き、かの織田無道が住職になって僧侶との間で給与支払いを巡るトラブルが起こるなど、話題に事欠かない施設だったようです。現在は「加賀温泉豊星の湯」として営業していますが、多くの施設が半廃墟化しているようです。<br />観音様を全面的にアピールし、故郷の町興しで錦を飾りたかったのでしょうが、天罰が下ったのかも?形態こそ異なれ、現在の成功者にこの類の方が多いのは、とても嘆かわしいことです。せめてこの巨大像が、後世への警鐘となってくれればと願ってやみません。

      加賀温泉駅
      まどろむ間もなく、加賀温泉駅に到着です。
      駅舎の背後に聳え立つのは観音院加賀寺の高さ73mもある巨大な黄金観音像です。抱えている子供のサイズは、奈良の大仏様と同じだそうですから、吃驚ポンです。バブル真っ只中の1987年、「関西のビル王」嶋中利男氏が280億円をかけて建設したテーマパーク「ユートピア加賀の郷」のランドマークとして建立したものです。バブル崩壊後は閑古鳥が鳴き、かの織田無道が住職になって僧侶との間で給与支払いを巡るトラブルが起こるなど、話題に事欠かない施設だったようです。現在は「加賀温泉豊星の湯」として営業していますが、多くの施設が半廃墟化しているようです。
      観音様を全面的にアピールし、故郷の町興しで錦を飾りたかったのでしょうが、天罰が下ったのかも?形態こそ異なれ、現在の成功者にこの類の方が多いのは、とても嘆かわしいことです。せめてこの巨大像が、後世への警鐘となってくれればと願ってやみません。

    • 山中温泉 かがり吉祥亭<br />加賀温泉駅からホテルの送迎バスを利用し、25分程でホテル到着です。名前に偽りなく、本当に山の中にある温泉です。手前にある山代温泉とはランドスケープが雲泥の差です。<br />さて、ホテル到着後は、早速、鶴仙渓散策に出発です。<br />今回利用したホテルは、鶴仙渓散策のスタート地点「こおろぎ橋」から更に奥にあるため一般的なガイドにならないので、「ゆげ街道」沿いにある「かがり吉祥亭」から紹介いたします。<br /><br />難波 道頓堀で見慣れた巨大な「蟹の看板」がかかっています。一時は「セールス蟹」として大阪 天王寺など全国行脚も経験したそうです。<br />商魂逞しい大阪では、「蟹看板」が酷似することが不正競争防止法違反に当たるとして、「かに道楽」の運営会社が「かに将軍」に対し使用差止めなどを求めた訴訟を起こし、結局、違反が判決で認められました。<br />恐らく、この「蟹看板」は動く仕掛けがなされていなかったために事なきを得たのでしょう。

      山中温泉 かがり吉祥亭
      加賀温泉駅からホテルの送迎バスを利用し、25分程でホテル到着です。名前に偽りなく、本当に山の中にある温泉です。手前にある山代温泉とはランドスケープが雲泥の差です。
      さて、ホテル到着後は、早速、鶴仙渓散策に出発です。
      今回利用したホテルは、鶴仙渓散策のスタート地点「こおろぎ橋」から更に奥にあるため一般的なガイドにならないので、「ゆげ街道」沿いにある「かがり吉祥亭」から紹介いたします。

      難波 道頓堀で見慣れた巨大な「蟹の看板」がかかっています。一時は「セールス蟹」として大阪 天王寺など全国行脚も経験したそうです。
      商魂逞しい大阪では、「蟹看板」が酷似することが不正競争防止法違反に当たるとして、「かに道楽」の運営会社が「かに将軍」に対し使用差止めなどを求めた訴訟を起こし、結局、違反が判決で認められました。
      恐らく、この「蟹看板」は動く仕掛けがなされていなかったために事なきを得たのでしょう。

    • 山中温泉 鶴仙渓<br />「鶴仙渓」の道標に従い「かがり吉祥亭」の先にある坂道を下って行くと、このように一面苔生した光景が現れます。年間を通じて雨の多い地域だと悟らせるものがあります。

      山中温泉 鶴仙渓
      「鶴仙渓」の道標に従い「かがり吉祥亭」の先にある坂道を下って行くと、このように一面苔生した光景が現れます。年間を通じて雨の多い地域だと悟らせるものがあります。

    • 山中温泉 鶴仙渓 芭蕉の句碑<br />岩不動の手前右側に芭蕉の「かゞり火に 河鹿や波の 下むせび」の句碑が立っています。<br />こおろぎ橋上流の高瀬で、近くの里人が漁火で魚を追っている光景に出会ったことを詠んだものとされ、1898(明治31)年に建立された句碑ですが、研究家の間では「謎の句」と称されているものです。<br />『卯辰集』(1691年刊)には、「山中十景 高瀬漁火 いさり火にかじかや波の下むせび 翁」とあります。高瀬の谷川で魚を獲るべく人々は漁火を焚いているが、カジカは波の下で人知れずむせぶように泣いて泳いでいるのだろうとの意です。しかし食される鰍(かじか)は鳴かず、綺麗な声で鳴く河鹿蛙は水中には居ません。確かにこの句は、とても謎めいています。<br />芭蕉が山中を訪ねたのは秋ですので、季語は当然「鰍」です。「河鹿」は夏の季語ですから。鰍は、渓流に棲むハゼに似た硬骨魚です。鰍と河鹿を「かじか」で引っ掛け、後世に誤って「河鹿」とされたのでしょうか?もしそうであれば、読み手の思いにより、季節感が変わってしまうことになります。

      山中温泉 鶴仙渓 芭蕉の句碑
      岩不動の手前右側に芭蕉の「かゞり火に 河鹿や波の 下むせび」の句碑が立っています。
      こおろぎ橋上流の高瀬で、近くの里人が漁火で魚を追っている光景に出会ったことを詠んだものとされ、1898(明治31)年に建立された句碑ですが、研究家の間では「謎の句」と称されているものです。
      『卯辰集』(1691年刊)には、「山中十景 高瀬漁火 いさり火にかじかや波の下むせび 翁」とあります。高瀬の谷川で魚を獲るべく人々は漁火を焚いているが、カジカは波の下で人知れずむせぶように泣いて泳いでいるのだろうとの意です。しかし食される鰍(かじか)は鳴かず、綺麗な声で鳴く河鹿蛙は水中には居ません。確かにこの句は、とても謎めいています。
      芭蕉が山中を訪ねたのは秋ですので、季語は当然「鰍」です。「河鹿」は夏の季語ですから。鰍は、渓流に棲むハゼに似た硬骨魚です。鰍と河鹿を「かじか」で引っ掛け、後世に誤って「河鹿」とされたのでしょうか?もしそうであれば、読み手の思いにより、季節感が変わってしまうことになります。

    • 山中温泉 鶴仙渓 岩不動明王<br />目の神様だそうです。<br />中を覗くと、「この水は美味しくいただけます」と書かれています。調べてみると、ここの地下水の滴りは名水だそうです。<br />不動明王は、諸悪を退治し、人々を苦難から救います。大日如来の変身仏で、人を救うには優しさだけでなくときには厳しく叱りたしなめることも必要です。故に愛の鞭的役割を果たすのが不動明王です。右手に剣、左手に羂索(けんさく)という縄を持ち、左眼を半眼、右眼は見開き、下歯で右の上唇を噛み口の両端に牙を剥いています。

      山中温泉 鶴仙渓 岩不動明王
      目の神様だそうです。
      中を覗くと、「この水は美味しくいただけます」と書かれています。調べてみると、ここの地下水の滴りは名水だそうです。
      不動明王は、諸悪を退治し、人々を苦難から救います。大日如来の変身仏で、人を救うには優しさだけでなくときには厳しく叱りたしなめることも必要です。故に愛の鞭的役割を果たすのが不動明王です。右手に剣、左手に羂索(けんさく)という縄を持ち、左眼を半眼、右眼は見開き、下歯で右の上唇を噛み口の両端に牙を剥いています。

    • 山中温泉 鶴仙渓<br />大聖寺川の方を見やると、深い谷が織りなす陰影が若楓の美しさを際立たせ、心ときめかされます。<br />

      山中温泉 鶴仙渓
      大聖寺川の方を見やると、深い谷が織りなす陰影が若楓の美しさを際立たせ、心ときめかされます。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋<br />山中温泉のランドマーク的な存在として、よく旅行ガイドブックに掲載されている趣のある橋です。鶴仙渓の最上流に架けられた風雅な総檜造りの橋で、全長21m、幅4mあり、山中温泉を代表する景観です。江戸時代に大聖寺川に架けられたものを1990年にそのままの形で再現した橋で、四季折々の風情や日本情緒が感じられ、一年を通じて多くの観光客が訪れます。<br />ここから眺める大聖寺川は、両岸を奇岩に囲まれ、自然そのものの景観を魅せてくれます。<br />

      山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      山中温泉のランドマーク的な存在として、よく旅行ガイドブックに掲載されている趣のある橋です。鶴仙渓の最上流に架けられた風雅な総檜造りの橋で、全長21m、幅4mあり、山中温泉を代表する景観です。江戸時代に大聖寺川に架けられたものを1990年にそのままの形で再現した橋で、四季折々の風情や日本情緒が感じられ、一年を通じて多くの観光客が訪れます。
      ここから眺める大聖寺川は、両岸を奇岩に囲まれ、自然そのものの景観を魅せてくれます。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋<br />さすがは大聖寺藩のお膝元、惜しげもなく九谷焼の陶板で作られた「蟋蟀橋の説明書」がさりげなく置かれています。山中は九谷焼発祥の地でもあります。<br />「古九谷」は17世紀後半に突如焼かれるようになった豪放華麗な色絵磁器です。緑・黄・紫・藍・赤の五彩で上絵を着け、深みと重厚感があり、世界中で輝かしい金字塔を打ち立てました。その起源は、山中温泉上流の九谷村で良質の磁土が発見されたのをきっかけに、加賀藩支藩 大聖寺藩初代藩主 前田利治が家臣の後藤才次郎と田村権左衛門に窯を築かせたのが端緒です。こうして世界中で「日本最高の磁器」と絶賛される名陶が創出されました。 <br />しかし古九谷は僅か50年余りで歴史の表舞台から忽然と姿を消し、その後、復活するまでに100年以上の断絶を見ました。消滅の理由には次に挙げるように諸説あり未だに判っておらず、神秘的な「謎とロマンの焼き物」と称されています。<br />1.原料の陶石がなくなった<br />2.中心人物(後藤才次郎 )の死去<br />3.大聖寺藩の財政が苦しくなった<br />4.江戸幕府からの干渉と藩政の混乱<br />5.伊万里焼の大量流入

      山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      さすがは大聖寺藩のお膝元、惜しげもなく九谷焼の陶板で作られた「蟋蟀橋の説明書」がさりげなく置かれています。山中は九谷焼発祥の地でもあります。
      「古九谷」は17世紀後半に突如焼かれるようになった豪放華麗な色絵磁器です。緑・黄・紫・藍・赤の五彩で上絵を着け、深みと重厚感があり、世界中で輝かしい金字塔を打ち立てました。その起源は、山中温泉上流の九谷村で良質の磁土が発見されたのをきっかけに、加賀藩支藩 大聖寺藩初代藩主 前田利治が家臣の後藤才次郎と田村権左衛門に窯を築かせたのが端緒です。こうして世界中で「日本最高の磁器」と絶賛される名陶が創出されました。
      しかし古九谷は僅か50年余りで歴史の表舞台から忽然と姿を消し、その後、復活するまでに100年以上の断絶を見ました。消滅の理由には次に挙げるように諸説あり未だに判っておらず、神秘的な「謎とロマンの焼き物」と称されています。
      1.原料の陶石がなくなった
      2.中心人物(後藤才次郎 )の死去
      3.大聖寺藩の財政が苦しくなった
      4.江戸幕府からの干渉と藩政の混乱
      5.伊万里焼の大量流入

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋<br />橋の上から上流を見下ろします。所々に白い水しぶきを上げる浅瀬があり、橋の直下は流れが淀んで池のようにゆったりと波紋を広げています。これぞ渓谷美の神髄です。<br /><br />橋の名の由来は、かつて行路が極めて危なかったため「行路危(こうろぎ)」と称されたとも、秋の夜に鳴く「こおろぎの声」に由来するとも言われています。諸説あり、詳しいことは判っていないようですが、最近では「清ら木」から転じたというのが定説になっています。しかしどれも的を射ており、感心させられます。各人が、この地を訪れたシチュエーションに合わせて使い分ければよいと思います。<br />因みに今から30年ほど前、TVドラマ『こおろぎ橋』の舞台になりました。山紫水明な「いで湯の里巡り」は、ここからスタートします。

      山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      橋の上から上流を見下ろします。所々に白い水しぶきを上げる浅瀬があり、橋の直下は流れが淀んで池のようにゆったりと波紋を広げています。これぞ渓谷美の神髄です。

      橋の名の由来は、かつて行路が極めて危なかったため「行路危(こうろぎ)」と称されたとも、秋の夜に鳴く「こおろぎの声」に由来するとも言われています。諸説あり、詳しいことは判っていないようですが、最近では「清ら木」から転じたというのが定説になっています。しかしどれも的を射ており、感心させられます。各人が、この地を訪れたシチュエーションに合わせて使い分ければよいと思います。
      因みに今から30年ほど前、TVドラマ『こおろぎ橋』の舞台になりました。山紫水明な「いで湯の里巡り」は、ここからスタートします。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋<br />橋から下流を見下ろします。<br />楓が密集し、緑が目に鮮やかです。秋には、美しい錦絵巻を創り上げることでしょう。

      山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      橋から下流を見下ろします。
      楓が密集し、緑が目に鮮やかです。秋には、美しい錦絵巻を創り上げることでしょう。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋<br />水面を透かす青もみじがとても繊細で綺麗です。<br />

      山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      水面を透かす青もみじがとても繊細で綺麗です。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋<br />川のせせらぎに耳を傾けながら、美しく苔生した緑の小径を歩くだけでも『おくのほそ道』の旅情を存分に味わうことができますが、渓流に架けられた3つの個性的な橋たちも見所のひとつです。<br />

      山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      川のせせらぎに耳を傾けながら、美しく苔生した緑の小径を歩くだけでも『おくのほそ道』の旅情を存分に味わうことができますが、渓流に架けられた3つの個性的な橋たちも見所のひとつです。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋<br />橋を渡り終えた左手に河岸へ降りることのできる石段があります。<br />石段を下りると、そこは構造美が見事な橋を見上げことのできるビュースポットです。個人的には、ここからの眺めが鶴仙渓で一番綺麗だと思います。<br />

      山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      橋を渡り終えた左手に河岸へ降りることのできる石段があります。
      石段を下りると、そこは構造美が見事な橋を見上げことのできるビュースポットです。個人的には、ここからの眺めが鶴仙渓で一番綺麗だと思います。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋<br />橋の構造や姿も趣深いものがあります。<br />このような立派な橋を江戸時代に架けるとは、さすが大聖寺藩です。

      山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      橋の構造や姿も趣深いものがあります。
      このような立派な橋を江戸時代に架けるとは、さすが大聖寺藩です。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋<br />こうしたドラマチックな写真も撮れます。

      山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      こうしたドラマチックな写真も撮れます。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋<br />橋の下の淵は、神秘的な色を発し、おおらかにゆったりと流れています。<br />「鶴仙渓ブルー」とでも命名しましょうか!?<br />

      山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      橋の下の淵は、神秘的な色を発し、おおらかにゆったりと流れています。
      「鶴仙渓ブルー」とでも命名しましょうか!?

    • 山中温泉 鶴仙渓 <br />河岸から橋の上まで戻り、そこから先にあるなだらかな坂道を登って行きます。暫くして分岐があり、そこを道標に従って左手に折れると鶴仙渓遊歩道へと導かれます。<br />スタート地点の「こおろぎ橋」からゴールの「黒谷橋」までは、距離1.3Km、40分程の散策です。<br />石段を下りながら振り返ると、塩梅よく苔生し、見事な緑のグラデーションを魅せています。

      山中温泉 鶴仙渓
      河岸から橋の上まで戻り、そこから先にあるなだらかな坂道を登って行きます。暫くして分岐があり、そこを道標に従って左手に折れると鶴仙渓遊歩道へと導かれます。
      スタート地点の「こおろぎ橋」からゴールの「黒谷橋」までは、距離1.3Km、40分程の散策です。
      石段を下りながら振り返ると、塩梅よく苔生し、見事な緑のグラデーションを魅せています。

    • 山中温泉 鶴仙渓 <br />坂道を下ると大聖寺川の右岸に出ます。<br />今から100年以上も前の1910年に整備されたという遊歩道は、太い根っこを道に張り出した杉や楓の木立の中を進んだり、苔生した石畳を進んだり、渓流のすぐ脇を進んだり、ただただ渓流の清らかなせせらぎに誘われて道が進みます。<br />日常を離れた「心の洗濯」とは、言い得て妙です。<br />

      山中温泉 鶴仙渓
      坂道を下ると大聖寺川の右岸に出ます。
      今から100年以上も前の1910年に整備されたという遊歩道は、太い根っこを道に張り出した杉や楓の木立の中を進んだり、苔生した石畳を進んだり、渓流のすぐ脇を進んだり、ただただ渓流の清らかなせせらぎに誘われて道が進みます。
      日常を離れた「心の洗濯」とは、言い得て妙です。

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