2016/02/12 - 2016/02/13
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たびたびさん
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倉吉の観光の中心は、打吹山のふもとに広がる白壁土蔵群。倉吉駅からは少し距離があります。
この町並みは、重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて、玉川沿いにレトロな建物が多く残っています。歴史的に見れば、戦国時代の城下町から、江戸時代に入ってからは陣屋町として整備された街のようで、街道の宿場町だったり、北前船の寄港地と栄えた町とは違うようです。また、ここはかつては伯耆の国の国府があったところ。やはり、元々自然条件や風土において恵まれたものがあったことも想像されます。
ただ、ちょっと釈然とした思いが残るのは、鳥取県内のこと。鳥取県で大きな街というのは鳥取市と米子市。二つの街は互いにライバル心があって、特に、米子市は鳥取市なにするものぞという意識が強い。同じ鳥取県だし、同じ鳥取藩だったのになんでこうなるのか不思議なくらい。倉吉市はそのはざまにあって、影が薄いという感じなんですよね。
調べると、鳥取藩では、家老職に藩内の重要な拠点の町を委任統治させる自分手政治という制度があって、米子と倉吉は荒尾氏が治めていたのだとか。こうした背景もあって、今の両市の関係になっているのかもしれません。さらに言えば、鳥取藩池田家は徳川家康の血が入っているので、準親藩の扱い。幕府からのプレッシャーもない中で、家来にも寛容な分、荒尾氏の預かり地では独立した自意識がより強まったのかもしれません。
では、米子と倉吉の関係はというと、これはともに伯耆の国。倉吉は、伯耆の国の国府があり、後に応仁の乱の山名宗全を生んだ山名氏が最初の居城を築いた地。足利尊氏に従って活躍した山名時氏とその子師義の頃です。山名氏は、因幡、伯耆、隠岐、丹波、丹後、但馬、美作の守護を兼ねるなどして、全国の6分の1を領有し、「六文一殿」(ろくぶんのいちどの)と呼ばれるまでになったのですが、打吹城は、因幡、伯耆の境にあたる好位置だったわけですね。ただ、今では米子の経済力の方が上回っているわけで、たぶんそれは伯備線の効果。安来に伯備線がついていたらというのは、それをよく表している言葉だと思います。
さて、応仁の乱で細川氏と戦った山名宗全ですが、その後、時代は戦国時代に突入。山名一族は急速に衰退していくことになります。
これって、なるほどという感じの歴史ですよね。他方の三朝温泉も世界一のラジウム含有量を誇る名湯だし、倉吉って、なかなかすごいじゃないですか。実はイマイチ歴史のない米子のイメージも重なって、私の中で評価を落していましたが、これでしっかり修正ができたように思います。
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倉吉は、島根県側から車で向かいます。昔は9号線しかありませんでしたが、今は高速道路並みのバイパスが出来て、かなり便利になりました。
米子を過ぎて、まず寄ったのは、道の駅 大山恵みの里。あれは大山なんですが、米子の方から見る大山の姿とかなり違って、伯耆富士という感じが全然しない。こっちの人は「裏大山」というそうです。 -
バイパス道路沿いにはあるんですが、比較的規模は小さいので、産直の売り場はちょっとイマイチ。
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大山乳業の製品がたくさん置かれていたのがせめてもの救いかなあと思います。
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しばらく走って、今度は物産館ことうら。道の駅ではないですが、道の駅のような感じの施設です。これもバイパス道路沿いにあって、目立っていたので寄ってみました。
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近くに漁港もあるのでしょうか。新鮮な海産物の売り場がかなり充実していて、これはすごい。見事なカレイのフライをお土産にしました。
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途中、もう一つ寄ってみたのは、大栄の道の駅。
大栄と言えばスイカをイメージしてしまいますが、このシーズンなので、それはなし。 -
一方で、いちごや高知の文旦が置いてあったのは、ちょっと驚き。この時期だと高地では文旦があちこちで大量売りされていて、爽やかな酸味がおいしいんですよね。ただ、知らない人だとその価値は分からない。難しいところかもしれません。
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気が付くと、道の駅大栄に隣接して、青山剛昌ふるさと館という施設がありました。
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青山剛昌は、刑事コナンの原作者のようで、施設は刑事コナン一色といった感じ。大人700円ですが、たくさんの親子連れが入っていて、けっこうな賑わい。
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なお、ミュージアムショップもありますので、ちょこっと見るなら、こっちだと思います。
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そして、Codaは、道の駅大栄に隣接したジェラート屋さん。道の奥にあるので、知らないと見過ごしてしまいそうですが、地元でもおいしいと評判のお店です。
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イチオシ
一番人気というミルク味のジェラートにしました。あっさりした素直な味わい。もうちょっと量があってもいいかなあと思うのは、結局はそれだけおいしいから。店内もおしゃれです。
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さて、寄り道ばかりでしたが、なんとか白壁土蔵群に到着しました。
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倉吉まちづくりセンターは、白壁土蔵群の観光のスタート地点と言った場所。基本は、公衆トイレなんですが、待合所のような休憩スペースがあったり、鯉が泳ぐ水路のようなものも設置されたりして、なにか倉吉って意外にいい街じゃないかという印象を持たせてくれる施設だと思います。
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その向かいが倉吉ふるさと物産館。
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店内に入ると、倉吉の特産品を扱うばりばりのお土産物屋さんですね。赤瓦一号館もお土産物屋さんなんですが、こちらの方が比較的標準でしょうか。それに、打吹だんごの歴史とかをパネル展示していたり、流し雛をおいてみたり、工夫はあれこれ感じます。
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その並びにあるのが倉吉ふるさと工芸館。
陶器かと思ったら、ここは倉吉絣という絣の施設。江戸時代後期に、稲嶋大助という人物が絵柄を考案し、普及させたということ。背景として、この辺りでも、商品作物としての綿花の生産が盛んだったのではないかと思います。 -
イチオシ
そして、すぐに現れるのが元帥酒造。ここは、もう白壁土蔵群の中心部です。白壁に付いた木枠の出窓が並んだデザインと全国新酒鑑評会金賞の看板が目立っています。
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外観は販売店のようにも見えるのですが、酒造見学もできるよう。
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ただし、事前の予約が必要です。
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元帥酒造の角を右に曲がってすぐの桑田醤油醸造場は、いかにも老舗の醤油屋さん。重厚な構えの建物ですね。
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入ろうかどうしようか迷っていましたが、赤瓦六号館と書いてあったので、これは観光客向けの施設なんでしょう。ということで入ってみると、休憩所のようなゆったりしたスペースがあって、とっても気持ちいいですねえ。商品がちょこっと置いてあるくらいで、ここを訪れた芸能人の色紙なども。気軽に入れる施設であることが分かって安心しました。
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通はこんな感じ。少しづつ先の方へ向かいます。
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凧工房は、奥が喫茶店になっているんでしょうか。それは気が付きませんでしたが、
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イチオシ
店内に飾られたいろんな凧がとても美しい。
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子供のころに遊んだ凧はこんなに美しいものではありませんが、それでもわくわくするような感覚を思い出すし、見ているだけでとても楽しい。ここも気軽に入れるので、お勧めです。
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くら用心って面白い名前だなあと思って、ここも寄ってみることに。
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しかし、この建物は、名前の印象と違って本格的。明治時代の町家を参考に復原されたものということですが、この建物自体に重厚な雰囲気があって、見応えがあります。
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入ってすぐの場所に消防のポンプ車も展示されています。突き抜けると裏庭もある。街歩きの休憩所としても利用できるのではないかと思います。
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イチオシ
もう一本入った裏通りに見えているのは、赤瓦1号館。この辺りのぶらぶらは、八橋往来コースというのが設定されています。
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ただ、その前に。
竹蔵は竹製品のショップなんですが、置かれた商品の素晴らしさは半端ないですねえ。竹細工って観光地ではよく見かけるんですが、ここのレベルは美術館でも見ているよう。ずば抜けているような気になりました。店内は撮影禁止なので、実際のところはお伝えできませんが、是非どうぞ。 -
倉吉の白壁土蔵群には、赤瓦と書いた大小のショップがいくつかあるのですが、この久和は一番小さいくらいでしょう。小川を渡った先の建物。
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店内には染物の商品が美しく飾られていて、工夫しているなあという感じ。御主人が赤瓦のことを少し教えてくれました。
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さて、倉吉の白壁土蔵群には、赤瓦一号館から十六号館までの工夫を凝らしたショップが点在しています。お店やレストラン・喫茶など業態は様々ですが、赤瓦と書いてあると観光客用の施設であることがはっきりわかるので、入りやすいような気がしました。
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で、赤瓦と冠する施設で、この赤瓦一号館二号館は最も大きな施設。かつては醤油屋のもろみ工場だった建物で、内部の奥に奥に長く続いた空間は、それ自体が楽しくなるような感じですね。手前の一号館は地元のお土産物や特産品など。
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赤瓦二号館は、そのまま一号館の奥に進んで階段を登った場所です。
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販売の中心は竹細工。近くにあったさっきの竹蔵という竹細工のお店と内容は似ています。しかし、こちらの方が庶民的な感じがあるし、中央に休憩所のようなスペースがあるので、ゆっくりと楽しめると思います。
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続いては、赤瓦十一号館 陶芸館。こちらは、陶芸体験ができる施設だそう。
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何気に入ってみたら、陶芸体験をしたhとの写真がずらりと壁に貼ってあって、皆さん楽しげです。作った作品は、後で窯焼きして送ってくれるよう。旅の思い出には確かに最適でしょう。
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すぐそばの琴櫻記念館は、地元が生んだ名横綱、第53代横綱琴櫻を記念する施設。
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イチオシ
玄関を入ると、天井に届きそうな勢いの巨大な力士像がお出迎え。度肝を抜く演出です。
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展示は琴櫻の化粧回しとかもありましたが、タイムリーなことに、同じ一門なんでしょうね。琴奨菊関係の資料もあって、ちゃんと配慮が行き届いているなあと感心しました。
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白壁倶楽部は、ここも赤瓦十三号館の看板です。明治41年に建てられた旧国立第三銀行倉吉支店の建物を活かして、レストランとなっています。内部の見学もしたいところなんですが、やっぱりレストランなので、外観を確認するだけ。それでも、もしかしたら、頼めば中を見せてもらうことができたんでしょうか。よく分かりません。
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清水庵では、栃餅をお土産にしました。
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しかし、うーん。これは何ですかあ。栃のえぐみがけっこう残っていて、食べれたものではありません。ふっくら、もっちりのお餅としての出来はさすがなのに。。。砂糖でもまぶせば何とかなったんでしょうか。もったいないので、頑張って食べましたが、ちょっとひどいなあと思います。
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くらよしアートミュージアムという看板があって、無料の施設のようだし、ちょっと寄ってみました。
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小さな蔵を活用したもので、一部屋が展示室になっていましたが、個性的な現代アートの作品は、居場所を見つけてもらって活き活きしている感じ。小さな施設ですが、作品を上手に見せるミュージアムだと思います。
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そして、大岳院は曹洞宗の寺院。
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入口に建つ楼門にも威厳が漂います。
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で、こちらの見どころは、
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イチオシ
その楼門を入ってすぐの里見忠義主従の墓。里見忠義は、小説「南総里見八犬伝」のモデルとなった人物で、千葉県館山から、この地に流罪人のように配置換えされました。江戸湾の入り口といった戦略上重要な地域から外様大名を除くための計略だったとされています。
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ぎゃらりい和は、赤瓦グループではないようですが、白壁土蔵群のエリアにある趣味のお店。
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塗物や陶器、布製品など、日用品ではあるのですが、ちょっとおしゃれな演出を楽しみたいという人のためのお店でしょう。建物の雰囲気もいいし、ちょっと寄ってみるのに損はないと思います。
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高田酒造は、白壁の土蔵群の中心。裏通りの小川に面して長く続いた白壁の建物は、ここの建物です。ブランドは「此君(しくん)」。中国の故事から取ったものだとか。
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店舗では、そば屋さんもやっているのですが、お客さんが多いのに手が回らないので、待ってもらちがあきそうにない。そっちの方は諦めて帰りました。
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大連寺は、倉吉市街にある浄土宗の寺。弁天参道と書かれた小さな路地を進むと
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イチオシ
その奥に立派な楼門。
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そして、正面には鉄筋コンクリート造の黄色の本堂が建っていて、予想を見事に裏切る展開です。
こちらは、豪商淀屋清兵衛歴代の墓もあるようですが、それはよく分かりませんでした。 -
万よしは、地元の老舗お寿司屋さん。駐車場がきちんとしていたので、こちらにしました。
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奥の離れのような席に案内されて、庭を見ながらとってもリッチな雰囲気。
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他に客もいなくて、ずいぶんゆっくりさせてもらいました。
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ところで、入って気が付いたんですが、こちらには棟方志功も来たことがあるようです。
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倉吉の街はだいたい感じがつかめたので、今日の宿の三朝温泉に入ります。
これは三朝温泉を流れる三朝川です。 -
三朝橋は三朝川に架かる橋で、この橋を渡るとそこが三朝温泉の市街地という位置関係です。
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橋から上流を眺めると、三徳山の方向。左手にホテル、見えている依山楼岩崎が今夜の宿です。
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そして、三朝橋のたもとの河川敷には、河原風呂。三朝温泉の名物、露天風呂には簡単な囲いがあるだけで、下呂の噴泉池と似ています。朝早くから入っている人がいて、ホテル(依山楼岩崎)からも丸見えでした。
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たまわりの湯は、三朝橋を渡ってすぐの日帰り温泉。三朝温泉の日帰り温泉は株湯もありますが、ここが一番手っ取り早い場所だと思います。三朝温泉はあんまり熱い湯じゃないと思いますが、けっこう熱め。あまり長湯しないでくださいという注意書きがありました。
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イチオシ
大綱引き資料館陣所の館は、これも三朝橋のたもと。三朝温泉市街の入口に建つ、ちょっとレトロな建物です。
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陣所というのは、三朝温泉で毎年5月4日に行われる祭りのこと。
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藤カズラで編んだ重さ2tの綱を東西に分かれて引き合うのです。
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館内は、その様子を紹介する展示がメインですが、投げ入れ堂の模型や観光地図なども置いてあって、何かと役に立つ施設かと思います。
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三朝温泉の市街中心部には、湯の街ギャラリーと呼ばれる通りがあります。商店というか家屋の表に小さなショーウインドーがあって、その家のコレクションのような作品も並びます。
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これは梶川理髪店という床屋さん。理容資料館というかつての理容の道具類などを収集展示しているところなのですが、現役の理髪店なので、やはり何だか入りにくい。外観を確認しただけでしたが、手書きの看板などもやっぱり味があって、さすがという感じ。原宿にあっても恥ずかしくないようなおしゃれな雰囲気があって、感心しました。
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調刻の館は、高野豆腐を素材にして、調理師さんがいろんな彫り物をした作品が展示されていました。
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メジャーだと象牙の彫り物というのがありますが、色合いからすると少し似ていなくはない。面白い着想だと思います。
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さらに奥に進んで、
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これは薬師の湯。小さなお堂と一体となって、飲泉と足湯が併設されています。コップがあって、私も少し飲泉をしてみました。温かな温泉はわずかに匂いがあるのですが、とても飲みやすい。むしろ、おいしいかなあと思うくらいでした。これも、ラジウム泉です。
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三朝神社は、三朝温泉市街の端っこ。周囲は石垣が組まれて、少し高くなった場所が境内。
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温泉地にはよく温泉神社とか温泉寺といったものがあるのですが、そういった位置づけでしょう。
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ただ、こちらは境内にラジウム温泉の本物の「神の湯」がありました。
ちなみに、三朝温泉の市街地にある日帰り温泉だと株湯とひだまりの湯。飲泉だと薬師の湯とこの神の湯になります。変わっているのは、この神の湯は三朝神社の手水所となっていることですね。温かい湯がちょろちょろ流れ出ていて、私もひしゃくで少し飲んでみました。これも違和感のない温泉水です。 -
株湯は、三朝温泉の元湯といったところ。
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日帰り温泉と足湯に加えて、温泉水の汲み場があって、何人かの人がポリタンクに温泉水を汲んでいました。三朝温泉はラジウム泉。細胞を活性化させることで万病に効くといわれていますので、当然の光景かもしれません。
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三朝温泉発見の像に、
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この足湯は足湯だけではもったいないような風情ある造りです。
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松之屋は、三朝温泉の名物、栃餅のお店。地元の人も大ファンの人が多いので、早めに行かないとゲットすることはできません。
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ということで、これは翌日の早朝改めてゲットしたもの。
栃餅は予想に反して、とっても柔らか。ふわふわのお餅にしっとりした餡子が入って、なるほどいいですね。普段はこんなの食べない家族が気に入って食べてくれたので、もう少し買ってくればよかったかなあとちょっと悔やみました。 -
そこからホテルは、この恋谷橋を渡って。三朝橋の一つ上流になります。
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中央にカジカ(蛙)のモニュメントがあって、とっても愛嬌があるというか、かなりのリアルさ。
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イチオシ
恋谷橋の名前と合わせて、恋愛のパワースポットとなっているようです。
ここでいったんホテルにチェックインしておいて、改めて、倉吉の街の散策です。 -
賀茂神社は、倉吉博物館の駐車場に上がる途中。名前の由来は、京都の上賀茂神社から分霊をしたから。鳥居のところから、深い森の中に続く神社の雰囲気があって、清々しいです。
背後の打吹山には、打吹天女の伝説というのがあって、この境内にある夕顔の井戸がそれ。天女がこの井戸の脇にあった夕顔を伝って天に登りましたが、天女には二人の息子がいて、母を慕って山に登り、太鼓や笛を鳴らした。それが打吹山ということです。打吹山は、倉吉の白壁土蔵の街並みの背景にそびえる小高い山。天女伝説があって、天に昇った天女には子どもがいて、この山の頂で太鼓や笛を吹いて母親を思ったというものです。 -
勝入寺は、打吹山のふもとにある曹洞宗の寺。観光スポットとしてはマイナーなんですが、江戸の初期、姫路藩の家老伊木忠次が主君池田恒興の供養のため開いたもの。その後、池田家が鳥取に移封となり、伊木家も倉吉に配されたことで、ここに移ってきました。
竜宮城のような楼門が見どころです。 -
少し移動して、こちらは満正寺。
鳥取池田藩城代家老、荒尾志摩の菩提寺として建てられた名刹です。 -
ただ、今は九曜星占盤のあるパワースポットとして有名なようで、この日も若い女性のグループが来ていて、何やらお寺の人から説明を受けていました。九曜星占盤は本堂の前にあって、大きなもの。荒尾家の家紋が「九曜紋」だったことからきているようです。
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白壁土蔵群への入口にあたる場所に立つ琴桜銅像は、第53代横綱「琴櫻」を称え、市民有志で造られたもの。琴櫻関の不知火型土俵入り姿だそうですが、高さは約2.2m。郷土の誇りとして愛された横綱の雄姿を力強く再現しています。
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そのすぐそばにあるのが赤瓦十号館。琴桜像の通りにあって、白壁土蔵群周辺を案内する観光案内所となっています。
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ところで、この辺りは一方通行も多いし、駐車場も分かりにくい。ここでもう一度詳しい情報をもらって、かなりスムーズに回ることができました。街歩きの地図もよくできていると思います。
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で、向かったのは豊田家住宅。打吹玉川伝統的建造物群保存地区の西側の端です。
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かつては、代々呉服屋を営んだ商家の町屋建築で、国の登録有形文化財にも登録されています。
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有料の施設で、係の人に頼むと奥の方から二階の方まで案内してくれます。
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面白いのは倉吉談語の会。倉吉の街の歴史などについて講談もしているようでした。
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出雲大社倉吉分院というのは、出雲大社の分院というくらいですから、直系の神社になるんだと思います。ここからすれば、同じ山陰なので、そんなに遠いということもないかもしれません。ただ、なぜ倉吉なのかは疑問に思わないでもない。栄えている場所には何でもアリということでしょう。
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倉吉の観光でもけっこう推奨しているのが、この倉吉淀屋。
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この淀屋は、大阪淀屋橋のところにあった豪商淀屋のこと。といっても、大阪でも淀屋橋の淀屋が豪商淀屋のことだと知っている人は少ないかもしれません。
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さて、「淀屋」の屋号をもつ牧田家は、淀屋に奉公をしていた人物。淀屋が取り潰しになる前に暖簾分けをしてもらい、結果としてその流れを絶やさぬようにしたのだとか。倉吉でも商人として成功し、この屋敷はそれを偲ぶものです。
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鳥取二十世紀梨記念館って、
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そんなに期待していたわけではなかったのですが、
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内部に入ってみると気持ちの良い巨大空間が広がっていて、これを見るだけでも価値があるでしょう。そして、鳥取二十世紀梨のあれこれを解説する資料館に梨のジェラート屋さんなど。これは時間を取って見る施設だと思います。
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倉吉市内のあちらこちらで看板のある打吹公園だんご。やっぱりそれが気になって、石谷精華堂を訪れました。
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見た感じは、松山の坊ちゃんだんごとよく似ています。しかし、食べると、こんなに小ぶりなのに、お餅のしっかりしたモチモチ感に餡子のメリハリのある甘さがすごいです。坊ちゃんだんごもタジタジということでしょうか。名物にうまいものなしとも言いますが、これは本当にいけてます。
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南苑寺は、三朝温泉の市街を見下ろす場所のはずなんですが、その正面に依山楼岩崎の巨大な建物が建っていて、その魅力が半減しているような。一方で、依山楼岩崎からは、いい具合の借景となっていて、竜宮城のような楼門や寺全体の雰囲気がよく見えています。つつじが有名なようで、それも素晴らしい景観になるのではないかと思います。
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倉吉市内を終わって、これであとはホテルで休みます。いつもは安宿なんですが、今回は母と二人なのでゆっくりできるようにとここ依山楼岩崎にした次第です。
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三朝川沿いに建つ巨大ホテルなんですが、三朝温泉市街は川を挟んだ向かい側なので、基本はホテルの中で過ごすことになるでしょう。
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料理は、部屋ではなく、別途、個室でいただきますので、面倒くさくなくていいと思います。
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例によって、山陰の冬の味覚、蟹とかもありますが、
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定番の域を出るものではないと思います。
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ネットで、直前に低料金プランが出ていたのでそれを利用したのですが、本来は、一人2万円以上のプランです。
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中居さんがかいがいしくお世話をしてくれて、
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和やかに食事をすることができました。
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接客や風呂、部屋の質なども含めて、それだけのものはあると思いました。
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イチオシ
風呂の方は露天とか含めた何種類かがあるのですが、全部を巡ってもあんまり意味はないかも。入ってすぐの風呂が大きいし、ここで十分だと思います。
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上がってすぐの場所にあるのは飲泉。ここでも少し飲んで、ラジウムの恵みを吸収します。
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翌朝は、早めの食事をして、取りあえず、一人でもう少し周辺散策。
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三朝温泉は世界有数のラジウム温泉ですが、そのラジウムにちなんで、三朝温泉にはキュリー夫人の像が建つキュリー広場という広場があります。正面にステージのような建物があって、これならいろんなイベントも出来そうです。ただ、何もなければ、ちょっとさみしいところです。
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そして、せっかくここまで来たので、投入堂にもいてみましょう。
この鳥居は三徳山の入口。三徳山というのは、三徳山を境内とする三仏寺と投入堂の一帯を指す名前です。
三朝温泉から向かうと、途中から急に山の中に入って行って、この時期雪の量なども全然違いますね。 -
例の投入堂はこの遥拝所の双眼鏡から眺めましたが、
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岩山の斜面に張り付いた姿は基本写真で見たとおり。意外に小さな建物でなんだか健気な風に見えました。
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では、三仏寺の方に回ってみます。
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三仏寺は、天台宗の寺。国宝、投入堂で有名になりました。
ここが受付ですが、この時期は雪がまだ積もっていて、投げ入れ堂に向かう登山道への立ち入りは禁止のようでした。 -
境内に入るといくつかの塔頭があって、まずは皆成院。 -
雪に埋もれた日本庭園も見えましたが、気になったのは観音菩薩、薬師如来、文殊菩薩の案内板。てっきり拝観できるものと思ったら、尋ねると、それはやっていませんとのこと。じゃあ一体さっきの看板はどういう意味があったのでしょうか。割り切れないものが残りました。
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こちらは輪光院。ちょっと傷んだ感じとか、歴史を重ねてきた建物だということが感じられます。
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門を入って本堂までの参道沿いに、何体かの動きのある石地蔵さん。馬と戯れていたりして、面白い趣向です。
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ここから奥に向かいますが、
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役行者が修験道の行場として開いたとされる境内はそれなりの雰囲気。
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受付から、この本堂への道だけでも、石段にあちこち苔がむして、古びて崩れ落ちそうな建物など、とても迫力を感じました。
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本堂で特別公開中の室町時代の勝ち馬像に、宝物館の木造蔵王権現立像もいかにも山岳仏教らしい力強さと荒々しさ。少し荒削りの感もなくはないですが、それも含めて味わうべきかと思います。
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ホテルで母を拾って、ここからまた島根に向かって帰ります。
ただ、倉吉で見落としていた場所を思い出して、もう少しチャレンジ。
この倉吉線鉄道記念館は、倉吉軽便鉄道として明治45年に開通した国鉄倉吉線の記念館。 -
無人の施設なので、電気は自分で点けるという仕組みです。かつての沿線の風景を撮った写真パネルやディーゼル機関車等の展示もありました。がらんとした室内で、一人静かに眺めましたが、街の誇りであるとともに、たくさんのファンがいたことが感じられました。
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倉吉の白壁土蔵群のエリアの真ん中辺り。和菓子屋さんがあるのに気が付いて寄ってみたのがまんばやです。
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どうかすると一見駄菓子のような和菓子なんですが、これがなかなかの出来。
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見ていても美しいし、砂糖の甘さがいい感じで沁みてくる。
古い街だとたまあにこんな和菓子屋さんがあるのですが、もうかなり珍しくなっているような。。鶴岡や古河の似たお店を思い出しますが、貴重なお店だと思います。 -
で、最後に向かったのは、伯耆の国の国府跡。
倉吉は、鳥取市と米子市の間にあって、これまで印象が薄い街だったのですが、ここは伯耆の国の国庁があった場所だったのですね。そもそも、伯耆の国は大山を中心に考えていたので、これまで倉吉に伯耆の国というイメージはなかったんですよね。 -
白壁土蔵群から少し離れた殺風景な場所ですが、小高い場所に上がってみると、それなりにというかちゃんと跡が整備されている。地元の人も観光客もほとんど来ないと思いますが、倉吉の認識を新たにできる場所だと思います。
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その一角にある法華寺畑遺跡。寺とあったので、多分、これが国分寺のことかと思ったのですが、法華寺は国分寺とは違いました。敷地内のトイレの前に説明パネルがあって、当初は役所として使われ、後に国分尼寺に転用されたとありました。
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そして、国分寺跡はこちら。伯耆国庁跡から少し離れた場所です。
伯耆国庁跡と似たような史跡だろうと思ったら、さにあらず。高く積んだ土塁で、国分寺の伽藍配置が明瞭に分かるように整備されていて、これならずっとリアルに当時の様子が想像できますね。ちょっと感心。比較的規模は大きくはありませんが、工夫のある史跡だと思います。 -
道の駅、ポート赤崎で昼飯を食おうと思ったのですが、隣りにあった食事処「海」の方が人が集まっていたので、こちらの方にしてみました。
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お勧めのあみ定食850円をいただきましたが、あれこれ余計な技を使っていない、素直な田舎の料理と言った感じです。
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道の駅 ポート赤碕は、鮮魚が充実しています。
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シマメイカやカワハギも悪くないんですが、よく太ったメバルがどうしても気になって、それをお土産にしました。さっそく、煮つけでいただきまして、まいう〜。日本海の芳醇な味わいを堪能しました。
以上で、倉吉、三朝温泉の旅は終了。お疲れ様でした。
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この旅行記へのコメント (4)
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- ふわっくまさん 2016/07/14 12:00:36
- 倉吉〜ステキな街並みでしたね〜☆
- たびたびさん、こんにちは。
私の旅行記にも度々(!)ご訪問&いいね!して頂き、ありがとうございます。
倉吉の白壁土蔵群での酒蔵や、老舗の醤油屋さん・陶器店の様子等々しっとりとした風情のある街並みを拝見させていただきました。
そして、純和風の素敵なホテルでのご宿泊〜温泉好きにはたまらないですし、お料理もとってもおいしそうでした(^-^)
また鳥取の梨は私も大好物でして、旬の季節が訪れたら行ってみたいなぁ〜と思っています。
またゆっくりお邪魔しますので、宜しくお願いいたします。
ふわっくま
- たびたびさん からの返信 2016/07/14 17:10:35
- RE: 倉吉〜ステキな街並みでしたね〜☆
- これで鳥取県の評価がぐんと上がったように思います。ラジウム泉は実際に体にも実際よいようですし、機会があれば、ぜひどうぞ。
たびたび
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- わんぱく大将さん 2016/07/04 04:18:43
- とち餅
- たびたびさん
私も何度か三朝温泉にいってるのですが、とち餅にはあるつけたことはありません。 う〜ん、やはりおいしかったようで。
大将
- たびたびさん からの返信 2016/07/04 10:35:07
- RE: とち餅
- 観光客にも人気ですが、地元の人にも人気のようです。朝8時くらいから。7時からという情報もあるのですが、「年を取ってしまって、今はそんなに早くは開けていません」ということ。人気の店でもたぶん跡を継ぐ人はいないんでしょうね。あちこちで同じようなことは起きているんでしょうが、寂しいことだと思います。
たびたび
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