2015/12/13 - 2015/12/13
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Naoki_Oさん
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3機のスペースシャトルを見るツアー、3日目です。昨夜ハージニア州からはるばる1200km旅してフロリダにやってきまして、今日はケネディ宇宙センターにスペースシャトル「アトランティス」を見に行きます。ケネディ宇宙センターと言えば、アメリカの有人宇宙計画初期からロケットの打ち上げに使われてきた長い歴史を誇る施設です。ビジターセンターに置かれた「アトランティス」を見た後、打ち上げ施設近くまで行くバスツアーに参加します。あの、月ロケットやスペースシャトルの打ち上げにも使われた施設です。今はスペースシャトルも、次期有人ロケットも、打ち上げられていませんが、どんなものが見られるでしょうか。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- ユナイテッド航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- JTB
PR
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朝ごはんです。今日も頑張っていきましょう!
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ケネディ宇宙センターのビジターコンプレックス入り口です。え〜、アメリカの軍事とも深く関わる政府施設に来たはずなんですが、なんというか、遊園地みたいです。
ケネディ宇宙センター 博物館・美術館・ギャラリー
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例によってセキュリティチェックに並んだ後、入場ゲートをくぐると、そこには初期の宇宙計画で使われたロケットたちの雄姿が。スペースシャトルと比べるととても小さく見えますが人間、一人か二人を地球の周回軌道に送るだけなら、これで十分なんですね。後ろに転がっている大きいやつは、アポロのようですが、サターンV型にしては段数が足りません。正解はアポロ7号で使ったサターンIB(いちびー)型です。しつこいですが、全部地上検討用の予備機です。
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ビジターコンプレックスの他の部分はさておき、「アトランティス」を見に来ました。そそり立つスペースシャトルの個体ロケットブースターと外部燃料タンク。そこに取り付くべきオービターは隣の建物の中に安置されています。
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どどーん。どうですこの外連味。スミソニアン博物館ではミッションを終えて着陸した姿でしたが、ここではまさにミッション真っ最中、宇宙空間を飛翔する姿で展示されています。実はこの部屋に入る前に、さすがディズニーランドのお膝元、と思うような演出があるのですが、それは行った時のお楽しみとしておきましょう。
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カーゴベイの中が良く見えます。ここに、人工衛星や国際宇宙ステーション(ISS)に届ける資材や物資を積んで、宇宙に行ったのです。
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ケネディ宇宙センターでは、スペースシャトルの翼の上側もじっくり見られます。翼の前縁と機首先端は、他の耐熱タイルよりも耐熱性と強度の高い物質でできています。
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カーゴベイの内部です。さて、何のミッションを模しているのかわかりませんが、運ばれてきた荷物は、カーゴベイからは取り出された後のようですね。
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カーゴベイ前端にはISSとのドッキング機構が搭載されており、どうやらISSに何かの資材を運んできたようです。
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スミソニアン博物館ではあまりよく見えなかった船尾RCSもすぐ目の前です。
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そしてメインエンジンも!
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おじさんなのでスカートの中が見える時は写真を撮ります。ロケットエンジンの、ですが。
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飛行状態を再現しているので、着陸脚は格納されています。脚庫の扉は、閉じるとこんな風になるのですね。
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スペースシャトル下面をこんな風に一望できるのも、ここ、ケネディ宇宙センターだけです。
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アトランティスの展示施設の近くに、アメリカの宇宙計画で亡くなった人たちの慰霊碑が立っています。宇宙船の事故で命を落としたのは、アポロ1号、スペースシャトル「チャレンジャー」と「コロンビア」の合計17人ですが、他に、訓練中の事故で亡くなった人の名前も刻まれています。
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歩道わきに飾られているT-38練習機。宇宙飛行士が訓練や移動に利用する飛行機です。
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お土産物屋さんに入ると、ほらほら〜、やっぱりありますよ、ペニープレスマシン。おや、ここは51セントですね、アメリカのコインで動く機械は、たいてい25セント玉(クオーターと呼びます)専用ですので、1回1ドルだとクオーターが4枚必要です。クオータ−は日本円で30円くらいですが、500円玉かというくらい大きいので、沢山用意するのは、物理的に大変ですが、1回50セントならクオータ−2枚なので、お財布にも物理的に優しいと言えましょう。
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カフェテリア、オービットカフェで昼食です。クリーミーマカロニにヒッコリースモークトベーコンとトーストしたパン粉をトッピング。ペプシを付けて税込み10.95ドル。なんとなく、日本人が長生きな理由がわかってきました。
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使い捨てカトラリーのディスペンサーです。これはナイフ。下の口にちょろっと顔を出している柄を掴んで取り出すと、次のナイフが電動で押し出されてきます。裏側に同じようなスプーンとフォークのヤツがあります。日本の看板だらけ、テプラだらけの機械もどうかと思いますが、アメリカの機械のこのアフォーダンス何するものぞと言わんばかりのつっけんどんさもなかなかです。清潔で無駄がないには違いありませんが、カトラリーがこれだとわかるまで、ずいぶん探しました。
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バスツアーを待つ間、ロケットガーデンをウロウロします。む、これはナチスドイツのV2ミサイル式の推力偏向装置。するとこのロケットはレッドストーン、上に乗っているのはマーキュリーですか。本当に大陸間弾道ミサイルを流用していて、そのミサイルも本当にV2の系譜だったんですね。
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マーキュリー・レッドストーンの上の方。マーキュリー計画の最初の2機の再現ですね。黒い円錐が人が乗るカプセル。次のアトラスと違って地球周回軌道に乗ることができず、弾道飛行を行っただけです。赤い櫓は脱出ロケットで、打ち上げ直前、直後に緊急事態が起きた時には、この櫓のロケットで下のカプセルを引っ張ってロケット本体から引き離します。
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こちらは、マーキュリー計画のある意味本番、地球の周りを回ってきた、マーキュリー・アトラスです。レッドストーンよりも大型の弾道ミサイル、アトラスを流用しています。
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マーキュリー計画とアポロ計画の間のジェミニ宇宙船。白い円錐台の部分までが一体になって地球周回軌道に乗り、帰還する時は上の黒いところだけ切り離して降りてきます。白い部分も地球に落ちますが、再突入の熱で燃えてしまいます。ところでジェミニには脱出ロケットがありませんが、これはジェット戦闘機のような射出座席を備えていたからで、非常時には飛行士を乗せた座席だけが打ち出されます。でもこれ以後、スペースシャトルの最初の4回の打ち上げを例外として、アメリカの有人宇宙船は射出座席を備えていません。
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この、赤い吊橋みたいなものはなんだろう、とちょっと考えてしまいました。これは、サターンV型の発射台から、先端の司令船に乗り込むためのボーディングブリッジではありませんか。先っちょの、円錐形が司令船カプセルで、ご丁寧に緊急脱出ロケットのカバーに覆われています。宇宙飛行士気分でこの橋を渡り、先端でアポロ司令船の中を覗くことができます。
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バスツアーが始まりました。おお、あれに見えるはVAB(ヴィークルアッセンブリービルディング/宇宙船組み立て棟)。でもバスはまっすぐケープカナベラル空軍基地との間を隔てるバナナ川へと向かいます。
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ここはバナナ川を横切る堤の上。ここでちょっとバスを降ります。川というか海というか、遠く対岸に見えるケープカナベラルで大西洋と仕切られた、日本で言えばサロマ湖とか天橋立のある阿蘇海みたいなところですが、あー、ものすごく広いとしか言いようがありません。
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対岸に空軍のアトラスやスペースX社のファルコン9などの発射施設を望む、打ち上げ展望台です。この8日後にここにいたら、ファルコン9の打ち上げと帰還を見られたかもしれません。
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バスツアーは空軍基地の外にある、ローンチコンプレックス(発射場)39A、39Bが見える展望台にやってきました。これは、スペースシャトル打ち上げに使われた39A。まだ、シャトルのための整備塔が残っています。
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お? あれは、スペースシャトルのモバイルローンチプラットフォーム(移動発射台)。しかもクローラートランスポーターに乗っているではありませんか! あのプラットフォームの上に、外部燃料タンクと固体ロケットブースターを装着し、液体燃料注入前でも1000トンを超えるスペースシャトルを立てたまま乗せて発射場まで運んで行った、それがまだそこに置いてあるのです。
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クローラートランスポーターの専用移動路には、キャタピラが踏んだ跡が、まだくっきりと残っています。
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近づいてきました。すごい大きさです。
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スケール感が狂ってしまいます。外側に人間のための通路があってまるで船ですが、スターウォーズに登場する、ジャワ族のサンドクローラーのよう、と言うのが一番的確でしょう。
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今にもその辺から、ドロイドをぞろぞろ引き連れたジャワたちが出てきそうです。
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遂にVABにやってきました。スペースシャトルも、ですが、ここでアポロ宇宙船の、サターンV型ロケットが組み立てられ、モバイルローンチプラットフォームで発射場まで運ばれて行ったのです。今、その月ロケットが出てきた建物の、すぐ近くに自分がいるなんて、夢のようです。
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なんでこんなところに戦車が? 戦車ではなく、装甲車です。側面に番号が書いてあってまるでサンダーバードの救助メカですが、スペースシャトルの打ち上げ直前にどこか異常が起きた時に、乗員が緊急避難するために用意されました。万が一にも、液体個体合わせて1800トンものロケット燃料が爆発したら大惨事です。そこで、緊急用ロープウェイで地上に降りた乗員は、この装甲車に乗り換えて逃げるのです。が、幸い、一度も使わずに済みました。
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はて、ついさっきVABの前にいたのですから、ビジターコンプレックスにまではまだずいぶん距離が(5マイルくらい)あるはずですが、ツアーバスを下ろされてしまいました。ところでツアーバスにはずいぶんお年を召した解説おじ(い)さんが乗っているのですが、よく通る声と明瞭な発音で、これ以上聞き取りやすいアメリカ英語はないと思ったくらいです。(ええ、半分くらいしか聞き取れなかったのは、私のスキル不足ですとも)
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バスターミナル脇の建物に入ると、また映画が始まって、さらにその先のこれはアポロ時代の管制卓ではないですか? これはまたあのパターンですね。するとこの先にあるのは?
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おおー、ケネディ宇宙センターのどこかにあるのは知っていましたが、サターンV型がこんなところに! 直径10m、全長110m、横倒しになっていても、ものすごい大きさです。見ていると現実感を喪失して変な笑い声が出てきてしまいます。
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おお、スカートの中がよう見えるわい(誤解を招く表現)。
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サターンV型の1段目、F1エンジンの取り付け部分です。このノズルの頂点からエンジンの700トン近い推力がロケット本体に伝わります。見ると、1段目の円筒形の縁ギリギリのところにその取り付け部分があって、ロケットの強度を受け持つ外壁に、直接推力を伝えていることがわかります。
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1段目の外壁側面のヒダヒダです。言ってしまえばダンボールのヒダヒダと同じです。5基のエンジンの合計3500トンもの推力は、この外壁を経由してロケット全体に伝わります。そのものすごい力に耐えるための工夫です。ところで考えてみれば当時それ以外の方法がなかったのですから当然ですが、リベット止めだったんですね。
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サターンV型の先端付近に来ました。下にあるのが司令船(コマンドモジュール)と機械船(サービスモジュール)が合体したCSM(コマンドサービスモジュール)。宇宙飛行士を乗せて、地球と月を往復する、いわば宇宙船の本体で、往路ではこれに月着陸船がドッキングしています。上の櫓のようなものは緊急脱出ロケット。サターンV型ロケットの打ち上げ直前や直後に緊急事態が起きたら、これで司令船だけ引っ張ってロケット本体から遠ざける装置ですが、幸い、一度も使わずに済みました。
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司令船を前から見ています。この巨大なサターンV型のうち、回収されるのは司令船だけ、それ以外は全部投棄されます。あるものは地球(主に大西洋)に落ち、あるものは月に残され、あるいは月軌道の外に漂い出て行ってしまいます。司令船も、打ち上げ時はこんな銀色の反射材で覆われていますが、地球に帰還するとき、再突入の熱で焼けてしまい、スミソニアン博物館にあるような姿になってしまいます。
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試作段階の宇宙服ですね。宇宙服は人型の風船を着ているようなものなので、常に宇宙服の体積を最大にしようとする力が働き、手足の関節を曲げるためにはその力に逆らわなければなりません。そこで、大きな関節には曲げても体積が変わらないような工夫がしてあって、それはこんにちの宇宙服でも同じですが、この型では関節の仕組みがむき出しになっています。
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こちらがアポロ計画の本番で使われた宇宙服ですね。関節の部分はカバーされています。これは、実際にアポロ14号でアラン・シェパードが使ったもので、月の微細な砂で汚れています。金魚鉢みたいなヘルメットはまるで50年代スペースオペラのようですが、宇宙船の中では外してしまうのでこれで構わないのです。ただ、実際の船外活動の時には、この上に太陽光を遮るバイザーを取り付けました。
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これが月面で使用したバイザー。金魚鉢の上にすっぽりかぶる訳ですね。月面の強烈な日光を遮るために、内側からグレー、金、不透明と3段階の遮光板が付いています。説明書きによると、金色の部分は実際24金の金箔が貼ってあり、いろいろ試した結果、これが一番良かったんだそうです。
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お、ペニープレスがもう一つありました。こちらも51セント、良心的です。写真では見切れていますが、隣の両替機は1ドル札と5ドル札、両方使えます。凄い! 日本のようにどんなお札でも使える機械は、あるところにはあるらしいのですが、私は見たことがありません。調子に乗って5ドル入れたら財布がクオーターだらけになりました(当たり前)。
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さて、そろそろ現実世界に戻る時間がきたようです。
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おやすみなさい、ケネディ宇宙センター。
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オーランドに戻って夕食です。ガイドさん言われるところの「フーターズみたいなお店」、こと「ツインピークス」のナチョスです。ええっと、トルティーヤに溶かしたチーズ、プルドポーク、刻みトマト、あと緑のやつはまたトウガラシ、な感じですが、すごい量です。
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