2015/12/11 - 2015/12/11
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Naoki_Oさん
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実質4日で北米4箇所の施設を巡り、現存する3機のスペースシャトル全部を見るというかなりハードなツアーの初日です。12月11日の午前11時に成田を出て13時間も飛行機に乗っていたのに、ワシントン・ダレス国際空港に着いたら同じ11日の午前10時だったんだ。何を言っているのかわからねえと思うが以下略。そんなわけで、到着即会議の海外出張ばりに、ワシントン・ダレス国際空港に着くなりワシントンD.C.のスミソニアン国立航空宇宙博物館に行きます。スミソニアンと言えばアメリカ航空宇宙開発史を彩る様々な航空機と宇宙機、その実物をかき集め、展示するまさしく博物館であり、飛行機オタクにとって夢のような場所。さて、どんなものが見られるでしょうか。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- JTB
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ホワイトハウスです。まず空港からホテルに行って荷物を預けた後、ちょっとだけ寄り道してくれました。ワシントンD.C.には政府機関と様々な博物館がひしめき合い、スミソニアン国立航空宇宙博物館もすぐ近くです。
ホワイトハウス 現代・近代建築
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スミソニアン国立航空宇宙博物館に到着しました。入り口ゲートの、アメリカの人が集まる場所ではもはやお約束となった荷物チェックを抜けてエントランスホールで上を見上げれば、あれはスペースシップワン。民間機で初めて、宇宙(と言ってもほんのとば口ですが)と地上の往復に成功した機体です。
国立航空宇宙博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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真上にあるのはベルX-1「グラマラスグレニス」。人類史上初めて音速を超えた航空機です。
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こっちにはノースアメリカン X-15。アメリカ空軍とNASAが高超音速飛行の実験に用いた飛行機です。これはその1号機。
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X-15の尾部。ロケット推進なので過激な燃料を用いる都合でしょうか、燃料投棄パイプが長く伸び出しているのが興味深いです。胴体のこちら側には、LOX JETT(液体酸素投棄)と書かれています。反対側はFUEL JETT(燃料投棄)です。
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展示されているアポロの月着陸船は、もちろん月に行ったものではありませんが、地上テストに使われたのち1970年の大阪万博で展示された逸品です。その上に吊られているのはリンドバーグが大西洋無着陸横断飛行に使ったライアンNYP「スピリット・オブ・セントルイス」、まさにその機体。
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「スピリット・オブ・セントルイス」はドアが開けてあって、計器盤を見ることができます。この飛行機、前を見る窓がありませんが、計器盤には大きな水準器があるだけで、現代の航空機には必ずあるジャイロスコープを利用した姿勢指示器などありません。おそらく機体自身の安定性がとても高くて、パイロットが何もしなければそれだけでまっすぐ飛ぶのでしょうが、それにしてもすごい思いきりです。
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みっしりと展示されるアメリカ民間航空史の前半を彩る様々な航空機たち。中央はダグラスDC-3、その下はボーイング247-D。よく知られたワークホースたちです。
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第二次世界大戦後、急速に発展した大型旅客機の歴史の中で、ダグラスDC-7はレシプロエンジン旅客機のひとつの到達点と言えるでしょう。これはそのコクピット。ものすごい数のメーターで覆われていますが、その半分くらいは複数の燃料タンクの残量計と流量計で、電子計算機の登場がパイロットの仕事をどれほど変えたか、少しだけわかる気がします。
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初期のボーイング747、747-151のコクピット。この機体は、747の商業運行が始まった1970年から飛んでいたものです。後ろに座る航空機関士が操作する分も含めて、おびただしい数のスイッチが並びます。
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「人類史上初めて」づくしのスミソニアンでも、特別な地位にあるライト兄弟の飛行機。修復の手が入ってはいますが、キティホークの丘でわずかな距離を飛んだ、まさに、その機体です。
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一見、代わり映えのしない赤い飛行機ですが、女性飛行家として名を残すアメリア・イアハートが女性初の単独無着陸大西洋横断飛行と単独無着陸北米大陸横断飛行を成し遂げた、ロッキード・ベガです。もちろん、そのもの。イアハートはその後、別の機体、ロッキード・エレクトラで太平洋横断に挑んで消息を絶ちますが、あるじを亡くしてもなお、この機体は当時の姿をここに留めています。
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どう考えても無理矢理押し込んだとしか思えない、マクダネルFH-1 ファントムの展示。初代「ファントム」。
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その展示方法のおかげでFH-1ファントムの下面が良く見えます。この時代の艦載機は、カタパルトと機体の間をブライドルというワイヤーで結んで打ち出していました。エンジン噴射口の胴体寄りの窪みにそのブライドルを引っ掛けるフックがあります。さらにその間の胴体下面の穴はカタパルトで打ち出す前に機体が前進してしまわないよう、後ろ向きに引っ張る金具を掛ける場所です。
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メッサーシュミットBf-109G。言わずと知れたナチスドイツを代表する戦闘機。この機体は、第二次大戦中、パイロットとともに投降したものです。
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Bf-109の脇には搭載されているダイムラーベンツ DB-605 倒立V型12気筒エンジンが置かれています。どういうメリットがあるのかよくわからないのですが、クランクシャフトが上、シリンダーが下で潤滑は当然ドライサンプです。さらにDOHC 4弁、気筒内直接燃料噴射。しかもVバンクの間に機関砲の砲身を通し、減速ギアを介して回すプロペラシャフトの中心を通して発射するという、ナチスの科学は世界一イイイな感じのエンジンです。
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中島飛行機A6M5零式艦上戦闘機52型。言わずと知れた以下略。細くて角ばっているBf-109と比べると、大きなキャノピーもあって思いの外太くて丸っこく見えます。44年にサイパン島で鹵獲されて、アメリカ海軍と陸軍航空隊の手による試験を受けたものを元どおりの姿に修復したものです。
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スーパーマリン・スピットファイアHF. Mk.VIIc。Bf-109や零戦以上に、他に何かあったっけというくらいイギリスと代表する戦闘機ですね。この機体は、43年に性能評価のためにアメリカに送られたものです。
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搭載されているロールスロイス・マーリンエンジンは、同じV12でもメカニズムはBf-109のDB-605よりずっと保守的ですが、連合国の戦闘機用エンジンとしては、最も成功したものと言えるかもしれません。
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P-51D ムスタング。これも説明不要なくらい有名な機体ですね。やはりロールスロイス・マーリンエンジンを搭載し、ヨーロッパの空中戦では大いに活躍しました。この機体は実戦部隊の塗装を施されていますが、終戦間際に完成し、一度も実戦に参加したことがありません。上にちょっと写っているのは、マッキC.202フォルゴーレ。Bf-109と同じDB-605エンジンを積んだイタリアの戦闘機です。この機体はわずか2機の生き残りのうちの片方ですが、アメリカに持ち込まれる以前の経緯はよくわからないそうです。
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お昼ご飯。スミソニアン博物館にはフードコートがありますが、お店はマクドナルドとマックカフェしかありません。マクドナルドでドナトスのピザとかも頼めはしますが。そんなわけで、クラブハウスバーガーを。デフォルトででっかいサラダと飲み物が付いて税込み7.56ドル。
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アメリカの観光地にはだいたいどこにでもあるペニープレスマシン。エロンゲートコインとか、スーベニアペニーとか、呼び名はいろいろあるようですが、ペニー=1セント銅貨をプレス機で潰して元とは違う模様を入れてしまう機械です。これは1.01ドル、つまり25セント玉4枚と、1セント玉1枚を投入口に並べて押し込むと、今入れた1セント玉がプレス型のところに転がっていくので、やおらハンドルを回すと、つまり人力で、楕円形にプレスされて戻ってきます。この機械の場合、選べる模様は全部で4種類。「4つ全部集めよう!」なんて書いてありますが、そんなことをしていると25セント玉がいくつあっても足りません。
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おお、こっちは1ドル札が使えるではありませぬか。なんと文明的! しかも1セント玉を自分で入れなくていい。あ、自前のペニーじゃない専用の銅板だから「スーベニアペニー」でなくて「コレクティブルメダリオン」なんだ。でもプレスは手回しハンドルなんですけどね。
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本日の戦利品。日本でこのように硬貨を変造するのは法に触れますが、アメリカでは問題ありません。
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ナチスドイツが世界に先駆けて完成させた弾道ミサイルV-2。冷戦時代のアメリカの宇宙開発レースの出発点でもあります。ここから月着陸までわずか25年。その後今日まで約45年間、人類が地球外の天体を踏めていないことを思えば、驚くほどの早さです。
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どことなく宮崎アニメのロボットの頭みたいな形のこれは、ソ連の宇宙ステーション、ミールへ往復したソユーズの帰還カプセル。日本人として初めて宇宙に出たTBSの秋山さんが、地上に帰還した時に乗ったカプセルそのものでもあります。
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CORONAスパイ衛星のカメラ。デジタル写真などない時代、宇宙からどうやって敵国の地上施設の写真を撮るかと言えば、もちろん銀塩フィルムを使うわけですが、撮ったフィルムは宇宙から地上に、大気圏再突入に耐えて持ち帰らなくてはなりません。リボンのように見えるのがフィルム、それを撮影した端から金色の再突入カプセルに巻き取って、地上に落とすのです。遠い太陽系の果て冥王星からでも電波に乗せて鮮明な画像を送れる21世紀から考えると、嘘のような本当の話です。
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アポロ・ソユーズプロジェクトの地上試験機。今でこそ、国際宇宙ステーションにはアメリカもロシアも参加していますが、まだまだ対立が続いていた70年代に、アメリカのアポロとソ連のソユーズが宇宙でドッキングする、というのは極めて画期的で象徴的だったのです。
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左の金色の太いのが冷戦時代のアメリカの宇宙ステーション、スカイラブ、の実験室部分、の地上モデル。宇宙ステーションだけに中を見られるようになっています。スペースシャトルがない時代、地上とスカイラブとの往復にはアポロ計画で余った司令船を使っていたので横に置いてある円錐形がそのカプセルと考えるのが自然なのですが、資料から推す限り、それは2階のアポロ計画のところに飾ってある方で、こっちはアポロ11号のヤツらしいです。右の銀色の円筒がハッブル宇宙望遠鏡の地上モデル。これをすっぽり収めて宇宙に運べるスペースシャトルが、いかに巨大なものか想像できましょう。
国立航空宇宙博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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スミソニアン博物館の資料によれば、アポロ計画のコーナーに展示されている、こっちがスカイラブに往復したカプセルのひとつ、の筈。どっちもアポロの司令船なので、違いはないといえば違いはないのですが、月まで行ってきたものと、地球の周囲を回っただけのものでは、価値が違うような気もしなくもありません。
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で、そのすぐ下に飾られているこれは、アポロ11号司令船のハッチ。正真正銘、月を回ってきたやつ。飛行中、船内は1/3気圧しかないと言ってもこれ一枚が2トンくらいの力で外に開こうとするわけで、それをがっちり押さえつつ、開くべきときには素早く開けられるその機構がなかなか興味深くあります。
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アポロ12号で使われたカセットテープレコーダーとテープ。今でこそいい加減時代遅れのコンパクトカセットテープですが、この時代はようやく普及し始めたばかりだったはず。どことなく初代ウォークマンの面影があるのは実際ソニー製だからで、多分ウォークマンの前身たるプレスマンの、初期のモデルでないかと思います。
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アポロ11号で使われたスポットメーター。フィルムで写真を撮る時に、被写体の明るさを測る装置。アポロで使ったハッセルブラッドには自動露出どころか内蔵露出計さえ付いていないので、限られた時間とフィルムで失敗しない写真を撮るには、こういう道具が必要だったのですね。見ての通りこれまた日本のミノルタ製。60年代の終わりには、日本製品はここまで高く評価されていたのです。
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アポロ17号の月面車と観測機材の設置状況を再現したジオラマ。実際に月面で使ったものは、ほとんど月面に残してきたので、ここに展示されているのも地球上でテストに使った本物ではあるけど、月に行ったものではありません。宇宙関係のこうした機材や人工衛星などの大半は、一度地球の外に出すと持ち帰る術がないので、こうしてテストや検討に使ったもの、あるいは予備機しか見ることができません。残念ですが仕方ありません。
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アポロ計画のコーナーの片隅に、無造作に転がっているこれ。何だか建設機械の部品のようなこれは、アポロ計画以来、今でもケネディ宇宙センターで活躍している巨大なロケット搬送車(クローラートランスポーター)のキャタピラのコマのひとつです。あの凄まじい巨大さからすると、意外と小さくも見えますが、その辺のブルドーザーなんかのヤツの3〜4倍くらいはありそうです。そして実は、クローラーには片側に2列ずつ、キャタピラが取り付けてあるのです。
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バイキング火星探査機のランダー(着陸機)。もちろん火星に行ったものではない、地上試験機です。今から40年前、まだ空想でしか語れなかった火星の地表にこれの姉妹が着陸して、運河も植物もなく、それどころか生命のかけらさえ見つからない、本当の火星の姿を教えてくれたのです。
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サーベイヤー月着陸機。アポロ計画の前段階で月まで行った無人探査機です。
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ハッブル宇宙望遠鏡の鏡、の予備。直径2.4mもあって、丈夫で高精度を維持しつつ軽くするために、後ろ側が四角く肉抜きしてあります。それでも800kgを超える重さがあり、スペースシャトルは、こんな大きくて重くて壊れやすいものを組み込んだ人工衛星を、宇宙に運ぶことができたのです。
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ハッブル宇宙望遠鏡のカメラユニット。これは、正真正銘ハッブルに装着されて宇宙にあったもので、スペースシャトルが行って新しいものと交換後、地球に持ち帰ってきたものです。たくさん空いている小さな穴は、そこにぶつかってめり込んだ微細なスペースデブリを、NASAが調査のためにくり抜いた跡です。ハッブルは普通の人工衛星より少し高い軌道にいるのですが、それでも結構ぶつかるもののようです。
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一見ただのベストですが、これこそアポロ計画の飛行主任、ジーン・クランツがアポロ13号のミッション中に着ていたベストです。ライト兄弟のフライヤーに始まる様々な飛行機たちもですが、たとえそれが実話であっても、読み物であれ、映像であれ、私たちにとってはおとぎ話と同じ次元にあるに過ぎません。そんな伝説の欠片が、紛れもない実物としてまさにそこにある。それがこの博物館の凄さだと思うのです。
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さて、閉館近くまで粘った後、ワシントンD.C.から40kmほど離れたホテルに移動しました。成田、ワシントンの時差を加えた長い1日もようやく終わりが近づいてきました。夕食はホテルの近くの閉まりかけた小さなショッピングモールで、ベトナム・フォーなど。フォーは日本で食べるフォーと違いはありませんが、付け合わせが枝に付いたままの葉っぱとか生のもやしとか、いかにもアメリカ、ずいぶんワイルド。そしてピーマンのようなものはトウガラシ。いやピーマンもトウガラシの一族ではありますが、これは紛れもなくトウガラシ。す・ご・く・辛いです。
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