2015/08/28 - 2015/09/03
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悠遊人(ゆうゆうじん)さん
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「道」 (釧路湿原、温根内)
今まで尾瀬や奥日光戦場ヶ原などの高層湿原をいろいろ廻って来ました。 今回は日本一の広さを誇る釧路湿原です。 こちらは低層湿原と言われますが、高層湿原とはどう違うのでしょうか。 意外と共通点が多いのにあらためて驚きました。
またJR花咲線で日本東端、根室や霧多布湿原にも足を伸ばします。
釧路湿原ではさらに釧路川源流をカヌーで下ります。
帰りは余市、ニッカウイスキー工場に寄ってみました。
・源流の流れキラキラ夏が行く
・湧水に遊ぶ魚と夏休み
・湿原に浮葉一枚ゆったりと流れているやらいないやら
※古代、古事記や日本書紀によれば日本という国は「豊葦原瑞穂国/とよあしはらみずほのくに」と言った。 これはかつて日本には葦原、すなわち美しい湿原がたくさんあって、そこで盛んに稲作が行われていたということです。 まさに卑弥呼の時代や大和朝廷のあった奈良盆地はかつてはこのような風景であったと想われます。 稲作には湿原が必要だったし、そもそも湿原とは日本の原風景だったのです。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー JR特急 JRローカル 徒歩 バニラエア
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旧鴨居軌道跡探勝道
釧路湿原展望台より、湿原探勝歩道を温根内ビジネスセンターまで歩きます。もともとは鉄道が引いてあったところ。行程約3時間,こちらは湿原の西側にあたります。 よく見れば両側は低層湿原帯。川は蛇行しますが、道は真っすぐな一本道
贅沢な緑の絨毯道が続きます。 -
途中、木道で整備されたコースに入ると高層湿原帯が現われます。高層湿原には川が流れ込むことはなく、雨、雪、霧、露そしてミズゴケなどの貯水性の高い植物によって水分が供給、維持されます。シカやキタキツネ、丹頂鶴に会いたいのですが・・・
●こういう見通しのいい場所でクマ避けのスズを持ち歩く人がいますが、それはクマだけでなく、ほかに会いたい動物すべてを遠ざけることになりますので、どちらを取るか考えものです。そもそも見通しのいい平地にクマは現われません。 -
高層湿原と低層湿原とは標高の問題ではなく、水分の供給源や植生の違いです。 ここは海面近くの低地のはずですが、まるで標高1,400mの奥日光戦場ヶ原のようです。 それだけ北にあるわけです。 ワタスゲやエゾカンゾウ(ニッコウキスゲ)、ホザキシモツケ、ミズゴケなどが見られます。
対して低層湿原にはヨシ(アシ)などが主体となります。桜の開花期など、道東の気象条件は、高度1400mの尾瀬や奥日光あたりととてもよく似ているのです。 -
サワギキョウが咲いていてくれました。
ただ花を目的とするなら6~7月が最適です。 -
これは何の花?
<花>
湿原に紅く咲く花なんの花
黄色もあるよ白もある
みなそれぞれに
数千年数万年
すこしずつ
繋いでは
この色になったんだね
-
夕刻は湿原の東側、細岡展望台に夕陽を見に出かけます。
蛇行する釧路川が白く光って見えます。
・湿原の川うねりうねりて道直ぐり -
細岡展望台2 夕景
湿原の東にあり、釧路湿原駅から徒歩10分の高台にある。 -
細岡展望台3、湿原越しに夕陽を見る人々
・湿原に夏一枚の夢重ね -
JR花咲線茶内駅
なぜルパン三世かと言えば、作者がこの浜中町出身ということでした。 -
厚岸湾に流れ込む別寒辺牛川河口
◎湿原の成長する過程がわかります。 土砂やスゲ、ヨシ、アシなどの湿性植物が湾を埋めていきます。 道東の湿原はまず砂州、砂嘴の発達により内湾や湖の生成に始まります。 やがて陸地の上昇(海退)により海水の汽水・淡水化、そしてスゲ、ヨシなどの湿性植物が繁茂し、それらが冬季寒さのため腐敗せず、年々重なって泥炭化し、湿原となるのです。その生長は年に1ミリと言われます。
道東ではその過程がサロマ湖、能取湖、野付湾、風連湖、霧多布湿原、厚岸湾、サロベツ原野(道北)にそれぞれの湿原生成過程が見られます。 あえて言いますが、北海道全体の海に面した平野の多くは、この湿原から陸地化していったと考えていいと思います。(勇払原野、石狩平野・・・) -
霧多布/きりたっぷ湿原(琵琶瀬展望台から)
5本の川が湿原の中をゆったりと集まって一本になり、海へと流れていきます。
湿原では丹頂鶴のツガイがゆっくり歩きながら餌を食んでいました。 鶴は冬だけいるのではありません。 その姿はとても美しいものでした。
なお霧多布とは島であって、砂嘴の先から橋で繋がっているものだと初めて気がつきました。 その島の東端が霧多布岬ということになります。(江ノ島のようなものです) -
はまなす
やがて赤いトマトのような実がなります。
・朝霧を夜霧に重ね霧多布 -
釧路市内の朝
霧の多い街です。 道東自体霧の多い地域なのです。
霧は湿原の存在自体にも大きな影響を与えています。 -
標茶/しべちゃ駅
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屈斜路湖からカヌーで乗り出します。
この湖は日本最大のカルデラ湖であり、かつ釧路川の源流です。 火山ですから周りにはたくさんの温泉があります。 なおカヌーは塘路湖から湿原域を下るコースもあります。 -
釧路川源流域約6Kmを下ります。
カヌーは個人で貸し切ることも可能ですが、源流を下るのは少し経験とテクニックが必要です。 -
源流部湧水域
冷たい地下水が湧き出ています。 マスやイワナなどが気持ちいいのか集まってきマス。
・湧水に遊ぶ魚と夏休み <マスオ> -
緑がハンパない
ウキ浮き、ワク湧く、ドキ時です -
美登里橋をさらに下りましょう。
上流部は川砂利が敷き詰められたような浅い川床で、サラサラとした流れですが、だんだんと深く、流れも速くなってきます。 早瀬もあります。 その様はぜひとも動画でお見せしたいところです。 -
●両岸の木々は陽を浴びようと枝を川の上に伸ばします。 だからアーチ状の木の屋根ができます。 その枝葉に雪が積もったり、また川岸が増水時に削られるため、倒木が増えます。 川下りはこれら水没した倒木にも気を付けなければなりません。 ただこの川、カヌーイストには最高でしょう。
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釧路市臨海地区
出発まで2時間ほどあったので、タクシー飛ばして「ららぽーと」屋上へ。
かえりに釧路駅前の「和商」市場で刺身をつまむ。 札幌まで網走、旭川経由も考えたが8時間もかかるので止めた。 やはり北海道は広いのだ。 帯広、新得経由にすれば4時間というところ。 道東だけなら釧路/中標津/女満別空港が便利でしょう。 -
釧路駅前の海鮮市場で
好きな具を載せ、勝手にどんぶりを作ります。(勝手丼) -
久しぶりに小樽にも寄ってみましょう。
※前回 小樽 http://4travel.jp/travelogue/10694416
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小樽築港 ヨットハーバーの見える本屋さんにて
小樽には奥(西)からJR小樽、南小樽、小樽築港と三駅があります。
運河にいくなら小樽駅です。 -
余市のニッカ工場を見学しましょう。
ここは竹鶴政孝が開設したウイスキー工場を見学します。
札幌からJRにて小樽乗換え約1時間ほど。 工場見学は案内付きで約90分。 最後にモルトウイスキー&スーパーニッカを水割りで3杯ほど試飲させていただきました。 -
ピート
これは湿原に生えるスゲ、ヨシ、ミズゴケなどが積もったできた草炭(泥炭)です。
麦芽(モルト)を造るため、発芽した大麦を乾燥させるため焚くのですが、このときウイスキー独特のスモーキーな香りが生まれます。 寒冷地なればこそのピートができる。
また貯蔵樽の漏れを防ぐため樽板の間に乾燥したガマの葉を挟みますが、これも湿原に生えるもので、かつてのウイスキー造りには湿原の存在が欠かせません。 スコットランドもおそらく北海道と似たような気候・風土なのでしょう。
ウイスキー造りには湿原が必要だったこと、わかってください。
またその後の米作りにも湿原が必要だったこと、わかってください。
我が国は古来より「豊葦原瑞穂国」というのです。 -
工場内のバー
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ウイスキー博物館
ブラックニッカのおじさんが迎えてくれる
ニッカとは大日本果汁株式会社 → 日果 → ニッカ とのこと
ウイスキーが軌道に乗るまでりんごジュースを売っていたのです。
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竹鶴がリタ夫人と暮らした家
工場内に移築しました。 -
蒸留器 ポットスチルが六基
奥の二基は再蒸留用
ニッカでは竹鶴がスコットランドで学んだ石炭直下蒸留方式を採用 -
最後に札幌市すすきのラーメン横丁に寄ってみました。
最近はいろんなところにラーメン屋さんが開業したため、かつてのような賑わいはありませんが、残ってほしい札幌のひとつです。
今回予算
AIR(千歳往復)+JR道東フリー5日券(含特急券) ¥35,000
ホテル6泊 ¥40,000
TAXI、バス、その他JR ¥10,000
カヌー終日(昼食付) ¥13,500
(計)7日間 約10万円
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