2015/07/05 - 2015/07/05
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地酒大好きさん
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毎年6月中旬に登る、岐阜県揖斐川町と福井県南越前町の境にある夜叉ヶ池(1099m)への登山道は、今年は積雪が多くてまだ通行止めのままです。揖斐川町のホームページを見ても、山開き日は未定となっています。本当は6月7日が山開きの予定日だったのですが、登山道が未整備のため、それが延期されています。
6月中旬には池の周囲はニッコウキスゲが花ざかりですが、いつになるか分からない山開きを待っていたら花が終わってしまいます。岐阜県側からの登山が無理なら、反対側の福井県から登ろうと思い、昨日出かけました。福井県側は6月7日に山開きが行われています。自宅からは遠いので、前日に出発して途中のどこかの道の駅で車中泊したあと、早朝から登ることにしました。
昨日(土曜日)は琵琶湖畔にある「道の駅 水鳥ステーション」に夕方着きました。営業はすでに終わっていて、車中泊らしき車が10台ぐらい停まっていました。雨が降りしきる中、わたしも駐車場の一角に停めました。夜半ぐらいまでは激しく雨が降っていましたが、その後止んだため熟睡できました。
今日の早朝に目が覚め外に出ると空は曇っていましたが、雨の降る気配はないようです。いつの間にか車中泊の車が20台ぐらいに増えていました。すぐに朝食を済ませ、がらがらの国道365号線を飛ばして南越前町の登山口に着いたのは午前7時でした。20台ぐらい停められる駐車場に一番乗りでした。
初めての福井県側からの登山で、「クマ注意」の看板で緊張します。昨夜の雨で登山道の両側の草木はびしょびしょで、暑いのですが仕方なく雨具のズボンだけをはいて出発します。ヤマアジサイとコアジサイが混じって咲いています。谷沿いの道を登りますが、上からはオオルリ、谷からはミソサザイの声がオーケストラのように聞こえてきます。気温は15〜16度で涼しいのですが、登り出すと汗をかきます。湿度が高いので汗がしたたります。岐阜県側からの道と比べると、こちらの登山道は展望が利かず単調です。コマドリがあちこちで大きな声で鳴いています。90分で池に到着。ここにも一番乗りでした。静かな池の周囲ではカッコウとツツドリが競うように鳴いています。天国のようです。池には世界でここにしかいないヤシャゲンゴロウがたくさん観察できました。イモリもたくさんいます。池の周囲を歩いてみると、サワフタギやホウチャクソウの花が咲いています。モリアオガエルの卵がたくさん池の周囲の木の先に産み付けられています。こんなに多くの卵があるのは初めて見ました。例年よりかなり多いようです。
さて、岐阜県側に咲くニッコウキスゲが気になります。そちらへ行ってみることにしました。
池から稜線に上がって岐阜県側を見ると、あるはずのニッコウキスゲの花が見当たりません。ちょっと遅かったようで、花期は終わっているようです。探し回ってみると、あちらこちらに少しずつぽつんぽつんと咲いているだけです。急な崖に咲いているのを、草につかまりながら転落しないように慎重に歩いて近づき撮った写真が添付のニッコウキスゲです。いつもはニッコウキスゲで覆われる夜叉壁にも今はぜんぜん見られません。イブキトラノオ、ギボウシの仲間、キンコウカなどの花は健在です。
岐阜県側は積雪が多いため山開きが遅れているというのを確かめるため、岐阜県側の登山道を下りて確認することにしました。急な岩場をどんどん下り、昇龍の滝まで行きますが、雪は見えません。さらに下ると、少しだけ残雪がありました。最近かなり溶けてしまったようです。あとは崩れた登山道の補修や倒木の処理、落石の始末などを済ませれば山開きでき、それも近いうちになりそうです。いつも見たサンカヨウの花は終わっていて残念です。これ以上下ると戻るのが大変なため、この辺からまた池まで戻りました。
池に戻ってみると、福井県側からの登山者がどんどん登ってきます。しかし、岐阜面側からの登山客がないため、木道にある休憩スペースは余裕がありゆっくりとできます。人が増えたためか、カッコウもツツドリも黙ってしまって、鳥の声は聞こえなくなってしまいました。人の声しか聞こえないので、やむなく下山を始めました。
走るように山を下りましたが、まだ登山者が続々と登ってきます。60分で下山を終わっても、まだ登り始めてくる登山者がいます。駐車場に着くと、停まっているのはほとんどが福井ナンバーのもので、地元の人だから下山が遅くなっても心配ないから遅い時間の登山開始だったようです。
廃屋が多い限界集落の中を道を走ってまた国道365号線に戻りました。国道はこんな昼間でもほとんど車が走ってなくて、またスイスイと走って滋賀県木之本町にまで来ました。それまでは商店もなく、買い物をすることもできませんでしたが、ここまで来ると「地酒」の看板がある酒店を発見。店にある酒の中から銘酒といわれる「七本槍」を見つけてすぐに1本入手しました。この酒は木之本町産だったことを初めて知りました。そこからちょっと走ると国道303号線の入口があり、揖斐川町に抜ける道と分かりそちらに入りました。揖斐川町の道の駅には「夜叉ヶ池の山開きは7月11日(土)午前9時半」のポスターが貼ってありました。いよいよ岐阜県側の山開きですが、登山者お目当てのニッコウキスゲは終わっているでしょうね。
ニッコウキスゲは終わっても、この山は次から次へと花を楽しめます。また機会を見つけて訪れるつもりです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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福井県側の登山口駐車場に一番乗り。
谷の音しか聞こえません。 -
りっぱな石碑が登山口にありました。
岐阜県側にはなかったはず?? -
この鳥居をくぐって登山開始です。
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鳥居をくぐるとすぐ目に入る看板。クマの文字に緊張が走ります。
もちろんクマ除け鈴をジャンジャン鳴らしながら登りました。 -
ヤマアジサイの花がいっぱい咲いていました。
一説にはエゾアジサイとも。 -
このコアジサイもたくさん咲いていました。
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ブナの林の中を歩きます。新鮮な酸素を思い切り吸いながらの登山ですから、脳にもよいでしょうね。少しは頭がよくなるかな。
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午前8時頃に夜叉ヶ池に到着しましたが、誰もいません。一番乗りです。
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別の方角から見た、夜叉ヶ池の休憩スペース。いつもは大勢の登山者でごった返すのですが、今は誰もいません。
聞こえるのはカッコウとツツドリの声だけ。まるで天国にいるようです。 -
かつてはここには社がありましたが、今はこんなりっぱな石碑が建てられています。ヘリコプターで持ち上げたのでしょうね。
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夜叉ヶ池に棲むイモリです。
世界中でここにしかいないヤシャゲンゴロウもたくさん見ました。小さいので写真撮影は困難です。 -
池のほとりにあったヤシャゲンゴロウ保護のための看板。
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池の周囲の木の枝にはモリアオガエルの白い卵塊が垂れ下がっています。今年は思いのほか数が多いような気がします。
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池のほとりのサワフタギの白い花。よく見るとたくさんの昆虫が蜜を求めて集まっていました。
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ホウチャクソウの白い花もかわいいですね。
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池の上の稜線に上がってみると、いつもはニッコウキスゲに混じって咲くイブキトラノオの白い花がありましたが、今日はニッコウキスゲは見当たりません。花期が終わったようです。
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ギボウシの仲間。これもニッコウキスゲに混じって咲くのですが、今日は見られません。
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ありました。お目当てのニッコウキスゲです。
急な崖の途中にあり、この写真を撮るためにかなり危険なことをしました。
今はほんとうに少なく貴重なニッコウキスゲです。 -
キンコウカも集まって湿地に咲いていました。
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岐阜県側にそびえる夜叉壁と言われる岩の壁です。
例年ですとこの壁にびっしりニッコウキスゲを見るのですが、今日はまったくありませんでした。完全に終わっていました。 -
昇龍の滝と呼ばれる滝です。岐阜県側にあります。龍が昇っているように見えるから名付けられました。夜叉ヶ池の物語にも龍が出てきます。
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岐阜県側登山道に残る雪です。例年より遅くまで残っています。
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