フィリピン国鉄

2013/11/11 - 2013/11/11

今回のマニラ行きは知人の結婚式出席のためである。仕事でも観光でもないため、鉄道に乗る機会はないかと思っていたが、子供のお昼寝の時間を利用してイントゥラムロスにあるホテルを飛び出し、中華街を抜けてフィリピン国鉄の始発駅であるトゥトゥバン駅へと歩いて行った。

エリア マニラ(フィリピン)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 3.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0
• ショッピング: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 乳幼児連れ家族旅行
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 鉄道 タクシー 徒歩
• 航空会社: JAL
• 旅行の手配内容: 個別手配

イントゥラムロスからは中華街を抜けるのだが、ここは典型的なアジアのカオスを感じさせる地区であった。漢字の看板が氾濫し、銀行の前にはショットガンを持った警備員が立っている。

中華街からだと、駅へはこのような下町のような道を歩くことになる。

踏切から見た国鉄の車庫。コミューター用ロテム製ディーゼルカーの他、12系客車と新潟色のままのキハ52が泊まっているのが見える。

フィリピン国鉄は近年体質改善を強力に進め、廃線同然から毎時2本列車が走るまでに復活した。今では都市交通の一端を担うまでになっている。そのため、単線では足りず、かなりの部分を複線化している。

ここが国鉄トゥトゥバン駅。かなり分かりにくい場所にある。入り口には鉄格子があり、荷物チェックを受けねば中に入れない。なおかつ、チェックを受けた先には机が並べられていてここで切符を売っている。駅に入る前に行き先を決めておかねばならないのだ。

基本的に駅構内での写真撮影は御法度。隙を見てさっと写真を撮る。これは今回乗ることになる韓国ロテム製のディーゼルカー。車体正面と側面の金網がものものしい。これはスラム街からのガキンチョ共の投石を防ぐためのもの。

列車に乗ろうとしたら、常磐緩行線203系が推進運転で入線してきた。そう、フィリピン国鉄では常磐線で廃止となった203系を買ってきて、ディーゼル機に客車として曳かせているのである。フィリピン国鉄は電化されていないので、203系車内にディーゼル発電機を搭載しサービス電源用にするという無茶をしている。こちらの車両も妻面は投石防止の鉄板で塞がれ、ほぼ装甲列車状態。

ロテム製車内の様子。シートはFRP製なので座り心地は全く宜しくない。ただ、エアコンだけはしっかり効いている。

車窓。窓に金網が貼ってあるので展望はかなり悪し。で、その車窓から見えるのは・・・

常磐緩行線用旧国鉄203系。

トゥトゥバンからパコまで今回は移動。旧パコ駅は廃棄され、今は小さな駅舎があるだけの簡易な駅。駅は踏切に面しているのだが、通行人と列車との距離近すぎ。通行人は全く安全に配慮をしていない。

国鉄線は基本地平を走っているので踏切は多い。にもかかわらずほぼ定時運行しているは凄いとしかいいようがない。列車速度も決して遅くはない。体感的には時速60キロは出している。ただ、常時警笛を鳴らしっぱなし。線路内をうろつく人間が多いのである。

パコ駅。駅の壁に手書きの時刻表が掲出されている。ちなみに、トゥトゥバンからパコまで僅か10ペソ（約20円）。

今度は上り列車がやってきた。

列車が踏切を渡りきる前に遮断機を潜ってバイクが侵入。さらに列車本数が増えたらどうなるのであろう。ともかく、少なくともここマニラでは鉄道が復権を果たしているのである。

フィリピン国鉄は現在南方線しか運行していないが、北方線の復活工事も花盛り。列車の運行再開ももうまもなくであろう。