2013/07/12 - 2013/07/15
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がおちんさん
今年初めての長距離ドライブ。
しかし目的は遊びではなく、大分で行われる「弦躋塾」という鍼灸の勉強会に行くことです。研修に参加するだけなら気楽ですが、今回は講義を担当するので数日前から緊張が高まり、とてもドライブ気分になれません。
そこで、行きは高速で大分に向かい、講義を終えた帰りにドライブを楽しむことにしました。
昔のように長期間の旅をする時間はありませんが、のんびりと田舎を走ると、脳内ホルモンがジワーッと分泌されているような心地よさを感じます。
そういう旅が出来る日本という国に、とても魅力を感じます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 JRローカル 自家用車
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2013年7月12日(金)
今回の旅先は大分。日曜日に鍼灸の勉強会で講義をしなくてはならない。
数日前に台風が発生したというニュースがあり、念のため、早めに島を出ることにした。
有川港より、フェリーなみじに乗船する。 -
離島の住民にとって、船が出るかどうかは死活問題だ。とりあえず乗船してホッとする。
運賃の安かった「美咲海送」が5月いっぱいで撤退してしまったので、上五島と佐世保を結ぶルートは九州商船だけになった。
平日のフェリーもまずまずの乗客数だ。 -
大分の講義は2日後。
天気は良く、時間もたっぷりあるのに、緊張のせいかドライブを楽しむ気分になれない。
高速に乗って一気に大分を目指すことにした。 -
沿道に赤鬼を発見!
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エブリイでずっと高速を走り続けるのも疲れるので、湯布院インターから一般道へ。
由布岳を眺めながら別府方面に向かうことにした。 -
県道11号(別府一の宮線)は、広大な緑の中を走る爽快なルートだ。
気分最高。 -
堀田温泉に到着。
やっぱ湯煙を見ると「別府に来た」という気分になる。 -
せっかく別府に来たので、一風呂浴びることにする。
今日は明礬温泉の鶴寿泉へ。
「酸性・含鉄(II,III)-硫酸塩泉 含鉄泉」とややこしい泉質だそうな。
賽銭を入れて入浴する。 -
なんと、前の人が湯を出しっぱなしにしていたせいで、熱くて入れない。
かけ湯をしながら適温になるのを待つ。
少々我慢して熱々の温泉につかる。
クーッ、気持ちいい! -
風呂上りに温泉猫を発見した。
汗がなかなか止まらなかったけど、肌がさっぱりして運転の疲れもとれたみたいだ。
やっぱ明礬温泉は一味違う。 -
スッキリ気分で別府市街を通過する。
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腹が減ったので大砲ラーメンへ。
なんか、入り口が銭湯みたいな気がするのは私だけ?
別府だからかな。 -
この呼び戻しスープが強力。
これを考えた創始者の香月さんはすごいと思う。
せめて30年早く味わいたかった。
私の子供時代、東京にはとんこつ系として桂花やホープ軒があったけど、久留米ラーメンは無かったもんなー。
今の時代は幸せだ。 -
これまで久留米や博多など、いろいろな大砲ラーメンの店に行ったけど、別府の大砲ラーメンが一番美味しい気がする。
なんでだかは、わからないけど。 -
国道10号線わきを走る、白いソニック。
でも、内装の遊び感や昆虫のような外観の、青いソニックが好き。 -
大分に到着。
今夜から西大分のホテルKGに2連泊する。 -
2013年7月13日(土)
ホテルには朝食がついていて、玉子かけご飯か、おにぎりを選択できる。
ホテルKGはスタッフの人がとても親切。外出した帰り、部屋の温度を適温にしてくれていた。ちょっとした気遣いにも、おもてなしの心を感じる。 -
宿に紹介された、神埼温泉・天海の湯に行ってみた。
山の高台にある温泉で、掛け流しだ。 -
露天風呂からは別府湾が一望できる。
別府湾 自然・景勝地
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お湯は茶褐色の単純泉。
時間が早いからか、貸切状態だった。 -
休憩所で30分ほど横になる。
スッキリしました。 -
夕方、師匠の首藤傳明先生から夕食に誘われ、全日空オアシスタワーのレストランへ。
奥様と兄弟子のM先生と4人で会食。 -
「明日はよろしくな」と首藤先生。
ほろ酔いになって帰られた。 -
「もう一軒、行こう」とM先生。近くのバーで歓談する。
明日の講義についての注意点やコツなどを、ベテランのM先生から教えてもらう。
夜遅く、列車で西大分へ戻る。 -
「夜食にしなさい」と、首藤先生の奥様から頂いた赤飯。
半分食べて、半分は朝食にした。 -
2013年7月14日(日)
今朝もいい天気。
昨夜は緊張のせいか、2時間しか眠れなかった。
軽く頭痛がする。 -
大分港の付近を散歩した。
なんかヨーロッパみたいな雰囲気。
しかし、暑さは早朝からタイ並みだ(笑)。 -
そして弦躋塾へ。
今日は100名近い参加者があった。
初めてのリレー講義に全力投球する。 -
午前中は1時間の講義。
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午後も1時間、講義と実技。
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そして首藤先生による実技。
臨床50年の技はシンプルで、無駄がない。
勉強するほど、先生の凄さがわかってくるのだ。 -
あっという間に時間が過ぎて、気がつけば夕方。
大阪から応援に来てくれたY先生の一行と茶を飲んで、別れる。
どうもありがとう。 -
全てから解放され、どっと疲れを感じた。
とりあえず別府方面へ走る。
まずは風呂だ。 -
一番近くにある浜脇温泉へ。
鄙びた建物が見えたので、ここに入ることに。
東町温泉と書いてある。 -
入浴料は100円。
昭和の香りがする番台とおばちゃん。
「お兄さん、石鹸はあるの?」、「ないので買います」と言うと、「これ使いなさい」と石鹸とシャンプーを貸してくれた。
なんて親切な人。
感謝。 -
浴室は広く、透明で気持ちのいい湯だ。
ひたすらボーッと温泉に浸かり、今日一日の疲れを癒す。
極楽気分。
講義は反省点も多々あるけど、一生懸命やったので悔いはない。
さあ、旅行モードに切り替えよう。 -
他に入浴客がいないので、セルフタイマーで撮っちゃいました。
若いときに原付で日本一周したときも、こんなことしていたな。
26年経っても、やっていることは変わらない。
東町温泉は温泉効果が絶大で、風呂を上がって20分以上も汗が引かなかった。 -
夕闇迫る別府。
これからどのコースで佐世保に向かおうか。
くじゅうか、日田か、北九州方面か? -
しばし考え、北九州ルートにした。
速見から宇佐別府道路、中津バイパス、椎田道路と経由して行橋へ。
途中で雷雨となり、ワイパーを速くしても前が見にくいほどだった。
非力&ライト暗めのエブリイでは、夜間の高速走行は非常に厳しい。
四駆にして走ったけど、夜の雨は怖かった。 -
大分から遠回りして北九州方面に来たのは、「山小屋ラーメン」本店で食べてみたかったからだ。
大分から香春までは結構遠くて、夕食というよりは夜食の時間になってしまった。
本店の手前に「元祖山小屋創業店」というのもあったけど、今回はこっちにしました。 -
夜遅くだというのに、お客さんはほぼ満員。
店員も多くて活気がある。
山小屋ラーメンを食べるのは2回目だ。 -
今夜は、昭和(むかし)ラーメンを注文。
見た目よりくどくなくて、豚骨だけどあっさりしていて、コクはあるという不思議な味のラーメンだ。スープはちょっと甘めで、麺は細面で美味しい。
「餃子も行くか」と思ったけど、時間と年齢と腹の出具合から我慢することに。
食後は夜の国道201号・200号・34号を使い、睡魔と闘いながら飯塚〜筑紫野〜鳥栖〜佐賀と走り続けた。 -
2013年7月15日(月)
昨夜、どうしても眠気に耐えられず、その辺の暗がりに車を停めて仮眠したが、消防署のすぐ脇だったらしく、救急車のサイレン音で目が覚めてしまった。
結局、武雄温泉の先にある「道の駅 山内」まで走り、2時間ほど熟睡。気がついたら6時になっていた。
今日も暑くなりそうだ。 -
何はともあれ、朝風呂を浴びに武雄温泉・元湯に行く。
第一陣の地元民で混雑するけど、そのあとは一気に空く。
ここの「熱湯」は最高に気持ちがいい。 -
一番風呂を出た地元の人たち。
みんな血行が良くなって、肌が赤くなっている。
年寄り同士が背中を流し合うのを見て、子供の頃の銭湯を思い出した。
いつまで、こういう光景が見れるのだろう。 -
五島に帰るフェリーは昼過ぎなので、時間はたっぷりある。
天気もいいし、田舎道ドライブをすることにした。 -
嬉野から県道106号に入り、嬉野の大チャノキ方面へ向かう。
「川棚までは開通していません!」との標識が目につくが、行けるところまで走ってみよう。 -
不動山地区に入ると、いくつかのキリシタン史跡の標識が目についた。
「太刀洗川」、「異宗徒塚跡」など、かつてこの地で、悲しくて血なまぐさい事件がおきたことが想像できる。なんでも異教徒の埋葬には頭に釘を打ちこんだらしい。
また、「心月妙泉尼之碑」とは、キリシタンを追っていた武士に間違えて斬られた仏教徒女性の碑だとか。この女性、いきなり刀を持った男たちが家に入ってきたので怖くて逃げたら斬られたそうだ。死ぬ間際にナンマイダ、ナンマイダと呟いたので、武士たちも誤りに気づいたという。
そして、ここは「馬場之子屋敷跡」。追手から逃れるキリシタンが捨てた子供達が焼かれた場所であるという。
えっ、どうして焼く必要があるの?
なんだか、気分がどーんと重くなってしまった。 -
さっきまでの、のどかなドライブムードが一転、哀しい歴史紀行に。
400年前、この村落に吹き荒れたキリシタン討伐の嵐はどんなものだったんだろう。
眺めだけは当時も今も変わるまい。 -
少し走ると、「子捨谷」という史跡があった。
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説明板には、「役人に追われたキリシタンが、いよいよ危うくなり、つれていた子供たちを、この谷底に投げ捨てた」とある。
さらに、この地区の上方には野添という地名があるが、そこから捨てた子供を「のぞいた」からと書かれている。 -
きっと山に逃れたキリシタン達も、このような風景を眺めたのだろう。
なぜこんな田舎にキリシタン史跡が多いのかと思って調べたら、禁教令によってマカオに追放されたカミロ・コンスタンツォ神父が、1621年に日本に再潜入し、ここ佐賀・不動山や唐津で宣教活動を行ったらしい。神父は翌年、五島に渡ろうとして宇久島で捕らえられ、田平に連行されて火あぶりの刑に処された。おなじく神父を泊めた者や、船に乗せた信徒も処刑されたそうだ。
今日は偶然ここを通りかかったけど、もしドライブしなかったら、こんな歴史があったことを知らないままだった。
私の住む上五島にも、キリシタン信徒の惨殺があった。明治3年に有川村の郷士が「刀の試し切り」と称して6人を斬殺したのだ。五島では「鯛の浦6人斬り」として知られている。
地元の人に聞いた話では、溜めておいた水がめに血が飛んで赤く染まり、炊いた米が赤飯のようになったという。最近、その水がめが見つかったそうで、新たなキリシタン史跡となるかもしれない。 -
哀しい歴史を知ったあとは、嬉野の大チャノキへ。
ここ(皿屋谷地区)は嬉野茶の発祥地だという。 -
樹齢340年、高さ4メートル、枝張り12メートルの大茶樹。
一周したら蜘蛛の巣だらけになってしまった。
あと、近所の犬に吠えられました。
どうも犬とは相性が悪い。 -
嬉野茶の祖は吉村新兵衛という人物で、佐賀初代藩主鍋島勝茂に仕えた。
落度があって切腹と決まったが、父の戦功などにより助命されたそうだ。以後、茶業に専心し、嬉野茶の基礎を築いたという。
その後、藩主の勝茂が逝去した際、殉死追腹した。 -
道の両脇には茶畑が広がる。
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県道106号の標識には「川棚まで開通していません」とあったが、道は林道となって続いていた。
うまくいけば「日向の棚田」に行けるかもしれない。
そのまま走り続ける。 -
ところが林道は途中でいくつもの分岐があり、どこに向かっているのかわからなくなった。
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手書きの道しるべがあったけど、滝と石仏とか、弘法様とか、よくわからん。
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山を下りてきたが、棚田は無かった。
道を間違えたようだ。 -
いったん県道4号に出る。
隣の集落に下りてしまったらしい。 -
再び日向の棚田に向かう。
あちこちに「ダム建設反対」の看板が立っている。
団結小屋の前にはかかしが監視を続けていた。
私も長崎県民になって3年が経ったけど、「石木ダム問題」は知らなかった。今回のドライブは色々と勉強になる旅だ。 -
ようやく、「日向の棚田」に到着。
ここは6月頃、蛍もたくさん飛ぶらしい。 -
棚田とエブリイ。
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見事な棚田を眺めながら低速走行。
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日本の原風景。
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再び山道に入る。途中に「虚空蔵山」の登山口があった。
40分で登れる山らしいが、残念ながら革靴とサンダルしかない。今度、妻とハイキングに来よう。
また、このへんの林道を乗り継ぐと、一昨年行った鬼木郷にも出られるようだ。 -
岩屋郷のほうに下りていく。
こちらは景観がない。 -
下界から見た、虚空蔵山。
なんと、九州のマッターホルンと呼ばれているらしい。
こんな山があるなんて知らなかった。
今日は本当に収穫の多いドライブとなった。 -
川棚町から国道205号で佐世保へ。
左手に海を見ながら快走する。 -
佐世保港からフェリーなみじに乗船。
美咲が撤退したからって、値上げしないで下さいね、九商さん。 -
2時間半で有川に到着。
なぎで船が揺れず、快適な旅でした。 -
フェリーの扉が開いた。
あとは家へ帰るのみ。 -
帰宅。
迎えに出てきた猫は、私よりも講義で使った骨格模型に興味津々だった。(涙)
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この旅行記へのコメント (2)
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- captainfutureさん 2013/08/01 22:29:35
- 大役でしたね。
- 講義、お疲れ様でした。
大役を無事終えることができて何よりでした。
いい方々に囲まれて仕事をされているんだなあと思いました。
大分はご縁があり何回か行ったことがあったので懐かしかったです。
あちこちに鄙びたいい感じの温泉があるんですよね。
温かくて親切な人が多かったこともあわせて、懐かしかったです。
明治に入ってからも、そんなことが行われていたとは。絶句してしまいました。
のんびりしたのどかな風景だけに余計に際立ちました。
>今回のドライブは色々と勉強になる旅だ。
僕も歴史など勉強になりました。
猫ちゃんからすれば、びっくり仰天してしまったんでしょうね(笑)
五島は潮風に吹かれて毎日が気持ちいいのだろうなあと想像します。
ますますのご活躍をお祈りしています。
- がおちんさん からの返信 2013/08/02 10:18:10
- RE: 大役でしたね。
- captainfutureさん
ありがとうございます。なんとか無事に講義を終えることができました。最近は旅行に出かける時間が無く、仕事関連の移動のときに「旅気分」を味わっています。
昔のように長期間の旅はできませんが、限られた時間の中でも、新鮮な出会いはあるものですね。国内にも自分の知らない歴史や世界が沢山あることに驚かされます。しばらくは国内ドライブと過去ネタの2本立てで旅行記をアップします。
今年の夏は暑いですね。それでも五島には、東京に住んでいた頃のような「熱さ」は無いです。海風は爽やかですし、朝晩は涼しいです。うちもエアコン無しで生活しています。ムカデは怖いですが!
captainfutureさんも、体調に気をつけて夏をお過ごしください。
がおちん
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