PARIWISATA JOGJA（7）ジョグジャカルタで由緒あるコロニアルスタイルのフェニックスホテルの滞在を楽しむ。

2013/06/01 - 2013/06/01

今回の旅行でジョグジャカルタに滞在するならば絶対に泊まりたいと思っていたのがこのフェニックスホテルです。というよりもここに泊まりたいがための旅行と言っても良いくらいでした。我が家の旅行ではその地にしかない歴史のあるホテルに滞在したいと言うことが1つの目的で、どうしても世界中どこでも同じようなデザインのホテルチェーンに魅力を感じられません。あまり情報の無いフェニックスホテルでしたが、滞在してみると思っていた以上に素晴らしいホテルでした。まずスタッフはフロントからベル・キャプテンから清掃のスタッフまでにっこり微笑んで挨拶してくれるし、お願いしたことはきちんと対応してくれて気持ち良い滞在が出来ました。今回は4泊したのですがあと2日くらい延ばして、ホテルでゆっくりする日を設けても良かったと思いました。中庭にあるレストランでの朝食はシチュエーションのよさもさることながら、ガムランの生演奏と古き良き町中が再現されたジャムウを出してくれるおばさんも思い出の1つになりました。

エリア ジョグジャカルタ(インドネシア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 5.0
• 交通: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: レンタカー タクシー 徒歩 飛行機
• 航空会社: ガルーダインドネシア航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

バリ島からの国内線のフライトで着いたジョグジャカルタの空港からタクシーで30分近くかかったでしょうか。フロントで名前を伝えるとすぐにチェックインできました。

部屋はバルコニー付の部屋を予約していたのでプール側と勝手に思い込んでいましたが外向きにもバルコニーがあって残念ながらそちら側の部屋でした。ただ部屋は広くて大きなキャリーバック４個が楽々置けました。

ミネラル・ウォーターは毎日2本用意されていました。夕方にも補給してくれたお蔭で表で水を買う必要はありませんでした。

ベランダへの扉にもフェニックスのエッチングがありました。部屋のタペストリーからファブリックまでにもフェニックスの模様が隠れています。

ベランダを特に使う事はありませんでしたが、東側に窓があったので朝焼けが綺麗に見えました。

エレベーターホールにはワヤン・クリッの場面を描いたレリーフパネルとロロ・プロニョ人形が置かれてあります。とても大きな人形はバリ島でも見慣れていたものでしたが、ここで毎日眺めていたら欲しくなってしまい、ガドリ・レストというスルタンの弟さんの家にあったものを買ってきてしまいました。

プールサイドの廊下もこんな豪華な雰囲気です。

中庭にあるプールですが、このホテルが紹介されるときはこのアングルの写真が多いですね。

夜は本当にロマンチックな景色です。

ダッジ・コロニアルの美しい建物です。

廊下にはジャワらしい調度品で飾られています。街中でも売られている操り人形ワヤン・ゴレックです。この人形はジャワ島西部に住むスンダ人の伝統的な人形芝居で使われます。ガムランを伴奏として1人の人形つかいダランが、語り歌いながらたくさんの人形を操るのはワヤン・クリッと同じです。

美しい木彫のパネルも置かれています。

レストランと噴水のある中庭の夜景も綺麗です。

噴水の水の音が涼しい雰囲気ですが、実際はムッとした暑さです。

レストラン脇の池にも人形が飾られています。

フロントからは通路が2本あり、その間には綺麗な部屋に応接セットが幾つか置かれています。

各扉はステンドグラスと擦りガラスの組み合わせで瀟洒な感じがします。クラトン（王宮）の建物の意匠にも似ています。

廊下の調度品にはヨーロッパ風だったりシノワズリーだったり、往時の世界を股に掛けた東インド会社を有したオランダを偲ばせます。

最初の晩のホテル探検はこの程度で済ませました。

朝の優しい日差しが部屋のカーテンにフェニックスのマークを浮かび上がらせます。

初日の朝食は部屋内のテーブルにしました。奥のカウンターでは卵料理など調理してくれます。

フレッシュジュースが10種類以上あるホテルはここが初めてでした。料理は中華風のお粥に充実したディムサム類、スタンダードなインドネシア料理は全てありそうです。

ジャワの伝統的な料理が日替わりで並び、ジャムウも4種類並びますが、これも一部は日替わりでした。ジャムウ（Jamu）はインドネシア発祥の伝統医薬品で、主に根茎や木の皮、花や種子、葉や果実といった自然素材から作られる植物性の内服薬で、さらに蜂蜜やローヤルゼリーやミルクや卵といった動物から得られる材料も使われます。

左から喉の痛みやアレルギーを和らげるもの、熱や咳を和らげるもの、コレステロールを抑えるもの、胃痛や血液循環に効果があるものなどがありましたが、コレステロールを抑えるものと咳を和らげるものを交互に飲んでみました。味はリコラのキャンディーを水に溶かして煮詰めた感じで美味しくはありませんが不味くもありません。

ここにもブブール・インジンがありました。このブラックライス・プディングは今回の旅ではまったデザートの1つです。あまりのおいしさに原材料をすべて買い揃えたほどですから。

レストランは部屋の内の席のほかにもオープンエアーの席や、噴水の周りにもテラス席があり自由に選べます。

インドネシアはさすがに香辛料の国なので、丁子（クローブ）が大きな鉢にてんこ盛りに飾られています。

往時のオランダ領ジャワを思い浮かべることが出来そうです。

上手くディスプレイされていて、在りし日のジャワの街中の風景を感じることが出来ます。

そして食事中はガムランの生演奏が流れています。バリ島のキンキンしたガムランとは全く違う、穏やかでゆっくりした物悲しい調べです。

そして食事中はガムランの生演奏が流れています。バリ島のキンキンしたガムランとは全く違う、穏やかでゆっくりした物悲しい調べです。

ロロ・ブロニョと記念写真を撮りましたが、ここの人形は大きくて立派でした。バリ島も含め２週間毎日のように見ていたら欲しくなってしまい、ガドリ・レストと言うクラトンの横にあるスルタンの弟さんの家のレストランで買ってしまいました。

ロロ・ブロニョの女性の髪形はデフォルメしているようですが、伝統的なジャワの髪形です。

この人形も欲しかったけど良い物は見掛けませんでした。

ボロブドゥールの仏伝図のレリーフのレプリカも飾られています。

ホテルの前に駐車してある白いクラシックなメルセデスもお願いすればチャーターできるようです。

フェニックスホテルのロゴが描かれたベチャも並んでいます。観光客だと足元を見られて安くなりませんが、クラトンまでで20,000ルピアほどでした。地元の人だと半額以下でしょうね。ホテルから空港までタクシーで30,000ルピアですからタクシーより割高で時間がかかります。ただ、タクシーは必要な時にはつかまらないんですよね。

この日はメルセデスの出番は無かったようです。

フロント正面には巨大な鏡が置かれ、いつもきれいな花が飾られています。

今晩は仲良く寄り添っています。いつも微妙に動かされています。

ジャワ島の夜明けです。ボロブドゥールで同じように夜明けが見られれば良いと願ったのですが残念な結果に終わりました。

この日はテンペに煮たガンモに煮卵という伝統料理でチキンが美味しいです。ジャワ料理はバリ島に比べて甘口の味付けです。

デザートとジャムウ。

噴水の脇の席が一番気持ち良かったです。

ガムランのおじさんからも至近距離です。

部屋への廊下も風が通り抜けて気持ち良いです。

王様のような椅子にも座ってみました。。

巨大な傘を掲げたこんな人形はここでしか見ませんでした。

綺麗に手入れされています。

また微妙に動いています。夜中になると動き出すのでしょうか？

バティックの型がオブジェとしてたくさん置かれています。各部屋にも置かれているのでその数はホテル全体で膨大でしょう。

こういったガムランの演奏者はジョグジャカルタ市内のレストランやホテルでよく見掛けました。ちゃんと商売として成り立つのだと思います。バリ風のガムランと違って静かで緩やかなので長時間の演奏も可能のようです。

1918年に個人の私邸として建てられましたホテルの建物はアール・デコの建築様式にアール・ヌーヴォーのインテリア・デザイン、そしてインディッシュ・ラントハイス（インドネシアのデザイン）の古風な魅力を感じます。

何十年と時間が止まったままのようです。

こういうホテルに泊まるとユーミンの「時の無いホテル」が頭に浮かびます。実際のジャケット写真はイギリスのブラウンズホテルですが。

ホテルのロビーに入って一番目につく大きなミラーとフラワーアレンジです。

ドアの押し手にもフェニックスがいます。

ホテル提携のベチャだからと言って宿泊客に手加減はありません。

何度顔を合わせていても毎回金額交渉が必要です。

スルタンの弟さんの自宅レストランで購入したロロプロニョ人形です。雛祭りになったら玄関に飾ろうと思います。

こんな美しいパネルがそこ彼処にあります。

NHKの人形劇で似た様な物を見たような…。

この雰囲気が一番好きです。ジョグジャカルタではステンドグラスをたくさん見掛けました。

3日目の朝食は屋内にしました。

茶色い飲み物は日替わりのジャムウです。

毎日のジャムウ美味しかったですよ。体に効いたような気がします。

毎日見続けると欲しくなります。

朝食の一時を除けば本当に静かで、街中にあるホテルとは思えないです。

いろいろなところで見掛けましたが、双六のようなゲーム盤だそうです。

次に来ることがあればゆっくりプールで泳ぎたいものです。４4泊では街中を慌ただしく観光するだけで終わってしまいました。

いつまでもこのままの雰囲気で残ってほしいホテルでした。