2013/05/09 - 2013/05/09
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鹿野健太郎さん
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一昨年98で亡くなった最愛の祖母の生誕100周年。福岡への出張中、予定のない日が一日だけできたので、祖母がいつも懐かしそうに話をしていた田川郡は香春町に初めて足を運んでみた。博多から列車を乗り継ぐこと2回、1時間半の旅。
距離的には決して遠くないのだが、時間を超えて来たような不思議な感覚。路地から女学生時代の祖母がひょっこり姿を現すのでは?と思うような遠い記憶の世界に紛れ込んだかのようだ。
静かで何もないのだけれど、深い感動を得る旅となった。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
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JR九州・日田彦山線の香春駅
博多から乗り換え2回、所要時間約1時間半(1080円)香春駅 駅
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大伯父がずっと昔に描いた絵葉書より。祖母が受け取り、母が大切に持っていたもの。
香春から小倉への鉄道は大正4年(1915年)から既に走っていたそうだ。はがきにある添田線は既に廃止されている。香春駅 駅
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残念ながら創業当初の木造駅舎は1995年に焼失してしまい、今は新しく立て替えられた駅舎。
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香春の町に向かって歩くと、正面にそびえる(と言うより立ちはだかる)のが香春岳(一ノ岳)。石灰石の採掘で、半分の高さでばっさりと切られたような形になっている。
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金辺川を渡ると香春の街
香春駅 駅
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写真中央のクリーム色の四角い建物が本家の病院
祖母の話を昔聞いた記憶では、代々小倉藩主(礼法などで知られる小笠原15万石)付きの医者だったそうで、その小倉藩主は幕末に長州軍との戦闘が激化する中で香春に藩庁を置くようになりこの地に移ってきたようだ。香春駅 駅
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その香春藩庁の御門は、町立香春小学校の敷地内に移築保存されている。
香春駅 駅
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街を西へ進むと、創建が709年という大変古い歴史を持つ香春神社がある。祖母も子供の頃きっとここにお参りしたりしたのだろう。
香春駅 駅
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風が木の枝を揺らす音と、鳥の声、そして山の上の方からかすかに採掘作業の音が聞こえるのみ。
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昭和6年に神社を改修するにあたって寄進をした人たちの碑が立っていた。その中には、本家の伯父さん(祖母の伯父)の名が。
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夕暮れ時の香春岳をゆっくりと眺めてみたかった。
香春岳が三山並んで見えるポイント by 鹿野健太郎さん香春岳 自然・景勝地
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拝殿が見えてきた。
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拝殿の扉が少しだけ開いていたので、中を覗いてみた。
採掘の始まる前の立派な一ノ岳の写真が掛けられていた。 -
拝殿の後ろに周ってみると、神殿がひっそりと建っていた。
この日、神社には神様以外誰もいなかった。 -
この巨石は昭和14年に一ノ岳から轟音と共に落下してきたそうだが、神社は全く無傷という奇跡が起こったそうだ。
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神殿前の木像。大陸的な印象を受けるが、どのくらい古い物なのだろう?
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「新羅の神が自ら渡って来て、ここ河原(香春)に住んだ。」とある。
これが何を意味するかには諸説あるようだ。山頂に祀った神をその国が滅びた時に次の支配者が山から降ろす・・・という伝統にのっとると、実は邪馬台国の卑弥呼が祀られている?とする推説もあるようだ。いずれにせよ、今は静かなこの地も、当時は国政を左右するような重要な場所だったに違いない。香春駅 駅
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拝殿の前から田川の町を見下ろす。この神社の前の通りは、かつて都と大宰府を結ぶ田河道という幹線道路で、神社周辺も栄えたのだそうだ。
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参道の途中にあった大木。絶対何かが宿っていそうな風格!
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くたびれた感じのセメント工場が高くそびえる。
香春一ノ岳を削ることで町の経済が回るとは言え、神の宿るとされてきた大切な山が今後も企業の儲けを目的に削られ続けるのだろうか?この地の秘密めいた歴史と、銅山、炭鉱と合わせ、日本近代化の軌跡を示す産業遺跡としての一ノ岳の採掘場の公開で訪問客を増やす方が将来に繋がるような気がする。 -
今の場所にお宮が建てられたのは和銅2年(709年)なので、既に1300年は超えているはずだけど・・・。
このあたりで採掘された銅は、当時日本の銅の生産の半分を占めていたそうで、古くは奈良の大仏様の鋳造にも用いられたそうだ。 -
静まり返った香春の集落。100年の時を越えて、女学生の祖母がひょっこり路地から姿を現すような気がした。
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香春の町は一ノ岳の麓を細く取り囲むように集落が連なっている。
香春駅 駅
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香春町から隣りの田川市へ歩いて進む。(歩道がないので、歩く方は車に気を付けて下さい。)
香春駅 駅
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途中の道は歩道があるわけでなく、決して歩きやすい道ではなかったが、山の見える形が常に変化するので、退屈でないのが良い。周囲は田んぼかと思っていたのだが、麦畑のようだった。
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香春の街から西へ1時間弱歩いた。田川市に入ってしばらく進むと、三山が並んで見えるようになる。右から一ノ岳、二ノ岳、三ノ岳。
香春駅 駅
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もっと古い写真だと、こんもりした山のように見える。この頃にはセメントの採掘で既に元の山の形ではなかったのだろうか。
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祖母が子供だった頃の香春の街並み
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方言(わるい言葉)というのが時代を象徴している。別に悪い言葉ではないのに。
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香春弁で書かれた桃太郎ち。地元の人に読んでもらってくれば良かった。
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