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昨年、初トライして味をしめたスノーシュー。<br />今シーズンも!と思っていたら、いつの間にか桜前線。<br />これが本当のラストチャンス!と選んだのは、ブナの原生林で知られる玉原高原。<br /><br />昨年とは打って変わって、終始曇天で雪までちらつく天候だったが、自然界のサイクルの<br /><br />緻密さ巧妙さに改めて感心させられた一日となった。

シーズン最後のスノーシュー ~玉原高原で自然界の輪廻を感じる~

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2013/03/31 - 2013/03/31

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旅行記グループ 山 関東

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29

琉球熱

琉球熱さん

昨年、初トライして味をしめたスノーシュー。
今シーズンも!と思っていたら、いつの間にか桜前線。
これが本当のラストチャンス!と選んだのは、ブナの原生林で知られる玉原高原。

昨年とは打って変わって、終始曇天で雪までちらつく天候だったが、自然界のサイクルの

緻密さ巧妙さに改めて感心させられた一日となった。

旅行の満足度
4.5
観光
4.5
交通
4.0
同行者
カップル・夫婦
一人あたり費用
1万円 - 3万円
交通手段
新幹線 JRローカル 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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  • 上越線沼田駅に到着したのが9時。そこからクルマで玉原高原スキー場を目指す。<br />スキー場に着いた頃には辺りはガスで覆われ、駐車場には強力な照明が点灯しているほどだった。<br /><br />駐車場脇のスタート地点、しっかりガスっている。木々が白く見えるのは樹氷だ。

    上越線沼田駅に到着したのが9時。そこからクルマで玉原高原スキー場を目指す。
    スキー場に着いた頃には辺りはガスで覆われ、駐車場には強力な照明が点灯しているほどだった。

    駐車場脇のスタート地点、しっかりガスっている。木々が白く見えるのは樹氷だ。

  • 手近の枝をマクロにて。<br />3月の終わりにまだ樹氷ができてしまうことに驚く。

    手近の枝をマクロにて。
    3月の終わりにまだ樹氷ができてしまうことに驚く。

  • もうじき開こうとしていたであろう蕾もこの通り。<br />辛うじてセーフか? 開花後だったらひとたまりもない。

    もうじき開こうとしていたであろう蕾もこの通り。
    辛うじてセーフか? 開花後だったらひとたまりもない。

  • 古く大きなブナの前で記念撮影<br />この樹は樹齢100年を超えているという。<br />この古木の周囲には、同等の大木はなく、まだ若い木々が多い。<br />古い大木が枯死し葉を落とすことで、森に陽射しが入るようになって若木が芽吹き始める。見事な循環。

    古く大きなブナの前で記念撮影
    この樹は樹齢100年を超えているという。
    この古木の周囲には、同等の大木はなく、まだ若い木々が多い。
    古い大木が枯死し葉を落とすことで、森に陽射しが入るようになって若木が芽吹き始める。見事な循環。

  • こちらも立派な古木。<br />長い年月を経て、樹皮は崩れ落ち、遂には幹に大きな穴が開くに至った。<br />それでも、右手からは枝が伸びており、しぶとく生き残っている。<br /><br />積雪期のピークになると、幹の穴に顔が届くほどになるそうだ。

    こちらも立派な古木。
    長い年月を経て、樹皮は崩れ落ち、遂には幹に大きな穴が開くに至った。
    それでも、右手からは枝が伸びており、しぶとく生き残っている。

    積雪期のピークになると、幹の穴に顔が届くほどになるそうだ。

  • 細かな霙が落ちる中、雪中行軍である。<br />この時期なので、雪はパウダースノーと言うわけにはいかない。<br />しかし面白いのは、昨夜のうちにできた樹氷が、風にあおらればらばらと落ちてくる。<br />おかげで地面は氷のかけらが敷き詰められている状態になっている。

    細かな霙が落ちる中、雪中行軍である。
    この時期なので、雪はパウダースノーと言うわけにはいかない。
    しかし面白いのは、昨夜のうちにできた樹氷が、風にあおらればらばらと落ちてくる。
    おかげで地面は氷のかけらが敷き詰められている状態になっている。

  • メートル級の積雪に耐え、目前に控えた春を待つ原生林。

    メートル級の積雪に耐え、目前に控えた春を待つ原生林。

  • 大きな木の根元はウサギなどの小動物のねぐらになるらしい。<br />落葉する樹林帯は土壌を肥沃にする半面、この季節、小動物たちにとっては身を隠しにくいという危険が伴う。それは同時に、猛禽類にとっては格好の狩猟の季節ともいえるわけだ。<br />クマタカなどがこの時期に子育てをするのも、自然の摂理にかなった話。

    大きな木の根元はウサギなどの小動物のねぐらになるらしい。
    落葉する樹林帯は土壌を肥沃にする半面、この季節、小動物たちにとっては身を隠しにくいという危険が伴う。それは同時に、猛禽類にとっては格好の狩猟の季節ともいえるわけだ。
    クマタカなどがこの時期に子育てをするのも、自然の摂理にかなった話。

  • 朝が早かったので、ちょっと早めの昼食。<br />アツアツのうどん。その旨さべらぼう!

    朝が早かったので、ちょっと早めの昼食。
    アツアツのうどん。その旨さべらぼう!

  • ダケカンバの林へ

    ダケカンバの林へ

  • どうやらここでウサギが食事でもしたらしい。<br />しかし、妙に几帳面なヤツだ(笑)

    どうやらここでウサギが食事でもしたらしい。
    しかし、妙に几帳面なヤツだ(笑)

  • 風雪に耐えた巨木は、存在感たっぷり。<br />正に威風堂々である。

    風雪に耐えた巨木は、存在感たっぷり。
    正に威風堂々である。

  • 寒冷地の樹木は年輪の幅が狭い。身が引き締まっている証だが、それだけに堅く、良質の炭になるという。

    寒冷地の樹木は年輪の幅が狭い。身が引き締まっている証だが、それだけに堅く、良質の炭になるという。

  • 貯水池=玉原湖に出た。湖面は凍結。しかし一部は氷が解け始めていて、ここにも着実に春の兆しがみられる。

    貯水池=玉原湖に出た。湖面は凍結。しかし一部は氷が解け始めていて、ここにも着実に春の兆しがみられる。

  • この一帯は、保水力の高いブナが多いこともあって、水が豊富だ。<br />冬の間、地表は雪に覆われるが、その実、雪の下では緩やかな流れが絶えることがない。<br />気温が上がり、地表の雪が解け始めると、忽然と渓流が姿を現す。

    この一帯は、保水力の高いブナが多いこともあって、水が豊富だ。
    冬の間、地表は雪に覆われるが、その実、雪の下では緩やかな流れが絶えることがない。
    気温が上がり、地表の雪が解け始めると、忽然と渓流が姿を現す。

  • 玉原湿原に到着。<br />あいにくのガスで、周囲の山は全く見えない。<br />それでも、一面に広がる雪原は開放感がある。

    玉原湿原に到着。
    あいにくのガスで、周囲の山は全く見えない。
    それでも、一面に広がる雪原は開放感がある。

  • 本来は膝丈くらいにあるはずの説明板。<br />この辺りはミズバショウの群落地。

    本来は膝丈くらいにあるはずの説明板。
    この辺りはミズバショウの群落地。

  • 玉原湿原の様子を少々・・・

    玉原湿原の様子を少々・・・

  • 無雪期になればここは立入禁止のはず。<br />そんなところも入って行けるのが、スノーシューハイクの面白さ。

    無雪期になればここは立入禁止のはず。
    そんなところも入って行けるのが、スノーシューハイクの面白さ。

  • この辺は徐々にミズバショウが芽を出してくる場所だ。

    この辺は徐々にミズバショウが芽を出してくる場所だ。

  • アップにするとあちこちに新しい芽吹きが・・・<br /><br />空が急に晴れてきて、太陽の陽射しまで出てきた。すると途端に暑い、眩しい。<br />ライトシェルを1枚脱いで、サングラスを出した。

    アップにするとあちこちに新しい芽吹きが・・・

    空が急に晴れてきて、太陽の陽射しまで出てきた。すると途端に暑い、眩しい。
    ライトシェルを1枚脱いで、サングラスを出した。

  • ・・・と今度は一転曇り&ガス<br />みるみる視界が悪くなっていく。本当に山の天候はわからない。

    ・・・と今度は一転曇り&ガス
    みるみる視界が悪くなっていく。本当に山の天候はわからない。

  • これじゃサングラスは不要だ。

    これじゃサングラスは不要だ。

  • 雪原を歩いていると、ところどころこのような穴が開いていて、中には意外なほど豊富な水量を湛えたせせらぎ。<br />耳を澄ますと水の流れる音があちこちから聞こえる。雪の下を水が流れているのだ。<br />何とも言えない、心地よいBGM<br />でも、気を付けないと緩んだ雪を踏み抜いて、雪解け水の流れに落ちることになる。

    雪原を歩いていると、ところどころこのような穴が開いていて、中には意外なほど豊富な水量を湛えたせせらぎ。
    耳を澄ますと水の流れる音があちこちから聞こえる。雪の下を水が流れているのだ。
    何とも言えない、心地よいBGM
    でも、気を付けないと緩んだ雪を踏み抜いて、雪解け水の流れに落ちることになる。

  • 母なる木、Mother Tree<br />森はここから始まった...<br />多くの子孫を残した古木。

    母なる木、Mother Tree
    森はここから始まった...
    多くの子孫を残した古木。

  • コース中にある神社<br />雪で埋まってしまい、鳥居の上部も手が届いてしまう。<br />逆にくぐるのは大変。

    コース中にある神社
    雪で埋まってしまい、鳥居の上部も手が届いてしまう。
    逆にくぐるのは大変。

  • およそ5時間の雪原散歩のゴール<br /><br />天気は終始芳しくなかったけれど、ブナを中心とした原生林の豊かさ、その豊かさゆえの自然界の循環をまざまざと感じたトレッキングだった。<br />灰色に支配される冬ですら、植物も動物もひっそりとしかし確実に「生きて」おり、絶える命があれば生まれる命もあって、「そこに存在する」ことには必ず何らかの意味がある。意味のないものは何一つない。<br />植物も動物も、自然の摂理に則って生きている。これに逆らっている動物は、唯一人間だけのようだ。<br />人間はもっともっと謙虚にならなければいけなのではないだろうか?

    およそ5時間の雪原散歩のゴール

    天気は終始芳しくなかったけれど、ブナを中心とした原生林の豊かさ、その豊かさゆえの自然界の循環をまざまざと感じたトレッキングだった。
    灰色に支配される冬ですら、植物も動物もひっそりとしかし確実に「生きて」おり、絶える命があれば生まれる命もあって、「そこに存在する」ことには必ず何らかの意味がある。意味のないものは何一つない。
    植物も動物も、自然の摂理に則って生きている。これに逆らっている動物は、唯一人間だけのようだ。
    人間はもっともっと謙虚にならなければいけなのではないだろうか?

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  • ねんきん老人さん 2020/08/17 10:39:50
    自然の摂理に身を任せる境地にはまだ・・・
     琉球熱さん、お早うございます。
     表紙の写真にマウスを操る手が止まりました。 魔法使いか妖怪のような古木の形にも驚きましたが、雪に霞む林を背に1本だけくっきりと浮かび上がっているその姿をよくぞ活写されましたね。  枯れたかに見えるその木の周囲だけ雪が積もっておらず、木が生きていることを懸命に訴えているようです。

     自然の摂理を分かりやすく説く琉球熱さんの解説も得心がゆくもので、我々人間だけが蟷螂の斧の如くそれに抗っている滑稽さにも触れておられることに共感を覚えました。
     とはいえ、私がその辺を達観しているわけではなく、自らをその一部として委ねる境地にはなかなか届きません。
     人間に都合の良いように自然をゆがめ続けてきたことへの罪悪感が皆無というわけではないのですが、それでもやっぱり人間中心の価値観は捨てきれません。
     たとえば、蛇という生き物がこの地球上に存在することへは私の理解が及ぶものではなく、地上から蛇が絶滅することに何の不都合があるだろうかなどと思っています。

     そんな私ではありますが、植物の摂理についてはかろうじて畏敬を感じており、琉球熱さんの仰る自然界のサイクルにはただただ頭を下げるばかりです。

     私はスノーシューの経験がありませんが、今回、琉球熱さんの旅行記を拝読し、機会があればやってみたいものだと思いました。
     刺激的なお話を伺い、コロナ騒ぎの中での蟄居生活で気持ちを新たにしました。ありがとうございました。

    ねんきん老人

    琉球熱

    琉球熱さん からの返信 2020/08/18 21:57:49
    RE: 自然の摂理に身を任せる境地にはまだ・・・
    ねんきん老人さん、こんにちは
    いつもありがとうございます。

    古い旅行記に目を留めていただき、ありがとうございます。

    スノーシュー遊びを覚えたばかりで、曇天でも楽しいという(笑)
    自分でも改めて読んでみると、何と新鮮な目で見ていたことか!
    最近ではそんな初心も忘れ、贅沢なことばかり考えてしまいます。

    世俗にまみれていると、自然の中に身を置きたくなりますね。
    そんなこともままならないご時世で、じわじわとストレスが溜まっていくような気がします。
    コロナ禍による自粛も大事ですが、そればかりではやはり精神衛生上よくありません。
    ガス抜きも大事ですね。

    話は変わりますが、この冬、ねんきん老人さんもスノーシューに挑戦してみてはいかがでしょうか?
    きっと新たな発見があると思いますよ!


    ---------琉球熱--------
  • ウェンディさん 2016/02/28 08:49:57
    お久しぶりです
    琉球熱さん こんにちは。

    雪山旅行記を順番に拝見していました(もう何回拝見したか分からない旅行記も沢山ありました)。
    2年前に初めて春の雪山へと行き、グリーンシーズンとは異なる雪景色の美しさ、スキーとは異なる達成感、そして虫のいない爽やかさを味わい虜となりましたが、相棒の仕事が忙しく、なかなか次の計画が立たず…だったのですが、やっと2回目の雪山へ行けそうな気配。

    相棒の気が変わらぬうちにと冬山用のマウンテンシューズ、スパッツ、アイゼン…ついでにちょっとした防寒も早速買って、来年の雪山ハイキングについて計画を練り始めています。
    上記のグッズで私の財布はすっかり軽くなってしまい、スノーシュまではまだ手が届いていませんが、スノーシューも欲しいですね。
    そして、琉球熱さんの様にブナの原生林を歩きたいです。

    琉球熱さんの雪山旅行記は関東近郊が多いので、とっても参考になります。
    また、旅行記に遊びに来ますね。

    ウェンディ

    琉球熱

    琉球熱さん からの返信 2016/02/28 22:56:07
    RE: お久しぶりです
    ウェンディさん、こんにちは。

    投票&書き込み、ありがとうございます。

    私にとって雪山の魅力はやはりその景観です。
    しかし天候という、どうにもならない要素が立ちはだかりますし、私の場合はまだ技術的にも未熟なので、登れる山は時期的にもエリアでもかなり限定されます。
    こう考えると、自分の力量に合った雪山を楽しめる期間というのは、意外に短いんです。
    年末から3連敗しているおかげで少々焦ってます(笑)

    なんとかあと2〜3座はこなしたいと思っているのですが…

    八ヶ岳や北・南アルプスなら4月まで雪山を楽しめますよ。
    スノーシューはレンタルもできますし、せっかくの「おニュー」ですから是非今シーズン中に試してみてはいかがでしょう?
  • jun1さん 2013/04/07 12:51:44
    この時期に樹氷ですか!
    琉球熱さん、こんにちは。

    3月末で樹氷が見れるとは寒かったんでしょうね。
    樹氷を間近で見たことないので見てみたいです。

    そして、スノーシューもやったこと無いのですが、
    登山道を外れて歩けそうなんで、道迷いとかしそうじゃないですか?

    でも、晴れた日なんかは楽しいでしょうね。
    団体に入って連れていってもらえるんなら、行ってみたくなりました。

    jun1




    琉球熱

    琉球熱さん からの返信 2013/04/07 22:10:39
    RE: この時期に樹氷ですか!
    jun1さん、こんにちは。

    書き込みありがとうございます。

    明日から4月という時期に樹氷、これが関東の話ですから驚きです。
    私も蔵王のような北国の山での現象だと思っていたので、意外でした。

    沼田・水上はとりわけ雪が多く気温も低いので、こういう現象がみられるのでしょう。

    スノーシューは楽しいですよ。普段歩けない場所もずんずん歩けてしまうというのが、何と言っても醍醐味です。
    おっしゃる通り、道がないことや一面雪景色で目印が付けにくいこともあり、道迷いの危険はあります。
    地理不案内の場所では、ツアーに参加するのが安心です。
    玉原や水上、日光などはガイドツアーも沢山あるので、一度参加してみてはいかがでしょうか?

琉球熱さんのトラベラーページ

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