2012/10/23 - 2012/10/27
753位(同エリア1492件中)
funasanさん
- funasanさんTOP
- 旅行記621冊
- クチコミ18件
- Q&A回答38件
- 4,143,662アクセス
- フォロワー191人
10月26日(金)の朝、部屋のカーテンを開けると外は雲1つない快晴、数日前に蓼科山の山頂に積もった雪は消えている。明日は自宅に帰るので蓼科山登山は今日しかない。迷わず決行!
写真:ホテルアンビエント蓼科の部屋から見た朝の蓼科山と女神湖
私のホームページ『第二の人生を豊かに―ライター舟橋栄二のホームページ―』に旅行記多数あり。
http://www.e-funahashi.jp/
PR
-
部屋で炭水化物抜きの朝食をとる。生野菜サラダ、バナナ、トマトジュース、ナッツ類…。今回も「長寿遺伝子をオンにするダイエット登山」を目論む。
-
最後にコーヒーを煎れ、熱々のブラック・コーヒーを飲む。時々バルコニーに出て女神湖の眺め(写真)を楽しむ。しかし、外は寒い。着替え、防寒具、食料、水をリュックに入れて、午前7時30分、いざ、出発する。
-
女神湖からスズラン峠に行く最短ルート(夕陽の丘経路)が通行止めになっていたので、白樺湖まで下ってビーナスラインを上りなおす。朝日に照らされた紅葉が素晴らしく、時々、車を止めて写真を撮る。
写真:しらかば2in1スキー場付近のカラマツ林 -
スズラン峠に至る絶景のビューポイント(写真)。ビーナスラインの道路上に車を停めるのは少し迷惑であるが、早朝でほとんど車が来ない。瞬間停車して瞬間に写真を撮る。
-
スズラン峠近くの蓼科山登山口駐車場(写真)に車を停める。金曜日の朝であるが、既に多くの車が並んでいる。これは好都合、単独行の私としては先行する登山者がいると安心する。
-
午前8時、蓼科山に登りはじめる。急ぐ登山でもないので周囲の森を眺め、写真を撮りながら、ゆっくり登る。
-
天に抜けるような青い空(写真)。深い呼吸をし、自分の体(体調)に耳を傾けながら一歩一歩進む。
-
今日の空(写真)は本当に青い。夏とは違って空気が乾燥して透明感が出てきているのであろうか?
-
先に行く登山者(写真)は私より大分年配の方である。1人で黙々と登る。他にも熟年登山者が多い。今年80歳の三浦雄一郎氏が来年「3度目のエベレスト登頂」を目指すという。
-
カラマツが朝日に当たり黄金色(写真)に輝いている。今日はどこを見ても綺麗に見える。感受性が増してきたのか?本当に美しいのか?
-
カラマツの樹林帯(写真)を登っていくと次第に体がポカポカしてくる。体調良好!60歳になっても五体満足で登山が出来る自分の体に感謝する。私の兄は59歳で他界した。私の一番親しかった先輩も59歳で逝った。一説によれば男の60歳は危険な年齢で、60代前半を大過なく通り抜けると長生きできるという。
-
カラマツの樹林帯を抜けると植生が変わり、木々の間から展望(写真)が開けてくる。これが楽しい。
-
しかし、先は長い。直射日光に当たると暑くなり、汗が出てくる。防寒具を脱いで身軽になってさらに登る。
-
我慢してひたすら登る。ふと振り返ると見事な景色(写真)が広がっているので、ここで少し休憩する。水分補給、リンゴ1/4、ナッツ類を口に入れる。
-
標高2113m地点(写真)に到着。登山口から400mほど登ってきたことになる。山頂は2530mなので、ここが丁度中間点である。ひと休みして水分補給、バナナ1/2、チーズ、ナッツ類を口に入れる。
-
三浦雄一郎氏は38歳の時、スキーによるエベレスト滑降をして以来、54歳のアコンカグア滑降まで世界7大陸最高峰全峰からの滑降を成功させた。しかしその後目標を失い、不摂生な生活を送った挙句、身長164 cmに対し体重85 kg超、血圧は200近くまで上がり、不整脈まで出る不健康な状態となってしまったという。
-
60代前半の彼は札幌近郊の藻岩山(531m)登山でさえ息が切れる不甲斐なさであったという。しかし、99歳にしてなおモンブラン氷河の滑降という挑戦を続ける実父「三浦敬三」や、オリンピックに出場した次男の豪太らを見て改心、65歳の時に、5年後の70歳でエベレスト登頂を果たすという目標を立てたという。
-
外出時には常に両足に重りを付け20 kg近いリュックを常に背負うというトレーニングを再開、2003年5月22日、70歳にしてエベレスト登頂を果たす。同時に二男・豪太との日本人初の親子同時登頂も遂げた。
写真:縞枯れの樹林帯 -
彼は5年後、75歳(世界歴代2位)でエベレストに再登頂している。そして、来年、81歳にして世界最高齢のエベレスト登頂を目論む。
-
縞枯れの樹木の間から遠くを見る。ここまで来れば山頂は近い。
-
さらに登ると針葉樹の樹高が低くなり、森林限界が近いことを暗示する。
-
そして、岩がごろごろしたガレ場(写真)に到着。
実は、三浦雄一郎氏の実父「三浦敬三」氏も凄い。 -
三浦敬三氏は還暦を過ぎてから海外での滑降を始め、70歳の時にヒマラヤ、77歳でキリマンジャロを滑降する。そして、88歳の時には、アルプス・オートルートの完全縦走を果たす。
-
彼の挑戦は続く。2004年2月には何と99歳でモンブラン山系のヴァレブランシュ氷河からのスキー滑降を成し遂げ、100歳では、アメリカのスノーバードで、親子孫曾孫の4世代での滑降を行い、話題を呼ぶ。
写真:頂上直下のガレ場からの大展望 -
そして、2006年1月5日、多臓器不全のため101歳で死去した。
遠くに「白樺湖」と「しらかば2in1スキー場」が見える。 -
「しらかば2in1スキー場」(写真)のトップは八子ヶ峰(1839m)の山頂になり、そこから尾根道をスズラン峠に向かうとヒュッテ「アルビレオ」に至る。
-
三浦父子の人生を眺めると「年齢とは何だろう?」という疑問が湧く。高年齢と冒険・挑戦は反比例しない。新たなる挑戦は誰にでも、いつでもできる。たとえあなたが60歳、70歳、80歳、90歳…でも。
-
101歳にしてなお現役医師で大活躍中の「日野原重明」氏をどう見るのか?あの人は特別よ、ワタシはダメよね…、と思った瞬間、あなたはダメになる。
-
午前11時、蓼科山山頂(2530m)に到着。登り3時間の、のんびり登山である。
-
蓼科山の山頂は残念ながら登山者を失望させる。一面に岩がごろごろした頂上火口(写真)は直径約150mで、溶岩が盛り上がった堤のような火口縁で囲まれている。
-
山頂に着いたにもかかわらず火口縁を歩いて「白樺湖」(写真)が見える場所まで移動する。大きな岩がごろごろしていて歩きにくい。ここで大休憩。
-
水分補給、リンゴ1/2、バナナ1/2、チーズ、ナッツ類を口に入れ大展望を楽しむ。先日、スズラン峠から登ったヒュッテ「アルビレオ」(写真)が、遙か彼方に見える。
-
再び火口縁を歩いて、今度は「女神湖」(写真)が見える場所まで移動する。私の愛する「ホテルアンビエント蓼科」も見える。
-
頂上の火口には先日降った雪(写真)がまだ残っている。今度寒波がくると山頂は雪に覆われ冬山となる。
-
クローズ中の「蓼科山頂ヒュッテ」(写真)。ここから蓼科山の北斜面に下ると「将軍平」経由「御泉水自然園」の下山コースになる。
-
前掛山(2354m)から双子山(2223m)へ至る山稜(写真)には縞枯現象の枯木帯が目に付く。先日、ドライブで訪れた「大河原峠」から蓼科山に登るコースもある。
-
八ヶ岳連峰(写真)は午後の雲に隠れてしまっている。これは残念である。蓼科山頂上で1時間ばかり過ごして、正午に下山しはじめる。
-
下山しはじめたら直ぐに、朝、私と同時に出発した高齢の単独登山者に出会った。彼は4時間かけて登ってきたのである。縞枯の樹林帯(写真)を下っていく。
-
途中、若い男性5〜6人のグループ(写真)と出会った。テント持参の重装備で、今夜は双子池にキャンプを張るという。頑張れ!
-
そう言えば、今回、若い男性の単独行登山者(3名ほど)に出会った。山男だった昔を想い出して何だか嬉しくなった。黄色に色づくカラマツ林まで降りてくると登山口は近い。
-
写真を撮りながらのんびり登山をしているせいか、今だ疲れが少ない。前回の八ヶ岳・編笠山登山(以下参照)に比べると、今日は体が「疲れた〜、もうダメだ〜」とは言っていない。
http://4travel.jp/traveler/funasan/album/10713201/ -
ひょっとしたら、体力アップ、登山慣れをしてきたか?午後3時、スズラン峠の駐車場(写真)に到着。無事、蓼科山登山が終了した。
-
さて、天気は良く、午後の太陽に蓼科山麓のカラマツが黄金色に輝く。体調もいいのでビューポイントに行って写真撮影をすることにする。まずは「しらかば2in1スキー場」のカラマツ林と蓼科山(写真)。
-
誰もいない晩秋の「しらかば2in1スキー場」(写真)。ここのスキー場は斜面が緩くファミリースキーにいい。
-
「しらかば2in1スキー場」前のカラマツ林(写真)
北原白秋『落葉松』
1からまつの林を過ぎて、からまつをしみじみと見き。からまつはさびしかりけり。たびゆくはさびしかりけり。
2からまつの林を出でて、からまつの林に入りぬ。からまつの林に入りて、また細く道はつづけり。
3からまつの林の奥も、わが通る道はありけり。霧雨のかかる道なり。山風のかよふ道なり。
4からまつの林の道は、われのみか、ひともかよひぬ。ほそぼそと通ふ道なり。さびさびといそぐ道なり。
5からまつの林を過ぎて、ゆゑしらず歩みひそめつ。からまつはさびしかりけり、からまつとささやきにけり。
6からまつの林を出でて、浅間嶺にけぶり立つ見つ。浅間嶺にけぶり立つ見つ。からまつのまたそのうへに。
7からまつの林の雨は、さびしけどいよよしづけし。かんこ鳥鳴けるのみなる。からまつの濡るるのみなる。
8世の中よ、あはれなりけり。常なれどうれしかりけり。山川に山がはの音、からまつにからまつのかぜ。
大正10年、北原白秋が信州星野温泉にて、婦人(佐藤菊子)と共に朝夕落葉松の林を散策する中で作られた。 -
春の芽吹きの頃のカラマツは初々しくて爽やかだ。鳥たちも鳴き森はにぎやかになる。朝露に濡れたカラマツの芽吹きは人生のはじまりを感じさせる。写真:女神湖
-
夏のカラマツは青々として力強い。まさに青春・壮年時代。写真:女神湖
-
そして、秋の落葉松は美しくも寂しい。鳥たちの鳴き声は少なく森は静かになる。私は、今、秋の落葉松の心境である。落葉松はこれから全ての葉を落とし冬を迎える。
写真:女神湖畔の紅葉 -
誰にも避けられない死をいかに先に延ばすか。人生の収穫期である今をどれだけ長く楽しめるか。三浦雄一郎氏のように、せめて80歳まで「登山」ができる体にしたい。それが達成できたら、次は三浦敬三氏のように100歳登山である。100歳まで生きるとすると、老後と呼ぶにはあまりにも長い人生が待っている。
写真:女神湖畔の紅葉 -
来年は「長寿遺伝子をオンにするダイエット登山」をもっとやって、健康長寿を目指そう!高原リゾートにロングステイする楽しみが1つ増えた。来年が楽しみである。
写真:ホテルアンビエント蓼科の部屋からの眺め
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
funasanさんの関連旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
2
50