崖とビーチと海と空

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　ウロンゴンという名前は、初めて聞く名前で、どのような街なのか皆目見当つかなかった。シドニー・セントラル駅から２階建の電車に乗って１時間４０分。シドニーから離れるにつれて原生林のような木々が海まで続いている景色が始まる。シドニーから１時間ほどすると、電車は海に近いところを走りだす。砂浜の白さと海の青さが目にまぶしい。徐々に街中に入っていきウーロンゴンに到着する。なんとも鄙びた小さな駅、レトロなカフェ、改札を出ると、ちょっと緊張するような雰囲気が漂っている。あわてて地図を見ながら、ホテルを探すとなんと反対側になっている。重いスーツケースを押しながら坂を上り、さびれた商店街を抜け、ホテルに到着する。ベスト・ウェスタン・ホテル・ウーロンゴンは、外観と打ってかわって、部屋はキッチン、バスルーム、ベッドルーム、リビングルームがある、アパートみたいで快適である。朝食もいろいろ選べて、味もよく、大きなテレビもあり、アットホームな感じである。部屋からは、遠くに海も見える。反対側の山に夕日が沈む様子も見える。想像以上にリラックスできるいいホテルだ！それに、洗濯機と乾燥機も備え付けてあるので、汚れた服をきれいにして、翌日からさっぱりした身なりをすることができる。
　早朝、とにかく海に向かって歩いた。さびれた商店街を通り抜けると、大きな屋根付きのモールに行きあたる。両側には、有名なデパート、さまざまなカフェとショップ、椅子が外に出されて、新聞を読みながら朝食ととっている人たちがいる。さらに進むと、大きなステージがあり、噴水もある。駅の雰囲気と何たる違いか。さらに歩いて行くと大きなスタジアムが見えてくる。そこはもう海辺に前だ。ビーチに降りていくと、真っ白で細かい砂のきれいな砂浜が続いている。崖の上には白い灯台も見える。波はあくまで穏やかで、空のところまで海が続き青と青がきれいに直線を描いている。
　早朝、多くの人が自分のペースでウォーキングやジョギングや犬の散歩を楽しんでいる。崖の向こうには、また白砂のビーチが広がっている。
　灯台と反対側に大きな煙突の工場が見える。有名な鉄工所ということだった。そう、ウロンゴンは炭鉱で有名な街でもある。今、炭鉱町からリゾート地へ変貌中である。なんと美しいビーチをいくつも抱えた町なのだろうと思った。