サンクトペテルブルク出張滞在中の週末、夜行列車でヤロスラーヴリに出かけることにした。ロシアで８ヶ所目の世界遺産「ヤロスラーヴリ歴史地区」を訪れるためだ。ロシアの列車をサイトで予約することは可能であると聞いてはいるが、やはりロシア語が使いこなせないと非常に手間がかかる。時間の制約もあり旅行社に手配をしてもらうことにした。<br /><br />ヤロスラーヴリ行きの夜行寝台列車は毎日数便出ており１等、２等が選択できる。ここは安全のために１室２人の１等車を予約して片道4,900ルーブル（約7,000円）、妥当な価格であると思う。何といっても日本では寝台列車というものは絶滅危惧種であり、生き残っている数本の列車はおいそれと手が出る値段ではない。ここは古びたロシアの客車でノスタルジーに浸ることにした。<br /><br />ヤロスラーヴリは人口約60万人、ヴォルガ川に沿う古都で、コータラスリ川との合流点にある。現在は日系企業も進出する工業都市で、私の知人もこの町に駐在していた。町の中心にある歴史地区が世界遺産に登録され観光客も多い。11世紀初め、キエフ大公国のヤロスラフ1世（賢公）によって要塞が築かれた。その後モンゴル帝国、モスクワ大公国、ロシア帝国の支配を受けるが、ポーランド軍に占領されたモスクワの代わりにロシアの首都として機能したこともある。<br /><br />ヤロスラーヴリ駅に到着したのは朝6時40分、この町で一番古い建物である世界遺産のスパスキー(救世主）修道院にあるスパソ・プレオブラジェンスキー聖堂に向かう。13世紀初に聖堂の基礎が築かれ、16世紀には石の城壁が修道院の周りに建てられ要塞となった。駅から徒歩で小１時間ほどかかるが、10時の開門にはたっぷり時間があるため、のんびり町を眺めながら歩いた。なお鐘楼は８時から登ることができる。鐘楼からはヤロスラーヴリの町が一望でき、また独特の金のウニのような屋根飾りを見ることができる。私が訪れた日は久々の快晴で、修道院の庭園の満開のバラの花が真白い壁に映えて鮮やかだったため、コントラストをきかせて写真を撮った。<br /><br />この修道院の他、「ヤロスラーヴリ式」と呼ばれる赤レンガで建てられているバガヤヴリェーニヤ聖堂や、白い明るい色のタイルを外観に張った預言者イリヤー聖堂を訪れた。美しいフレスコ画で飾られている内装は、「黄金の環」のなかでもひときわ印象的な教会である。<br /><br />この後歴史博物館を見て、昼過ぎにはこの町の主要スポットは見てしまった。軽く昼食をとって、バスで約１時間のロストフ・ヴェーリキーに向かうことにした。これは次の旅行記でご紹介する。

ロシアの世界遺産No.８：バラが咲き誇る「黄金の環」のヤロスラーヴリ

13いいね！

2012/07/27 - 2012/07/28

80位(同エリア341件中)

#世界遺産

ハンクさん

サンクトペテルブルク出張滞在中の週末、夜行列車でヤロスラーヴリに出かけることにした。ロシアで８ヶ所目の世界遺産「ヤロスラーヴリ歴史地区」を訪れるためだ。ロシアの列車をサイトで予約することは可能であると聞いてはいるが、やはりロシア語が使いこなせないと非常に手間がかかる。時間の制約もあり旅行社に手配をしてもらうことにした。

ヤロスラーヴリ行きの夜行寝台列車は毎日数便出ており１等、２等が選択できる。ここは安全のために１室２人の１等車を予約して片道4,900ルーブル（約7,000円）、妥当な価格であると思う。何といっても日本では寝台列車というものは絶滅危惧種であり、生き残っている数本の列車はおいそれと手が出る値段ではない。ここは古びたロシアの客車でノスタルジーに浸ることにした。

ヤロスラーヴリは人口約60万人、ヴォルガ川に沿う古都で、コータラスリ川との合流点にある。現在は日系企業も進出する工業都市で、私の知人もこの町に駐在していた。町の中心にある歴史地区が世界遺産に登録され観光客も多い。11世紀初め、キエフ大公国のヤロスラフ1世（賢公）によって要塞が築かれた。その後モンゴル帝国、モスクワ大公国、ロシア帝国の支配を受けるが、ポーランド軍に占領されたモスクワの代わりにロシアの首都として機能したこともある。

ヤロスラーヴリ駅に到着したのは朝6時40分、この町で一番古い建物である世界遺産のスパスキー(救世主）修道院にあるスパソ・プレオブラジェンスキー聖堂に向かう。13世紀初に聖堂の基礎が築かれ、16世紀には石の城壁が修道院の周りに建てられ要塞となった。駅から徒歩で小１時間ほどかかるが、10時の開門にはたっぷり時間があるため、のんびり町を眺めながら歩いた。なお鐘楼は８時から登ることができる。鐘楼からはヤロスラーヴリの町が一望でき、また独特の金のウニのような屋根飾りを見ることができる。私が訪れた日は久々の快晴で、修道院の庭園の満開のバラの花が真白い壁に映えて鮮やかだったため、コントラストをきかせて写真を撮った。

この修道院の他、「ヤロスラーヴリ式」と呼ばれる赤レンガで建てられているバガヤヴリェーニヤ聖堂や、白い明るい色のタイルを外観に張った預言者イリヤー聖堂を訪れた。美しいフレスコ画で飾られている内装は、「黄金の環」のなかでもひときわ印象的な教会である。

この後歴史博物館を見て、昼過ぎにはこの町の主要スポットは見てしまった。軽く昼食をとって、バスで約１時間のロストフ・ヴェーリキーに向かうことにした。これは次の旅行記でご紹介する。

エリア

その他の都市(ロシア)

旅行の満足度: 4.5

観光: 4.5

グルメ: 4.0

交通: 4.0

同行者: 一人旅

一人あたり費用: 3万円 - 5万円

交通手段: 鉄道タクシー徒歩

旅行の手配内容: 個別手配

サンクトペテルブルクのモスクワ駅
ウーファ行きの急行列車
１等寝台車の内部、２人用のベッド
ヤロスラーヴリ・グラーヴヌイ駅のファサード
「ヤロスラーヴリ式」と呼ばれる赤レンガで建てられているバガヤヴリェーニヤ聖堂

「ヤロスラーヴリ式」と呼ばれる赤レンガで建てられているバガヤヴリェーニヤ聖堂
キエフ大公国のヤロスラフ1世（賢公）の像
世界遺産のスパスキー(救世主）修道院にあるスパソ・プレオブラジェンスキー聖堂、13世紀初に聖堂の基礎が築かれ、16世紀には石の城壁が修道院の周りに建てられ要塞となった
スパスキー(救世主）修道院にあるスパソ・プレオブラジェンスキー修道院の鐘楼
スパソ・プレオブラジェンスキー修道院、16世紀に築かれた修道院の周りの石の要塞の外壁
修道院の庭園の満開の真っ赤なバラの花
満開の真っ赤なバラの花が白い建物に映えて鮮やかだ
こちらはピンクのバラの花
ピンクのバラの花と修道院の教会
こちらは黄色のバラの花