2012/02/15 - 2012/02/17
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こまちゃんさん
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室内での手撮りだと、かなり限界があるピント合わせ。
手ぶれも伴ってイマイチです。
オークションの出品画像撮影では、三脚と簡易照明は必須なのですが、身辺のものをサクッと撮る場合は使うことはありません。
で、不本意ながらストロボを使うと、素材の地肌の粗まで撮れちゃいますね・・・。
そうそう。
写真を撮りながら思い付いたのですが、鍾馗さんの誕生後の神話はある程度有名(アバウトであっても)ですが、どのように誕生したのかは殆ど知られておらず、資料を見つけても、と〜んでもない内容だったりします。
そこで、無類の鍾馗好きなこま自身が、その生い立ちが詳しく紹介されている中国の書物を翻訳し、ここに纏めてみることにしました♪
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2月15日。
先ずは暇つぶしで鍾馗さんの焼き物を撮った時の様子から。
手持ち撮りの限界で頑張ってみましたが、こんな感じです・・・(ちょっとブレてる)
この光条件下で、ブレずにもっと明るく撮れれば、更に自然な感じな画像になります。 -
で、ストロボを使って、バウンス(天井等に反射させる間接照射)撮影するだけで、かなりピントは稼げます。
しかも、「この鍾馗さんは焼き物やね」とはっきり判るくらい、とても綺麗に撮せます。
でも、どうもこの質感が好きになれないこまなので、スローシャッターでそのまま撮るのが好きなんです。
で、仕方なく補助機材に頼る訳ですが、被写体に、光が不自然に加算される関係上、焼き物の釉薬でツルツルの部分が光ってしまいます。 -
ですが、こんなにアップにしてもブレません。
ズームレンズは、望遠にするとグンと暗くなる為に、シャッター速度がドンドン遅くなりますから、ストロボなどの補助光が有れば、それを気にせずビシッと止めて撮る事が出来ます。
この鍾馗おやじの顔は「素焼き」なので、反射が少なくストロボの方が断然有利ですね。
でも、そんな被写体ばかりではないし・・・ -
バウンスを、斜め真後ろにしてみました。
少しシャッター速度が落ちましたが、手で持てない範囲ではないので、結構バランス良く照射されましたね。
でも、真正面からの光って好みじゃないので、、、 -
左半身に光が当たるように、「斜め真後ろ」から、左寄りの「斜め後ろ」に変えて見ました。
顔の左側(向かって右)に少し影が落ちて、上の画像よりも良い感じ。
(効果がちょっと微妙すぎました・・・)
この鍾馗公仔、本当に良く出来てます♪
(公仔(gong1 zai3):キーホルダーやマスコットにぬいぐるみ等を今はこう呼びますが、本来は人物等の焼き物像を指します) -
2月16日。
機能の鍾馗像撮影で、鍾馗さんのことを何か紹介しておきたくなり、この鬼の様なオヤジがどのような生い立ちだったのか紹介してみたくなりました。
実は、中国へ行き始めて直ぐに興味を持った事で、書物を色々読みあさったのですが、生まれた時から「鍾馗」として歩み出すまでの事を、「鍾馗神話」として詳しく書いている本が有りましたので、ちょっと綴ってみたいと思います。
こまが「鍾馗」に興味を持ったきっかけは、こまが1993年に中国へ渡り、最初に出会った木彫りの像です。
四川省の老職人が彫ったと言うものでしたが、何故か仕事場のサービスセンター真向かいにあった景徳鎮食器売り場に陳列されていたと言う不思議な巡り合わせでした。その25cm弱の木像を手にした時から、鍾馗さんが妙に気になり始めたのでした(阪神淡路震災では、あの大地震から33インチテレビを守った・・・と思ってたり)。
中国語を覚え始めの頃、広州文徳路にある工芸美術センターで、画家爺ぃさんの資料書物の買い出しに付いて行った時、1995年初頭出版の「周濯街著・中国神話系列之一〜鬼中豪傑−鍾馗〜」と言う本を偶然見つけて、無謀にも買ってしまいました。
買った当時は判らない所だらけでしたが、それでも判る部分を繋げては少し理解し、時間が経った頃に又見返して、更に内容の理解を増やして行きました。 -
理解が深まるのと共に、鍾馗(Zhong Kui)さんの木像や石像などが、ドンどんんふえて行きました。
どんなモノでも良いと言う訳ではなく、選ぶに際してこまなりの拘りが有り、その状況下、現在拙宅には、一番大きな80cmの木彫り像から小さな掌サイズまで、焼き物や木彫りなど併せて30体程の鍾馗さんが来日し住んでおられます(^灬^
おっと、、、前置きが長くなりましたが、鍾馗さんの誕生秘話を紹介しましょう。
画像は、「鍾馗が居るだけで福がやって来る」‥の図。
蝙蝠は、決して不吉を表す動物ではなく、「福を運んでくる僕」なので、いつも鍾馗に纏わり付くように周りを飛んでいます。 -
終南山北麓の村で、学校の先生をしている鍾学究老師と、その奥さんの李氏女士の間に、丸々と太った男の子が生まれた。
鍾学究はその子に、将来高官になる様な器量を備えて欲しいと願い、魁星の子をイメージして、
「鍾 魁(しょうき:Zhong Kui:姓は父親の「鍾」の文字で、名は二人の願いを込めた「魁」の文字)」
と名付ける事にした。
鍾魁は、そんな両親の期待など知る由もなかったが、彼はまるでそれを理解していたかの如く、幼いウチに九九も覚えてしまうと言う神童に育ち、13歳で既に儒学正員となり、15歳で学び始めた国子監(体育教育過程学生最高位)を18歳で終了し、加えて、誰もが認める容姿端麗な青年へと育った。
そうして鍾魁は、心技体を兼ね備えた、村一番のハンサムな秀才として評判になりました。
やがて青年期になると、鍾魁は官吏(かんり)になる為に科挙試験を受けるべく都に出向く事になったのだが、三拍子揃った彼を妬んだ村の「杜平」と言う同郷人に填められて、試験に落ちる事になるのでした。
(なんと、三年越しで妬んでいた上での企みだった)
それは、間もなく長安入りと言う宿場町で、試験場への順路をしっかり確認し安心した鍾魁は、前祝いと言う事で、宿の主人に勧められるがまま、調子に乗って浴びるほどお酒を飲んでしまうのだった。
その店主、実は杜平が化けていたのだが、酒で思考力が散漫になった鍾魁を、言葉巧みに長安の山里にある「杜陵」と言う陵墓へ向かうように仕組み、無残にもそこで鬼に顔を焼かれてしまうのでした。
(読んだ本では、その仕組んだ手口も事細かに出ていますが、量が多くなるので、ここでは割愛します)
画像は、「振り返って平穏を願う」‥の図。 -
しかし彼は、酔いが醒めた時に全てを把握し、命からがら宿場に戻り、暑く火照った顔が気になるので、そこに居た杜平に鏡をせがんだ。しかし杜平は話をはぐらかせ、上手く話をして鍾魁を都へと向かわせた。
鍾魁は、その純粋さを伴う聡明さが災いし、杜平の事を何も疑う事なく、試験に間わないと大変なので、一路都へと急いだ。
鍾魁が最後まで把握していなかった事は、彼を騙して陵墓の鬼洞窟へと誘った張本人が、同郷人の杜平だった‥と言う事でした。
画像は、これも古い仕来りの「門神」と呼ばれる魔除けで、玄関先に置いたり、門扉などにその絵を貼り付ける。
熊鬚の方が似てると言うだけで鍾馗だと言う人もいますが、それは「正気」の沙汰ではありません(’灬’
注:鍾馗を使う場合もあります。その場合、手に槍じゃないし、頭には「状元」の位を示す帽子が必須。 -
鍾魁は何とか都に辿り着いて、試験を受ける事ができた。
しかも見事にトップ合格し、「状元」の称号を授かる権利を得たものの、容姿をも重んじる当時の官吏試験だった為、火傷を負ったばかりの真っ黒で見難い顔の彼は、無残にもその権利を剥奪されてしまうのだった。
故郷の面目を背負って出て来ている鍾魁は必死で抗議した。明らかに頭脳は問題なく明晰だと強く訴え、試験官を変えてくれとも嘆願するのだが、当時の規則が、たかが一人の田舎学生に曲げられる訳も無く、悔しい思いで立ち去るしか有りませんでした。
落第を苦にした鍾魁は、故郷の両親や村のみんなに合わせる顔がないと悔やみ、故郷へ戻ることなく自害してしまったのです。
こうして鍾魁は無念の死を遂げる訳ですが、自殺をしてしまった彼は、当然の報いとして死の官人の裁きを受ける事になります(日本と良く似てて「閻王」と呼びます)。
画像は、1995年、この本を読んだ時にこまが落書きしたもの。今はペンタブが有るので仕上げたいけどなぁ・・・ -
その頃都では、鍾魁の非業の死を知り、その才智ある若者の絶望を察して哀れに思った高祖皇帝は、本来受けるべき「状元」の官位を彼に与え、手厚く葬って呉れたのだった。
鍾魁の悲惨な経緯を知った死の官人は、彼の聡明さと潔さや人を思いやる心を重視して、
「もしおぬしさえ良ければ、世の中に潜む鬼を退治する(俗欲や病から守る)使命を受けて貰えぬか」
と訊ねた。
官人の心を察した鍾魁は、今となってはそれも又生き甲斐だと感じると共に、手厚く葬ってくれた高祖皇帝の恩義に報いるべく、その意向を引き受ける事にした。
画像は、「破魔の剣一振りで鬼どもを粉砕す」‥の図。 -
その任務に就くに当たり、容姿を厳つい髭面の風貌に変え、名前も「鍾馗」と変えて、特に善良な人間に降りかかる災いから、その原因となる「悪鬼」を退治して廻る任に就く。
名前を「馗」の字にした理由は、文字自体の意味ではなく、その形が示す「九つの首」の文字構成からだった。
彼自身が鬼になった事で鍾魁は、自分の名前の「魁」にしてみても、そもそも鬼と闘う事の暗示だったと理解し、ならば、悪さをするオロチ「九頭の龍」に例えて、「九つの首を持った鬼」と読み取れる文字の「馗」を、元々の「魁」と読みが同じだった事から、これに変えたのだった。
画像は、「獐頭洞大王--鼠目鬼をやっつけて片付けている鍾馗」‥の図。 -
鍾馗の基本的な服装スタイルは、白い肌襦袢に赤い官吏の衣(袍:うちぎ)を纏い、背には扇子を差し、頭には官吏「状元」の位を示す帽子を被り、袴、黒靴、腰には破魔の剣を差し、懐には、最初に助けた楊貴妃に貰ったとされる繍香袋を持っています(この部分には色々な説有り)。
以上、主たる内容の本筋を、下記文献から抜粋させて戴きました。
周濯街著/中国神話系列之一(中国神話シリーズ・その一)〜鬼中豪傑−鍾馗〜
北京団結出版社・ISBN7-80061-577-4/Ia・279
翻訳:こまちゃん
画像は、「退治した鬼が改心し、鍾馗の僕になる事も有ります(腹黒いままですが)」
‥の図。 -
病の玄宗皇帝を夢の中で救った話に、何処からともなく現れた官吏の衣(袍:うちぎ)を纏った無骨な大男が、楊貴妃の大切な持ち物(紫香嚢と帝の玉笛)を盗んで行こうとした悪鬼を退治せしめん‥と言う話などがありますが、今回ここでは誕生秘話を書きたかった事と、既に諸説の記載が豊富に出回っていますので割愛させて戴きます。
画像は、「いつも持ってる扇子」を紹介したかったので選びました。
なんでこんなにボロボロなのかは判りません。こまがストーリーを追加するとしたら、手厚く葬ってくれた高祖皇帝が供えてくれたものとして、後生大切に持っている扇子だ‥としたいですね。 -
あ、そうそう。
玄宗皇帝の話で思い出しましたが、小学館の日本大百科全書の説明はひどいもので、よくもまあ、寄りによってあんなレアで間違いと取れるような内容を、書籍に載せる解説として選んだなぁ・・・と驚いています。
その内容の一部は、鍾馗と一緒に扱われる「蝙蝠」の説明で、「良く刀を振るって蝙蝠を打ち落としている絵が有り」とされているのですが、上の絵を見て貰えば判りますが、あれは打ち落としているのでは無いし、また「刀」と言うのも、百科事典の説明としては貧素だと思います。
あれは、先程の絵の説明にも書きましたように、蝙蝠が「福」を運んでくると言う意味を含んでおり、「中国語の音の引っかけ」になっているのですが、幾ら鍾馗が神話の人物だとしても、鬼ではなく神でもある鍾馗に関して、著名百科事典で全くこうも酷い内容が書けたものだと思った次第です。
その百科事典はこちら↓↓
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E9%8D%BE%E9%A6%97/
「中国故事」に関しては、英語圏と違って「中国語と中国慣習」がネックになり、知る人がかなり少ない事も手伝って、誤認識のままでもそのまま資料化されているケースが多いように感じます。
ここには上記の内容以外に、病床に伏す玄宗皇帝の夢枕に現れた鍾馗に問い掛けるシーンでも、一般的じゃない表現が紹介されていました。
本来は(大半の資料では)、「高祖皇帝の恩義に報いるべく馳せ参じた」と言うべき所を、
「もしオレを手厚く葬ってくれるならば、天下の害悪を除いてやろう」
と、とても心優しく聡明な鍾馗の神話にはそぐわない俗欲的な説明が書かれています。
これ、マジひどい・・・。
画像は、2匹の蝙蝠が飛んできていることから「鍾馗双福図」と命名されています。 -
画像は、参考にした書籍の表紙です。
1997年に再版されているのですが、その表紙は、この独特なフォルムの絵ではありませんでした。 -
鬼中豪傑--鍾馗。
世の中が平穏な時、彼は大好きなお酒をたらふく煽って寝ています。
酒は、官吏に成るべく受けた科挙受験失敗のそもそもの発端でもあり、それが原因で最初の目的が果たせなかった事は、彼にとって唯一の過失となる訳ですが、自分に戒めを与える事は、何故か彼の習慣的な一面のようですので、「鍾馗」となってからも、お酒だけは欠かさず煽るように飲むので、場合によってはそれが少々ウイークポイントになってしまう事も有るようです。
この本の終りには、200余年人の世に貢献してきた彼が、魔界と通じる人間に、またお酒がらみで填められそうになるのですが、作者とみんなが鍾馗を引き戻そうとして、彼に呼びかけるシーンで締めくくられています。
回来吧,悪鬼之克星!
醒醒吧,鬼雄鍾馗! -
2月17日。
久々にガチ翻訳で頭を使ったので、その余韻が残っていますが、外は冷たい雪がちらついていました。
でも、新潟や長野とは比べものになりません。 -
特にする事が無かったので、また一昨日の鍾馗像をパチリ。
余韻引き摺りすぎですね。。。ははは♪ -
先ずは、前回の続きのようなアングルのものをパチリ!
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ちょっと後ろ気味にパチリ!
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横からパチリ!
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同じく、少し下側からパチリ!
この口髭の感じが、本当の鬚同様に良く表現されていますね。 -
真ん丸な背中の、真後ろからも撮りました♪
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鍾馗ばっかりで3日目・・・(O灬O;
天気が良くなれば、表で何かネタを撮ってきたいです。 -
鍾馗の画像と言う事で、やはりご近所のあの方にも出て来て貰いましょう!
鍾馗:「ワ‥ワシか。。。ははは。」 -
尚、外の雪はパラパラするだけで積もりませんでしたが、向かいの山崎や高槻の山々の空は真っ白です。
山の方は積もってるかも知れませんね。
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