ヨルダン旅行　その⑦

2011/05/05 - 2011/05/06

遂に最終日となりました！ヨルダンにいられるのはあと半日・涙

1日目　成田空港⇒
2日目　ドバイ空港⇒ヨルダン空港着
　　　ネボ山⇒マダバ⇒マカエラス⇒カラク城⇒ペトラ泊
3日目　ペトラ遺跡　ペトラ泊
4日目　ペトラ遺跡　ペトラ泊
5日目　ワディ・ラム⇒アンマン泊
6日目　アンマン市内⇒アジュルン城⇒ジェラシュ　アンマン泊
7日目　デザートキャッスル⇒ヨルダン空港発⇒
8日目　ドバイ空港⇒成田空港

エリア その他の都市(ヨルダン)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 航空会社: エミレーツ航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

今日はムハンマドと７時半にロビーで待ち合わせ。

ホテルのレストランでおいしい朝食を済ませ、荷物をまとめてチェックアウト。で、やっぱりまだムハンマドは来ていません・笑

しばしロビーで待つ。ムハンマドがやってきて、今日は平日だから朝のラッシュですごい渋滞なんだ！と言う。なるほど。

ムハンマドはいつも私の為にペットボトルの水とジュースを１本ずつ用意してくれていたんだけど、今日は私に普段自分がどうやって買っているのか見せようと思って、と言って、私を車に乗せてからお店へ。そして店の前に車を止め、車に乗ったまま店員さんに全てジェスチャーで注文を伝える。コーヒー砂糖多目、ペットボトルの水とジュース、を全てジェスチャーで伝えてしまうのだ！　ほんとに驚き＆おもしろかった。

今日はヨルダン東部へ向かいます。車窓から美しいモスクが見えました。

アンマンを過ぎ少し経つと永延と砂漠のみの景色となります。

東部に向かう車のほとんどはイラクに行くトラック。そう、ずっと先ですが、イラクとの国境があるのです。

本当に不気味なくらい大型トラックしか通りません。

ムハンマドがおもしろい話をしてあげる、と言って、中国人の若いカップルのドライバーをした時の話をしてくれました。もう夕方だったんだけど、彼らはガイドブックに載っているデザートキャッスルに行きたいと突然言い出し、もう遅いから、と言っても聞かないので行くことに。でもドライブするにつれ辺りは砂漠しかなく真っ暗で、イラクナンバーのトラックしか走ってないし、イラクまで○○kmという標識が頻繁に出てくるので段々心細くなったらしく、二人とも黙りこくっているのでバックミラーで見てみると、なんと二人とも泣いていたらしい。で、「ムハンマド、頼むからアンマンに帰ろう」と言い出したので、アンマンに戻ると大喜びし、「ムハンマドはほんとにいい人だ！」と言って中華料理をご馳走してくれたそう。当時はイラク戦争中だったし、怖かったんだろうね、と笑っていた。

この異常に幅広の道路は非常時に滑走路として使う為のものらしい。

ムハンマドは昔イラクの米軍基地で通訳として働いていたことがあったそう。今でもイラクへ行って行方不明となってしまうヨルダン人もたくさんいるし、怖くて絶対に行かれないと言っていた。

同じアラブの隣国のヨルダン人が怖くて行かれない、と行っているイラク。本当にやばいんだなと思う。

始めに向かったのはハラナ城。実際は城ではなく、隊商宿だったそう。

知名度の低いデザートキャッスル。私がこのハラナ城を知ったのは、以前よく海外旅行へ行っていた叔母がくれたヨルダンの観光地図。でもなぜかスペイン語の地図で、内容はわからないんだけど、有名なペトラやジェラシュ、アカパや死海などの写真の中で、唯一見慣れないものが。砂漠に忽然と建つ美しい石造りの建物。それがハラナ城だった。

ハラナ城の駐車場に着き、一人で歩く。観光客は私一人。近付くにつれ、写真で見た美しいハラナ城が目の前にあることに胸が高鳴る！

入口に着くと、鍵がかかっている…。後を振り向くと管理人のおっちゃんが鍵を掲げながら歩いて来た。

中に入ると鍵を開けたおっちゃんがガイドしてくれます。

細かく区切られた部屋は今でいう客室。入口のすぐ横には馬などを繋いでおく部屋がありました。

ガイドをしてくれたおっちゃん。

２階も同じように細かく区切られた部屋があります。ただ外からはわからなかったけど、天井はなく、２階の壁もかなり崩れ落ちています。

１階、２階をそれぞれぐるっと一周し、入口へ戻る。おっちゃんにありがとう、と言うと、"No Tip?"と言われる。あ、そうか、チップ渡さなきゃ。

ちょうど私が立ち去るときに白人の観光客が入ってきた。憧れのハラナ城を独り占めできてよかった♪

名残惜しく何度も何度も振り返りつつ、ムハンマドが待つ駐車場へ戻る。

ムハンマドはベドウィンテントのような休憩スペースで談笑していた。そして、ムハンマドが指差した先にはサソリの屍骸が！

「背中で何かがもぞもぞってしたんだ。で、指でピンってはねたらこれがいたんだよ」

既に始末されていましたが、こわーい！！

ヘビはこちらが攻撃しなければ何もしないけど、サソリはこちらが何もしなくても攻撃してくると言われているらしい。

次に向かうのはアムラ城。こちらは世界遺産に登録されている。

こちらも隊商宿だったそうだけど、ハラナ城よりずっとこじんまりしている。

相変わらず辺りは見渡す限りの砂漠。

アムラ城は内部の美しいフレスコ画によって世界遺産に登録されたとか。

当時の人々の生活を描いたようなフレスコ画。

天井や上部の壁全部にフレスコ画が描かれている。

フレスコ画の修復作業が行われていました。言葉から多分イタリア人だと思うんだけど、ムハンマドに話したら、「フレスコ画といったらスペイン人だよ！」とよくわからないことを言っていた。スペイン語なら聞けば判別できるから、違うと思うけど…。

外にもヨルダン人の作業者のおっちゃんが数人いました。ハラナ城なんて完全に放置されてる感じだったのに、やっぱり世界遺産になると扱いが違うのかしら。

ヨルダン旅行の締めくくりはアズラック城。

砂漠の中の町アズラックは、ヨルダン東部、アンマンから103kmのところにある。多分、イラクとサウジとの国境に向かう中で最後の町なんじゃないかな。

アズラック城は要塞で、黒玄武岩で造られており、今まで見てきたどの遺跡とも違う雰囲気を持つ。

アラビアのロレンスも1917年に戦略基地として住んでいた。

だいぶ崩れてしまっています。でも私は崩れてる遺跡大好き！

すぐ脇は現在の住宅です。ほんと町中の遺跡です。

アズラック城を歩き回っていたらなんだか足に違和感が。見てみると、右のスニーカーの靴底のゴムがとれかかってるー！！よかったー、今までもってくれて！　あのペトラの烈しい道を散々歩き回ったし、今までも世界中一緒に行ってくれたスニーカー。今回の旅で御役御免だね。

アズラック城は入口を入って、展示スペースのような所を通り写真のような外に出る。私が来た時は誰もいなかったんだけど、帰りに展示スペースへ行くと、ヨーロッパからの団体ツアーさんが座って説明を聞いていた。その真ん中をアジア人女子（多分子供に見える）が一人で突っ切ったので大いに注目を集めた・笑

ハラナ城・アムラ城・アズラック城は共通チケット１ＪＤでまわれます。でもどこもチケットチェックしなかったけど。

また永延と砂漠をドライブし、一度アンマンに戻ります。

先日ムハンマドと結婚の話になった時に、やっぱり独りがいいよね〜という結論だったのに、実はネットで知り合ったメキシカンの女性といい感じだということ。彼女はアラブの男性が好きで、一度サウジの男性と結婚し、子供も生まれたんだけど、結局離婚してしまい、メキシコに戻って、またアラブの男性と一緒になりたいと思っているそう。ムスリムに改宗するつもりだし、彼女と結婚するかも、だって！

アラブ各国で起こっている民主化騒動の話になり、ムハンマドが2009年のカダフィ大佐の国連演説の真似をし出すので、大笑い！でも、運転してるのに国連憲章を投げる場面など、両手を離してジェスチャーもするもんだから、危なくてしょうがない！！

チュニジアの革命の発端も話してくれ、革命時に歌われていた歌も歌ってくれた。

カダフィ大佐はとてもカリスマチックで、今までは色々リビアのためにしてきたのに、今の彼はCrazyだと言っていた。

日本にいるとどうしても欧米からの報道しか見られないから、今、この時にアラブの国に来て、アラブ人と話ができたのは、本当に素晴らしい経験だった。

最後の食事をするためにアンマンに戻ってきました。レストランの前の通り。向こう側になんだか大きな建物があります。

ムハンマド曰く、アンマンでナンバーワンのレストランだよ！レストランの名前はTawaheen al-Hawa。

内部は白いテントのような天井になっていて、明るくて開放的。でも広々した店内はがら空き。観光客用のレストランっぽいから、やっぱり観光客が減ってるんだろうなぁ。

料理はどれもみんなおいしい！ムハンマドが絶対おススメ！と言って頼んでくれたライムのジュースも本当においしい！

グリルもみんなおいしい！

店内は小さい滝があって、川のように水が流れるようになってるんだけど、うまく水が流れないのか、ボーイさんが大人数で滝や川で作業をしている。それがちょうど私たちのテーブルの目の前だったので、モップやらバケツやら持ったボーイさんの作業を眺めながらの食事となりました…。

これで全行程終了。空港へ向かいます。ムハンマドは本当に最高のドライバーでした。別れ際、ついハグをしたくなったんだけど、アラブの男性に女性がハグをしてよいものかわからず握手のみ。またヨルダンに来ることがあったら絶対ムハンマドを指名したい！

空港に入ると、まだ時間が早いからチェックインはできないという。20分くらい座って待ってチェックインカウンターへ。席は予約した後にネットで指定したのに違う席になってる！安心してて確認しなかったので、搭乗券発見後に気付き、変更してと言いに行くがもうできないという。でも私の希望通りに、アンマン−ドバイは窓側、ドバイ−成田は通路側だというからまあいいや、と思う。

セキュリティーチェックは男性と女性で違う所を通ります。基本的に男性ばかりなので、気が付かず、普通に列に並んでいたら、自分の番になった時にあっちに行けと言われて、隣のチェックへ。そこにはちゃんと女性がいました。ニコニコしながら「日本人？」と聞いてくれました。ヨルダンの働く女性、ステキだよなぁ。

そういえば、アンマンの街中では女性も車を運転していたし、女性の警官も何人か見ました。

出発階。あまり広くはないけど、飲食店もお土産屋も揃っています。

素敵なピアスがあったので、散々迷って一つ選んだのに、レジに店員がいい！隣のレジには長い列ができていて、並ぶのが面倒だったので、また乗継のドバイでも同じようなのが買えるだろうとあきらめてしまったのが大失敗！ドバイは意外にも素敵なアクセサリーが全然なく（高級なキンキラキンのならある）、ここで気に入ったようなものは結局買えなかった・涙　結構こういう後悔するんだよなぁ…。

適当に時間を潰しているうちに遂に搭乗です。

EK904　17：30　アンマン発

最初の機内食、「夕食」

ホブスとホンモス　トマト、きゅうり、ニンジン、オリーブ添え
チキンのカッチャトーレ
アラブのプディング
チーズとビスケット
紅茶orコーヒー
チョコレート

隣の席はアラブの女の子。学生かな。スカーフは被ってない。

ドバイに到着する直前、機内の乗客達がみんな窓にへばりついて外を見出した。窓側に座っている私と隣の女の子はびっくり。何か見えるのかな、と思って外を見るが、ただ夜景が見えるだけ。夜景が珍しいのかしら。

私たちの上から身を乗り出して窓を覗くので、こちらは迷惑。隣の女の子が「やーね」と言う顔で、私の方に目配せしていた。

21:15ドバイ着。ここからが６時間近くの長い待ち時間。お店を端から端まで一巡し、本屋で日本についての英語のガイドブックを読んでみたり、エミレーツの乗継客が無料で飲食できるレストランでお茶を飲んでみたり（機内食でお腹は空いてないので、デザートみたいなものを期待していたんだけど、ディナーの時間なので、食事系しかなかった）、散々うろうろするが、まだ時間がある。しかも時間は夜！夜は早く寝たい私にはつらい…。ゲートの方へ行くと仮眠できるフラットになるイスがあることを発見するが、どこも全部既に爆睡する先客が。仕方ないので、ゲートの前のイスで仮眠。

写真を撮る元気もなく、１枚もありません…。

EK318　02:50　ドバイ発

乗ってみると、通路側じゃないー！！　通路側で空いてる席があったら変更させてもらおうと思うが、空かない。でも４人シートのうち、通路側のみ埋まって、隣は空席だったので、まだよかった。エミレーツ、どうなってんだ〜！？

機内食、「軽食」

そば
チキンカツ
紅茶orコーヒー
チョコレート

帰りは観たことのない映画を観ようと思い、気になっていたジュリア・ロバーツ主演の「食べて、祈って、恋をして」を観始めるが、これ、日本語字幕がないと内容が全然わからなくておもしろくない。中断して大好きなナタリー･ポートマン主演の映画を２本観る。「水曜日のエミリア」「抱きたいカンケイ」　対照的な内容で、どちらもとってもおもしろく、日本ではまだ上映前だったので、とっても得した気分♪

最後の機内食、「朝食」

フレッシュフルーツ
チーズとトマトのオムレツ
クロワッサン
紅茶orコーヒー

17:35　無事に成田に着きました。あー、初アラブへの旅行、無事に終わってよかった〜！

空港に着いて思ったのは、日本は静か。帰りは空港バスにしたんだけど、バスからタクシーが整然と１列に並んでいるのを見て感激してしまった。誰も「タクシー？」とか声かけてないし。

バスを降りて２駅だけ電車に乗るんだけど、ちょうど平日の帰宅時間だったのもあり、足早なサラリーマンの波にかなり圧倒され、挙動不審になってしまった。なんだか日本のペースについていけない…。

最後におまけ。

ムハンマドに連れて行ってもらった土産物屋で買ったもの。かわいいラクダのピアスと、死海の泥石鹸。ここで支払いをする時に、ペトラでぼられて必要以上に警戒していた私はあり得ないような値切りをふっかけた。横で見ていたムハンマドが「交渉は構わないんだけど、ここはヨルダンでも一番信頼できるお店なんだ。」と言う。店員さんも私の言い値に完全にあきれ顔で、交渉を一方的に打ち切られてしまった。

空港で見た石鹸より安かったので、ムハンマドが言う通り、かなり良心的なお店だったみたい。むきになってた自分が「がつがつした日本人だな」と思われた気がして恥ずかしくなった。やっぱり物の値段は決まっている方がいいと思ってしまう私でした。

それでは、最後まで旅行記を読んで下さり、ありがとうございました！