1993/01/27 - 1993/02/16
432位(同エリア983件中)
北風さん
1993年1月27日、ニュージーランド行きのシンガポール航空は、その翼に下に日本によく似た島国を覗かせてくれた。
(本当に九州がない日本みたいな形だ)
初めての個人旅行、そして一人だった。
現在、俺の頭にあるのは、この国をどう楽しむかというプランではなく、「イミグレーションって何?」という非常に初歩的な疑問だけ。
いいのか?
こんな人間が、一人で未知の世界に船出しても?
いけるのか?
これから世界一周を始めても?
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自転車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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1993年1月27日、Newzealand(ニュージーランド)の旧首都、「AUCKLAND(オークランド)」到着!
さて、学生時代に日本は既に2周した経験があり!
しかし、異国の地へ仕事以外で降り立つとなると・・・
押し寄せる不安の中、かってない集中力でガイドブックを読み漁り、この国の首都にあるユースホステルまでの道順を頭に叩き込んだ。
あれ?意外と簡単にたどり着いたぞ。
しかし、日本のユースと違って、周りは青い目の方々ばかり。
どういう風にコミニュケーションをとったものか?
そこに、同室のヒッピー風の白人が、話しかけてきてくれた。
「Do you have a MARIWANA?(マリファナ持ってないか?)」
・・それが、俺が旅人として海外で初めてコミニュケーションをとった言葉だった。 -
旅日記
『KIWI?』
「KIWI(キウィ)」この言葉は、ニュージーランドで代表的なものを3つも表していた。
一つ目は、日本のスーパーでもよく見る毛むくじゃらのフルーツ「KIWI」。
栄養価の高さじゃ、果物の中で頭一つ飛び出ているこのフルーツは、実はこの国が名産地。
二つ目は、ニュージーランドのシンボルであり、国鳥でもある「KIWI」。(この国の切手にもなっている)
こちらも、シャギーカットの毛で覆われているが、外観はくちばしの長いウズラそっくり。
実は、この鳥、飛べないらしい。
毒蛇もいなけりゃ、毒蜘蛛もいない、およそ毒のつく生物がいないこの国で、ずっと地面の虫などを食べていたら羽が退化したとの事。
怠惰な暮らしの末に、鳥として大事なものを失ってしまったこの動物を、ただこの国にしかいないという事でこれほど尊重しているのは何故だろう?
ひょっとして美味い?
そして、三つ目が、この国の国民の事を意味していた。
日本国籍なら日本人、アメリカ国籍ならアメリカン、しかし、ニュージーランドでは、自分たちの事を、「we are KIWI!」とのたまう。
(別にそれほど毛むくじゃらではないのだが、) -
旅日記
『サイクラー・デビュー』
オークランド到着2日目の事だった。
未だ、海外旅行初挑戦の興奮はおさまらない。
しきりに何か行動を起こそうと気持ちがあせるのは不安からだろうか?
ユースの壁に自転車屋の広告が貼ってあった。
日本中をオートバイで周った記憶がよみがえってくる。
俺の中で、旅行に使う移動手段に4つの車輪は要らない気がしてきた。
(と、いうか、4輪で旅した経験がない)
気がついたら、自転車屋で中古の自転車を買っていた。
どうやら、俺は初の海外旅行2日目で、初の自転車旅行をするつもりらしい。
無謀なのだろうか?
しかし、この妙な自信は何だろう?
テントもあるし、金もあれば、地図もある。
どうにかなるかもしれない。 -
どこまでも続くなだらかな丘、何時間でも続く牧歌的な光景。
まるで、日本の北海道みたいな景色だった。
ただし、一つ大きく異なるものは、この牧歌的な光景の主人公が、もこもこの毛皮を着込んでいる事だ。 -
「石を投げれば、羊に当たる」ぐらい、この国には羊が多い!
とうの昔に、ニュージーランドの人口を超えてしまったとの事。
野良犬ならぬ、野良羊が思わぬ所でもぐもぐと草を食んでいるシーンなど、この国では驚くに値しなかった。 -
<PAEROA(パエロア)>
慣れないサイクリングと、野宿でべたべたになった身体に、更に大汗をかきながら、PAEROA(パエロア)なる町に到着した。
ニュージーランド産のジュース「L&P」の製造元らしく、街角にはでかいボトルのオブジェまである。
とにかくシャワーが浴びたい。
街中で宿探しをしていると、「Back Packers」なる民宿があった。
(後にこの民宿は、オセアニアに広がる安宿の総称だと知る。規則にうるさいユースより下のランクに位置する若者向け、何でもありの宿だった) -
旅日記
『酒場にて』
夕方、4人部屋の粗末なベッドで、風呂上りの濡れた髪を拭いていると、宿の女主人「ニーナ(28才)」がPUBに行かないかと誘いに来た。
先ほどまでの汗と泥まみれの格好の時は、視線をそらすようにその場を去っていった彼女とは、かなりの違いようだ。
やはり、人間こぎれいになるといい事があるのかもしれない。
酒場は、まるで西部劇映画に出てくるような小さな薄暗い所だった。
隅のビリヤード台には既に何人かの男が群がっている。
この時間は、かきいれどきらしく、ぞくぞくと人が集まってきた。
さすが田舎の酒場だけあって、なんと家族連れまでいる。
金髪の少女が、カウンターでコーラを飲んでいるのも妙に様になっていた。
急に、カウンターのおばあちゃんが叫びだす。
よく見ると、グラスにハエが入っていた。
酒場の親父が、のそのそとやって来て、グラスからポイッと蝿をつまみだす。
そのグラスを、そのままおばちゃんに返してこう言った。
「No Problem!」
・・・キーウィ、恐るべし! -
<TAURANGA(タウランガ)>
入り組んだ海岸線を、ひたすらペダルを漕ぎまくっていると、にぎやかな海岸が見えてきた。
どうやら、リーゾート地「TAURANGA(タウランガ)」にたどり着いたらしい。
ビーチでは老若男女入り乱れて日光浴を楽しんでいる。
白人の海水浴は、泳ぐより日なたぼっこだと聞いていたが、まるで、浜辺に打ち上げられたトドの集団を見ているような・・・ -
旅日記
『キャンプ場の夜』
ニュージーランドのキャンプ場は、日本と比べ物にならないほど整っていた。
ホットシャワーを浴びてテントの中に横になると、今まで体験した事がないくらい快適!
心配事と言えば、テントを軋ませるほどの強風だけだ。
夕方、俺の隣に寄り添うように設置された隣のテントから、風に乗って声が聞こえ始める。
2人組みだったから、まぁ話ぐらいはするだろう。
が、しかし、その音はどう考えても万国共通の夜の響きを持っていた。
まぁこれだけの強風の夜なら、テントの外でやる事もないだろうから、インドア・スポーツをしても不思議ではない。
ただ、俺が気にかかるのは、隣のテントの2人組は、男同士だったような・・・
ニュージーランドは、国土面積当たりのホモの割合が世界一だと誰かが言っていた気が・・・
俺が今願っている事は、どうかこのまま仲間はずれで放っておいてくれる事だけだった。 -
<WAITOMO(ワイトモ)>
世界7不思議に数えられた事もあるという、「WAITOMO CAVE(ワイトモ洞窟)」
ほとんど無音近い暗闇の中、ボートの頭上に無数の星がきらめいていた。
光の正体は、天井に張り付いた蛾の幼虫が、羽虫を呼び寄せている為に発光している輝きらしい。 -
<ROTORUA(ロトルア)>
ロトルアの街は、硫黄の匂いが充満していた。
北島の中央で火山地帯に位置し、街中は至る所で温泉が湧いている。
なんと、バックパッカーも温泉つきだった。
街の観光名所では、天に届けと間欠泉が吹き上がる! -
<MAORI(マオリ)族と、MAORI・DANCE>
ロトルアに到着した夜、マオリ・コンサートなるショーに出かけた。
日本の公民館の様な所で、始まったショーはシンプルなものながら、迫力十分!
ん?このダンス、どこかで聞いた様なリズム?
確か、日本のスタミナドリンクのCMで流れていたのでは? -
マオリ族の有名なダンス、「HAKA」は、元々戦いの踊りだったらしい。
現在、ラグビーで有名な「オールブラックス」が「War Cry」として踊っているのと同じものとの事。
一瞬、間抜けなこのあっかんべーは、昔、よそ者が来た時、このあっかんべーを見てどう対処するかを断定する為に作った表情らしい。 -
マオリ族の挨拶は、鼻と鼻をくっつけるらしい。
いいのか?こんなに近くに異国の美少女の吐息を感じても?
なんなんだ?背後から感じる強力なプレッシャーは? -
<Mt.Tonggario(トンガリロ) 国立公園>
ロトルアを出てから4時間、果てしない上り坂が続いていた。
もう、4リッター程、汗をかいた気がする。
山がちの国とは聞いていたが、これほどとは!
道端に看板があった。
「Mt.TONGARIO National Park」と書いてある。
確かかなりの高さにある国立公園だ。
道は雪を抱いた山へとまだまだ続いている。
・・・帰ろうかな? -
とうとう自転車を降りて押して歩くと、大きな曲がり角の向こうに湖が見えてきた。
TAUPO湖だ!
うれしい!
この湖のどこかに、今夜の宿泊予定地「タウポ」の町があるはず。
・・・湖の周りを走る事1時間、未だ街らしきものは見えない。
何故、この湖はこれほどでかい? -
<タウポ・バンジージャンプ>
高度30mから足のゴムをくくりつけ、まっ逆さまに飛び下りるスポーツを、「バンジージャンプ」というらしい。
どう見ても、ただの飛び降り自殺のシュミレーションにしか見えないのだが、外国ではスポーツの部類に属するらしい。
元々は、パプア・ニューギニアの成人式の儀式だったが、スポーツとしてスタートしたのは、この国のQueens Townとの事。 -
そのスポーツがこのタウポ湖の崖にも設置してあった。
試しに、飛び込み台をのぞいてみると、怖いなんてもんじゃない。
何故、こんな怖い思いをするのに、10000円も払うんだろう?
観光客の一人が飛び降りた!
遠くからでも、「うわぁぁぁぁ〜」と、声が聞こえてきた。
・・・俺は絶対しない! -
<WANGAWEKA(ワンガウエカ)>
昨夜、夜通し宿の奴らと騒いで、早朝出発!
時間など掃いて捨てる程ある旅のくせに、未だに日本のサラリーマンの習慣が抜けない。
死ぬほど眠い!
居眠り運転で漕ぐのにも限界が近づいてきた。
ここら辺で昼寝野宿しようと、自転車を停めると、戦車が道路わきにポツンと置いてあった。
・・・ここは何処だろう? -
<WELLINGTON(ウェリントン)>
北島の最南端、誰も知らないニュージーランドの新首都「ウエリントン」到着!
どうにか、北島縦断終了!
初めての自転車旅行で、1週間で600kmを走破した事になる。
おおぉぉ!やったぞ!
さすがに「ウィンディ・ウエリントン」の異名をとるだけあって、すごい風の街だ。
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