世界遺産旅行記【１０３】スリランカの中央高地

2010/09/18 - 2010/09/26

　２０１０年の新規登録遺産の内、周遊が比較的容易な地域を検討した結果浮かんできた候補地イランとスリランカ。航空券が取得できたのはスリランカでした。
折角なので国内の全ての世界遺産を見て周れる様念入りに旅程を組んで行ってきました。
　

エリア その他の観光地(スリランカ)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 4.0
• ショッピング: 4.0
• 交通: 3.0

　スリランカの中央高地はスリランカ中央部にある３ヶ所の保護区から成っています。
　キャンディ北東部のナックルズ山地森林保護区、聖山アダムズピークを含むピークウィルダネス自然保護区、そして今回訪れたホートンプレインズ国立公園。
各地とも旅行者が観光目的で訪問可能です。
　これらは大陸と切り離されてから独自の進化を遂げたスリランカの生物の中でも異様なまでの固有性の高さを誇っていて魚類・両生類・爬虫類において抜きんでています。
ホートンプレインズは近年、絶滅したと思われていた種が発見されたりしているホットスポットです。また、運が良ければ(悪ければ？)スリランカヒョウにも出くわすこともあります。

　ホートンプレインズ国立公園への主な訪問方法は２つあります。電車と車ですが、通常の旅行者はヌワラエリヤを起点としてツアーに参加するのが手っ取り早いです。国立公園までの道路は舗装が禿げてしまっている部分も多く、かなり曲がりくねっている為手間がかかります。
　もう１つの電車での訪問ですが、コロンボを朝に出て夕方辺りに着く便なので非常に便が悪いです。また、駅から国立公園までは距離があり移動のロスを考えても効率的な手段とは言えません。
　国立公園内ですが、１件だけ公園内にロッジが存在しますが、スリランカの国内旅行者で一杯であることが多いようです。

　今回は時間の関係で午後の訪問となりました。ヌワラエリヤを起点とする場合は早朝７時頃に出発し午前中にトレッキングコース(４時間ほど)を踏破するのが定石のようです。
　また、シンハラジャ森林保護区を翌日の見学に入れる場合は上記の日程にして午後には保護区の起点の町ラトゥナプラ入りをしておく必要ありなので注意です。
　なお、ホートンプレインズ国立公園に午前中に向かう必要性は他にもあります。それは霧の問題です。午後になるとこの辺りは霧が立ち込め数メートル先も見えなくなってしまう事が多いです。

　さて、そこまで知っていながら午後の訪問となってしまった訳ですがいよいよトレッキングへ出発です。
　ホートンプレインズ国立公園には写真の通り広大な平原の中にピグミーフォレスト(小型肉食獣を頂点とする低木森林)やシダ植物や苔むした原始林の様な森が点在しています。
　

　トレッキングコースもこの様な平原地帯と森林地帯を抜けて行く様になっています。
　それほど観光客もいないと思っていたのですが、近年LTTE(タミル・イーラム解放のトラ)との内戦が終結したこともありスリランカ国内旅行が活発化しているそうで多くの国内旅行者がトレッキングを楽しんでいました。

　さて、４０分も歩いた頃になると急に眼前が開ける場所に出ます。
　急激な高低差を感じる事のできるそこはリトル・ワールドエンドと呼ばれています。何故リトルなのかというとこの先に本番が待っているからです。

　リトル・ワールドエンドより２０分ほど歩くと先ほどよりさらに迫力のある景色が待っています。
　ワールドエンドは言葉の通りそこが世界の終点の様な場所です。ほぼ直角に近い断崖から見えるのはまさに絶景です。
　ホートンプレインズを訪問する際に午前中がベストなのは霧が発生してしまう午後ではこの景色が全く楽しめない事が多いからです。
　しかし、運が良かったのかこの２つの場所だけは今回霧が少なく地上まではっきりと見渡す事が出来ました。

　スリランカは思った以上に観光地として開発が進んでいますが、まだまだこの辺りは秘境としての雰囲気も残している場所です。というかここがスリランカ？？となってしまう事請け合いの異世界です。
　スリランカ旅行に１つでも多くの刺激を求める人にはうってつけではないでしょうか。