1994/09/06 - 1994/09/06
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北風さん
「中国」
日本人にとって、非常に身近な国でもあり、日本文化のベースにもなっている国だった。
未だ足を踏み入れた事は無くとも、東南アジアのどの国にもチャイナ・タウンはあるし、中華料理を知らない旅行者はいないだろう。
しかし、いくら自分の名前を漢字で書けても、ギョウサと肉まんで育ったとしても、「中国」という国自体にそれほどの興味が持てなかったのも事実だった。
何故だろう?
全く違う環境に憧れる旅行者としては、あまりにも身近に感じてしまうからだろうか?
まぁ、興味があろうと無かろうと、ユーラシア大陸の大半を占めるこの国を通過する事無く、アフリカを目指す事は難しい。
「旅行者」として興味が無くても、「大陸横断バックパッカー」としては、この国への入国は必然だった。
ベトナムのハノイを出発した列車が、中国国境を目指してひた走る中、以前長期旅行者に言われ事が台詞がこだましている。
「中国とインドを旅できれば、世界中、旅できない所は無い!」
・・・つまり、ハードな旅行になるわけだ。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 タクシー
-
旅日記
『中国へ <ベトナム出国編>』
ハノイから中国国境の街「ドンダン」へ向かう夜行列車の座席は、本当に木のベンチだった。
おかげで背中には、まだ木目の入れ墨が刻まれたままだ。
ドンダンの駅前は、とても中国との国境とは思えないほど寂しい場所だった。
さて、中国国境へはどう行けばいいんだろう? -
「それは無理だろう」と言いたくなるほど、トラックに荷物を積み込んでいるドライバーに尋ねてみた。
彼は無言で、目の前にそびえたつ山を指差した。
・・・あの山の向こうなのか?
どうやって行けばいいんだ? -
朝もやの中をトコトコと山道を登る事にした。
ドライバーは、時々山賊が出るから気をつけろとアドバイスまでしてくれたが、他に手段が無いから仕方ない。
山道を登っていると、バイクに乗った少年が背後から近づいて来るのに気づいた。
・・・「山賊か?、でもそれにしては1人だぞ」
少年が、1ドルで峠まで乗せていってやると言い出した。
あまりにもいいタイミング、ちょっと怪しい!
いや、国境付近は治安が悪いのが普通だから、もっと疑ってもいいのかもしれない。
しかし、どうも悪ガキには見えない。
いつでも飛び降りれる用意をして、荷台に腰を乗せた。
それから、峠まではあっという間だった。
バイクは、老朽化した2階建ての建物の前で止まった。
ここが、ベトナム出入国管理事務所らしい。
1994年9月6日、ベトナム出国!
中国国境はここから山道を10分ほど歩いた所にあるという。
いざ、中国へ! -
旅日記
『中国へ <中国入国編>』
1994年9月6日11:00am、俺は整地もされていない山道を歩いていた。
今朝6:00am 汽車がベトナム国境の街に到着してから、休まずに動き続けている事になる。
寝不足の身体に山登りはこたえる。
「何故こんな山の中に出入国国境を作ったんだろう」と言う疑問がそろそろ怒りに変わってきていた。
もし、5分前に通過したベトナム国境管理事務所が無かったら、本当にただのトレッキングにしか見えない。
どれぐらい経ったんだろう?
山道が広くなってきた。
そして、カーブを曲がりきると、そこには・・・
竜宮城に案内された浦島太郎の気持ちがわかった気がする。 -
遊園地のアトラクション会場にある様なゲートがそびえていた。
立派な石が敷き詰められた道、冗談のような城門、先程のベトナム国境管理事務所の粗末さと比べ物にならない。
ビシッとスーツを着込んだ男性がこちらに向かって歩いてきた。
満面の笑顔を浮かべて、問いかける。
「日本人の方ですね。こちらでパスポートを提示してください」
・・・おもいっきり日本語だった。
一体何が起こっているんだろう?
シンガポールで知った中華系の人間のイメージがガラガラと崩れていく。
中国の人は実はもの凄く親切なんだろうか?
それとも、俺は誰かと勘違いされているのだろうか?
狐につままれた気持ちのまま、あっという間に入国手続きが終わってしまった。
驚くべき事に、俺が話した言葉は日本語だけだった。
こんな田舎の国境に、C3PO並の通訳能力を持った管理官がいるとは!
1994年9月6日、俺は4000年の歴史の国へ足を踏み入れた。 -
国境からミニバスに乗り込んでたどり着いた、中国最初の駅だった。
なんと読む名前なのだろう?
がしかし、そんな事はどうでも良かった。
とにかく、観光客の多い「桂林」に向かわねば!
英語が通じる場所で、落ち着いてこの国のルールを知ってからでないと、この国では身動きが取れない気がする。 -
日本と似た切符売り場で、窓口のおねーちゃんに尋ねる。
「Can I have a ticket to go to 桂林?」
・・・当然の如く通じなかった。
見る見るうちに苛立ちを見せ始めたおねーちゃんに、対抗できる武器は、世界に名だたるジャパニーズスマイル!
満面の笑顔で、行き先「桂林」とだけ書いた紙を見せる。
おね-ちゃんが頷いた。
「おおおっ!」俺は漢字で筆談している!
生まれて初めて日本の漢字教育に感謝した瞬間だった。
今までコミュニケーションの道具として、「英語」という白人ツーリストの独壇場だった世界が、「漢字」という日本人に有利なステージに変わった!
いけるかも?中国。 -
非常に順調に滑り出した中国旅行だった。
あまりにも順調すぎてちょっと怖い。
大丈夫か?本当に俺は桂林に向かっているのだろうか?
列車の窓からは、日本の秋吉台のようなカルスト地形による奇岩、奇峰が見えてきた。
桂林のガイドブックに出てきた奇岩だ。
いいぞ! -
<南寧>
今日の目的地「南寧」はとんでもなく都会だった。
なんと、駅ビルまである。
周りに奇岩がそびえてなければ、日本と勘違いしそうだった。
ガイドブックの地図を頼りに、中国に入って初めての宿探しを始める。
だが・・・
地図上ではほんの数ブロック先にあるはずなのだが、なんと、40分もかかった。
さすが中国というものだろうか?
信じられないぐらい1ブロックが広大だ。 -
次の日、あろう事か寝坊してしまった。
案の定、桂林行きの切符が売り切れている。
途方に暮れていると、香港人と名乗る男が現れ、キャンセルする切符を買わないかと言ってきた。
普通なら神に感謝する場面だろうが・・・
怪しい!
怪しすぎる!
しかし、他に道は無かった。
中国初めての運試しと思って買ってみた。
信じられない事に、すんなりと列車に乗れた自分がいた。
何だろう?
要所、要所にお助けアイテムが隠されている気がする。
偶然?
それとも、ツイている?
それとも、びっくりカメラ?
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