1994/09/08 - 1994/09/10
38位(同エリア108件中)
北風さん
中国の諺で
「桂林の山水は天下に甲たり」(中国の名所に桂林がある)
「陽朔の山水は桂林で甲たり」(その桂林で一番の景観地は陽朔だ)
との言葉がある。
ベトナムから陸路入国を果たして2日目、白人バックパッカーから絶大な人気を誇る「陽朔」を目指した。
あの中国独特の水墨画の風景に出会う為に。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
-
高周波でがなりたてる中国語のバックミュージックの中、筆談とジェスチャーだけでベトナムからようやく桂林に到着!
中国で有名な観光名所のわりには、それほど都会なわけでもない。
さて、とにかく目的地は陽朔。
ここからは、バスに乗らなければならないらしい。
覚えたての中国語で、「バスは何処だ?」と聞いてまわると、なにやらものすごい田舎の雰囲気の道路に出てしまった。
確かに、陽朔の看板はある。
ここがバス停なのだろうか? -
やって来たミニバスの運ちゃんに、「陽朔行きか?」と聞くと、「乗れ」と言われた。
バスの窓には、この2〜3日の間に見慣れた、水墨画の風景が広がっている。
もう、山と田んぼしかなくなった。
・・本当に着くのだろうか? -
中国の諺で
「桂林の山水は天下に甲たり」
「陽朔の山水は桂林で甲たり」
との言葉があるように、陽朔は山水画の風景がそのまま現実となって現れた!
これが陽朔か!
すごい! -
中国でも名だたる観光名所の割には、観光拠点の桂林に比べると、全くと言っていいほど静かな、のどかな街だった。
元来この地方は漢民族の街ではなく、少数民族の街との事。
しかし、それでも人口1300万人、ヨーロッパの小国並の人間がひしめく。
バス停前では唯一ここが観光名所であるという事を示す、一風変わったタクシーが並んでいた。
遊園地の乗り物か、ゴルフ場のカートみたいな乗り物だ。 -
街のメインストリートには、さすが観光地らしく様々なお土産屋が軒を並べていた。
なかなか派手な民族衣装の店が多い。 -
陽朔の街は、古びた街並みと建築中のモダンな建物が混在していた。
すごい勢いで市場経済が導入されている中国ならではの光景なのだろうか?
あと数年後には・・ -
陽朔は璃江という川に沿った港町だった。
歴史的には、文化大革命の時に捉えられた人々が流された地でもあるらしい。
そのせいか、この街は他の中国の街と色が違う、桂林より白人ツーリストに人気があるのもわかる気がする。
人が優しい。
しかも!英語が通じる! -
<四海旅社(SIHAI HOTEL)にて>
陽朔での宿はこの四海旅社だった。
選択の理由は、
・英語を喋る人間が極端に少ない中国で、宿のほとんどの従業員が英語を喋る若い女の子達。
・しかも、一泊200円!
「格安」、「快適」、「若い女の子」
というシチュエーションに泊まらない理由は見つからなかった。 -
四海旅社では、従業員7人が全て20歳以下の女の子だった。
どうやら、旅行業の専門学校の指定実習ホテルになっているらしく、一年間の実習で来ているらしい。
俺はこのホテルを選んだ時から神を信じるようになっていた。 -
四海旅社のアイドル。
-
旅日記
「中国女性」
陽朔に夕暮れが訪れる。
昼間あれほどぎらついていた太陽が、するすると山の彼方へ沈み、赤く染まった空の中に山水画のシルエットが刻まれだした。
水墨画の世界なんて、本の中でしか見る事が出来ないもんだと思っていた。
あんな幻想的な光景が実際にあるなんて・・
涼しげな風が川から吹いてくる。
その風に乗って、静寂を破る「ぐわぁら、ぐわァら」と砂利を洗うような音が響いてきだした。
どうやら5時を回ったらしい。
ホテルの屋上から見下ろす通りには、案の定おばさんがマージャン卓を囲んでいた。
マージャンと言うと男性の賭け事と言うイメージがついてまわるが、この国ではその主役はおばさん達だった。
人々が夕涼みに川へと向かう歩道にジャン卓を広げ、おばちゃん達が吼えている。
つばを飛ばし気合の入った掛け声とともにマージャン牌を掴むと、まるで神経衰弱のようにごちゃまぜになった牌の山の中へ投げ捨てていた。
日本式とは全く違うルールらしく、見ていてもさっぱりわからないが、おばちゃん達のアクションで誰が勝ったかは一目瞭然だ。
中国女性は不思議だ。
その端正な顔立ちといい、アジア人とは思えないほどのスタイルを持ち合わせていながら、性格は火の様に激しい。
まるで天女の皮をかぶったライオンみたいなものだった。
特に目つきは特筆に価する。
日頃は信じられないぐらいに優しい四海旅社の女の子達も、嫌いな旅行者に対する視線はこちらが寒くなるほどだ。
中国女性恐るべし! -
旅日記
「市場にて」
中国と言えば中華料理、そして中華料理と言えば、市場という図式が貧乏旅行者には成り立つ。
食に関するこだわりは世界中の民族が束になってもかなわないこの国の市場には、必ずと言っていいほど大きな食堂がくっついていた。
陽朔の中でもそこは、辺り一面生臭い匂いと熱気が立ち込めている場所だった。
陽射しをさえぎる粗末なトタン屋根の下に広がる混沌とした世界。
自分の足と同じぐらいの大きさの魚を片手に年端もいかない子供が大人相手に値段交渉を始める。
狭苦しく絶えず濡れている通路では、おじさんがガスバーナーでかえるをあぶっていた。
少女は鼻歌まじりに、ボール一杯に膨れ上がった水牛の脳みそを洗っている。
4本足のものは、机以外何でも食べると言われる中華料理の原点が目の前に広がっていた。
まるで、世界びっくり博覧会だ。
確かに食材は新鮮そのものだろう。
なんと言っても、ほとんどの食材が目の前で動いているのだから。
ガスバーナーで火だるまにになっている、かえるの叫び声が聞こえてきそうだ。
しかし、このシチュエーションでは、食材の新鮮さと食欲は同時進行しなかった。 -
なるべく調理現場に近寄らないようにして、円卓の端に腰掛けた。
メニューを探す。
見当たらない。
まな板の前の親父がおいでおいでをしている。
・・つまり、食材をその場でチョイスするシステムらしい。
中国の市場は、人間が肉食動物だと言う事を再認識させてくれる。 -
フランスでは高級料理として出されるかえるも、ここでは定番料理。
意外と肉は柔らかいが、なにしろ小骨が多い。 -
さすがに食えなかった水牛の脳みそ。
本当に水牛のものだろうか? -
これだけ食べても、250円!
味は大味だがなかなかいける。 -
< 漓江下り >
陽朔は、中国観光のハイライトとも言われている「漓江下り」のゴール地点でもあった。
通常は桂林から漓江沿いに広がる奇岩、奇峰の風景(山水画、水墨画の世界)を船上から眺めた後、陽朔に到着するらしい。
しかし、陽朔をベースに動いている俺にとって、陽朔発で桂林に向かって川をさかのぼるルートを選んでみた。 -
陽朔出発!
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静寂がヒタヒタと忍び寄る。
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陽朔から船で3時間ほど川をさかのぼると、興坪という漁村のたどり着いた。
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静かな静かな時間が流れていく。
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漁師が投げる投網の音だけが山間にこだまする。
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