2006/06/14 - 2006/07/02
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kojikojiさん
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マルタ島を旅する人でゴゾ島へ行かない人はいないと思います。この日は日帰りでゴゾ島に行きました。方法はひとつしか無くヴァレッタからバスでマルタ島を横断して北端のチェルケウア(Cirkewwa)まで行き、フェリーでゴゾ島に渡ることになります。フェリーに乗り換えて約25分の海峡を渡るクルーズです。途中逆方向へ向かうフェリーとすれ違うのと、コミノ等の美しい景色がこのクルーズの醍醐味です。そして到着したイムジャール港からまたバスに乗って島の中心地ヴィクトリアに向かいます。マルタ島の代表的な乗り物であるバスもゴゾ島で営業するものは黄色からグレーに変わります。こちらも白とグレー地に赤いパイピングが入ってとても奇麗です。このバスももう走っていないのかもしれません。ヴィクトリアの町はゴゾ島の一番高台にあるので、チタデルからは青い海が360度見渡せる不思議な島です。前回の旅ではディオニソスの耳など周辺までも足を延ばしましたが、今回はヴィクトリアだけをゆっくり歩いて、夕方のバスで港に戻り、同じルートでフェリーに乗り、チェルケウアからヴァレッタに戻りました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 徒歩
- 航空会社
- キャセイパシフィック航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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チェルケウア行きのバスは必ずモスタを通ります。何度この前を通ったでしょうか?ローマのパンテオンをモデルにして1860年に建てられたモスタ教会は、内部空間に支柱のないドーム教会としては、ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂とロンドンのセント・ポール大聖堂に次いで世界で3番目に大きな教会と言われます。この大聖堂には「モスタの奇跡」のエピソードがあります。第2次世界大戦の激戦地となったマルタはドイツ軍の爆撃を受け、ミサの最中の教会に爆弾が落とされました。教会内には300人以上の信者が集まっていましたが、爆弾は教会の天井を突き破ったものの爆発することはなく、死者も怪我人すら出なかったという話が残っています。今回も素通りしただけで、まだ内部を見学したことはありません。
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マルタ島の北端のチェルケウアの周辺は荒涼とした風景が続きます。井戸から水を汲み上げる灌水用の風車が寂しく廻っています。
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終点でバスを降りて、駐車場の先にある小さなターミナルでチケットを買って、フェリーの到着を待ちます。
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時間になってゲートが解放され、フットパッセンジャーはぞろぞろとフェリーに向かって歩き始めます。
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大型のフェリーだと船首の一部が開くのでしょうが、小型のフェリーなので、船首の全部が開いてしまいます。何となくサンダーバード2号みたいです。積載された車はゴゾ島につくと反対側が開くので、そのまま直進して船を降りる事が出来ます。
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日帰りでゴゾ観光するには一番良い時間なのにフェリーは空いています。この当時はマルタ島はどこへ行っても空いている感じがしました。夏のバカンスシーズンをずらしているせいもあると思います。
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ペンキが塗り替えられたばかりのフェリーは青い空と海に映えます。
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今回の旅ではナポリからイスキア島往復とナポリからアマルフィー海岸を周る船でサレルノへ行き、サレルノからチュニス経由でヴァレッタに入りました。キャプテンモルガンの1デイクルーズを2日とシチリアのポッツァーロの往復と、このゴゾ島往復のフェリーと船に乗るための旅のようです。マルタからもフェリーでサレルノに戻り、帰国前に香港でのクルーズも待っています。
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コミノ島の沖合を通過します。岩陰からブルーラグーンの薄い水色の海岸線が見えます。
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ゴゾ島からも同じ時間に出港するので、ちょうどこの辺りが中間地点です。
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ゴゾに到着です。前に行った港のバーも健在です。ハードボイルド小説の舞台になったこともあるバーです。
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ゴゾ島のイムジャール港に到着です。港の先にグレン・イーグルス「GLENEAGLES-BAR」というバーがあるのですが、まだ健在のようでした。ハードボイルド小説の舞台にもなった有名な店で、前回の旅ではこの店で何杯か飲んだのですが、今回は立ち寄る予定はありません。
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何度来ても美しい港です。漁港も兼ねていますが、ルッツという小さい漁船ばかりで港も静かでした。
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フットパッセンジャーはさっさと下船してバス停に向かいます。港からバスに乗ってヴィクトリアへ急ぎましょう。
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これがゴゾ島の路線バスです。マルタ島の派手なバストは違いますがこちらもカッコイイです。
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港からずっと坂道を登るようにバスは走り、しばらくするとヴィクトリアに到着しました。
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ここもレース編みが有名です。以前来たときは手編みのレースを行くとか買い求めました。今も我が家のワインボトルのエプロンになっています。
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ずっと移動ばかりで疲れたのもあったので早いお昼にしました。ブーゲンビリアがあまりに奇麗な店でした。チタデルへの上り坂の途中のカフェです。その名も「シタデラ」(Citadella Restaurant)でした。
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何を食べても美味しいレストランです。チキンサラダに入っていたケッパーが特に美味しかったのですが、後で市場で生のケッパーを見る事が出来ました。
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たまにはこんなお昼も手軽で良いです。
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店の中庭のブーゲンビリアの木は見事でした。
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レストランから少し坂を上るとチタデルのカテドラル広場に着きました。昼過ぎの一番熱い時間帯なので歩いている人の姿はほとんどありません。
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悪魔のような顔にぶら下がった2人の女性が足を交差させているドアノッカー。不思議なデザインです。グレムリンみたいな顔です。我が家のグレムリンも義理の父に言われていた「3つのやってはいけないこと」を放っておいたら育ちすぎました。
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シタデルから眺めるゴゾ島の台地は、畑や牧草地になっているとはいえ荒涼とした風景です。これまで2回のマルタ島の滞在で雨が降ったことはありません。
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牧草地の固められた牧草はエビオス錠か鯉の餌のように見えます。近くまで行けば巨大な草の塊なのですが。
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ここからの眺めは中世の頃と変わらないのだろうなと思いました。
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小さな集落にも赤いドームを持った大聖堂を見る事が出来ます。風の強いマルタでは昔は風車も数多くあったのかもしれません。
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赤いドーム屋根の向こうに真っ青な地中海が広がっています。
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ヴィクトリアの街並です。聖ジョージ教会も赤いドームが美しいです。グランド・ハーバーに面したブリティッシュホテルのテラスからもいくつかの教会の赤いドームが見えるので、ゴゾもマルタも似たような雰囲気ですが、それぞれゴゾ人とマルタ人と呼ぶように、それぞれ違った文化があるようです。
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風雨によって浸食されたされた建物のマルタストーンは、人工物の一部とは思えません。
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妻の姿が見えなくなり、甥と探していたらバールの裏の方にいました。隠れてアイスを食べているのを見つかってしまってバツ悪そうです。
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「千と千尋の神隠し」に出てくる湯婆婆と銭婆みたいなおばあさん姉妹でした。
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教会の塔の上には鐘がむき出しになったいました。雨が少ないから大丈夫なのでしょうか?
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中学生の頃にニュースの語源がNEWSで、東西南北の頭文字から作られたと知ったときは感動した覚えがあります。
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チタデルの城壁を1周しました。今では美しいゴゾの景観を楽しむビューポイントの1つとなっていますが、1551年にゴゾ島が海賊に襲われ、多くの島民が連れ去られたという悲しい歴史がある場所でもあります。チタデルは海賊に襲われた際の避難場所と同時に攻防の場所としての役割を果たしたそうです。
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咳喘息になってしまった妻は日陰で一休み。少し休んでから大聖堂の中に入ってみます。
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外観はマルタストーンで造られたシンプルな建物ですが、内部は赤とゴールドのきらびやかな装飾が施されています。建築当時は天井にドームを造る予定でしたが、資金不足で造ることができなくなり、苦肉の策として身廊から見ると天井がドーム型に見えるようにだまし絵を施しました。
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外から見ると屋根がドーム型になっていないので一目瞭然です。360もの教会があると言われるマルタで、だまし絵がみられるのはこのゴゾ大聖堂だけです。
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シタデルを見学した後は街中まで下りて、帰りのバスの時間まで散歩を続けました。
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聖ジョージ教会の近くの露天市場で生のケッパーを初めて見ました。初めて見た記念に塩漬けのものを一瓶買いました。塩分は強めですが日本で手に入る物とは香りが違います。大きさも1.5倍くらいの大きさです。ケッパーは地中海沿岸に自生する常緑小低木で、香辛料としてのケッパーの語源はペルシア語です。
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聖ジョージ教会を見た後は早めにヴァレッタに戻ることにしました。
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バスターミナルまで戻ると何種類かの厲ランドが停まっていました。どれもピカピカに磨き上げられています。ブリティッシュ・レイランド(British Leyland )は、かつて存在したイギリスの自動車会社で、 1968年にブリティッシュ・モーター・ホールディングスとレイランド・モータースによる合弁会社として設立され、同社のもとにはローバー、ジャガー、デイムラー、MG、オースチンなど、当時のイギリスの主要自動車メーカーの大部分にあたる10ブランドが存在していました。
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マルタ島のバストは違った美しさを感じます。フェリーで30分の距離でも美的感覚も違うのかもしれませんね。東京と大阪みたいな。
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グレン・イーグルス「GLENEAGLES-BAR」も店開きしたようです。テラス側の扉が開いています。バーカウンターの上に漁師の道具が吊られ、不思議な時間の流れる店でした。ロックグラスにシチリアのリキュールのアヴェルナと氷を入れてもらって、テラスで飲んだことを思い出します。
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帰りのフェリーからの眺めは風が通り抜けて涼しげに見えました。
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チェルケウアの駐車場に停まっていたのは少し新しめのレイランドでした。
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デザインから50年代の車体のような気がします。背もたれと手掛けの曲線が美しいです。
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ナポレオン戦争終了後のウィーン会議で、イギリスのマルタ領有が確定します。地中海を経由してインドに至るルート上に位置するマルタはイギリスの重要拠点となっていきます。そんな名残はヴィクトリアの地名や左側通行で、バス停もバスストップと表記されています。郵便ポストも赤いものが使われています。イギリスの古いバスが多いのもそんな理由からでしょうか。
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ヴァレッタのバスターミナルに戻って来ました。今は無いバスたちなので写真をたくさん載せておきましょう。
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使われなくなったバスは現在はどうなってるのかが気になります。
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後姿もセクシーです。
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暗くなる前にホテルに戻る事が出来ました。
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ブリティッシュホテルのテラスからの眺めは本当に美しいです。特に対岸のヴィットリオーザの美しさは1番だと思います。要塞となったのは11世紀にアラブ勢力の攻撃に晒されるようになってからで、14世紀になるとアラゴンの領主の居城として利用されました。1565年のグレートシージー(大包囲戦)の時は、聖ヨハネ騎士団の司令部として使われ、騎士達の牢獄としても使われていました。
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対岸はヴァレッタに比べると静かで人も少ない印象を受けるスリーシティーズです。スリーシティーズはその名の通りヴィットリーオーザとセングレアとコスピークワの3つの町の総称です。1530年に聖ヨハネ騎士団がマルタ島に本拠地を移転した際に当時のマルタの首都であったイムディーナが内陸に位置している事から、近い将来に起こるであろうオスマン・トルコ帝国との戦いに備えて、十分な防衛対策を取ることができる海沿いの漁村ビルグ(ヴィットリーオーザ)に本拠地を構えることに決めます。
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ケネス・ブレナー版の「オリエント急行殺人事件」で、エルサレムで事件を解決したポワロがヴァレッタのアッパー・バラッカー・ガーデンに立つ姿がありましたが、その後にイスタンブールへ向かう船はこんな小型船でした。
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どっぷり日が暮れて、少し涼しくなってから晩御飯に出掛けました。日中は混雑しているヴァレッタのメインストリートも人の姿は全くありません。この雰囲気が好きで旧市街の中のホテルに泊まってるのですが。
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夕食はパレススクエアのレストランに行きました。店の前ではジャズのライブがありました。オープンエアでジャズを聞くのもいい感じです。
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カラマーレのサラダは野菜たっぷりで美味しかったです。日本人が好む味ですね。
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マルタ料理はうさぎやカエルも有名です。昔から貴重なたんぱく源だったのだと思います。このカエルの煮込みも美味しかったです。
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下のお肉が見えませんがカルパッチョも絶品です。
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妻は小粒ですが濃厚な味のイチゴのデザートで締めます。
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私は食後にアヴェルナを注文しました。以前来たときの店と違った雰囲気だったので、給仕に尋ねるとオーナーの女性が来られて3年前に買い取ったと説明されました。心配そうに「いかがでした?」と尋ねられたので、「以前来た時と雰囲気が変わったけど料理も美味しかったですよ。」と賛辞を伝えました。ニッコリと「また来てください。」と言われたけど何時の事になるか???
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夜明けの海はあまりに静かで、シチリア島まで歩いて行けそうです。
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朝1番のポッツアーロに行く高速船が出港していきます。明日はあれに乗るのだなと思うと景色が違って見えます。
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イタリアの軍艦も後を追うように出港していきます。ブリティッシュホテルは船好きにはたまらない所です。
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