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<br />2008年4月14日(月)<br /><br />今ケルン中央駅に来て、何年か前にドイツの誇る超高速列車IC(インターシティ)に乗ったことを思い出している。<br /><br />フランクフルト中央駅のホームに上れば、眼前にICのスマートなボディが横たわっている。<br /><br />一度近くで見たかったICとの出会い、感動の瞬間だ。<br /><br /><br />私は角度を変えながら、夢中にシャッターを切る。<br /><br />ふと気がつくと、私以外写真を撮ったり、ホームを駆け回っている人はいない。<br /><br />今から列車に乗ろうとしている乗務員さんたちは、なかば不思議そうに、なかば感心して眺めている。<br /><br /><br />さて案内表示の親切さに感心しながら席に落ち着き、客室の気持ちよさを味わっていると、車に積んでコーヒーを売りにきた。<br /><br />コーヒーは紙コップではなく、DB(ドイツ連邦鉄道)のロゴが入った、風格のある陶器のカップに入れられている。<br /><br />売り子がこれまた、風格のある中年のおじさんだった。<br /><br />おじさんは、明るく、いかにも楽しそうにサービスしてくれ、客の心を温めてくれる。<br /><br />思い出にと、カップを所望したら、12ユーロで売ってくれた。<br /><br /><br />やがて電車は高速新線に入ったらしく、加速する。<br /><br />私は電車の入口ホールにあるデジタル速度計で、時速300キロ突破を撮影しようとカメラを構えていたら、先刻コーヒーを売っていたおじさんがやって来て<br />「よかったら運転席にご案内しましょうか」<br />と、声をかけてくれた。<br /><br />こんな夢のような誘いに、私は驚きながら<br />「ナチューリッヒ ヤー!(もちろん、お願いします)」<br />と返答する。<br /><br />こんな片言のドイツ語で、通用したかどうか。<br /><br />時速300キロの運転台に、どこからやって来たか分からない馬の骨である私が乗れるなんて、全く予想できない出来事だった。<br /><br /><br />運転台で見た、時速300キロで展開する光景は、想像を絶するスリルに満ちたものだった。<br /><br />私の乗った区間は、線路が地面とほぼ同じ高さで、地面より高くなったり低くなったりしながら続いており、光景がまぢかで展開する。<br /><br />とくにカーブの区間は、空が回るように感じる。<br /><br /><br />遊園地のジェットコースターを思わせる景色の変化スピードだ。<br /><br />その一方、先日の大惨事をも思い出さざるを得なかった。<br /><br />少し大げさかもしれないが、私は血の凍る思いだった。<br /><br /><br />後になって考えた。<br /><br />こんなことをして、コーヒー売りのおじさんはクビにならなかったのだろうか。<br /><br />私の入室を許可した運転士も、同じだ。<br /><br /><br />それならば、なぜ私を運転台に招いてくれたのだろう。<br /><br />一時ははるかに遅れていたドイツ技術の発展状況を、ライバルの日本人に見せたかったのだろうか。<br /><br /><br />写真は「ソフィさんの旅行記」<br />http://4travel.jp/traveler/katase/<br />をご覧ください<br /><br />

ラインを上る【60】ジェットコースターを連想したICの運転台経験

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2008/04/14 - 2008/04/14

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ソフィ

ソフィさん


2008年4月14日(月)

今ケルン中央駅に来て、何年か前にドイツの誇る超高速列車IC(インターシティ)に乗ったことを思い出している。

フランクフルト中央駅のホームに上れば、眼前にICのスマートなボディが横たわっている。

一度近くで見たかったICとの出会い、感動の瞬間だ。


私は角度を変えながら、夢中にシャッターを切る。

ふと気がつくと、私以外写真を撮ったり、ホームを駆け回っている人はいない。

今から列車に乗ろうとしている乗務員さんたちは、なかば不思議そうに、なかば感心して眺めている。


さて案内表示の親切さに感心しながら席に落ち着き、客室の気持ちよさを味わっていると、車に積んでコーヒーを売りにきた。

コーヒーは紙コップではなく、DB(ドイツ連邦鉄道)のロゴが入った、風格のある陶器のカップに入れられている。

売り子がこれまた、風格のある中年のおじさんだった。

おじさんは、明るく、いかにも楽しそうにサービスしてくれ、客の心を温めてくれる。

思い出にと、カップを所望したら、12ユーロで売ってくれた。


やがて電車は高速新線に入ったらしく、加速する。

私は電車の入口ホールにあるデジタル速度計で、時速300キロ突破を撮影しようとカメラを構えていたら、先刻コーヒーを売っていたおじさんがやって来て
「よかったら運転席にご案内しましょうか」
と、声をかけてくれた。

こんな夢のような誘いに、私は驚きながら
「ナチューリッヒ ヤー!(もちろん、お願いします)」
と返答する。

こんな片言のドイツ語で、通用したかどうか。

時速300キロの運転台に、どこからやって来たか分からない馬の骨である私が乗れるなんて、全く予想できない出来事だった。


運転台で見た、時速300キロで展開する光景は、想像を絶するスリルに満ちたものだった。

私の乗った区間は、線路が地面とほぼ同じ高さで、地面より高くなったり低くなったりしながら続いており、光景がまぢかで展開する。

とくにカーブの区間は、空が回るように感じる。


遊園地のジェットコースターを思わせる景色の変化スピードだ。

その一方、先日の大惨事をも思い出さざるを得なかった。

少し大げさかもしれないが、私は血の凍る思いだった。


後になって考えた。

こんなことをして、コーヒー売りのおじさんはクビにならなかったのだろうか。

私の入室を許可した運転士も、同じだ。


それならば、なぜ私を運転台に招いてくれたのだろう。

一時ははるかに遅れていたドイツ技術の発展状況を、ライバルの日本人に見せたかったのだろうか。


写真は「ソフィさんの旅行記」
http://4travel.jp/traveler/katase/
をご覧ください

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  • 大ガラスドームに囲まれた<br />ケルン中央駅に到着した<br />IC(インターシティ特急)

    大ガラスドームに囲まれた
    ケルン中央駅に到着した
    IC(インターシティ特急)

  • ケルン中央駅<br />近距離列車ホーム

    ケルン中央駅
    近距離列車ホーム

  • ケルン中央駅<br />プラットホームの<br />シャレたキオスク

    ケルン中央駅
    プラットホームの
    シャレたキオスク

  • ケルン中央駅には<br />いろいろな電車がやってくる<br />これは近距離特急だろうか<br />右奥には二階建て電車も見える

    ケルン中央駅には
    いろいろな電車がやってくる
    これは近距離特急だろうか
    右奥には二階建て電車も見える

  • ケルン中央駅の<br />プラットホーム駅務室<br />スマートなデザインを感じる

    ケルン中央駅の
    プラットホーム駅務室
    スマートなデザインを感じる

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