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 アメリカの温泉、と言ってもすぐにピンとくる人は少ないのではないだろうか。<br /> ドイツやスイスなど、ヨーロッパの温泉はかなり知られるようになったが、アメリカの温泉の知名度たるや、およそこんなものである。<br /> <br />「えっ、温泉なんてあるの?」、という懐疑派あり。 <br />「温泉といっても、どうせ水着着用の温水プールでしょ」、の知ったかぶり派まで。 <br /> これだけ身近な国になりながら、「アメリカで温泉に入ってきた」という人の話は、あまり耳にしたことがない。 <br /> しかしアメリカは、日本・中国に続いて世界第3位の“温泉大国”なのである、と何かの本で呼んだ記憶がある。<br /><br /> 何をもって3位とするのか、そこには詳しく記されてなかったが、意外な事実(?)に驚いたものだ。そして実際に車で旅を続けているうちに、その数の多さに3位であることを信用するに足ると、納得したものである。 <br /><br />『HotSprings and HotPools』(南西部版&北西部版があり、定価は各$14.95 )なる、温泉ファン必携のガイドブックも出版されていて、地味ながらロングセラーを続けている。この本片手にキャンピングカーを走らせ、遠くから入りにくるファンもいるという。 <br /><br /> この2冊で全米はもちろん、カナダやメキシコの温泉まで網羅されている。ただカラーなのは表紙だけで、地図も大まかで頼りなく不親切なこと、この上ない。<br /> モノクロの写真もほとんど素人写真同然で、文字情報を頼りに捜すしかない。幸いアメリカの道路には、数字か名前が必ず付いているので、なんとかたどり着ける仕組みになっている。 <br /><br /> しかし、ひと口に温泉といっても、単純に日本人の抱く温泉のイメージをそのまま当てはめると、裏切られるほうが多いので要注意である。<br /> 例えば、水温は全般的にぬるめで、「こんなの温泉じゃない」と文句の一つも付けたくなるような冷たいところでも、堂々と“ホット・スプリングス”の看板を掲げていたりする。 <br /><br /> アメリカ版温泉旅館のモーテル付随タイプから、宿泊は別の共同浴場タイプ。エステやマッサージのあるスパ・タイプ。<br /> 数種類の温泉プールと飲食ができる健康ランド・タイプ・等々。<br /> 極めつけは町でボートを借り、川を溯ってから岩をよじ登り、山中を歩くこと1時間かかって、やっと到達できるような秘湯さえある。<br /> 下手すれば遭難しかねないような所にある温泉を、いったい誰が見つけたのだろうか。 <br /><br /> 湯船にしても、プールに池に洞窟に、自分で川底を掘って流れをせき止めて作る所まであり、さすがに木製の湯船はないと思っていたら、昨夏コロラドで見つけた。<br /> 全般的に裸で入る所は希で、水着着用が義務づけられているのが一般的。<br /><br /> 温泉プールならまだしも、湯船は地面を掘っただけの、水苔がヌルヌルするような池だったりして、 <br />「こんなの温泉じゃない」と叫びたくなる場合もままある。 <br /> しかし、風邪を引くと水風呂に入る習慣があるアメリカ人には、日向水のような水温は気にならず、コケも温泉の養分のひとつと信じているらしく、そんな事へっちゃら。<br /><br /> 地面から湧き出た水に、温泉のミネラル成分が含まれていれば、水温に関係なく温泉と認定してしまうようだ。<br /> またシャワーはあっても、身体を洗う“洗い場”の設備はまずないので、期待しない方がいい。 <br /><br /> これまで約30ヵ所以上回った温泉の中には、看板はもちろん脱衣所も管理人も入場料もなく、見つけた人が勝手に入る砂漠の中に湧き出る温泉から、周囲何百万坪の土地を会員で買い取り、平日のみ一般に開放。<br /> 白人も黒人も全裸で山道を歩いて、温泉巡り(といっても生温い池に混浴で浸かる)所まで、およそ変わり種には事欠かない。 <br /><br /> というわけで、アメリカの温泉に日本人感覚の快適性を基準に選ぶとなると、その数も自ずと絞られてくる。<br /> その中から、日本からのアプローチが楽なカリフォルニア州で体験した、特色ある温泉を紹介してみよう。 <br /><br /> かつて、ロサンゼルスとサンフランシスコに大地震を起こしたサンアンドレアス断層沿いには、数多くの温泉地が点在している。<br /> ナショナル・ジオグラフィックによると、その起点とされているのが、サンディエゴの 北東に位置するソルトンシーの東側湖岸。そこから北北西へまっしぐらに、サンフランシスコの北で太平洋沖へと走っている。 <br /><br /> そもそもアメリカでの温泉初体験は、その名も『OH MY GOT HOT WELL』という温泉だっ た。<br /> ロスからインターステイツ10号線を東に約3時間。有名なリゾート地パーム・スプリングスを過ぎ、イン ディオからソルトン・シーの西側を湖添いに走るR86号線へ。<br /><br /> 湖のほぼ中間にあるソルトン・シティから、西 へ向かうS27号線に入りきっかり2.8 マイル。そこから南にダートに入り、0.9 マイルの地点に目指す温泉があった。 <br /> どこを見回してもいっさい標識はなく、頼りはソルトンシティの交差点から計った、車のトリップ(距離)メーターだけ。<br /><br /> 一面の砂漠(デザート)にわずかに繁る樹木と、温泉からあふれた水による濡れた砂地を目印にやっと発見した。<br /> 辺りの地形からして、とても温泉が湧き出すような所とは思えなず、見つけるまでは正直なところ半信半疑だった。 <br /><br /> ソルトン・シティでモーテルを確保し、缶ビールをクーラー・ボックスに詰めてから再出発。満天の星空に、ときおり長く線を引く流れ星を眺めながら温泉に浸かり、冷えたビールで喉を潤した気分は忘れられない。 <br /><br /> はるばるニューメキシコ州からやってきたというレイジャー一家は、近くにキャンピング・カーを停めて、すでに1週間も滞在しているという。 <br />「毎日に3回は温泉に入るよ。日本にこんな素晴らしい温泉はないだろう?」 <br /> と、自信満々にトンチンカンなことを言う。<br /> <br /> ここは管理人もなく、入場も無料。<br /> それだけに脱衣所やシャワーもないので、車のなかで水着に着替えるか、すっ裸で入るしかない。微かな硫黄臭がする温泉は、華氏108度。<br /> 砂地の底から涌き出している所は少し熱め だが、そこを離れとる日本人には少しぬるいくらい。深さも腰より低く、温泉というより少し深めの温かい水溜まりに浸かっている感じである。<br /><br /> ここはここで楽しい思い出のひとつだが、温泉マニアならいざ知らず、捜すにも入るにも冒険的に過ぎるので、もう少し一般うけする情報を選んでみた。 <br /><br /> 最初は、比較的アプローチが簡単なこんな所から・・。ロサンゼルスのダウンタウンから南へ車で1時間、小高い丘の町コロナにあるアメリカ版クアハウスがある。 <br /><br />◆GLEN IVY HOT SPRINGS <br /> ここは、入口で入場料($16.50=10年以上前なのでもっと高いかも/日帰りの立ち寄り湯の平均相場は$5〜7 だから少し高め)を払い、ロッカールームで水着に着替えて入る、ちょうど日本の健康ランド風のリゾート・スパである。 <br /><br /> 周囲に建物もなく、解放感抜群の広い敷地には、プールやジェット・タブが点在する。噴き出すジェット水流を身体に当てマッサージする、ハイドロ・ジェット・タブは、全部で7ヵ所。屋根付きは1ヵ所だけだが、ハリウッドがこの町に誕生したのも、ロスは雨がほとんど降らない砂漠性気候の町だからで、スパが屋外にあっても心配無用。 <br /><br /> プールの利用方法も実に個性的で、日に数回希望者自由参加の水中エアロビクスが行われる、大きなスイミング・プールもあり、指導する先生が現れると、泳いでいる人は一時休憩して場所を明け渡さなければならない。 <br /><br /> 珍しいのは、フロティング・プール。深さ40cmほどのプールに、大人が横になれるサイズのフロートが浮いていて、そこに寝て日光浴するもの。暑いなと思えば、水をすくって身体にかければよいし、フロートが転覆しても溺れる心配もない。浅いプール=子供用プールという常識を打ち破る、アイデアが気に入った。 <br /><br /> しかし、何といってもここの名物は泥んこ風呂。有名なリゾートの“地中海クラブ”の英語読みである、クラブ・メッドをもじって名付けた名前が“クラブ・マッド(泥)”。こんなジョークに、アメリカン人も思わず苦笑いしていたものである。 <br /><br /> プール中央の台座には、粘土質の泥の山があり、それを顔や身体に擦り付けて日光浴すると、泥に含まれたミネラル成分が皮膚から浸透して、肌がスベスベになるというもの。泥が乾いた互いの顔を指差して笑う光景が、あちらこちら見られる。 <br /><br /> クラブ・マッドには、泥がついてもかまわないような、専用のデッキチェアも置いてある。このエリアだけ隔離されていて、水圧の強いシャワーで身体の泥を落としてから出る仕組みになっている。ものは試しと2.3度泥を塗っては乾かし、その顔を写真に撮ったりして2時間ほど遊んでみた。効能の方はと言うと、毛穴の奥に入った泥のヌメッとした感触が、1週間も続いたのでビックリ。 <br /><br /> 園内すべてのプールやタブ(浴槽)は、ミネラル分を含んだ温泉を使用。ふたつあるという源泉の温度は、摂氏32度と41度とガイドブックに書いてある。特別コースとしては、ハーブとミネラル分を混ぜた特殊なジェルを身体に塗り、毛布で包み込むハーバル・ブランケット・ラップや、ミネラル塩で身体をスクラブするソルト・グロウ・ラブなど、マッサージ(別料金)やサウナも完備している。 <br /><br /> またホッドッグやソフトドリンクが注文できる、スナック・バーが園内2ヵ所あるので、1日中のんびりすることも可能。ロスにいて1日暇ができたら、ピクニックがてら出かけてみると、不思議な体験ができるのでお奨めである。 <br />住所:25000 Glen Ivy Road Corona, CA 91719  <br />   Tel(714)277-3529 <br /><br /> 余談というか、オマケの情報も付け加えておこう。フリーウエイを降りてこの温泉に向かう左手に、思わず立ち寄りたくなるような、巨大な農家直売の店が現れる。 <br /> 近在の農家の人たちの手による、野菜や果物はもちろん、ジャムに蜂蜜にナッツ類、ポプリに鉢植えとなんでもござれ。しかも、一般的に物価の安いアメリカのなかでも、産地直売の強みからか格別に安い値札が付いている。ひと抱えもあるネットに入ったピスタチオやスイカが、5ドルでお釣りがくるので嬉しくなってしまう。 <br /><br /> そしてここで初めて体験した、ウォーターメロン・ジュース、つまりスイカのジュースの味が忘れられない。 <br />「タネを飲み込むと盲腸になるぞ!」と脅されて育った世代にとっては、スイカは好きでもタネを吐き出すのが面倒でならない。その課題を見事に解決してくれた、目からうろこの勝れモノとして大好きになった品である。絞りたてで果肉の舌触りは残りながら、異物としてのタネが1粒も入ってないので、ゴクゴク飲めるこのスイカ・ジュース。 <br /><br /> スーパーマーケットに立ち寄ったときには、細かく砕いた氷に突き刺した、絞りたてジュースのコーナーを必ずチェックしているが、ここ以外では1ヶ所で見つかっただけ。この年が、たまたまスイカの当たり年だったのだろうか、毎回飲みたいと願いつつも果たせないでいる、幻の逸品である。 <br /><br />

アメリカで温泉三昧

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1995/06/10 - 1995/06/25

2103位(同エリア2205件中)

2

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miyabi-do

miyabi-doさん

 アメリカの温泉、と言ってもすぐにピンとくる人は少ないのではないだろうか。
 ドイツやスイスなど、ヨーロッパの温泉はかなり知られるようになったが、アメリカの温泉の知名度たるや、およそこんなものである。

「えっ、温泉なんてあるの?」、という懐疑派あり。
「温泉といっても、どうせ水着着用の温水プールでしょ」、の知ったかぶり派まで。
 これだけ身近な国になりながら、「アメリカで温泉に入ってきた」という人の話は、あまり耳にしたことがない。
 しかしアメリカは、日本・中国に続いて世界第3位の“温泉大国”なのである、と何かの本で呼んだ記憶がある。

 何をもって3位とするのか、そこには詳しく記されてなかったが、意外な事実(?)に驚いたものだ。そして実際に車で旅を続けているうちに、その数の多さに3位であることを信用するに足ると、納得したものである。

『HotSprings and HotPools』(南西部版&北西部版があり、定価は各$14.95 )なる、温泉ファン必携のガイドブックも出版されていて、地味ながらロングセラーを続けている。この本片手にキャンピングカーを走らせ、遠くから入りにくるファンもいるという。

 この2冊で全米はもちろん、カナダやメキシコの温泉まで網羅されている。ただカラーなのは表紙だけで、地図も大まかで頼りなく不親切なこと、この上ない。
 モノクロの写真もほとんど素人写真同然で、文字情報を頼りに捜すしかない。幸いアメリカの道路には、数字か名前が必ず付いているので、なんとかたどり着ける仕組みになっている。

 しかし、ひと口に温泉といっても、単純に日本人の抱く温泉のイメージをそのまま当てはめると、裏切られるほうが多いので要注意である。
 例えば、水温は全般的にぬるめで、「こんなの温泉じゃない」と文句の一つも付けたくなるような冷たいところでも、堂々と“ホット・スプリングス”の看板を掲げていたりする。

 アメリカ版温泉旅館のモーテル付随タイプから、宿泊は別の共同浴場タイプ。エステやマッサージのあるスパ・タイプ。
 数種類の温泉プールと飲食ができる健康ランド・タイプ・等々。
 極めつけは町でボートを借り、川を溯ってから岩をよじ登り、山中を歩くこと1時間かかって、やっと到達できるような秘湯さえある。
 下手すれば遭難しかねないような所にある温泉を、いったい誰が見つけたのだろうか。

 湯船にしても、プールに池に洞窟に、自分で川底を掘って流れをせき止めて作る所まであり、さすがに木製の湯船はないと思っていたら、昨夏コロラドで見つけた。
 全般的に裸で入る所は希で、水着着用が義務づけられているのが一般的。

 温泉プールならまだしも、湯船は地面を掘っただけの、水苔がヌルヌルするような池だったりして、
「こんなの温泉じゃない」と叫びたくなる場合もままある。
 しかし、風邪を引くと水風呂に入る習慣があるアメリカ人には、日向水のような水温は気にならず、コケも温泉の養分のひとつと信じているらしく、そんな事へっちゃら。

 地面から湧き出た水に、温泉のミネラル成分が含まれていれば、水温に関係なく温泉と認定してしまうようだ。
 またシャワーはあっても、身体を洗う“洗い場”の設備はまずないので、期待しない方がいい。

 これまで約30ヵ所以上回った温泉の中には、看板はもちろん脱衣所も管理人も入場料もなく、見つけた人が勝手に入る砂漠の中に湧き出る温泉から、周囲何百万坪の土地を会員で買い取り、平日のみ一般に開放。
 白人も黒人も全裸で山道を歩いて、温泉巡り(といっても生温い池に混浴で浸かる)所まで、およそ変わり種には事欠かない。

 というわけで、アメリカの温泉に日本人感覚の快適性を基準に選ぶとなると、その数も自ずと絞られてくる。
 その中から、日本からのアプローチが楽なカリフォルニア州で体験した、特色ある温泉を紹介してみよう。

 かつて、ロサンゼルスとサンフランシスコに大地震を起こしたサンアンドレアス断層沿いには、数多くの温泉地が点在している。
 ナショナル・ジオグラフィックによると、その起点とされているのが、サンディエゴの 北東に位置するソルトンシーの東側湖岸。そこから北北西へまっしぐらに、サンフランシスコの北で太平洋沖へと走っている。

 そもそもアメリカでの温泉初体験は、その名も『OH MY GOT HOT WELL』という温泉だっ た。
 ロスからインターステイツ10号線を東に約3時間。有名なリゾート地パーム・スプリングスを過ぎ、イン ディオからソルトン・シーの西側を湖添いに走るR86号線へ。

 湖のほぼ中間にあるソルトン・シティから、西 へ向かうS27号線に入りきっかり2.8 マイル。そこから南にダートに入り、0.9 マイルの地点に目指す温泉があった。
 どこを見回してもいっさい標識はなく、頼りはソルトンシティの交差点から計った、車のトリップ(距離)メーターだけ。

 一面の砂漠(デザート)にわずかに繁る樹木と、温泉からあふれた水による濡れた砂地を目印にやっと発見した。
 辺りの地形からして、とても温泉が湧き出すような所とは思えなず、見つけるまでは正直なところ半信半疑だった。

 ソルトン・シティでモーテルを確保し、缶ビールをクーラー・ボックスに詰めてから再出発。満天の星空に、ときおり長く線を引く流れ星を眺めながら温泉に浸かり、冷えたビールで喉を潤した気分は忘れられない。

 はるばるニューメキシコ州からやってきたというレイジャー一家は、近くにキャンピング・カーを停めて、すでに1週間も滞在しているという。
「毎日に3回は温泉に入るよ。日本にこんな素晴らしい温泉はないだろう?」
 と、自信満々にトンチンカンなことを言う。

 ここは管理人もなく、入場も無料。
 それだけに脱衣所やシャワーもないので、車のなかで水着に着替えるか、すっ裸で入るしかない。微かな硫黄臭がする温泉は、華氏108度。
 砂地の底から涌き出している所は少し熱め だが、そこを離れとる日本人には少しぬるいくらい。深さも腰より低く、温泉というより少し深めの温かい水溜まりに浸かっている感じである。

 ここはここで楽しい思い出のひとつだが、温泉マニアならいざ知らず、捜すにも入るにも冒険的に過ぎるので、もう少し一般うけする情報を選んでみた。

 最初は、比較的アプローチが簡単なこんな所から・・。ロサンゼルスのダウンタウンから南へ車で1時間、小高い丘の町コロナにあるアメリカ版クアハウスがある。

◆GLEN IVY HOT SPRINGS
 ここは、入口で入場料($16.50=10年以上前なのでもっと高いかも/日帰りの立ち寄り湯の平均相場は$5〜7 だから少し高め)を払い、ロッカールームで水着に着替えて入る、ちょうど日本の健康ランド風のリゾート・スパである。

 周囲に建物もなく、解放感抜群の広い敷地には、プールやジェット・タブが点在する。噴き出すジェット水流を身体に当てマッサージする、ハイドロ・ジェット・タブは、全部で7ヵ所。屋根付きは1ヵ所だけだが、ハリウッドがこの町に誕生したのも、ロスは雨がほとんど降らない砂漠性気候の町だからで、スパが屋外にあっても心配無用。

 プールの利用方法も実に個性的で、日に数回希望者自由参加の水中エアロビクスが行われる、大きなスイミング・プールもあり、指導する先生が現れると、泳いでいる人は一時休憩して場所を明け渡さなければならない。

 珍しいのは、フロティング・プール。深さ40cmほどのプールに、大人が横になれるサイズのフロートが浮いていて、そこに寝て日光浴するもの。暑いなと思えば、水をすくって身体にかければよいし、フロートが転覆しても溺れる心配もない。浅いプール=子供用プールという常識を打ち破る、アイデアが気に入った。

 しかし、何といってもここの名物は泥んこ風呂。有名なリゾートの“地中海クラブ”の英語読みである、クラブ・メッドをもじって名付けた名前が“クラブ・マッド(泥)”。こんなジョークに、アメリカン人も思わず苦笑いしていたものである。

 プール中央の台座には、粘土質の泥の山があり、それを顔や身体に擦り付けて日光浴すると、泥に含まれたミネラル成分が皮膚から浸透して、肌がスベスベになるというもの。泥が乾いた互いの顔を指差して笑う光景が、あちらこちら見られる。

 クラブ・マッドには、泥がついてもかまわないような、専用のデッキチェアも置いてある。このエリアだけ隔離されていて、水圧の強いシャワーで身体の泥を落としてから出る仕組みになっている。ものは試しと2.3度泥を塗っては乾かし、その顔を写真に撮ったりして2時間ほど遊んでみた。効能の方はと言うと、毛穴の奥に入った泥のヌメッとした感触が、1週間も続いたのでビックリ。

 園内すべてのプールやタブ(浴槽)は、ミネラル分を含んだ温泉を使用。ふたつあるという源泉の温度は、摂氏32度と41度とガイドブックに書いてある。特別コースとしては、ハーブとミネラル分を混ぜた特殊なジェルを身体に塗り、毛布で包み込むハーバル・ブランケット・ラップや、ミネラル塩で身体をスクラブするソルト・グロウ・ラブなど、マッサージ(別料金)やサウナも完備している。

 またホッドッグやソフトドリンクが注文できる、スナック・バーが園内2ヵ所あるので、1日中のんびりすることも可能。ロスにいて1日暇ができたら、ピクニックがてら出かけてみると、不思議な体験ができるのでお奨めである。
住所:25000 Glen Ivy Road Corona, CA 91719 
   Tel(714)277-3529

 余談というか、オマケの情報も付け加えておこう。フリーウエイを降りてこの温泉に向かう左手に、思わず立ち寄りたくなるような、巨大な農家直売の店が現れる。
 近在の農家の人たちの手による、野菜や果物はもちろん、ジャムに蜂蜜にナッツ類、ポプリに鉢植えとなんでもござれ。しかも、一般的に物価の安いアメリカのなかでも、産地直売の強みからか格別に安い値札が付いている。ひと抱えもあるネットに入ったピスタチオやスイカが、5ドルでお釣りがくるので嬉しくなってしまう。

 そしてここで初めて体験した、ウォーターメロン・ジュース、つまりスイカのジュースの味が忘れられない。
「タネを飲み込むと盲腸になるぞ!」と脅されて育った世代にとっては、スイカは好きでもタネを吐き出すのが面倒でならない。その課題を見事に解決してくれた、目からうろこの勝れモノとして大好きになった品である。絞りたてで果肉の舌触りは残りながら、異物としてのタネが1粒も入ってないので、ゴクゴク飲めるこのスイカ・ジュース。

 スーパーマーケットに立ち寄ったときには、細かく砕いた氷に突き刺した、絞りたてジュースのコーナーを必ずチェックしているが、ここ以外では1ヶ所で見つかっただけ。この年が、たまたまスイカの当たり年だったのだろうか、毎回飲みたいと願いつつも果たせないでいる、幻の逸品である。

同行者
友人
一人あたり費用
10万円 - 15万円
交通手段
レンタカー

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この旅行記へのコメント (2)

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  • たかりん(^^)さん 2009/04/17 16:51:12
    温泉 ♨ Hot Springs @ 北米
    miyabi-doさん、こんにちわ。


    アメリカの温泉に関するガイドブックが出ていたなんて知りませんでした。早速買ってみることにします。

    私はもっぱら裸ではいる温泉を、WEBで探しています。
    で、これまでにいったところが、Calistga奥の「Harbin Hot Springs」とDesert Hot Springs。

    はい、ちょっと嗜好が違うといわれそうですが、温泉で水着で入りたくはないので、どうしてもこういったところになってしまいます。

    第2弾以降が全く進んでいませんので、新たなネタ探しをしようと思っているところでした。


    どうもおじゃましました。
    たかりん(^^)

    miyabi-do

    miyabi-doさん からの返信 2009/04/17 18:13:43
    RE: 温泉 ♨ Hot Springs @ 北米
    > miyabi-doさん、こんにちわ。
    >
    >
    > アメリカの温泉に関するガイドブックが出ていたなんて知りませんでした。早速買ってみることにします。
    >
    > 私はもっぱら裸ではいる温泉を、WEBで探しています。
    > で、これまでにいったところが、Calistga奥の「Harbin Hot Springs」とDesert Hot Springs。
    >
    > はい、ちょっと嗜好が違うといわれそうですが、温泉で水着で入りたくはないので、どうしてもこういったところになってしまいます。
    >
    > 第2弾以降が全く進んでいませんので、新たなネタ探しをしようと思っているところでした。
    >
    >
    > どうもおじゃましました。
    > たかりん(^^)


    初めまして・・。
     コメントありがとうございます。

     裸で入る温泉なら、コロラド州がお奨めかも知れません。
     週末は会員のみですが、平日のみ一般に開放している温泉は、山全体をコミュニティが管理していて、地図を頼りにマッパ(真っ裸)で散歩しながら、温泉巡りするような場所もあります。

     一番のお気に入りは、「オーレイ」と書きながら、スイスのヨーデル「ユーレイヒッ」の発音をそのままにした田舎町があり、隣接する牧場の羊を見ながら、青空と緑の大地に囲まれて素っ裸で入る温泉が、忘れられません。

     今年は、秋になったら2週間ほどアメリカ車旅をしようかと思っていますが、そちらもアメリカ旅を思う存分楽しんでください。



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