2006/09/13 - 2006/09/21
25位(同エリア47件中)
seitani5766さん
- seitani5766さんTOP
- 旅行記13冊
- クチコミ0件
- Q&A回答2件
- 130,688アクセス
- フォロワー2人
平成18年9月13日から21日までの9日間、米国メイン州のポートランド市(Portland, ME)、オーガスタ市(Augusta, ME)、バンゴール市(Bangor, ME)、バーハーバー市(Bar Harbor, ME)を旅行した。
メイン州は、米国の北東部にあり、所謂、”New England”を他の5州とともに構成している(New England = Maine, New Hampshire, Vermont, Massachusetts, Rhode Island, Connecticutの諸州)。1614年に最初にこの地方を探検したイギリス人”Capt. John Smith”がイギリスの海岸に似ていることから”New England”と名つけた。そして、これらの地方はイギリスの植民地となったが、イギリス移民の発端は、現在のNew EnglandのGate Wayと呼ばれるPlymouth, MAに1620年最初のイギリス船(HMQ Mayflower)の清教徒(Puritan)たちが上陸したことである。当時は、イギリスのPlymouthから船出したので、今のPlymouth, MAはNew Plymouthと呼ばれた。が、その後、Plymouth, MAに変更された。もともと、メイン州はボストンのあるマサチューセッツ(Massachusetts)州に属していたが、1820年にメイン(Maine)州として独立し、自動的に”New England”の一員となった。
#Puritanとは?
英国教会(Church of England/Anglican Church)から追われた人た
ちで、聖書の教えを忠実に守ろうとする英国教会の一派。所謂、原理キ
リスト教原理主義一派とでも云うべきか。
メイン州の都市はいずれも小さく、州都である「オーガスタ市」は人口も18,000人と少なく、従ってか、公営バスもない町であった。因みに、メイン州全体の人口は2005年の推定で132万人、全米で40位である。人口最大の都市は、ポートランド市であるが、それでも、63,500人強である。
メイン州には、これといった、鉱工業はなく、強いていえば、”Bath Iron Works”、”Portsmouth Naval Yard”など、近年中に廃止が決まっているものや、米国でも流行りのIT産業もない。今では、”Lobster”などのsea foodや畜産物、農作物など、さらに特産物としての、”かえで糖(maple sugar)”や、地元でとれる硬水をもとにした
”ビン詰めの水(bottled water)”などなど。
また、メイン州はカナダとの国境が長い。西側にカナダ国ケベック(Quebec)州、東側にニュー・ブランズウイック(New Brunswick)州、東側でFrenchman BayからAtlantic Oceanを挟んでノバスコシア(Nova Scotia)州に囲まれている。従い、比較的カナダとの結びつきが深い。9月19日に、Bar Harborにいったが、帰りのBar Harbor Shuttleの中で昔、教師だった人が今は日本車の中古販売を行っており、ノバスコシアに住んでいる人などもいた。この人とは親しく会話をしたが、中古車を仕入れるためには、アメリカ国内にはBar Harborとカナダ国ノバシコシア州のYarmouthとの間を結ぶフェリーボート”The CAT”で往復しているそうである。
メイン州のみならず、New Englandの諸州には白人の比率が高い。メイン州では96%以上が白人であり、白人比率が高い故かは分からないが、町の安全性は高い。多分、この辺りはイギリスの植民地であった北東部地区の保守的なところが自分を護り、かつ、他人にも親切な一員ではないか。因みに、州都オーガスタでは、公共交通機関が無いために全てタクシーを使わざるを得なかった。オーガスタで泊まったホテル(Holiday Inn Civic Center Augusta)から長距離バス乗り場(Vermont Transit Bus)の間で市内見物をしたが、その間、ホテルから市内の最初の観光地までタクシーに乗り、その後、タクシーは不要であり自分の旅行荷物のためにそのタクシーを確保せざるを得なかった。幸いなことに、無償で、荷物をタクシー会社が預かってくれ、最終的に私がVermont Transit Busの乗り場へ行くのに電話で指定すると、その時に預かった旅行荷物を持ってきてくれた。これに限らず、メイン州の人は本当に親切である。
アメリカでは、政治であろうと、スポーツであろうと日本のことが記事になることがまず無いのに、最近誕生した皇室の男子(悠仁親王)の件でおめでとうをいわれたことが二回あった。アメリカ人には伝統的なものが少ないのに、日本の皇室のように2600年以上も継続的な歴史をもつ家庭があり、そのなかでも将来天皇になるべき人が生まれたことはアメリカ人にとっても、おめでたいことであるのであろう。
今回のメイン州の見所のなかで州都Augustaにあった”Maine State Museum”が素晴らしかった。欧米諸国でも、所謂、メキシコ合衆国でも国立や州立の博物館や美術館には展示内容としても優れ、または、無料か非常に安い入場料で入れるところが多かった。ここ、メイン州でも人口132万人強といえども”Maine State Museum”は展示物にも優れていたし、入場料も安かった(シニアで$1.00)。日本人の感覚でいうと、将に、モッタイナイと云うのが正直であるが、私以外にも家族ずれも見学していた。多分、普段は、小学生や中学生などにメイン州の歴史を勉強させるのであろう。
最後に、旅行最終日(9月19日)にCNNが実況放送していたが、国連総会で、アフマディネジャード・イラン大統領が核問題で長い演説を行ったが、これに対して小泉総理は出席しなかった。もし出席し、価値のある反論を加えれば日本の外交力も上がったであろうし、小泉総理としても、エルビス・プレスビーに媚びを売るだけではなく、国連の常任理事国に入りたいのであれば、もっともっと外交力をあげるための努力をしなければならないのではないか。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 航空会社
PR
-
Portland, ME
大詩人「ヘンリー・ワズワース・ロングフェロー(Henry Wordsworth Longfellow)」はポートランドの生まれである。その生家は繁華なところにあり、写真の「Longfellow Square」も繁華な通りの真ん中にある。父親は弁護士であるが、若くしてハーバード大学教授の地位を得たにもかかわらず、詩集が大成功をおさめたので18年間勤めたハーバード大学の教授職を早めに退職し、詩集の印税で生活には不自由はなかった。反面、妻を二度も産後の病や事故で失うなど、配偶者には幸せではなかった。
Bowdoin 大学の出身であるが同期生に小説家ナサニエル・ホーソン(Nathaniel Hawthorne)がおり、親しかったようである。 -
Portland, ME
また、ポートランド市内には「John Ford Monument」がある。「John Ford」はポートランド近郊の生まれで、大学をでたあと海軍に入隊し、その後、映画界に入った。そのまま、予備役を続けたが第二次世界大戦中は「ミッドウエー海戦(The Battle of Midway)」や「December 7th(Attack on Pearl Harbor)」を正規の記録映画として撮影し、最終的には海軍少将(予備役)の肩書きを得た。「John Ford Monument」のブロンズ像では、海軍少将の星二つを付けて、西部劇を撮っているさまが懐かしい。
なお、背景の鯉幟は日本料理店「YOSAKU」の宣伝であり、「YOSAKU」もそこにあった。 -
Portland, ME
ポートランドの観光名所の一つに灯台を巡るものがある。これは、Casco Bayの海の安全を護るためのものであるが、観光資源に乏しいポートランドにとっては嬉しいことである。
「Land and Sea Sightseeing Tour」に参加したが、Land(陸)からとSea(海)から灯台がよく見えるようにツアーコースが設定されていた。
本写真は「Portland Head Light」を陸上から見たものです。また、同じツアーで海上からも本灯台を見た。 -
Portland, ME
灯台「Spring Point Ledge Light」をCasco Bayを巡る観光船のなかから見た。
また、ここには行かなかったが「Portland Harbor Museum」もあります。 -
Portland, ME
「Land and Sea Sightseeing Tour」の観光船の中から見たCasco Bayの灯台。名前は分からない。 -
Portland, ME
Casco Bayには、South Caroline州CharlestonにあるFort Summterのように小島を要塞化したものがある。当初は、イギリス軍からの攻撃を防御し、南北戦争(Civil War)、最終的には第二次世界大戦でドイツ海軍からの攻撃から防御するためのものであった。 -
Portland, ME
Amish(アーミッシュ)の女性も観光船ツアーを楽しんでいた。 -
Portland, ME
メイン州で最初に泊まったホテル(The Inn at St. John)
今の感覚でいえば、昔型のホテル。Webで予約をする際に、自室に風呂のある部屋を望むのかとの問い合わせがあったので、そうして欲しいと返事をすると、なるほど、自室に風呂や洗面所もなく、同じ自分の鍵であける別の部屋に風呂や洗面所はあった。しかもそれは、シャワーであった。また、ベッドの高さも高い。
ホテルの場所は、West Endのはずれで、その昔、鉄道があったときにUnion Stationがあったところである。 -
Augusta, ME
表紙にもあるように「州議事堂」があるところです。
オーガスタ市は、メイン州の州都ですが人口は18,000人強と非常に少ないところである。従い、バスなどの公共の交通機関もまったくなかった。
オーガスタは州都であるが、1832年までは先に述べたPortlandが州都であり、(対英)独立戦争が終わったことと、その時点では、アメリカ合衆国に加盟していなかったのでメイン州の製品を他州に売る場合でも関税をアメリカ合衆国がかける等、所謂、Embargo Actが適用されたために経済的にいき詰まり、その結果、アメリカ合衆国に参加した。結果としてPortlandの経済は活性化し、その結果としてか、Augustaに州都を譲った。従い、いまでも、Portlandが経済の中心であり、Augustaが州政治の中心になっている。
州議事堂の近辺には、議事堂の他にも、州知事の公邸や、州博物館(Maine State Museum)、警察官や消防士の記念碑や、各種戦争の記念碑などが建っている。 -
Augusta, ME
「Maine State Museum」の展示物の一つで「(19世紀の)Made in Maine」である。写真は、キューポラで当時メイン州を支えていた造船業に必要だったのであろう。
「Maine State Museum」の他の展示は
?先述した”キューポラ”など、19世紀にメイン州で製造されたものが現物で展示(Made in Maine)
?蒸気機関車、各種蒸気エンジン、旧型の自動車などを現物展示
?古い映画フイルムで、1900年初頭の牛乳産業
?12,000 Years in Maine(大昔のメイン州の遺跡など)
?Back to Nature(メイン州の自然)
?Struggle for Identity(独立戦争など、メイン州の独立にかんする出来事)
などなどで。
なんでものような博物館が東京都や大阪府、その他の諸県にもないのか不思議である。 -
Augusta, ME
Old Fort Western(Web:http://www.oldfortwestern.org/)
現在のメイン州地方は英国の植民地であったところ。1754年に建てられ、全米で最古の木造の砦である。Kennebec River沿いにあって北方方面(Qeebec地方はフランスの領土)のフランス軍から川を護る役目である。因みに、1750年頃は鏡がたいへん高価で司令官クラスが泊まる場所には鏡があってお金を取って人に見せたらしい。全体的に、商人と軍人が滞在していた。
観光客には、有料であったが(シニアで$4.00)、当時の服装をした夫人が詳しく説明してくれた。 -
Augusta, ME
Kennebec River
上流のカナダにはQeebec地方があり、英軍との取り合いになっていた。 -
Augusta, ME
Flag of Honor
Augusta State Airportには、9.11で犠牲になった人を慰霊する「Flag of Honor」があった。旗には犠牲者の名前が記されている。日本人も入っていることでしょう。
なお、域内の交通に使ったVermont Transit Busの乗降場はAugusta State Airportにあった。 -
Bangor, ME
Downtownの様子
Bangorといえども、メイン州の中でも3位の人口で31,500人強の街である。
PortlandやAugustaのような経済の中心でもなければ、州政治の中心でもない。
銀行業や保険業が盛んである。 -
Bangor, ME
Stephen King residence
Bangor市内に「Stephen King」の第二の家があった。まだ、本人が住んでいる故か記念館にもなっていず、ただ、外から写真を撮るのみ。高級住宅街にあり、セキュリティーも確りしていた。
もともと、Stephen KingはPortland, MEに家を持ちBangor, MEの家は夏季に住むところのようである。 -
Bangor, ME
USS Maine(BB-10)
米国海軍もメイン州の名前が付く軍艦を4隻建造している。いまは、原子力潜水艦であるが、初代は戦艦であった。これの、記念碑があった。
排推量が7,000トン弱しかなく、もともとは、装甲が確りした巡洋艦(ACE-1)として計画されたが、pre-dreadnought battleshipとして戦艦(BB-10)になった。 -
Bangor, ME
Renobscot River
市の中心を流れる「Renobscot River」。
ウミネコ(Sea Dog)が多い。 -
Bangor, ME
Kenduskeag Stream Trail
久しぶりで「Kenduskeag Stream Trail」を歩いた。 -
Bangor, ME
Bangor International Airport(BGR)
帰路は、Bangor空港からDetroit経由で大阪に向かったが、Bangor空港にはMaine州の兵士を激励する、との宣伝?があった。
-
Bar Harbor, ME
Sand Beach
無料バスで「Sand Beach」へ行った。日本人にとっては珍しくない海水浴のできる海岸であるが、国が巨大なアメリカ人にとっては、珍しいのかも。 -
Bar Harbor, ME
Bangorから約1時間半以上をかけてBar Harborにきたのは正面にある帆船に乗るためである。帆船「Margaret Todd」は、エンジンで出港と帰港を行うが、海上(Frenchman Bay)にでると、自ら帆をあげて帆走する。
今回の私の最大の楽しみである。 -
Bar Harbor, ME
帆を揚げるときボランティアを募集し、ボランティアになった客とクルーが一緒になって帆を揚げていた。 -
Bar Harbor, ME
帆が揚がっている様子。 -
Bar Harbor, ME
クルーズ船も寄港していた。
この項、終わり。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (1)
-
- さすらいおじさんさん 2006/12/30 10:46:18
- メイン州の旅行記、素晴らしいです
- 猪谷 盛一さん
メイン州の旅行記、素晴らしいです。
米国の1州をこれだけ詳細に紹介するガイドブックは無いでしょう。
米国のオーランド、ロス、マイアミなど今年訪問した時も「歩き方」米国編を持っていたのですが、詳細情報は少なかったです。
日本の皇室の世継ぎ問題にアメリカ人が関心があるのも意外でした。また、米国訪問のときに拝見したいと思います。
今年もメッセージをたくさんいただきありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
どうぞ良いお年をお迎えください。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
1
24