2018/01/13 - 2018/01/13
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+mo2さん
昨年9月に初めて訪れた東京富士美術館。地方(一応、東京都ですが・・・)の美術館ながら、ルネサンスからバロック、ロココを経て、印象派など19世紀フランスの諸流派、エコール・ド・パリにいたる西洋絵画の体系的に豊富なコレクションを誇っており驚きました。また常設展のコレクションは、一部(著作権保護期間内のものか)を除き、写真撮影OKという嬉しい対応です。1月2日より「東山魁夷展 ─長野県信濃美術館東山魁夷館所蔵品による」開催、常設展の展示も入れ替わるということで再訪してきました。
前回、訪問時の旅行記で紹介した作品以外を中心にできるだけご紹介したいと思います。
①東京富士美術館 西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで【1】15~18世紀コレクション https://4travel.jp/travelogue/11285994
②東京富士美術館 西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで【2】18~19世紀コレクション https://4travel.jp/travelogue/11286643
③東京富士美術館 西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで【3】バルビゾン派・印象派以降 https://4travel.jp/travelogue/11286972
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車
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東京都といっても八王子市、東京駅からは八王子まで電車で50分(新宿からは35分)更にバスに乗り換え15分というアクセスのようですが、自宅(沼津)から東名→圏央道→中央道の八王子ICで1時間少々、ICからは10分弱と車を使えばポーラ美術館、岡田美術館(箱根)や静岡県立美術館(草薙)とそれほどかわらず来れます。駐車場は無料、それほど混まず入れます。写真は美術館裏口(出口)。
東京富士美術館 美術館・博物館
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常設展へ入りますが、ほとんど人はいません。名作をゆっくりと間近で鑑賞することができます(写真撮影もOKでした)。
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ジョヴァンニ・ベリーニ「行政長官の肖像」1507年頃
ジョヴァンニ・ベリーニは、ヴェネツィア派の巨匠で「聖母の画家」と呼ばれており宗教画を数多く描いていますが、本作は晩年(75歳)に描いた肖像画。 -
バッキアカ(フランチェスコ・ウベルティーニ)「ヴィットリア・コロンナの肖像」16世紀
ウベルティーニは、ミケランジェロの研究に没頭し、その多大な影響をうけたルネサンスの画家のひとり。モデルのヴィットリア・コロンナは、ミケランジェロが《最後の審判》を制作中に知的交友をもった女性で、詩作の才に秀でた貴婦人であったと伝えられています。 -
アレッサンドロ・アローリの工房「ビアンカ・カッペロの肖像」1578-87年頃
モデルはトスカーナ大公妃のビアンカ・カッペロ。彼女はメディチ家の8代目当主であったフランチェスコ大公の熱愛を受け、1578年に結婚して彼の二番目の夫人となり、その翌年に大公妃となっています。 -
パオロ・ヴェロネーゼと工房「少年と騎士見習」1570年代
パオロ・ヴェロネーゼは、ルネサンス期のヴェネツィアで活動したイタリア人画家。モナリザの部屋にあるルーヴル美術館で最も大きな作品「カナの婚礼」が有名です。本作はもともと、貴族の別荘の部屋のドアに描かれた装飾画であったようです。 -
ティントレット(ヤーコポ・ロブスティ)「蒐集家の肖像」1560-65年
ティントレットはヴェネツィアに生まれ、師匠のティツィアーノやヴェロネーゼとともにルネサンス期のヴェネツィア派を代表する画家。昨年(H29)の「ティツィアーノとヴェネツィア派展」(東京都美術館)やH28「日伊国交樹立150周年特別展 アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち 」(国立新美術館)など近年、ヴェネツィア派の作品を日本で見る機会に恵まれましたが貴重な作品です。 -
ベルナルド・ストロッツィ「アブドロミノに奪った王冠を返還するアレクサンドロス大王」1615-17年頃
17世紀イタリアのジェノヴァ派の指導的画家の作品。王位を剥奪され、領地を失い、農民のような生活を余儀なくされた貧窮のアブドロミノに、アレクサンドロス大王が使者を遣わし、略奪した王冠を返還するという大王の寛大な行為を描いた場面。 -
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「煙草を吸う男」1646年
ラ・トゥールは17世紀フランス古典主義の代表的画家ですが、長い間スペイン派やイタリア画家などの作品群に紛れ込んでいて、20世紀初頭に「再発見」されるまで忘れ去られていた画家。約40点(日本国内には2点[1点は国立西洋美術館所蔵《聖トマス》])しか現存しない真作の1点であり貴重な作品。 -
ヴェネツィアの画家、カナレット(ジョヴァンニ・アントニオ・カナル)による当時ローマの有名な観光地として知られていた2つの広場を対で描いた2作品。
(上)「ローマ、クィリナーレ宮殿の広場」1750‐51年頃
(下)「ローマ、ナヴォーナ広場」1750‐51年頃 -
展示室2はブリューゲルやルーベンスなどのフランドルの画家の作品。オランダの風景画家による作品が続きますが、前回紹介の作品と重なるので省略。
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同じ展示室2のフランスのロココ絵画の肖像画。
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ジャン=マルク・ナティエ「ジョフラン夫人」1738年
前回は展示されていなかったナティエによる肖像画。モデルのジョフラン夫人(39歳)は、18世紀パリ社交界の著名な人物で、文学や芸術に造詣が深く、彼女が主宰するサロンには常に著名な哲学者や文学者、画家、彫刻家らが招かれていたそうです。 -
ここから展示室3になります。
(上)ジャン=バティスト・ピルマン「岩の多い海岸の難破船」18世紀後半
(下)ユベール・ロベール「スフィンクス橋の眺め」1767年 -
コルネリス・ファン・スペンドンク「花と果物のある静物」1804年
展示室3の美しい静物画。 -
フランソワ=アンリ・ミュラール「貴婦人の肖像」1810年頃
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展示室3には1040個にも及ぶ合計260カラットのダイヤモンドが眩しい「皇后ジョゼフィーヌのティアラ」が展示されています。
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(右)ジャック=ルイ・ダヴィッドの工房「戴冠式の皇帝ナポレオン」1808年頃
ルーヴル美術館に所蔵されている大作「皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式」の中に描かれるジョゼフィーヌに王冠を授けようとするナポレオンを部分的に描いたもの。
(左上)フランソワ・ジェラールの工房「ナポレオン1世」19世紀初頭
(左下)アンヌ=ルイ・ジロデ=トリオゾンの工房「戴冠衣装の皇帝ナポレオンの肖像」19世紀初頭 -
ウジェーヌ・ドラクロワ「手綱を持つチェルケス人」1858年頃
ルーブル美術館所蔵の「民衆を導く自由の女神」などで有名なフランス・ロマン主義の代表的画家ドラクロワによる東方的主題の作品。 -
ウジェーヌ・ドラクロワ「書斎のドン・キホーテ」1824年
ドラクロワの作品はもう1作「オランのアラブ人」が展示されていました。 -
オーギュスト・ロダン「青銅時代」原型1875-76年、鋳造1900-01年
展示室4には本作品のみが置かれてます。 -
展示室5はバルビゾン派、印象派の作品が続きます。
(右上)ジャン=フランソワ・ミレー「鵞鳥番の少女」1866-67年
(右下)ジャン=バティスト・カミーユ・コロー「もの思い」1865-70年頃
(左)ウィリアム・アドルフ・ブーグロー「漁師の娘」1872年 -
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー「もの思い」1865-70年頃
美しい作品です。前回、コローは「ユディト」が展示されていました。 -
ギュスターヴ・クールベ「水平線上のスコール」1872-73年
1865年から1873年にかけての9年間に集中しているクールベの海景の1枚。 -
クロード・モネ「睡蓮」1908年
モネの作品は、今回本作と「プールヴィルの断崖」の2点が展示されてましたが、本美術館はもう1作品所蔵されているようです。 -
ギュスターヴ・カイユボット「トルーヴィルの別荘」1882年
ギュスターヴ・カイユボットは、画家であるとともに印象派絵画の収集家、経済的支援者でした。カイユボットが死亡した時、 彼の遺言によってそのコレクションが国(フランス)に寄贈されることになり、現在、オルセー美術館で見ることができます。 -
(右)エドゥワール・マネ「散歩」1880年頃
(左)ピエール=オーギュスト・ルノワール「浴後の女」1896年
東京富士美術館コレクションを代表する印象派の2作品。 -
ピエール=オーギュスト・ルノワール「赤い服の女」1892年頃
〈赤い色〉〈美しい服〉〈若い女性の肌〉〈穏やかさ〉といったルノワールらしい一枚。 -
ピエール=オーギュスト・ルノワール「読書する女」1900年頃
こちらもルノワール作品にしばしば描かれる読書をする女性。今回は当館が所蔵するルノワールの油彩画すべてが展示されていました。 -
ポール・セザンヌ「オーヴェールの曲がり道」1873年
セザンヌが最初にオーヴェールに滞在した時期に制作された作品の1つ。 -
こちらから展示室6
(右上)グスタフ・クリムト「横顔をみせる少女」1880年頃
(右下)ジュール・ジェーム・ルージュロン「鏡の前の装い」1877年
(左)ミケーレ・ゴルディジャーニ「シルクのソファー」1879年 -
ジョセフ・ロデファー・デキャンプ「静物、バラ」1890年頃
アメリカの画家による作品。 -
アンリ・ファンタン=ラトゥール「葡萄と桃のある静物」19世紀後半
ファンタン=ラトゥールは、印象派の画家と親しく交遊のあった人物だったが、印象派の運動には参加せず、独自のアカデミックな道を歩んだ画家。 -
アンリ・ルバスク「ヴァイオリンのあるマルト・ルバスクの肖像、サントロペにて」1920年頃
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アンリ・マルタン「画家の家の庭」1902年
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アンリ・ル・シダネル「森の小憩、ジェルブロワ」1925年
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昭和を代表する国民的画家の東山 魁夷の特別展が開催されており、こちらは多くの人がいました(特別展は写真撮影は不可)。
今年は東山魁夷生誕110周年ということで、長野県信濃美術館東山魁夷館が所蔵する作品を中心に展示さ れていました。秋には国立新美術館でも「生誕110年 東山魁夷展」開催予定であり楽しみです。
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