2017/09/06 - 2017/09/10
15位(同エリア242件中)
Islanderさん
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「最果ての芸術祭、美術の最先端」をテーマに能登半島の最先端、珠洲市を舞台に2017年に初の開催となる奥能登国際芸術祭に行ってきました。今回の旅は作品の鑑賞だけでなく、ボランティアのサポーターとしてお手伝いもしてきました。奥能登の最果感ある環境で展開される現代アート作品は、発想が斬新なものあり、制作に時間と労力をかけたものありと、とても見応えがあります。芸術祭を支える地元の方々や全国から集まってきたサポーターの皆さんと出会うこともでき、とても有意義な休暇を過ごすことができました。
今回の旅では実質2日間で全作品を鑑賞、駆け足での作品巡りになってしまいました。作品をじっくり鑑賞するならまる3日は必要です。作品以外の見どころも多くあり、余裕のあるスケジュールを立てられることをおすすめします。
【旅程】
・新大阪駅7:44(特急サンダーバード)10:25金沢駅(レンタカー)輪島市内で昼食→14:30頃から作品鑑賞 <宿泊>農家民宿おおつぼ
・9月7日(木)終日作品鑑賞 <宿泊>サポーター寮
・9月8日(金)サポーターとして作品受付手伝い <宿泊>サポーター寮
・9月9日(土)サポーターとして作品受付手伝い <宿泊>サポーター寮
・9月10日(日)午前作品鑑賞、ラポルトすず13:40(レンタカー)16:10金沢駅16:58(特急サンダーバード)19:33新大阪駅
作品鑑賞はレンタカー、サポーター活動は事務局送迎車で移動。
【奥能登国際芸術祭2017】
・会期 2017年9月3日-10月22日
・開催地 石川県珠洲市全域
・参加アーティスト 11の国と地域/39組
・鑑賞料 一部の屋外作品を除き一作品につき大人300円(小中高校生200円)。全作品を各1回鑑賞できる作品鑑賞パスポートは大人2,500円、高校生1,000円、小中生500円)
・鑑賞時間 9:30から17:00(3作品は21:00)まで
・サポーター 芸術祭を盛り上げるボランティアです。活動内容や募集要項は奥能登国際芸術祭の公式ホームページを参照ください。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- レンタカー 新幹線 JR特急
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
新大阪駅から約2時間40分、特急サンダーバードで金沢駅にやってきました。
金沢駅 駅
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金沢駅でレンタカーを借り、のと里山海道を走り能登を目指します。途中、今浜ICを出て、波打ち際を走れる千里なぎさドライブウェイをドライブ。
千里浜海岸 自然・景勝地
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輪島市内を経由し、白米の千枚田へ。水張りの時期にも来てみたい。
白米千枚田 自然・景勝地
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金沢駅から約3時間、珠洲の北側の玄関口、道の駅ずず塩田村に到着。揚げ浜式製塩を見学できる揚浜館がありますが、時間がないので見学はまたの機会とします。
道の駅 すず塩田村 美術館・博物館
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塩ソフトクリーム(300円、作品鑑賞パスポートの提示で100円引き)をいただきます。やや濃厚なクリームにまろやかな塩味が絶妙。自称アイス研究家としてオススメします。
道の駅 すず塩田村 美術館・博物館
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やっと作品鑑賞を始めます。作品については、作品番号、作家名、タイトル、地区・場所を書いておきます。作品の印象や感想は見る方々によって様々なので割愛します。
01 塩田千春「時を運ぶ船」(大谷地区・旧清水保育所) -
02 村尾かずこ「サザエハウス」(大谷地区・赤神の小屋)
表紙の写真はここで撮りました。 -
03 深澤孝史「神話の続き」(大谷地区・笹波海岸)
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37 アレクサンドル・コンスタンチーノフ「珠洲海道五十三次」
この作品は4カ所で展開されています。 -
能登半島北側(外浦)の海岸沿いの道には最果て感が漂います。
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04 GYOKO YOSHIDA + KINOURA MEETING「海上のさいはて茶屋」(日置地区・木ノ浦海岸)
木ノ浦海岸 ビーチ
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05 アローラ&カルサディージャ「船首方位と航路」(日置地区・木ノ浦海岸)
木ノ浦海岸 ビーチ
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06 鴻池朋子「陸にあがる」(日置地区・シャク崎)
この作品は海岸と断崖上2カ所にあり、写真は海岸にある作品。この作品を近くから見るには駐車場から急な坂もある山道を7分程度歩く必要があります。 -
17時を回ったので今日の作品鑑賞は終了し能登半島の先端の集落、狼煙で泊まることにします。今晩お世話になる、農家民宿おおつぼに到着。
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ここの宿のご主人は漁業、奥さんは農業にも従事されており、食材のほとんどは自家産。刺身は高級魚キジハタ、アジ、鯛の昆布締め、ハマチの子のタタキ。魚はもちろん、カボチャの煮物など野菜も美味しい。ご主人曰く、「魚ぐらいしかなくてすみません」。
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部屋は座敷。親戚の家に来たかのよう。
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豪華な朝食。サザエの炊き込みご飯のサザエは柔らかくて美味しい。おぼろ豆腐は狼煙産の大浜大豆で作ったもの。大浜大豆は昔栽培されていましたが一時栽培が途絶え、近年復活したとのこと。大豆の風味が濃厚で甘みがあり、醤油より塩でいただくと味が引き立ちます。
なお、宿泊費は2食付きで6,500円。これだけの食事が出てこの値段は安すぎます。 -
旅の2日目もあいにくの天気です。宿を後にし、能登半島の最北端、禄剛崎へ。禄剛埼灯台は明治16年に建てられたもの。
禄剛埼灯台 名所・史跡
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灯台のある高台から海を見下ろします。透明度の高さがすごい。
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今日も海岸線を時計回りに沿って作品巡りをします。
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09 小山真徳「最涯の漂着神」(三崎地区・粟津の海岸)
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10 岩崎貴宏「小海の半島の旧家の大海」(三崎地区・森腰の古民家)
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11 Ongoing Collectiv「奥能登口伝資料館」(三崎地区・旧小泊保育所)
地元の方々が出演するユニークな映像作品も見ることができます。 -
12 バスラマ・コレクティブ「みんなの遊び場」(蛸島地区・鉢ヶ崎わくわく夢らんど)
鉢ヶ崎わくわく夢らんど 公園・植物園
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雨が強くなってきたので屋外作品の13、14と機器故障で臨時休館となった15は後日回ることにしました。作品16、17が展示されている閉業中の銭湯「恵比寿湯」へ。
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16 麻生祥子「信心のかたち」(正院地区・旧銭湯)
浴室内で泡を使ったインスタレーション。鑑賞時は機器の調子が悪く、泡が少ない状態とのことです。 -
17 井上唯「into the rain」(正院地区・旧銭湯)
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昼食は軽めに。自家産の大納言を使ったぜんざい(600円)。器は地域の伝統「ヨバレ」の膳に使われる輪島塗の漆器。デザートと飲み物のみの店ですが、雰囲気、味、店の方のおもてなしは最高です(月水金は休み)。
どんぐり グルメ・レストラン
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18 ひびのこづえ「スズズカ」(正院地区・旧飯塚保育所)
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19 角文平「Silhouett Factory」(直地区・本江寺の倉庫)
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20 田中信行「触生-原初-」(直地区・西中町の蔵)
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21 ギムホンソック「善でも悪でもないキオスク」(直地区・旧珠洲駅)
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22 金沢美術工芸大学アートプロジェクトチーム[スズプロ]「いえの木」(飯田地区・古民家)
大きな古民家に大学生らが制作した作品が3作品、地元の方々が制作した作品が2作品あります。 -
23 鴻池朋子「物語るテーブルランナー・珠洲編」(飯田地区・旧店舗)
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24 吉野央子「JUEN 光陰」(飯田地区・旧店舗(JUEN))
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25 南条嘉毅「シアターシュメール」(飯田地区・旧映画館(飯田スメル館))
内部は撮影禁止。この作品は珠洲市長も絶賛、在りし日の映画館を知る人は作品を見て涙を流す人もいるとのこと。あえて書きますが、この作品は必見です。 -
26 力五山「潮流-ガチャポン交換器-」(飯田地区・ラポルトすず)
珠洲の人々や鑑賞客が持ち寄った思い出の品をカプセルに詰め込んだがちゃがちゃ。100円を投入するとカプセル1個を手にすることができます。投入した100円は日本赤十字社に寄付されます。 -
27 川口龍夫「小さい忘れ物の美術館」(飯田地区・旧飯田駅)
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28 EAT&ART TARO「さいはての『キャバレー準備中』」(飯田地区・旧レストラン)
内部は昭和のキャバレーを彷彿させる作品。午後を中心にカフェの営業と夜はイベントが開催されます。 -
29 眞壁陸二「青い舟小屋」(上戸・寺社の舟小屋)
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30 ラックス・メディア・コレクティブ「うつくしみ」(上戸地区・旧上戸駅)
この作品は暗くなってからの鑑賞がおすすめとのことです(21時まで鑑賞可)。 -
旅の2日目は雨の中ほぼ1日作品鑑賞。明日から2日間はサポーターとしてお手伝いをします。遠方から来たサポーターが宿泊できる寮に泊まります。地元のお母さんたちが作って下さった夕食。地物産の野菜や魚を使った料理はとても美味しいです。全国から来たサポーターの方々と持ち込んだアルコールも入り楽しいひとときを過ごします。サポーターの活動中の宿泊(前後泊も可)、食事は無料です。
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部屋は2段ベットの男女別相部屋。廃校をリノベーションしたばかりの施設、とてもきれいです。
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旅の3日目。6時30分に起床、朝食を食べ、寮を7時20分に出発、送迎車で集合場所となるラポルトすずへ。8時に始まる朝礼で担当作品が決まり、会場へ送迎車で向かいます(車中で担当作品について勉強)。今日は写真の作品 36 坂巻正美「上黒丸 北山 鯨組 2017」(北山地区)の受付をすることに。地元青年団の方々と鑑賞パスポートへのスタンプ押しや作品の案内、会場の清掃などしました。17時に閉館、事務局に戻り報告書などを提出、送迎車で寮に戻るのは19時30分ごろ(途中スーパーに立ち寄り買い物ができます)。この日の夕食も美味しかったです。門限の23時までは自由時間。学生に戻ったような生活を送ることができます。
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朝食。この日は魚はありませんでしたが、焼き魚が付く日もあります。
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旅の4日目。今日もお手伝い。担当作品は 33 リュウ・ジャンファ「Drifting Landscape」(宝立地区・見付海岸)。金沢方面から車で来ると入り口に位置する作品で、作品の説明のほか、鑑賞パスポートなどの販売や観光案内もあり、忙しい持ち場でした。
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「Drifting Landscape」は名勝、見附島を借景に珠洲焼と景徳鎮の陶器を配置した作品。一見漂着ごみのように見えるこの作品、作品の意図や陶器でできていることなどを可能な限り鑑賞する人々に説明しました。
見付海岸 自然・景勝地
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2日目のお手伝いも無事終了。夕食後はキリコ祭りを見に行きました。寮に帰り親しくなったサポーターの方々と消灯ぎりぎりまで飲みました。
サポーターの年齢層は幅広く、学生から社会人、職業も様々。サポーターの活動は楽とは言えませんが、芸術作品の中で1日を過ごすことで、時間によって作品の印象が変わることを感じることができます。そして、様々な人々との出会い。機会があれば(まとまった休みがとれれば)またやってみたいと思います。 -
旅の5日目、最終日。全作品の鑑賞(コンプリート)を目指し、駆け足で巡ります。
08 キジマ真紀「海と山のスズびらき」(日置地区・旧日置小中学校) -
06 鴻池朋子「陸にあがる」(日置地区・シャク崎)
この崖上の作品を見るには駐車場から山道を歩いて15分程度かかります。シャク崎 自然・景勝地
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07 さわひらき「魚話」(日置地区・旧日置公民館)
写真の作品のほか、珠洲で撮影した映像作品などもあります。 -
37 アレクサンドル・コンスタンチーノフ「珠洲海道五十三次」
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寺家の舟小屋。かなり分りづらい場所にあります(案内看板はありません)。道が細いので車の運転には注意が必要です。
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14 トビアス・レーベルガー「なにか他にできる」(蛸島地区・蛸島駅周辺)
夜間はライトアップされます(21時まで鑑賞可)。作品14から線路を歩いて作品13に行くことができます。 -
13 エコ・ヌグロボ「Bookmark of dried flowers」(蛸島地区・旧蛸島駅)
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15 ウー・ジーツォン&チェン・シューチャン「Passing」(正院地区・旧漁業倉庫)
ライトが上下することで網や浮子の影が動く作品。 -
昼食は旧蛸島駅の近くにある「あまやどり」で蛸カレーをいただきます。蛸がやわらかくて美味い。
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34 中瀬康志「アートキャラバンKAMIKURO」(若山地区・旧上黒丸小中学校)
鑑賞者が着物の端布をはしごに結びつけ、作品の制作に参加することができます。 -
35 竹川大介「海のこと山のこと」(若山地区・南山)
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31 石川直樹「混浴宇宙宝湯」(宝立・旧旅館(宝湯2階))
営業中の温泉銭湯・宝湯の2階が会場。迷路のような建物の中で作品が展示されています。温泉に入ってみたかった。 -
32 アデル・アブデスメッド「ま-も-なく」(宝立地区・旧鵜飼駅)
元紀州鉄道の気動車キハ605が作品となっています。車両を貫通するオブジェは夜間は光ります(21時まで鑑賞可)。 -
すべての作品を鑑賞。鑑賞パスポートをラポルトすず内にあるインフォメーションセンターに持参、コンプリート賞の応募とアンケートを書きました。抽選で賞品が当たるとのことです。帰りの列車の時間が迫り、後ろ髪を引かれる思いで珠洲を後にします。
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珠洲から約2時間30分で金沢に到着。レンタカーを返却し金沢駅に向かいます。
金沢駅 駅
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金沢駅ナカの店で弁当を買い、大阪行きの特急サンダーバードに乗り込み帰途につきました。4泊5日、奥能登芸術祭にどっぷり浸った旅でした。最後までご覧くださりありがとうございます。
金沢百番街 ショッピングモール
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この旅行記へのコメント (2)
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- たびねこちゃちゃさん 2017/09/27 14:05:08
- 素敵ですね。
- Islanderさん。
こんにちは。
奥能登国際芸術祭、どんな感じなのだろうと思っていましたが、すごく楽しそうですね。
私は金沢出身ですが、なかなか珠洲という所は遠く、子どもの頃何回行けたか、というぐらいです。当時は能登への道は有料でしたしね。
今年は残念ながらいけそうにありませんが、また来年も続くのであれば、行ってみたいと思いました。
ボランティア、いろんな方との出会い素敵ですねー。
たびねこちゃちゃ。
- Islanderさん からの返信 2017/09/28 22:19:12
- 珠洲は遠いですが
- たびねこちゃちゃさん
書き込みありがとうございます。
奥能登国際芸術祭はとてもよかったです。日本海を背景にした作品、歴史ある古民家の中の作品、のと鉄道の廃線・廃駅を使った作品・・・作品そのものもいいのですが、作品が展開されている場所がとても素晴らしいと思います。
奥能登国際芸術祭について、次の開催は未定のようですが、開催されるのであれば3年に1度のトリエンナーレとなるらしく、次回は3年後になります。今回の会期は2017年10月22日までですが、会期終了とともに撤去するにはもったいない作品も多くあるので、一部は残して(鑑賞も可能にして)欲しいところです。
金沢からですと車で2時間30分程度、のと里山海道は無料でアクセスは決して悪くありませんが、やはり遠いですね。それでも行ってみる価値のある芸術祭かと思います。まだ1ヶ月近く開催されていますので、足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
Islander
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