2017/08/30 - 2017/08/30
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ころたさん
8/4から11/5まで開催される3年に一度の横浜トリエンナーレ。3か所の会場の最後に回るのは、メイン会場の横浜美術館。今年初めの「篠山紀信 写真力」( http://4travel.jp/travelogue/11210712 )でも、美術館の様式美と紀信の写真のコラボが見事だったが、今回はコンテンポラリーアート。インスタレーションとして見せ処満載だろう。期待していいんじゃないの?
ここはひとつ、Bruce Lee恩師のお言葉通り。
" Don't think! Feel! "
横浜トリエンナーレ 前編: http://4travel.jp/travelogue/11276934
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 徒歩
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横浜トリエンナーレは3年に1度開催されるコンテンポラリーアートの祭典。今年で6回目とまだ歴史は浅いが、世界が注目するアートイベントになって来た。参加アーティストは総計40組計。メイン会場の横浜美術館では27組の作品が展示される。
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横浜開港記念会館、赤レンガ倉庫の2会場を見て( http://4travel.jp/travelogue/11276934 )、最後に横浜美術館を訪れた。
(写真は日本語版・英語版のガイドブックを並べてみた) -
赤レンガ倉庫会場の作品もよかったよ。ポップでシャレが効いている作品が多かった。
横浜赤レンガ倉庫 名所・史跡
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その赤レンガ倉庫から横浜美術館まで歩こう。な~にすぐさ。あのコスモクロックの先、クィーンズスクエアの向こう側。
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その前に腹ごしらえ。ホントはお気に入りのJAICAのレストランに入りたかったのだが、タッチの差でランチタイムのラストオーダー時間に間に合わなかった。よって今日は向い側のワールドポーターズ。フードコートでそそくさと済ませて、横浜美術館に向かった。
横浜ワールドポーターズ ショッピングモール
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コスモクロックの下にはかわいらしいヒマワリが咲いていて、ミツバチが蜜を集めている。
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クィーンズスクエア側に掛かる橋の下を水陸両用バスがくぐっていく。日本丸の手間いに乗り場があるのは知っていたが、こいつが実際に動いているのを初めて見た。
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クィーンズスクエアについた。お馴染のクネクネオブジェの下を曲がれば、横浜美術館だ。
クィーンズスクエア横浜 名所・史跡
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お~着いた着いた。美術館の外装が既にデコレーションされている。
横浜美術館 美術館・博物館
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これはAi Weiweiの作品。難民の使った救命胴衣とボートが美術館の外壁と柱を埋め尽くす。Weiweiは自身も文化大革命の時に中国を追われ、以後はドイツで活動している「難民」なのだろう。
横浜美術館 美術館・博物館
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入口を入ると広大なエントランスホールに竹で編んだ巨大なオブジェがデン!と置かれている。インドネシアのAviantoが自国から持ち込んだ竹で、日本のしめ縄をイメージして制作したという。
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しめ縄というより象か大蛇に見えたけど。
そして今までキリコやダリの彫刻が置かれていた階段にも、トリエンナーレの作品が置かれている。横浜美術館 美術館・博物館
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2階に上がるといきなりオタクの世界になる。作家はミスター?舐めた名前だ、誰よ?1969年のキューパ生まれ?どこだよキューパって。作風を見ても絶対日本人だよな。
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しかしなぜかほっとする。
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次は一転して硬派なモダンアート。60歳代のアーティスト4人の合作なのだが、1つの作品のなかに4人がリレー形式で前の人の後を継ぐ形で描き継いでいく「盲目的コレクティブ・コラボレーション」。後の人は前の人の作品の最後の1cmしか見えない状況で、作品を制作していく。
横浜美術館 美術館・博物館
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4人は生まれも住まいも別々の国なのだが、完成した作品にはえも言えぬ一体感が漂う。そんなこと言われなければ一人で普通に描いたものだと疑わない。
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有名どころも展示してあった、めずらしく。マン・レイの写真に取り囲まれるマックス・エルンスト。ただしこれらはトリエンナーレのガイドブックに載っていない。いわば通常展示品。
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様々な色の石が連ねられたネックレス。何かと思いきや、これらは全て化石。しかも上部の中央から右回りに年代を追って連ねられている。先カンブリア紀から完新世まで。傍らには全ての化石の種類と年代が示されたパンフが置かれている。
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例えば左隅の茶色い石はPreistocene すなわち更新世のNaval Shipworm (フナクイムシ)。その下の茶黒色の石はpliocene 鮮新世のAlligator(ワニ)の化石。170個の化石の内、人類誕生以降の石はたった10個。我々は新参者なのだと悟らされる。
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いかにもコンテンポラリーなのもあるよ。ドイツのMeppayilの作品
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脱力系もいかが。アメリカのPruittの様々な作品は、e-Bayでフリマ的に売られている。でも、その行為自体が作者にとってはアートなんだと。「個人の営みの集積が、どのように社会と接続するか」を試しているそうな。
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そこはよく分からんが、この細かな出来事をカレンダーに描き込んだ作品は好きだな。
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次、スペイン生まれでロンドン在住の37歳、川久保ジョイの作品は、美術館の壁一面に描かれている。
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そして作家自ら
「この作品はぜひ触って下さい」
と落書きのようなクレジットを残している。
日本の観客は申し訳なさそうに、そのクレジット自体を触っていて、文字がにじんでいるが、作家の真意はそこじゃないと読んだ。 -
この作品は壁自体を削って描いている。漆器の研ぎ出しの要領で、掘りに深浅をつけると、虹のような色が浮かび上がる。これに更に観客の手を加えてほしいのだ。
実際、爪で削ると少しずつだが色が変化する。
おもしろい! -
同じようなコンセプトのイギリス在住、Broombergの作品にも、
「キューブは触っていただけます」
もちろん喜んで! -
これは面白かった。ベトナム人とアメリカ人の3人からなるプロペラグループの作品。題して「タイタニックのジャック・ドーソンに扮するレーニン」
その他にも「燃え尽きるまでのフランク・ウィラーに扮するレーニン」とか数点があって、シャレが効いている。 -
ん、一番奥にある透明のブロックは何だ?
そこに置かれているのは大きな透明ジェルの真ん中に焦げたような乱れた線が封印されたブロック。題して「AK-47 vs M16」。これだけじゃ分からなかったが、後ろで上映されているビデオを見て納得した。 -
ホントはビデオを紹介したいのだが、動画はNGなのでパラパラで。何が映っているかというと、ジェルブロックの左右から同時にAK-47とM16をぶっ放したのだ。すると銃弾の熱と衝撃でジェルがうねる膨張する蠢く。ハイスピードビデオで撮影されたそれは、銃弾に貫かれた世界そのもの。
https://youtu.be/3gNPzbw7p8M
これをベトナム人とアメリカ人、それも1970年代生まれの3人が制作したところが妙味だね。彼らにとってベトナム戦争は過去のことで、しかし忘れてはならないと自戒している。横浜美術館 美術館・博物館
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壁に掛かっている無数の顔のオブジェは、イタリアのCattelan自身の顔。この他にも自分を模した人形が壁から首つりしているようなシュールな作品もあった。
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これが一番ヘビーな、御年70歳の木下普による鉛筆画。合掌する巨大な手、節くれだった腕。
横浜美術館 美術館・博物館
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そしてハンセン病患者の逃げも隠れもしない姿。鉛筆1本で人間の苦悩を描き出す木下の力量に感服・・・
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エジプトのShawkyによる操り人形。人というよりも節足動物を思わせる。
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それらを用いた人形劇は、十字軍を題材とした長編もので、最後まで見られなかった。舞台装置やライティングも秀逸で、ちゃんと見たかったな。
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中国のZhao Zhaoは今回のパンフの表紙を飾る「プロジェクト タクラマカン」で有名。その時に使った冷蔵庫と、極太ケーブルが展示されていた。これだけでアートと呼んでいいのかは???
横浜美術館 美術館・博物館
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そのプロジェクト自体は見事。まず第一に現在の中共の下でこれを行った勇気に拍手する。Zhao Zhaoは現在34歳。Weiweiのように追放にならないことを祈ろう。
いや、追放になった方が自由に制作できるのか? -
今回のアイデア賞はこれ。フィリピンのJustinianiは、壁の向こうに無限トンネルを作って見せた。分かります?本物は最初の半円枠一つ分だけで、その先に見えるのは合わせ鏡が作った虚像。しかもこのトンネル、視点を移すと曲がり方が変わってくる。お見事!
姉妹作品に垂直に下に伸びる無限ハシゴとマンホールもあって、これまたお見事。横浜美術館 美術館・博物館
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閉館時間までいたけど、とても1日じゃ見切れない。
また来るぞっ! -
メインの3会場の他にも日ノ出町や氷川丸やらで関連イベントも多数。ワークショップや講演会も多く開催されていて、それらに参加するのもいいな。
横浜美術館 美術館・博物館
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今日はよく歩いた。って言っても、3.5km。立ちっぱなしだったからな。
疲れたわ・・・
横浜トリエンナーレ 前編は: http://4travel.jp/travelogue/11276934
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