ベトナム北部。衝撃　ドナ ドナ ドナ ドーナ　連れられて行く犬の行方　今晩は鍋？

2017/08/04 - 2017/08/07

犬　いぬ　イヌ

私は犬好き。
動物が大好き。

ベトナム語では、犬は、con cho
conは冠詞(類数詞)。cho チョーが犬。

ベトナムの犬の行方とは。。。
。

エリア ニンビン(ベトナム)

何か月前、ベトナム人妻の祖父母の家を訪ねた。

巨大なケージに、巨大な豚一匹、数十羽のにわとり、そして三匹の犬が、まとめて入れられていた。

ケージを通おりがかると、３匹の犬は、元気よくワンワン鳴いて、尻尾を降ってくれた。

遊んでほしいようだ。
　犬君たち、一杯友達がいていいねぇ！


そのうち、一人の男がやってきて、犬を物色し始めた。
妻の叔母にあたる人が対応した。

なにか交渉が成立したようだ。
叔母は、ケージに入っていき、犬の一匹を小さなケージに入れた。

犬を入れたケージは、バイクに積まれた。

犬を見ると、
足ががくがくと、大きく震えていた。

そりゃそうしょう。きっと大きなケージで育ってきた。
それが、小さなケージに入れられて、見知らぬ人のバイクに載せられている。

　何が起こったの？

でもワンワン吠えることもできない。
ブルブルと大きく震えているしかできない。

ケージに取り残された２匹の犬はワンワン鳴いていた。
きっと、
　僕たちの兄弟(或いは、友達)をどこに連れていくのぉ？？？
と、鳴（泣）いていたに違いない。、


私も、何もできず。。。


犬は、バイクに揺られ、ドナ ドナ ドナ ドーナ
と、去っていった。。。

今夜、鍋になるか？　丸焼きか、焼肉か？


叔母さんは、苦い顔をして、
　　Toi khong thick 好きじゃない。
と言った。

叔母さんはとても動物好きの優しい人。きっと犬は食べない。。。

叔母さんに聞いてみた。
　Bao nhieu tien ? Bao nieu K graｍ？. いくらだったの？何キロだった？

興味本位でしかない。今起こったことにあっけにとられていた。

犬は１５キロ。１００００００ドンで売ったそうだ。
５０００円。
犬肉は、ベトナムでは高級だそうだ。
日本でいえば、牛肉みたいなもの。

だが、日本で売られているペットの犬の値段を言えば、叔母は卒倒してしてしまうだろう。

農家では犬も家畜。
貴重な収入源。

残飯を食べ、番犬として家を守り、現金収入をもたらせてくれるのだ。

にわとり君たち。

君たちは、間違いなく食べられる。


私の滞在中には、何匹も昇天する。

まず、放し飼いで育った檻で、
ある日、突然追いかけられ、
摑まえられて、
足をぐるぐる巻きにされて、
さかさまに吊るされて、
首の羽をむしり取られ、
そこをカミソリですっと切られる。
ぴゅーっと血が飛ぶ。その血も茶碗に受けられて、あとで料理になる。
そして昇天したら、熱湯につけられる。
そこでまだ昇天していなかったものは、最後の力を振り絞って熱湯の中でバタバタして暴れる。そして昇天。。。
そして、羽をむしむしとむしり取られて、真っ裸になる。
そして、大きな鍋で、そのまま茹でられる。
ゆで上がったら、ベトナムのなたのような包丁で、ぶつ切りになる。
そして、お皿に盛られ、
ごちそうになる。
残った肉、骨も、ほかの家畜、豚、犬などのえさとなる。。。




ごちそうさま。

猫君。

君も安全ではない。


稀だが、Lau Meoなる看板を見かけた。

Lau 鍋
Meo 猫

猫鍋だ！

ベトナムでは、猫といえども安心できない。。。

妻の家の番犬は、行くたびに代わっている。

ずっと不審に思っていたが、どうやら売られるか、食べられるようだ。
確信した。

私のベトナム人妻は犬肉を食べないが、
両親、兄は食べる。。。

君ももうすぐ鍋になる。。。かも。。。

ぶた君。

君は、間違えなくたべられます。

ぶたドナ ドナはよく見かける光景です。。。

サパに旅行に行っていた。
ラオカイ駅でハノイに戻る列車を待っていたところ、妻に電話がかかってきた。

妻は繰り返してなにかスマホに叫んでいる。
尋常ではない。

　何があったの？

　犬が行方不明になった。

犬とは、黒い子犬で、妻がペット用に買ったものだ。
まだ生後数か月のかわいい奴だ。

妻は、お母さんに、絶対食べちゃダメ、と言って旅行に出てきた。
(お母さん、お父さんも犬を食べる人。シュール)。

が、リード無しで散歩に出かけたところで消えてしまったらしい。


日本人の感覚だと、そのうち帰ってくるよ。
大丈夫。大丈夫。

なのだが、

ベトナム人感覚だと、

　　ああ、誰かに捕まえられて、食べられてしまう。

妻は楽しい旅行から、暗転。


家に戻ると、犬は、いなかった。

妻曰く、
　　もう、どっかのトイレよ。

　　はっ？

きっともう食べられて、消化されて、排泄された。
と言いたかったらしい。（シュールすぎる。。。）

妻は、犬肉を食べない。
はげしい悲しみと怒り。

　　犯人見つけたら、殺してやる！！！！！

と、怒り心頭であった。。。


(写真は、行方不明の犬ではありません。最初の連れられて行った犬を見送った二匹です。彼らも次に訪れた時には、もういませんでした。。。)

以前、ニンビンの街中を妻とバイクで走っていた時、言葉を失った。

と言うのは、
信号待ちで、隣に犬満載の軽トラが止まったのだ。

びっくりして言葉にならず。。。

軽トラの荷台には、
犬が入ったケージが数知れず。
一つのケージには３、４匹の犬がすし詰めにされている。
犬たちは身動きもできない状態。
そんなケージがなん十個と摘まれていた。

　うそ！？

　ぎゃーーーーーーーーー！

今回、ツーリングでThanh Hoa タインホアから、Ninh Binh ニンビンに帰る途中。
アジアハイウェイAH1 のどこかの街で、久しぶりの信号待ちだった。
アジアハイウェイでは、街に入ったとしても1個、2個がせいぜい。
ああ久しぶりの信号。

ふと横を見ると、犬ドナドナの軽トラが止まっていた。

　　ひゃー。

一つのケージに犬が何匹も押し込められている。
そんなケージが数十と荷台に乗っている。
犬のみんなは、暑さでひいひい。
息絶え絶えようなのもいる。
大丈夫？生きてる？

ぶら下げている一眼レフを構えると、
シャッターを切る前に、信号は青。。。
発進した。


必死にバイクで追いかけた。

アジアハイウェイAH1、信号なんて通りがかった街に1個あったらいいほう。
つまり、車が停車する機会はほぼない。

後ろから荷台を撮りたかったが、
小さいカメラならいざ知らず、バイクで運転しながら一眼レフを構えるのは無理無理。


犬ドナドナ軽トラを追った。

　　君たち、どこに連れられて行くんだ！

追いかけているバイクから、荷台のいぬ君たちの姿が見える。
何匹かは、不安げにこちらを見つめている。

軽トラは、それほどジグザグ走行しなかったが、かなりのスピードだった。

トラックが大きく上下に揺られると、犬君たちは、キャイーン、キャイーンと叫ぶ。
一つのの檻に何匹もすし詰めされている。
当たり前だ！
ああ、かわいそう。涙が出てきた。

　犬くんたち、がんばれ！

いや、追いかけたって、救出できるわけではない。
それでも２、３０キロ追いかけた。信号は全くなし。。。

アジアハイウェイAH1をニンビン方面にひたすら北上した！
このままハノイに連れられて行ってしまうのか？？？

と、犬ドナドナ軽トラは、右に入った。
すかさず、追っかける。何のためにかわからないが、犬の行方を知りたい。

ああ、軽トラックは、目的地に着いたようだ。
ある駐車場に入っていった。
ここが目的地のようだ。

隣にはレストラン。
Lauと掲げられていた。

Lau 鍋。。。

犬くんたち。
君たちは、鍋になるのか！？

さて、盗撮カメラマンのように、望遠レンズでカメラを構えた。

なにが行われるのだ？？？

これからケージが運ばれるのだろう、と思っていたら、
彼らはホースを用意。
犬たちのケージに放水を開始した。

遠くからなので、犬の顔は見えない。
望遠レンズで、かろうじてわかる。

犬くんたち、さぞかし暑かったであろう。
さぞかし喉が渇いていたであろう。

でも、ホースで放水はないでしょう！！！！！
なぜ、体を綺麗にする？
これからすぐ昇天させられるのか？
ならば、これが最後の水か？

君たち。
助けられない。

Good luck！

次の日、ニンビンのKim Son キムソンヘツーリングした。

Kim Sonの海を観たかったのだが、輪中にぶつかった。
橋は無く、渡し船に乗った。

私を含め何台かバイクが乗っていた。

川に見とれていたが、すぐ輪中の対岸に接続。

次々に積まれたバイクたちが発進して行く。

おっつ？へ？

船の上では隠れて見えなくて気が付かなかったが、一台の犬ドナドナバイクが発進して行った。

　　犬ドナドナ !!!!!!!!

私は慌てバイクにエンジンを掛けて、追いかけた。

どこへ行くぅぅぅ！！！！！！


犬ドナドナバイクは、細いダートの道を通り抜ける！

それを追っかけた！

(写真は、ちょっと距離を詰めて、バイクを停車して撮ったもの。。。)

なんと、犬ドナドナバイクは、次の渡し船に乗った。
これを超えればNam Dinh　ナムディン省。

ようやく追いついて、望遠レンズで撮った。

犬たちを積んだバイクを載せた船は、対岸に去って行った。

ドナ ドナ ドナ ドーナ

いぬ君たち、
さらば！

そう。君たちは、食べられる。

それは、食文化。
日本人だって、クジラを食べて、西洋人に批判される。

鯨ベーコン食べたい。

前に、アグネス・チャンの記事を読んだことがある。
日本のある公園にいっぱいハトがいて、ああ美味しそう、と思ったそうだ。

ベトナム人にとって犬は番犬であり、ご馳走。
でも、妻みたいに、犬を食べない人もいっぱいいます。

それは食文化。。。


（写真は、Ninh Binh Kim Son のPhat Diem教会　ニンビン　キムソン　ファットディエムの教会。西洋と東洋建築がミックスされた神秘的な教会です。）