2017/08/13 - 2017/08/16
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Zebraさん
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気まぐれな大学生な娘が、東京横浜以外に住んでみたいと、夏休みに一月、ウィークリーマンションを借りた。群馬の高崎という街だ。
せっかくなので、遊びに行かせていただく。
お盆の期間はあまり天気もよくなさそうだが……
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 交通手段
- 高速・路線バス 観光バス JRローカル
- 旅行の手配内容
- その他
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群馬の高崎……上野から各駅停車の電車でも2時間弱。新幹線なら1時間を切る。
翌日から遊ぶつもりで、夕方の電車で向かったが、電車は大宮を過ぎるあたりからとても空いてきて、快適だった。
写真は高崎駅。新幹線の止まる大きな駅だ。高崎駅 駅
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せっかくの夏休みなので、富岡の製糸場に行こうと思う。世界遺産になってからとても混んでいるとは聞いているが、高崎からだと近いようだ。
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高崎のマンホール。山車と祭りの提灯だろうか。ぐんまちゃんのカラーマンホールがあると聞いて、ひそかに期待していたのだが、これも花火など上がっていてなかなか華やかだ。
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雨っぽいものの土砂降りというわけでもなく、折りたたみの傘を持って、高崎駅から上信電鉄で上州富岡に向かった。二両編成の小さな電車でーーーパスモが使えなくて、ちょっと焦った。高崎駅から上州富岡の往復チケットと、富岡製糸場の入場券のセットがある。(富岡製糸場に学生割引があるので、学生の場合は別にしたほうが得だそうだ)
上州富岡駅 駅
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富岡製糸場へのルートを紹介しているサイトを事前にチェックした。こちらのサイトがとても役に立った。http://tomiokaseisi.com/entry14.html
お弁当を持っていたので、上記サイトの助言どおり駅正面のあい愛プラザへ。 -
エアコンが入って、無料のお茶のサービスがあって、何でこんなに空いているんだ? とも思ったが、外から見ると暗いので、やっているかどうかわからないんじゃないかな……特にお盆で軽食のお店が閉まっていたので、ドアを押すのを少しためらった。中には地元の人の作った工芸品や、パンフレット類が色々。
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世界遺産になったのは富岡製糸場だが、それ以外の建物もなかなか趣が深い。町全体に、古いものと新しいものが調和しているようで、木組みの門や欄干、蔵を改造したような住居をたくさん見ることができた。
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今日はそれほど混んでいなかったのだが、道の途中に足を休める広場があって、街全体がゆったりしたつくりになっている。駅で街歩きや飲食店の地図を分けてくれるので、道に迷うことも無い。
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こちらの白壁の蔵の前にもベンチが置かれていて、開放されていた蔵の中には、和紙で作った吊るし物や、絹の吊るし雛が飾られていた。古色蒼然。
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この建物も、やはり古そうで、飲食店かな。屋根の上の六角形の展望台が、明治時代の建物のように見える。
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富岡製糸場に到着。
前売り券を持っている人と、当日券の人で並ぶ場所が違うが、この日は、どちらに並んでも同じくらいの時間で入場できたようで、つまり混んではいなかった。入場整理のお爺さんたち(ボランティア?)が、女や若者に対してはありえないくらいに横暴で、いかにも急に景気のよくなった観光地(観光客に対する対応ががまだ徹底していない)だな、と思う。
あれは観光客に接する態度じゃないし、半数の人間は気分が悪くなると思う。富岡製糸場 名所・史跡
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場内の案内。見所がたくさんあるようなので、番号順に回ることにする。写真の地図はHPにも掲載されていて便利だ。http://www.tomioka-silk.jp/files/topics/736_ext_01_0_L.png
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【富岡製糸場 東置繭所】
富岡製糸場の主要な建物は、「木骨レンガ造(もっこつれんがぞう)」という、西洋のレンガ積の技術と、木で骨を組む日本の建築方法を組み合わせて建てられた、独特の様式の建物だそうだ。 -
縦(長辺)と横(短辺)が交互に並ぶこの積み方は、フランドル積みというらしい。石垣が好きな娘が、展示物コーナーで組んでいたが、案外コツがいるようだ。
フランス人のオーギュスト・バスティアンが設計し、それを尺貫法に直して日本人の大工と職人が建てたもので、煉瓦の間は漆喰だそうだ。煉瓦を焼いたのも日本のかわら職人。その結果が、こんなに美しい建物になったんだな。 -
蚕の幼虫が展示されていた。
……昔、生物部でアラタ体を移植して3齢幼虫に蛹を作らせようとしたり、6回以上脱皮させようとしたり、実験に使っていたが、蚕の品種改良は、江戸時代から盛んに行われてきたんだよなあ。蚕は桑の葉しか食べない、でも桑が無くても逃げない、だから遺伝子操作や実験動物(昆虫)に適してる。とか、昔、蚕糸昆虫研究所(現農業生物資源研究所)で見た広食性蚕はすごい勢いでりんご食べていた…とか、色々思い出した。
東京農業大学の参考ページ http://web.tuat.ac.jp/~jokoukai/kindainihonnoisizue/archive/shiryo/shiryo.htm富岡製糸場 名所・史跡
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【富岡製糸場 東置繭所1階の展示室】
近くの高校生が、ボランティアで繭の糸取りの研修をしていた。繭を茹でて解きやすくし、糸を引いて巻き取る実演を見せてくれた。糸をうまく引いていくのはとても難しそうだ。
ボランティア学生の控え室は女工館にあったらしく、彼女らが木の階段を上り下りする様子はとても学校っぽかった。富岡製糸場 名所・史跡
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手でつかまれた繭から写真の左下角に向かって伸びているんだけど、糸……見えるかな。
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【富岡製糸場 繰糸所】
実習生たちがやっていた糸引きを、機械で行う装置の並んだ建物。フランスから取り寄せたガラスから自然光があふれ、中央部の柱が不要なトラス構造の小屋組みになっていて、梁や天井(屋根の裏面)を白く染めてあるため、とても明るい。富岡製糸場 名所・史跡
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創設時に持ち込んだ金属製の自動繰糸器が並んだ世界最大規模の器械製糸工場。長さ約140mの巨大な工場に、繰糸器が並ぶのは圧巻で、糸が細くなったら次の糸を足すために、糸の太さを測る方法、湿度の高い日本では、一度の糸繰りでは、糸がくっついてしまうため、一度巻き取ってから、もう一度巻きなおすことなど、ノウハウの塊だ。
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ブリュナ館、女工館、診療所など、白く塗った木造のコロニアル風の建物で、オーストラリアの母校(小学校が分校だった)を思い出す。アラフィフの私でも日本国内の小学校は木造ではなかったのだが、高齢の観光客が、昔の学校はこんな風だった、と話していた。大きな窓や、並んだ水道が、どこと無くノスタルジックだ。
当時の日本としては珍しく、週末にお休みがあったそうだし、
技術の高い女工さんは、職位も高くなっていったそうだし、合宿制だし、
ここで働く女工さんたちは、楽しかったんじゃないか、と娘は想像していた。
(まあ、フランス人経営者の開業当時はそのとおりだったみたいだけど、
その後は日本人の経営になって、女工哀史的になって行ったらしいけどね。
富岡製糸場の説明は、その時代の労働者側にたったものは無いので……)富岡製糸場 名所・史跡
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ブリュナ館を回り込むようにして裏側に出ると、鏑川が見える。普通にきれいな川の風景だった。この水も含めて、製糸場に適した場所だったのだな。
鏑川 自然・景勝地
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【富岡製糸場 鉄水溜】
製糸に用いる水を確保するため、雨水を溜めていたという巨大な金属盥。軍艦造船技術であるリベット止めが使われ、400トンの水を溜められたそうだ。まったく錆びていないように見えるが、黒色なので黒錆で不動化しているのか。横穴から中が覗けるようになっているので、ぜひ。富岡製糸場 名所・史跡
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【富岡製糸場 西置繭所】
現在改装中の西置繭所。写真左半分の壁は、実は工事用の保護布に柄をプリントしただけのものなのだが、右のガラス部分では、建物をすっぽり覆って保護しつつ分解した様子が見られる。痛んでいないところは昔のものをそのまま使うそうで、また、屋根の瓦も何種類かのマークがあって、時代が違うのかもしれない、など、研究しながら、修理しながらの工事は、とても面白そうだった。 -
そういうわけで、ヘルメットを貸してもらって、工事中の様子を見に行くことができる。ここは写真撮影は禁止だが、建築に興味のある人はとても面白いだろうと思う。
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【富岡製糸場 東置繭所の二階】
正門から見て建物の裏側を登ると、繭を貯蔵していた巨大倉庫に入れる。木の天井が高くて、ほの暗く静かで、とても美しい。2階に乾燥させた繭を、1階は事務所・作業場として使っていたようだが、この下がちょうど、繭引きの実演などをしていた場所に当たる。 -
国宝になってたんだな……ここ。
ここの屋根もトラス造りで、晴れた日には窓を開けて、繭を乾燥させたそうだ。ふわりと軽いけれど、軽いからこそ、数を数えるのは大変だったろうな。 -
これは昔書かれたチョークの文字。繭の袋をカウントしていたのだろう。一桁の計算式まで書き込まれているのが、実直でまじめな人たちを想像させる。
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この建物の1階で、柱に「人は絶対に乗るな 工場長」という表記を見て、何に乗るなと書いたのだろう、と悩んだのだが……二階に行ってみて分かった。繭を乗せて運ぶ、籠のようなエレベータがあるのだ。
そのすぐ横には細い階段もあって、確かに、人間は乗るな、って書かないと、乗っかっちゃう人がいたんだろうな(乗ったら危険だろうし)、と、ほほえましかった。 -
【蓮照寺】
富岡製糸場から出て、鏑川のほうに向かうと蓮照寺がある。パンフレット類に細かな説明は無かったのだが、灯篭が派手で、建物の作りも植えられた花の華やかさも、結構好きだ。蓮照寺 (富岡市) 寺・神社・教会
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何箇所かで売られていたけど、土産物で一番インパクトがあった蚕チョコ。桑の葉が抹茶で、蚕はクランチが入ったサクッとしたミルクチョコで、美味だ。ほかにも、富岡シルク石鹸や、化粧水など、絹織物以外にも土産物がいっぱい。チョコレートは街中の小さい偽で扱っていることが多いが、シルク石鹸や絹織物、繭玉を使ったキーホルダーのキットなどは、上州富岡駅から遠くない【お富ちゃん家】で手に入りやすい。富岡製糸場内よりも、外のほうが幾分安いかも。
まちなか観光物産館 「お富ちゃん家(ち)」 お土産屋・直売所・特産品
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忘れずにこれも撮影した。富岡のマンホール。藤の絵のようだ。
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上信電鉄で高崎に戻る。1時間に1,2本の電車だが、線路とそこを進む電車はとても絵になると思う。
上州富岡駅 駅
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高崎で借りているウィークリーマンション。さすが都内よりもずっと広くて、快適だ。炊飯器やティファール、調理器具に食器までは当然としても、ティッシュやトイレットペーパー、洗剤なども一通り置かれていたようで、サービスと使い勝手はよさそうだった。高校(東京)や大学(横浜)の友達が入れ替わりやってくるようで、広いベッドや布団は必須アイテムとしてそろえられていた。
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高崎の駅ビル、【イーサイト高崎】で購入してきた食材類。下仁田蒟蒻が有名なのと、あとは下仁田葱だろうか、ということであえてみやげ物っぽいものを選んでみた。
イーサイト高崎 ショッピングモール
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ほかの食料品類は駅ビルの反対側【高崎モントレー】の地階で。肉類野菜類は都内よりもはるかに安いが、あれ?と思うようなものが高くて、場所によって食材の価格は違うのだなあ、と実感した。
右はしゃぶしゃぶに下仁田葱をトッピングしたもの。左は……高崎まで来てあえて食べるのもなんだが、全国展開しているパン屋さん【ヴィ・ド・フランス】の鯨パン(メロン味)。高崎モントレー ショッピングモール
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さて、高崎名物といえば、もうひとつ、だるまもそうなんだそうだ。イーサイト高崎の中にもダルマコーナーがあって、白、黒、赤のだるまが飾られていた。
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高崎駅西口にある「だるまの詩」というレリーフ。雨にぬれてとても色鮮やかだ。
高崎駅 駅
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というわけで、翌日は達磨狙いで、【少林山達磨寺】に向かう。高崎駅から路線バスと観光バスっぽいのと両方出ているのだが、山の登り口のすぐ近くまで行く【市内循環バスぐるりん】が安くてお勧めだと、高崎駅のインフォメーションで教えてもらった。ただし1時間に1本くらいなので、インフォメーションで、運行表をもらっておいて、帰りの時間を考えて下山するのがよさそうだ。
オレンジ色のラインが、我々の見学したコース。市内循環バスぐるりん 乗り物
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【黄檗宗少林山達磨寺 総門】
少林山入口のバス停を下りて、少し振り返ると達磨寺の総門が見えるのだが、道案内は先の坂道を示しているので、その文字にしたがって、舗装された坂を進む。少林山達磨寺 寺・神社・教会
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だらだらとした坂道を上がっていくと、到着。なんでも張子の達磨発祥の地だそうで、途中に駐車場がたくさんあって、季節には混み合うのだろうな、と想像する。
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達磨の立像、坐像、古いものなどいろんな達磨の展示されている達磨堂。達磨の顔の絵は、その地域によって違うとか、同じ地域でも絵師によって少しずつ違って、好みの絵師の達磨を購入して、その後、このお寺で祈祷法要をし、魂を入れてもらうのだそうだ。歴代総理の達磨が飾られていて、おお~、と、感激する。
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【黄檗宗少林山達磨寺 霊符堂】
本堂にあたる霊符堂。左右に納められた大量の達磨は圧巻。球団ほか、スポーツ団体が収めたものが多いようだ。少林山達磨寺 寺・神社・教会
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【セレクトショップだるだる】
達磨堂の左をまわると、達磨やアクセサリーの販売&喫茶の【だるだる】がある。雨が強くなってきたので、雨宿りついでに入店。結果的に大正解だった。店の女主人に、このお寺のいわれや達磨の話を色々教えてもらえた。
達磨の眉に見えるのは横向きの鶴、頬の部分と鼻が亀。顔の脇や鼻下のひげで、松と竹を示していて、縁起物を集めてある。邪気を払う赤い達磨が基本だが、蚕の願掛けを白い達磨で行ったために白もある。風水などでカラー達磨に意味を持たせる場合もあるが、この寺では、好きな色を手元に置くという以上の意味合いを持たせていない、等。片目を入れる願掛け達磨も、達磨のサイズの読み方も、色々教えてもらった。 -
ローズヒップのハーブティがとてもきれいだった。400円なり。客が二人でシェアすることも可能で、その場合にはもっと小さなカップを二つ出してくれる。商売っ気が無いんだな……と思う。群馬は何も無いといいつつも、地元愛はちゃんと強くて、素敵な女性だ。
その合間にも、強い雨に駆け込んできたお客さんに「車に傘が置いてあるなら、それよりもっと安いのがあるわよ」と、ビニール傘を勧めていた。 -
話を聞いてから達磨を見ると、また趣が違う。お顔の種類が何種類かある。色も何種類かある。真ん中の緑の達磨は、甲子園出場と書かれて、高校名が入っていた。
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【黄檗宗少林山達磨寺 観音堂】
この建物が達磨寺で一番古い、茅葺屋根のお堂。300年前は「無尽法蔵」という一切経を納める経蔵でその後、霊符堂となり、明治時代に霊符尊が本堂に遷座したのち、このお堂は十一面観世音菩薩を祀る観音堂になったそうだ。 -
階段を下り、事務所や講堂のところに戻る。天気はよくないのだが、濡れているせいで緑が深くて、パワースポットという言葉が本当なら、ここはそうなんだろうな、と思う。
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【少林山達磨寺 百庚申】
雨に濡れた石の風情が、すばらしく良い。ここも、願掛け地蔵も放生池もとても雰囲気が良い。放生池は魚しか見えなかったが、探せば亀もいたのかな。 -
【招福の鐘】
大石段を降りる前にくぐる【鐘楼】に【招福の鐘】が吊られている。寺務所とお札などを販売している瑞雲閣の横から、細い階段で鐘楼に上がり、鐘を突くことができる。願をかけながら二回、突くのだそうだ。とてもよい音だ。
娘が気に入っていたので、動画で録音したのかと聞いたら、そういうことをしてはいけない気がするーーと返された。心置きなく聞いたようで、だから、満足なのだろうな。
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