7か月振りのフィリピン訪問 ④ ー ルソン島南部ビコール地方のレガスピィとナガへ（前篇）

2017/07/12 - 2017/07/16

7か月ぶりのフィリピン訪問。人も自然も何も変わっていなかった。懐かしさと共に新たな発見もあった。旅の最後にこれまで行ったことがないビコール地方アルバイ州のレガスピィ（Legazpi) と南カマリネス州のナガ （Naga）を訪ねた。マニラから南下して500 km 位のところに位置する。

これらの土地への交通手段はバスと飛行機がある。バスだとレガスピィまで10～11時間もかかる。これでは時間がかかりすぎるので、飛行機で行くことにした。出発日の前日旅行社に行ったら、すぐチケットが購入でき、実際当日飛行機に乗っても満員という程ではなかった。

帰路はナガから同じように飛行機を利用してマニラに戻りたいと思っていたが、便数が少なく、料金もかなり高く、やもう得ずレガスピィから帰ることになった。

先ずは、レガシピィを紹介したい。

＊ カバー写真はビコールのシンボルとも言うべきマヨン山で、標高2496メートルあり、今なお活動を続ける活火山である。レガスピィではどこででも見ることが出来る。

エリア ルソン島(フィリピン)

• 旅行の満足度: 5.0

二ノイ・アキノ国際空港第３ターミナルからレガシピィへ向けて出発した。飛行時間は1時間20分ほどで、あっという間に着いた。

ニイノ。アキノ国際空港第３ターミナル待合室の様子。レストランや売店は少なく、長時間待つのは多少苦痛であった。しかし、無料Wi-Fiは使用可能なので、しばらくメールをチェックしたり、画像を取り込んだりして時間をつぶした。

レガスピィ空港に到着。小さな空港で驚いた。日本の地方都市の空港よりも一回り小さくしたような感じで、こじんまりしていた。

乗ってきた飛行機の背後に大きな山が聳えている。これが有名ななマヨン山で、活火山である。しばしば噴火を繰り返していて、一番新しいのは2014年8月の噴火で、大きな被害をもたらしたそうだ。

マヨン山はまるで富士山のような形をしていて、戦前から在留邦人に「ルソン富士」と呼ばれていたほどである。その優雅な姿はレガスピィではどこででも眺められる。

今回ホテルの予約は全くしていなかったが、どのホテルも空いていて、行く前にそんなに心配しないでも大丈夫であった。

旅行案内書に出ていたホテルで カサブランカ・ホテル （CASABLANCA HOTEL）というのがあり、こぎれいでよさそうだったので、タクシーで行くことにした。運転手に行き先を告げると、このホテルよりも同じ名前のカサブランカ・スウィート（Casaburanca Suites） というホテルの方がよいと連れてこられたのがこの写真のホテルである。

翌日、偶然最初に考えていたホテルの前を通ったが、確かに古そうで、あまり快適そうなホテルとは言えそうもなかった。タクシードライバーのアドバイスに従ったのは正に正解であった。

ホテル１階のレセプション。このホテルはこじんまりとしていてはいるが、水準以上のホテルと言ってもよいであろう。

室内の様子。どちらかと言うと、ビジネス・ホテル風で、そんなには広くはないが、必要なものはコンパクトにまとめられていた。

ホテルでの朝食はブッフェではなく、オーダー制で、フィリピン、アメリカン、コンチネンタルの他にアラカルトで色々あった。小生が選んだのはコンチネンタルで、写真のようなものである。

ホテルの部屋から間近にマヨン山が見え、その間近かで見る迫力には驚いてしまった。

ある日の昼食。３種類の料理をオーダーした。一番上がTinapa Fried Rice（チャーハン）, 真ん中が Sinabawan Soup （スープ）, 手前が Bahay Kubo Salad （ナスのサラダ）である。どれもこの地方の料理である。

Tinapa Fried Rice (ティナパ・フライドライス）は初めてである。分量が多すぎ、小生たちには十分すぎる程であった。

デザートにアイスクリームを頼んだ。これはどう見てもアイスクリームであるが、食べると、確かにアイスクリームだ。だがすぐに唐辛子の辛さが鼻にきた。名前はSili Ice Cream である。Sili ととうのは唐辛子のことで、つまりこれは「唐辛子アイスクリーム」なのだ。

レガスピィではダラガ教会 （Daraga Churchまたは Hill Top Church とも）を先ず訪ねた。この教会は1771年に建てられたバロック調の美しい姿をしているが、しばしばマヨン山の噴火に遭い、大きな損傷を受けたが、それにも耐えて現在も使用されている。

外壁がかなり損傷を受けているが、あちこちに施された彫像がいるところ残されている。

聖堂の中に入ってみた。修復されたのだろうが、想像以上にシンプルな姿をしている。

祭壇の部分。

祭壇には十字架上のイエス・キリストの姿がある。

左右の壁にはイエス・キリストの生誕から復活までのストリーを描いた絵が飾られている。

壁際にはキリストを初めとする聖人像が並べられている。

聖堂の入口。薄暗い内部から外の明るい景色が眺められる。

教会の外に出て壁のあちこちに彫られている彫像を見てみた。熱風で焼かれたようなものがたくさんある。

ここからもマヨン山が見える。マヨン火山の何度もの爆発でこの教会は大きな被害を受けたが、今なお力強く立ち、このビコール地方の復興のシンボルとなっている。

カグサワ教会遺跡 (Cagawa Ruins) は1814年2月のマヨン山の噴火で、大きな被害を受けたところである。今ではベル・タワーしか残されていないが、かなり大きな教会であったようである。

遺跡の外壁が今でも生々しく残されている。

遺跡には様々な花が咲き乱れていて、特にこの黄色いハイビスカスに目を奪われた。

遺跡の入り口付近には土産物屋が何軒もある。どこも同じようなものを売っているが、目を引いたのは色彩豊かな手工芸品である。

なかなかセンスのあるバッグが売られている。

室内の飾りだろうか。色とりどりの、丸いのやら円筒形のもの等色々あった。

これらは貝で出来た室内装飾品で、照明器具としても使えそうである。

地震測候所があり、訪ねてみた。突然の訪問であったがが、快く迎えてくれて、マヨン火山を観測するための器具や仕組みを説明してくれた。機器類は日本からの寄付されたものがいくつもあり、十分使われているようであった。

２日目の晩には、KORON という郷土料理のレストランで夕食をとった。

このようなものを食べてみた。

野菜やら肉やらいろいろな食材がいっぱいのシネガンスープ。

これは Fried Halo Halo で、最初どんなものか想像出来なかったが、運ばれてきたのを見ると、普通のハロハロに春巻きのようなものが添えられているだけであった。

同行してくれた友人がたわむれにポーズを取ってくれた。

レガシピィ教会（Church of Legaspi) はなかなか美しい教会である。

形の美しい教会である。

会堂の内部。

この教会はステンドグラスが素晴らしい。

先のキリスト像とはかなり印象の異なる感じがするが、如何だろうか。

聖母マリアと幼子イエス像。

暗い会堂にステンドグラスを通して入って来る光が大変美しい。

カサブランカ・スイートから別なホテルへ移った。このホテルはLotus Blu Hotel 　(ロータスブルーホテル）といい、ネットで見つけたホテルである。

ロータスブルーホテルは街の中心部にあり、カサブランカ・スイーツに比べると何かと便利であった。

ホテルの部屋は広々としていて快適であった。

部屋のインテリアは中国風な感じがした。ホテルの人に聞くと、オーナーが中国系の人なので、その影響で中国的な要素があるとのことであった。

家具類がデザインや色が統一されていて、落ち着いた雰囲気を出している。

べッド脇に置かれたテーブルランプも落ち着きを醸し出していて、気に入った。

マヨン山とアルバイ湾。港の向こうに雄大なマヨン山が聳え、美しい姿を見せている。

レガスピィ港。

「レガシピィ・ブルーバ―ド」という快適な遊歩道を歩いてみた。ちょうど天気は快晴で、マヨン山の美しい風景を楽しむことが出来た。

遊歩道は数キロに渡って延びていていたが、厚い日差しの中を歩き回るのは大変であった。

リグノン・ヒル（Lignon Hill）から眺めたレガスピィの街並み。写真の手前に道路のようなものが走っているが、これは道路でなく、空港の滑走路であった。

ホセ・リサール像が街の中心部にある。彼はスペインからの独立に貢献した英雄として讃えられ、フィリピン全国どこにでも銅像が立っている。

レガスピィに3泊の後バスでナガへ移動した。3時間くらいかかった。この後ナガ篇が続きますので、ご覧ください。