2017/06/25 - 2017/06/25
8位(同エリア119件中)
かっちんさん
サロベツ原野は1万年ほど前、海とつながる大きな湖だったところに生えた植物が枯れて、分解されないまま泥炭となって積み重なり、約6千年かけてできた湿原です。
栄養分が乏しく、厳しい環境に適した様々な植物が次々と花を咲かせます。
6月下旬にはエゾカンゾウ、エゾスカシユリ、カキツバタなどの花々が、サロベツ原野を彩ります。
今年はサロベツ原生花園に遅霜があり、エゾカンゾウの咲き具合が少なめです。
しかし、海岸沿いのオロロンライン周辺は遅霜の影響を受けず、橙色(エゾスカシユリ)と黄色(エゾカンゾウ)に染まる見事なお花畑になっています。
今日はサロベツ原生花園、オロロンラインのお花畑、兜沼の「言問の松」などをめぐります。
旅行記はサロベツ湿原センターの資料や話を参考にしました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー JR特急 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
宗谷本線 豊富駅(とよとみえき)
日本最北端の稚内から早朝の特急サロベツ号に乗り、豊富に移動してきました。
ここは天塩郡豊富町です。 -
稚内行き普通列車と交換
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とよとみ牛乳
サロベツ原野を中心とした牧草地帯で生産される、優れた原料乳を最大限に活かし、自然の恵みあふれる牛乳です。
北海道ではお馴染みのコンビニ「セイコーマート」で売られている「北海道牛乳(商品名)」は、ここ豊富の牛乳なんです。 -
駅前の水飲み場
40年前に訪れた時にもあった水飲み場でしょうか?? -
沿岸バスの回数券
豊富から路線バスに乗り、終点の「稚咲内(わかさかない)」まで行き、帰りに「サロベツ湿原センター前」で降りることにします。
日本海に面した稚咲内は、晴れていれば利尻富士が見えるところです。稚咲内で折り返すまでの停車時間は41分、その間に海岸沿いの花が鑑賞できます。
バス料金は、豊富~稚咲内640円、稚咲内~原生花園400円、合計1,040円。
2人で2,080円なので、1,200円分利用できる1,000円回数券を購入します。 -
終点の稚咲内第2バス停
バスを降りる頃は残念ながら大雨。
海風が強くて傘がさせず、ヤッケに身を包み、原野の花を探しに行きます。 -
サロベツ原野の湿原分布(湿原センター展示より)
豊富市街の西一帯に、サロベツ原野の湿原地帯があります。
現在位置と書いてあるところが、高層湿原のあるサロベツ湿原センターです。
そこからさらに西へ進むと、稚咲内砂丘林があり、日本海に面したササ草原の稚咲内に出ます。 -
イチオシ
エゾスカシユリの群落(稚咲内)
オロロンライン(国道)の脇に咲いています。 -
エゾスカシユリの花色(稚咲内)
橙色だけでなく、朱色の濃いものもあります。 -
砂丘の草地に咲くエゾスカシユリ(稚咲内)
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黄色のエゾカンゾウ(稚咲内)
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砂丘列(稚咲内)
海岸に並行した列状に砂丘が並んでいます。
列の境目に段差があるので、砂丘列の様子がわかります。 -
サロベツ原生花園
稚咲内から駅に戻るバスに乗り、「サロベツ湿原センター」に移動してきました。
原生花園はいつでも入ることができ、湿原の成り立ちなどを説明した湿原センターは5月~10月休館日なしです。 -
サロベツ花だより(湿原センター)
2017年6月20日現在の見頃は、コバイケイソウ、カラマツソウ、カキツバタです。
スタッフの方からの話では
「今年のエゾカンゾウは、遅霜の影響で花の数が少ない。
でも、海岸線の花は遅霜に影響されず見事なようです。」 -
湿原の中に遭難船・・・
サロベツ原生花園の木道を歩き始めると、いきなりこんな姿が。 -
近づいてみると・・・
これは泥炭層を採掘していた浚渫船(しゅんせつせん)です。
湿原の地盤はきわめて軟弱なため、機械が沈まないように特殊なロータリーカッターを装着しています。
採掘した泥炭は、水と共にパイプラインで工場に圧送します。 -
水洗分離機
浚渫船で採掘した泥炭は、パイプラインで工場に圧送され、水洗分離機で原料となる泥炭の繊維質に分離され、製品化の工程へと進みます。
残りの水と泥炭残さ(残りカス)は、工場から水路を通って採掘跡地に戻されました。 -
泥炭ブロック(湿原センター展示)
北海道では、安価な燃焼として使われていました。 -
ピートモス(湿原センター展示)
ピートモスは採掘した泥炭を粉砕・乾燥したものです。
多くの繊維質を含んでいるため通気性、保水性、保肥性が高く土壌の改良に用いられます。
現在の湿原センターのある場所では、2004年に工場が閉鎖されるまでピートモスの製造が行われていました。 -
サロベツ原生花園の木道
エゾカンゾウがパラパラと咲き始めています -
エゾカンゾウ
黄色のラッパ状の花を横向きに数個つけています。 -
カキツパタ
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ヤナギトラノオ
黄色いブラシのような花を多数つけてます。 -
原野に咲くエゾカンゾウ
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湿原の成り立ち(説明板)
サロベツ湿原は日本の低地で一番広い高層湿原を有しています。
かつてサロベツ湿原は大きな潟湖(せきこ)で、6千年ほど前から砂丘の発達によって海と遮断されて湿原の形成がはじまりました。 -
カキツバタ
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木道から眺めるエゾカンゾウ
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泥炭採掘の歴史(説明板)
浚渫船による泥炭採掘は、昭和45年(1970)に始まり、30年間で高層湿原域を中心に全面積の約16%(150haあまり)に及びました。
採掘された泥炭の残さ(残りカス)と水は水路で採掘跡地に戻されました。
水路に近い場所は残さの堆積で水面がふさがることで、裸地の状態から植生の回復がみられます。
水路から離れた場所では、今でも広大な開水面が残っています。 -
開水面が残る採掘跡地
池のようになっています。 -
イソツツジ
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エゾカンゾウ
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コバイケイソウ
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カラマツソウ
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野鳥観察の人
一人だけ違う野鳥を追っかけているようで・・・ -
イチオシ
エゾカンゾウとカキツバタ
展望デッキのあたりです。 -
コバイケイソウ
今年は花の当たり年のようです。 -
2013年のサロベツ原生花園
4年前の6月末に訪れたときは見事なお花畑となり、利尻富士も見えました。
毎年、花の咲き具合が異なります。 -
イチオシ
満開のエゾカンゾウ(オロロンライン)
サロベツ原生花園から駅へ戻るバス便はしばらくなく、歩くつもりでしたが、大雨のためタクシーを呼びました。
タクシーにせっかく乗れたので、海岸線の「オロロンライン」と「言問の松」をまわって豊富駅に戻ることにしました。 -
海岸線に続くお花畑(オロロンライン)
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エゾスカシユリも(オロロンライン)
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イチオシ
エゾスカシユリの群生(オロロンライン)
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名もない花の原生花園(オロロンライン)
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見事なお花畑とお別れ(オロロンライン)
稚咲内から北へ16kmの地点から内陸部に入り、兜沼にある「言問の松(ことといのまつ)」へ向かいます。 -
どっしりとした「言問の松」
樹齢約1200年のイチイ(オンコ)の木は開拓のはるか以前から、兜沼のほとりに立ち歴史を見つめてきました。
明治時代に、入植した開拓者が伐り倒そうとしましたが、何人も怪我をしたり病に臥したりしたため、神のお告げがあると考え、以後この土地の守り神として敬愛されてきました。
大木というよりは、どっしりとした威厳のある樹木です。 -
太い幹の「言問の松」
「こととい」の名は、この老樹に昔のことを訊ねると、何ごとでも知っており語ってくれると信じられたことに由来しています。
北海道の記念保護樹木に指定されています。 -
乳業の町(豊富)
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豊富駅ホームを彩るルピナス
北海道の駅ではルピナスがよく見られます。 -
イチオシ
ルピナスが似合う特急サロベツ号(豊富)
サロベツ号に乗り、今晩の宿のある天塩中川へ向かいます。
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