2017/05/24 - 2017/05/25
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motogenさん
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ついに帰国となる。
最初の計画では、バナウェイからマニラに行きのバスに乗り、マニラで1泊して空港に向かうつもりだった。
ところがバギオから空港への直行バスがあることを聞き、マニラ恐怖症の私はこのバスに飛びついた。
まずはバギオに戻る。
しかしバギオ行きのバスは、夕方発しかないようだ。
バギオの治安は良いとはいえ、深夜到着はちょっと心配。
午前中発の乗り物はミニバンしかなく、仕方なくミニバンのチケットを買った。
ITTAG社のミニバンで、350ペソ( 850円)だった。
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- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
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-
帰国に関しては、必要以上に神経質になってしまう。
飛行機に乗り遅れたら、困ったでは済まされない。
途中でトラブルがあっても良いようにと、時間には大幅な余裕を持たせ、出発予定の1時間前から乗り場に行き、車を確かめ、乗り込んで待っていた。 -
10分ほど遅れてバスは出発したが、南に向かって走っている。
バナウェイホテルを通過し、オハヤミバス乗り場を通過していく。
あせってマップを見る。
すると、ボントックを通らずに南回りでもバギオに行けるようだ。 -
それでオハヤミのバス乗り場は、町の南にあったのか・・・と理解できた。
この道がマニラから来る正規のルートだ。 -
50分かけて南方面の山を越えると、町の営業所で小休止。
待っていた客が乗り込んできて、満車となった。 -
その後はなだらかな坂道が続いた。
わずかな勾配の広々とした大地の中を走る。
富士の裾野を思い出した。 -
どこもかしこも青々した稲だ。
ミニバンは90kmのスピードを出して、光輝く緑の大地を疾走していく。
外の風を気持ち良さそうだが、この車の窓は開かない。
効いているのか分らないエアコンの風が、生温かく顔をなぶっていく。
バイクなら、さぞかし気持ちが良いことだろう。 -
この南周りを走る理由が理解できた。
距離ではたいして変わりはないが、こちらは平地で直線的で、スピードが出せるのだ。 -
名も知らぬ町や集落を通過していく。
-
大きな町に入ってきた。
スタートから2時間が経過している。 -
過積載のトラックがのろのろと重なって走り、町中は重大気味となった。
「ここは我慢・・」と思っていると、ミニバンは路地に入って裏通りを走ったりして、、 -
スピードを緩めることなく、上手に立ち回っている。
-
平地を走り続けてきたが、高い山が近づいてきた。
バギオは山頂の町だ。
最終的には山に登っていかねばならない。 -
谷間に突入していく。
川の上流を目指して、これから山登りだ。
怪しい雲が空をおおってきていた。 -
曲がりくねった山道を登り始めると、案の定、大粒の雨がたたきつけてきて、ワイパーを動かしても10m先が見えなくなっている。
それでも車は果敢に走る。
身を固くして窓の雨を身つめていた。 -
山を登り切る頃には、雨は小降りとなっていた。
トイレ休憩となった。 -
止まった場所は三叉路で、東に向かえばプログ山、西はバキオの標識が立っていた。
右の登り坂が、今山越えしてきた道路で、左の下り坂がプログ山だ。
スタートから4時間が経過。
あと1時間ほどでバキオに到着するらしい。 -
目の前で、ポリスが銃をかまえて検問している。
何かあったのだろうか?
バキオ近くは渋滞していたが、何事もなくバギオに到着した。
乗車時間は6時間以下だった。
霧雨の中をYMCAまで歩く。 -
YMCAのドミトリーは、一つのベッドに荷物が置かれていただけで、部屋には誰もいなかった。
クリーンな部屋だ。
目の前で新しいシーツが設置され、毛布とマクラカバーを受け取り、部屋の鍵をもらってチェックイン完了。 -
トイレも綺麗で広くて、気持ちが良い。
-
温水シャワーも完璧だ。
ボントックで一緒に歩いたマイアミ夫婦が、
「バキオのYMCAはシンプルだけど、ナイスだよ!」
と言った言葉を思い出した。
400ペソ(1000円)と安くはないが、フィリピンの割高な宿泊料金から言えば、まずまずだろう。 -
ジョイバス乗り場の偵察に出かけた。
YMCAから歩いて5分だった。
横断歩道の脇に立っていると、どの車も止まってくれる。
バギオの交通マナーは日本並みで、ここがフィリピンなのかとびっくりし、嬉しくもなる。 -
バス乗り場は食堂や食べ物屋が軒を並べ、バス待ちの人たちがで混雑していた。
治安は良さそうだ。
-
試しにチキンバミを食べてみた。
さっぱり味で、疲れと緊張の連続の胃袋にちょうど良い。
50ペソ(125円)と格安だったのも心を休める。
周囲の食堂を観察すると、どの店も格安で、ここは物価高のバギオの穴場だと思った。 -
バスの発車は早朝4時。
ごろりと横になって、身体を休めるだけにする。
うつらうつらしていると、深夜になって一人の若者が帰って来て、シャワーを浴びるとすぐに眠ってしまったようだ。 -
3時。
余裕を持たせて深夜の移動。
車が時折通過するだけで人の姿はないが、特に怖さもなく、乗り場に到着できた。 -
深夜なのに、バス乗り場には煌々と灯りがつき、店は夕方と同様に開いていて、バス待ちの人もたくさんいた。
ここは不夜城だ。 -
ジョイバスのチケット売り場で休憩していると、チケットを買いに来る客もいた。
この時期は、予約などしなくても直前に買えるようだ。 -
発車30分前にバスのドアが開いた。
3列シートで足元の余裕たっぷり。
充分なリクライニング、膝乗せの仕組みもあって、快適、快適! -
定時に出発して坂道を下っていく。
窓の外には、漆黒の闇の中に、町の灯りがまたたいている。
バキオの町が遠ざかっていく。
窓に顔を張りつけて夜空を見上げると、輝く星のなんと多いこと!
なんと綺麗なこと!
天の川も見える。
夕方から夜はいつも雨なのに、今は晴れ渡っている。
奇跡だ。
こんな星を見ながら一晩を過ごせる旅をしてみたいと思った。 -
うつらうつらしていると、窓の外は薄明るくなっていた。
うす霧の中を、バスはハイウェイを走っている。
-
ハイウェイは広い緑の大地の中に、まっすぐ伸びている。
この速さで走れば、マニラはあっという間に到着だ。
もう1本遅い便でも良かったと、後悔した。 -
気かつけば、ここはもうアンヘルスの近く。
-
ところがマニラに近づくと道路は大渋滞。
信号もないのに、走ったり止まったり・・・
歩く方が速いのかも知れない。 -
そんな渋滞の中を、2時間以上もかけて空港に到着した。
それでも時間的には、あり余るほどの余裕がある。 -
振り返れば、乗ってきたバスがポツンと止まっていた。
ここから見るマニラは、静かで、整然とした、綺麗な街だ。
治安の悪い街だとはとても思えない。 -
ここ数日、ズボンがずり落ちそうだ。
ベルトもこれ以上は短くできず、常に両手で引っ張り上げている。
間食抜きの節制と、運動で痩せたのだ。
(帰宅して体重を計ったら、2kgも少なくなっていた。)
そんな健康的なフィリピンの旅が終わる。
自分へのプレゼントで、カツ丼を食べることにした。
日本食はやはり美味かった。 -
なぜ、わざわざ苦労するフィリピンなんぞへ・・・
出発する前のそんな重苦しい気持ちは、来てみればすっかり消滅し、親切な人たちの助けを受けて、今回もまた楽しい旅ができたのでした。
人の情けほど嬉しいものはありません。
現地て使った費用は4万円以下、航空代を含めても6万円以下で済みました。
こんな旅なら、何回でもOK!
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この旅行記へのコメント (4)
-
- もっくさん 2018/08/10 09:25:48
- 貴重な記録
- 貴重な記録ありがとうございました。
- motogenさん からの返信 2018/08/10 22:01:22
- Re: 貴重な記録
- ありがとうございます。
ハラハラしながらのフィリピンでしたが、何かのお役にたてば嬉しいです。
-
- trat baldさん 2017/07/13 07:14:09
- 解り易い編集後記(^o^)
- 旅の費用総額が安ければ相対的にコスパが上がるから対費用効果として自分のお財布に跳ね返るけど、旅が本当に楽しかった(厳しくも)のはフィリッピン人の人懐っこさが理由だと思う。
経済第一の首都マニラではこうはいかないでしょう、旅行記の内容にmotogenさんが前職に触れていたけど、知的好奇心を見聞という肉体的好奇心に昇華させた歩き旅が更に価値ある一品にしましたネ!
- motogenさん からの返信 2017/07/14 14:36:31
- RE: 解り易い編集後記(^o^)
- 毎回のアドバイス、ご感想、ありがとうございました。
次はどこに行こうかと悩んでいましたが、まだ行けなかったミャンマーに決めました。
軍事政権で鎖国同然だった頃は、入国の制限で、開国となってからはヤンゴンのホテル代は10倍となり、貧乏人には縁遠い国になってしまいました。
ヤンゴンを通らずに行ってきますが、ビザ、両替、宿泊施設探し、なかなか面倒で気が重くなっています。
時期は9月後半ですので、じっくり考えます。
貧乏人でも楽しめるアジア、どこか良いところがあったら紹介してください。
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