2016秋　岡山・姫路旅行１：念願のサンライズ瀬戸に乗車して矢掛町へ、世界の民族衣装展を見学する

2016/10/08 - 2016/10/11

2016年10月8～11日
久々の平日休みと10月の3連休を使い、岡山・姫路へ。
第一の目的は小田郡矢掛町のやかげ郷土美術館で行われた世界の民族衣装展を見に行くこと。
ついでに倉敷の美観地区や長年の課題だった岡山市のオリエント博物館、そして姫路城へと帰路寄り道しつつの旅。

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岡山出身の知人たちにアレコレ聞いて旅程を確定させ、時間の都合とどうせ行くなら夜行列車で！という結論に至り、念願のサンライズ瀬戸号に乗り込む。
思えば日本の夜行列車って初めてだ…海外の夜行列車は数あれど。日本では夜行列車がもう絶滅寸前ってのもあるかもしれない。あの独特の旅情がスキなので、この現状はちょっと寂しい。

ともあれ初のサンライズ号はとても綺麗でストレス0！星空に包まれた、特別感あふれる一夜の経験となりました。
そして美術館の民族衣装の展示と、元宿場町の矢掛町の歴史ある町並みももちろん素晴らしかったです。
矢掛町はなかなか行きにくい場所ではありますが、近郊に住んでいる人には是非足を運んで欲しい、のんびりとした町でした。

エリア 井原・矢掛(岡山)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5
• 交通: 3.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: JR特急 JRローカル 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

2016年10月8日
今回の岡山旅行のきっかけは、『市田ひろみコレクション 世界の民族衣装展』という展示会、これを知ったことから始まった。
族ガール的にはめっちゃ気になる！これは行かねばならぬ！という義務感に近い衝動に駆られ、岡山行きを決意する。
http://m.walkerplus.com/event/ar0833e158939/

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岡山県小田郡矢掛町という、メジャー処の観光地ではない小さな町の郷土美術館への交通手段はローカル線。電車の時間を調べると、日中は約1時間～1時間半に一本という…おおう。
のっけから暗礁に乗り上げましたが、時刻表とニラメッコして必死でルートと旅程を考える。

まだ本数のある朝の時間帯に着くには、東京からでは夜行列車を使うしかない！という結論に。
ってことで、前々から乗りたかったサンライズ瀬戸／出雲を使ってGO！3日前に買ったところ、喫煙ルームが２席残して売り切れ。迷わずそのうちの１つをゲット。

運賃は東京→倉敷間の運賃10480円+B寝台シングル7560円+特急料金3240円=21280円
同じ区間で新幹線だと16300円なので+5000円の差額。夜行高速バスだと1万ちょっと。
なので割高にはなるが、寝台列車独特の風情はこのサンライズでしか味わえないのだ。
乗車券は往復割引を利用したため実際はもう少し安かった。行き+帰りの乗車券で計3万弱。帰りの新幹線特急券は現地購入した。

サンライズ瀬戸／出雲についてはこちらのサイトが詳しかったです。
http://www.geocities.jp/iamreck_mybb/ec285/setsubi.html

東京駅 駅

10月8日(土) 21時半 東京駅10番線ホーム
サンライズ瀬戸&出雲がすでに停車中。全14車両での運行するこの列車、1～7号車が高松へ、8～14号車が出雲行き。岡山まで連結して運行、岡山駅にて切り離し作業が行われる。
間近に見るとテンション上がります！このワクワク感が最高。

サンライズ瀬戸 乗り物

部屋はは上段と下段に分かれています。さっそく内部へGO!

通路。予想よりも明るくて綺麗、ちょっとしたビジネスホテルのようですらある、清潔感あふれる車内。

車内全図。瀬戸と出雲で同設備。共有部にはシャワーとラウンジがあり、自販機もある。車内販売は無いので食料は持ち込み必須。

今回は13号車のシングル喫煙室。心配していたタバコの臭いはなく、とても快適な空間でした。シーツもパリッとしてて清潔で、良くも悪くも海外の寝台列車との差を感じます…笑

備え付け設備は、テーブル・鏡・紙コップ・ラジオ・スピーカー・寝間着。まさに動くホテルのよう。深夜バスと比べても断然快適！

22時
いよいよ出発！上段のお部屋だったのでホームを見下ろす形になり眺め良し。空いていれば上段をオススメします★

寝る前に車内散策。カギはナンバーキー式で、煩わしさもなくスムーズ。

こちらは3/10号の車にあるのびのびシート。指定席料金だけで利用でき、絨毯敷きの半個室席になる。海外の寝台列車でもこういう造りのは見たことない、面白い。

シャワー室。シャワーカードを購入すると利用できるが、すでに本日分は売り切れ。水の量に制限があるため、カードも数量限定なのだ。今回は乗る前に自宅で浴びてきたので見学のみ。

自動販売機。この車内唯一の食品売り場。もう少し色々種類があると嬉しいな。

洗面所。朝は混むと思いきや意外にもそんなことなく。

23時半
車内散策でブラブラしてたらもう熱海！全然停車しないので速い速い。この調子だとあっという間に岡山に着きそう…そろそろ寝ないとだ。

車窓から。人気のないホームをひたすら走る。旅情満点。

そして上段の窓は湾曲しており、寝ながら星空を眺められるという…！そして電車のガタゴトという音とともに揺られて夜は更けていく。この旅してる感ったら！
興奮醒めやらぬ中、なんとか頑張って目を閉じる。おやすみなさい…。

10月9日 午前6時過ぎ
おはようございます。ぼんやりと明けゆく朝の中、岡山駅の手前で目を覚ます。山陽はあんまりお天気良くないみたいで残念。

車窓には、白色の屋根の日本家屋がチラホラ。関東でも中部でも関西でもない建築様式に、ああ岡山に来たんだなという実感が湧いた。

6時半
岡山駅到着。ここで一旦停車し、サンライズ瀬戸と出雲の切り離し作業に入ります。

岡山駅 駅

切り離し作業を見ようと乗客が押し寄せる。

切り離しの瞬間。おおおー！ちなみに前が出雲、後ろが瀬戸。

6時45分 倉敷着
無事に切り離し作業を終えたサンライズ瀬戸、そのまま高松に向かって走ります。自分は倉敷で下車したけれど、もっともっと乗っていたかったなー、と後惹かれつつの下車。本当にステキな一夜でした★(´∀｀)

倉敷駅 駅

倉敷駅から美観地区方面を臨む。宿に荷物を預けるべく美観地区へ歩き出す。

途中で『倉敷うどん ふるいち』なるお店を見つけたので入店。日曜の朝早くからやっててありがたい！

ぶっかけ亭本舗 ふるいち 仲店 グルメ・レストラン

釜玉うどん。醤油ダレに一工夫してありなかなか美味でした。良い感じの出だしです。

駅から歩くこと10分ほどで世界遺産・倉敷美観地区に到着。白壁の家と倉などが確かに美しい。

倉敷美観地区 名所・史跡

本日の宿…くるま座有隣庵
美観地区の古民家改装型ゲストハウスで、昔ながらの日本家屋を生かした造りがおもしろかった。次の旅行記で詳しくご紹介。

倉敷ゲストハウス 有鄰庵 (ゆうりんあん) 宿・ホテル

早朝、おじさんが白鳥にエサをやるという風景もあり。絵になるなあ～！
はやる気持ちを抑えつつ、まずは矢掛へ。美観地区の散策は矢掛から戻ってきた昼過ぎから。

8時
倉敷駅に戻ってきました。ここからJR伯備線に乗り換え清音駅へ。

天満屋 (倉敷店) 百貨店・デパート

倉敷から清音までは一駅、200円。ICOCAの文字に西にきた実感を感じる。

8時38分倉敷発、8時45分清音駅着。
ここからさらに井原鉄道というローカル線に乗り継ぎ。

清音駅 駅

井原鉄道の清音駅。サクサク歩いて1分ほどで乗り換え。

2017年現在のダイヤ。神辺方面行きに乗り込みます。

ホームに着くとすでに電車が停車中。あわてて乗り込む。
8時48分、電車出発。

井原鉄道はワンマン運転のため料金後払い。昔ながらの鉄道といった風情。

車窓。どこまでいっても田んぼと山、のどかすぎる風景。大きな集落も少なく、やや心細い気分に。

9時6分
矢掛駅到着。ワンマン運転のローカル線なれど複線のため、鉄道がすれ違うのも手間がない。

矢掛駅 駅

駅から降りるとそこはなんの変哲もない田舎の町。コンビニとかめぼしい商店とかもなく、地の果て感あるなあ。住んでいらっしゃる方、ごめんなさい…

倉敷美観地区で見たような白壁の家がチラホラ。

町の中心部に近づくにつれ、白壁の古い家屋が軒を連ねていた。おー、風情ある！
元々矢掛町は山陽道の宿場町として栄えていたそうで、その名残を留める建物と町の空気があります。

倉敷よりも道が広いため入り組んでおらず、観光地として作られた感もなく好感高し！倉敷も良かったけれど人多過ぎで観光地感ハンパなかったので、この素朴な雰囲気には癒されます。

矢掛宿街並み 名所・史跡

櫓が建っているのが今回の目的地・やかげ郷土美術館。ここまで駅からノンビリ歩いて10分ほど。意外と近い。

やかげ郷土美術館到着ー！ここも古い建物を生かした造りで印象的。9時開館なのでさっそく中に入ります。

http://www.town.yakage.lg.jp/museum/

やかげ郷土美術館 美術館・博物館

美術館内部から入り口方面を撮った図。決して大きくなく、町の美術館兼郷土博物館といった感じ。展覧会がなかったら来てないな…。存在すら知らなかったと思います。

世界の民族衣装展エントランス。受付で入場料金を払って入ります。

入り口。内部は残念ながら写真撮影不可のため、ここまで…。どれも素晴らしいコレクションだったな。特にトゥアレグ族の青い男性衣装が凛々しく、クロアチアやインドが可愛かったのが印象的。眼福～(´∀｀)★
以下、展示メモ。

メキシコ オアハカ
グァテマラ ネバフ
エクアドル オタパロ
トゥアレグ族 男
ナイジェリア ヨルバ 男
シリア サラケップ
イラク 男
ペルー クスコ ケチュア
クロアチア シーサック
イエメン サナア
トルコ チャナッカレ シャルワールというズボン 男
ブルガリア ピリン
ポーランド ポドラーシェ
パキスタン コーヒスタン、ハザラ
タイ のチュ・タイ、ヤオ族
インド ガガラチョリ
アフガニスタン チャドリ
ウイグル族
チベット族

展示室の外のロビーには、世界の民族衣装について詳しい解説と撮り溜めた写真群が～！すごい、すごい。その多様な美しさに朝から大興奮！

ユーラシアをはじめ、アフリカ・アメリカ大陸の諸民族の所属品を写真で紹介。シアワセ～★

こういう解説が１つ１つについているのが良い！市田さんら著作『世界の衣装をたずねて』より。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/市田ひろみ

そして物販コーナーには、竹永絵里さんによるキュートすぎる民族衣装を着た人々のポストカードが。これまた素敵やー！そしてお隣には民族衣装マステもあり。
今回の旅で旅程などでアドバイス頂いた、アメリカ旅行の伴侶かつ族スキのNさんにお土産として購入。

ロビーにあったフリーペーパーやチラシなど。じゃらん矢掛編とかあってオドロキ。確かに風情あるもんなぁ。

外から見て特徴的だった水見櫓に登れるとのこと。そんなに高くないので上がります。

高さ16mの櫓からは360度パノラマビューが楽しめます。とはいえ小さな町なので、集落と山の眺めが主。

外から見た水見櫓。平成2年築という新しい建物ですが、赤松をふんだんに使っているからか風格もあります。

帰り道がてら再び町中散策。古い家屋なのにお店は現代のもので、そのギャップがおもしろい。

木の壁や土間の感じが懐かしさ満点。そして民族衣装展のポスターも掲示。

昔ながらの蔵を模した看板。実は難波性って特に岡山に多いんですって。と、岡山出身の難波さんが教えてくれた情報w

と、商店街の中心部に来たところでテントの列発見。日曜朝市だって！

地元特産品や農産物、ちょっとした食品の販売がありました。こちらは石臼コーヒーのコーナー。たのしそうだ！しかもお手頃価格。
こんな朝市も楽しめたので、矢掛町への訪問は日曜がオススメです^_^

家屋と家屋の間の小径。やはり倉敷美観地区に似たところがありつつ、こちらの方がゴミゴミしておらず視界がスカッと抜けきってる。
矢掛、いいですね！

用水路。田舎にありがちな光景だけど、白壁の家が独特のノスタルジア。そしてどこかノンビリした感じもここならではだとおもう。

道の途中にあった碑文。
歩いてて気づいたんですが、この一帯は新しい建物も外観は白壁+瓦屋根なんですね。景観を守るためなのかもしれない。

矢掛町には前情報がまったく無しの訪問でしたが、予想していなかった古い町並みの美しさを味わうことができて良かったです。小さな町独特の雰囲気がかり、また散策に時間がかかり過ぎないのも◯。当初予定より滞在を1時間弱ほど延長した、大満足の矢掛町訪問でした★
そんな矢掛町の観光案内はこちら
https://www.yakage-kanko.net/

午前11時半の電車に乗るべくぶらり歩いて矢掛駅へ戻った。

矢掛駅 駅

駅の切符売り場窓口。お土産売り場や観光案内所、レンタサイクル貸出なども行っており、観光の拠点になっていた。行きは朝早くてクローズしてたのが残念。

ケース内のお土産。ゆべしなどのオヤツや缶バッジなどのグッズあり。

駅周辺は集落もなく、神社と畑と山とが広がっていた。ここからまたローカル線の井原鉄道に揺られ、清音駅でJR伯備線に乗り換え倉敷へと戻ります。

サンライズ瀬戸からの小さな宿場町・矢掛町へ。旅の幸先よく充実した滞在になったのでした。