2017/06/18 - 2017/06/18
15位(同エリア258件中)
かっちんさん
大田区の町工場にはモノづくりの原点といえる機械部品製作の技術力があります。
2014年から本格的に始まった「オオタノカケラ」は、町工場の記憶を肌で感じる活動で、「まち歩き+町工場+道具の写しとり」のイベントを開催しています。
かっちん夫婦は2015年11月に北糀谷、2016年5月に南六郷・西六郷の各イベントに参加し、毎回特色のある町工場と巡りあっています。
主催者は東京工科大学デザイン学部教授で美術作家の酒百(さかお)宏一氏。毎回学生さんがスタッフとして協力しに来てくれます。
そして、最初に訪れた北糀谷の町工場「綱島製作所」は、惜しくも取り壊されることになりました。
この町工場は89歳まで現役職人が2013年まで動かしていた仕事場で、今日(2017年6月18日)が最後の一般公開となるので、最後のお別れに行きます。
このイベントの案内は下記URLからどうぞ。
http://www.sakao-lifeworks.com/otanokakera/otanokakera_sayonara.html
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
キネマ通り商店街
京急蒲田駅から第一京浜国道を渡り、東蒲田の「キネマ通り商店街」に入ります。
北糀谷にある「綱島製作所」へ向かいます。 -
珍しい「サボテンの花」(大田区東蒲田)
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色鮮やかな「ヘブンリーブルー」(大田区東蒲田)
西洋朝顔です。 -
呑川(のみがわ)
商店街の途中から横道に入り、呑川沿いに歩きます。 -
世界三大花木の「ジャカランダ」(大田区北糀谷)
藤色の美しい花です。
三大花木の残りの二つは、「カエンボク」と「ホウオウボク」です。 -
綱島製作所に到着
2017年6月18日(日)に工場内部が公開されました。 -
大きな扉の入口
出来上がった製品を運べるように大きな扉になっています。
重量物はクレーンを使って出し入れするため、天井にクレーンのレールを取り付けています。 -
穴を通り工場内部へ(クレーン)
クレーンが通るときは、入口上部が開くようになっています。 -
吊り荷の昇降(クレーン)
ハンドチェーンや電動チェーンを操作します。 -
電動チェーンの操作ボタン(クレーン)
KITO(キトー)はマテリアルハンドリングの会社です。 -
大田区にある小さな町工場
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イチオシ
所狭しと並ぶ工作機械
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工場の解説
オオタノカケラ代表の酒百宏一(さかお こういち)氏より工場の歴史、工作機械の役割などの説明を聞きます。 -
イチオシ
仕事場を灯す裸電球
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機械加工で最もよく使われる旋盤(せんばん)
円柱状の材料を回して、バイト(刃)をあてて、材料を削ります。
中ぐり、ねじ切り、テーパ削りなどの加工もできます。 -
材料固定と刃物台(旋盤)
右側の主軸台のチャックに材料を固定し、左側の台にバイトを取り付けて使います。
加工した部品の長さを測定する「ノギス」、切り粉を掃除する「刷毛」が置いてあります。 -
主軸台(旋盤)
側面に材料の回転速度を、ギアの組み合わせで変えるハンドルがついています。 -
工具とバイト(旋盤)
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次はフライス盤
フライス盤も機械加工でよく使われます。
テーブルの上に材料を固定し、上から刃物が回転して削っていきます。
胃のレントゲン検査台を水平にしたみたいですね。 -
イチオシ
主軸台(フライス盤)
刃物の回転する部分です。 -
メーカーは山崎技研(フライス盤)
高知県のフライス盤メーカーです。 -
テーブル(フライス盤)
テーブルを位置調整するハンドルが手前にあります。 -
配電函
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2台目の旋盤
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イチオシ
電車のブレーキレバーみたい(旋盤)
バイトを刃物台に固定させるレバーです。 -
刃物台の位置調整(旋盤)
移動距離を目盛りで確認できます。 -
主軸台(旋盤)
先ほどの旋盤より主軸台の形状が大きく、より太い材料が取り扱えそうです。 -
不思議なハンドル(旋盤主軸台)
近くに貼られている説明板には、ハンドルの位置関係と数字の記載が・・・
材料の回転速度をギアの組み合わせで設定するハンドルです。
回転速度は16種類も設定できます。 -
イチオシ
SLを思わせる工作機械(旋盤)
SLの火室に動輪、その後ろに運転室・・・
主軸台のギア設定は手動で大変ですが、回転数切り替えの機構がよくわかります。 -
配電盤
ノーヒューズブレーカー、漏電ブレーカー、ナイフスイッチなど。 -
ガムテープで塞いだ穴
この壁の向こうは浴室です。
長い部品の加工がどうしても必要だったので、穴をあけたそうです。
客先の依頼に応える職人魂が感じられます。 -
3台目の旋盤
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1ハンドルの主軸台(旋盤)
ギア設定はハンドルを廻すだけで、簡単になりました。
製造銘板から、1979年(昭和54)滝澤鉄工所の製造とわかります。
岡山県の工作機械専業メーカーです。 -
刃物台と主軸台(旋盤)
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刃物台の後ろに砲弾??(旋盤)
-
心押し台(しんおしだい、旋盤)
材料を「主軸台」と「心押し台」で保持します。 -
黒板に「N=1000V/π・D」記載
切削速度は工作物の材質とバイトの材質によって決めることができます。
切削速度を決めたら、主軸回転数N(rpm)を公式「N=1000V/π・D」により求めるのです。
Vは切削速度、Dは材料の直径です。
う~ん、職人は理論的です。 -
住工一体型の町工場
仕事場から住居につながる入口です。
大田区の町工場は住居と工場が一体になっています。 -
グラインダー
研削砥石の回転により、加工品の表面を研削または切断するのに使います。
ここまでが、綱島製作所を見学した報告です。 -
オオタノカケラ・ワークショップ
ここから町工場の魅力とモノづくりの魅力を体験するワークショップ(まち歩き+町工場+道具の写しとり)の過去の出来事を紹介します。
2015年11月29日、ギャラリー南製作所で行われたワークショップに参加しました。
職人が使用していた道具や部品をフロッタージュという写しとりの技法によって作品をつくります。
旅行記は
『大田の町工場「オオタノカケラ」ワークショップに参加(東京)』
http://4travel.jp/travelogue/11093556 -
職人の使っていた道具や部品(ワークショップ)
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職人の使っていた道具や部品(ワークショップ)
何に使うのだろうというものが多いです。 -
フロッタージュ(ワークショップ)
フロッタージュは、道具や部品などの凹凸面に紙を置いて上から色鉛筆でこすり、図柄を紙面に写し取る描画技法です。 -
フロッタージュの作品(ワークショップ)
2016年5月のワークショップでつくった参加者の作品です。 -
フロッタージュ展示会
2013年~2016年の作品を、2016年11月26日~12月4日に展示されました。
旅行記は
『オオタノカケラ展覧会&東急復刻塗装色電車&火の見庵(東京)』
http://4travel.jp/travelogue/11194445 -
東京精密熔断工場の見学(大田区本羽田)
2016年5月8日に参加した工場見学です。
厚さ30cmを越える厚鋼板をガスバーナーで熔断し、橋梁などの部材に加工していた工場です。
50年の歴史を持つ大田区でも唯一の熔断工場でしたが、熟練者の高齢化により熔断の仕事をやめ、現在は金属加工専門工場になっています。
旅行記は
『オオタノカケラ「南六郷と旧大型工場」に参加して(東京)』
http://4travel.jp/travelogue/11132044 -
東芝那須工場の部品箱(大田区)
町歩きの途中で見つけました。 -
石戸製作所の見学(大田区西六郷)
2016年5月29日に参加した工場見学です。
金属加工専門の会社で、この木造の建屋は現在倉庫として使われています。 -
合掌造りの屋根(石戸製作所)
昭和28年頃に建てられた木造の工場です。
2011年の東日本大震災で壊れることもなく、頑丈な造りです。
旅行記は
『西六郷と木造の町工場でのワークショップ「オオタノカケラ」(東京)』
http://4travel.jp/travelogue/11136906 -
イチオシ
ジャカランダの大木(大田区西糀谷)
再び2017年6月18日に戻ります。
綱島製作所の帰り道に、ジャカランダの素晴らしい大木を見つけました。
個人のお庭です。 -
キョウチクトウの花(大田区西糀谷)
-
羽田空港へ向かう京急空港線
蒲田は羽田空港の玄関口になっています。
日本の高度経済成長期の工業発展に貢献してきた大田区の町工場、あらためてその存在に賞賛します。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- 墨水さん 2017/06/24 23:53:44
- こんなワークショップが有るんだ。
- かっちんさん、今晩は。
「何に使うんだろ。」の写真は、フライス盤に部材を固定する為の道具類ですね。(ぱっと見)
手回し旋盤と、手回しフライス盤は使ってました。
ただ私の場合は、金属加工では無くプラスチックの削り出し加工なので、回転数とか気にしませんでした。(笑)
シビアな部分は、低速回転でしたけど。(笑)
ここに置いてある旋盤は、良質な旋盤ですね。
墨水。
- かっちんさん からの返信 2017/06/25 08:05:27
- RE: こんなワークショップが有るんだ。
- 墨水さん
こんにちは。
あの部材は固定用の道具だったのですね。
町工場が少しづつなくなり、寂しいです。
かっちん
-
- 前日光さん 2017/06/21 22:56:58
- いつもありがとうございます!m(_ _)m
- こんばんは、前日光です。
もしかしたら初めてのコメントになるでしょうか?
いつもご訪問や投票などいただきまして、ありがとうございます!
最後の空港行きの京急線の写真を見て、いつもこれに乗って羽田空港に行ってるんだなぁと妙に感動してしまい、思わずコメントしています。
今まで何度もご訪問いただきましたのに、スルーしておりまして申し訳ありませんでした。
私は、本当はかっちんさんのような地に足の着いた旅行記を作りたいと思っているのです。
どの旅行記にも、誠実に対象に向き合う姿勢が感じられて、私などが及ばない世界を造られていると思います。
「超」のつく文系人間ですので、機械についての詳しいことは存じ上げませんが、人が一生懸命に作り上げたものは例外なく美しいと感じています。
京急蒲田駅の「TOUKYU STAY」ホテルには、羽田への往復で間に合わないときには前泊・後泊に利用し、親近感を抱いております。
この度は、貴重な、そして消えゆく町工場の様子を拝見することができました。
ありがとうございます<(_ _)>
前日光
- かっちんさん からの返信 2017/06/22 07:06:46
- RE: いつもありがとうございます!m(_ _)m
- 前日光さん
こんにちは。
空港行き京急線からのコメント、ありがとうございます。
人それぞれ感じかたが違うものですね。
私の旅行記は作るのに時間がかかっていて大変です。
最近は写真をトリミングして、気に入った写真にしています。
では、前日光さんのこれからの旅行記を楽しみにしています。
かっちん
-
- ボビーさん 2017/06/20 15:33:15
- この仕事を、していたので興味ありました。
- かっちんさん こんにちは!
年始の挨拶依頼です。ご無沙汰ばかりしております。
お元気そうで、精力的に旅行されているかっちんさんには頭が下がります。
今回の旅行記とか前にもかかれたこの旅行記にコメントしたようなしなかったような?
この頃記憶があいまいです。
今まで、フライス盤という仕事を13年していましたので、とても、興味ある旅行記でした。
あの場合、下に、バイスがないと、加工は出来ないんですけどね。
なんかさびれて、部品がちょこっと残っているって感じでしょうか?
エンドミルなども、一度でダメにする場合がありましたので、よくバインダーで、削った懐かしい記憶もよみがえってきたりしています。
なかなか、女性がフライス盤を動かすことってないですよね。最後まで残ったのは、私だけでしたから。マシニングですべて速く終わすようにはなりましたが、結局踏み込めない所は、フライスで仕上げるのがいちばんですので、今でも貴重な仕事になります。
なんか、ちょっとの差で、公差(寸法百分の一の世界)が外れてダメにすることも多々ありました。
難しい仕事です。
旋盤は、出来上がったものに、穴をあける作業もしましたけどね。
実際旋盤は良くわかりません。
かっちんさんは、多分このような仕事はされていなかったとは思いますが、興味がおありなのでしょうか?
このような貴重な財産のような工場が、なくなるのは、残念ですね。
私なりに大変懐かしく拝見いたしました。
いつも訪問投票ありがとうございます。
これからも宜しくお願い致します。
ボビー
- かっちんさん からの返信 2017/06/20 22:00:46
- RE: この仕事を、していたので興味ありました。
- ボビーさん
こんばんは。
ボビーさんが、フライス盤の達人だったとは驚きです。
私の勤めていた会社には部品部があり、入社当時、工作機械が沢山並んでいました。
次第に自動のマシン入れ替わっていったのは時代の流れでしょうか。
私の仕事は品質関係だったので、工作機械を使ったことはありません。
旅行記を書くときは工作機械の構造など、いろいろ調べてしまいました。
公差(寸法百分の一の世界)が厳しい感覚はよくわかります。
その公差が実現できたおかげで、素晴らしい製品ができています。
ボビーさんの作られた部品から出来上がった製品が、世の中で使われているのですね。
いい話を聞かせてもらいました。
かっちん
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