2017/05/19 - 2017/05/19
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motogenさん
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早朝より元気な声が聞こえてきた。
ベランダに出て見ると、ジプニーが停まっていた。
向かいのPeople'sロッジや、その隣のGreenロッジから欧米人たちが、とびどびに現れてきて、騒ぎながらジプニーの屋根にはい上がっている。
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屋根の上にはタイヤが乗っていて、それが椅子代わりのようだ。
7人ほどが乗っているが、次々に乗ってきて、乗る場所がないほどに詰まってしまった。
柵もつかまるところもなく、転落事故が心配だが、欧米人たちは楽しそうだ。 -
あまりにも楽しそうだったのだ、道路まで降りて行った。
「どこに、行くの?」
すると、「バタッド!」 「ライステラス!」とはしゃいだ声が返ってくる。
まるで小学生が遠足に行く時みたいだ。 -
ジプニーは出発していった。
屋根の上はぎっしりなのに、車内は空いていた。
ワンダーロッジのオーナーに聞くと、このジプニーはチャーターしたもので、地元民が乗る定期便ではないらしい。 -
バナウェイ散策の第一弾は、テラスビューポイントにした。
持参してきたスポーツ・ステッキを手にして歩き出す。
直線距離で1.5km、曲がりくねった山道でも3kmはないだろう。
観光案内所の下まで来ると、、 -
通りかかったトライシクルが、
「ビューポイントは遠いぞ! 歩いて行く人はいない!」と営業活動する。
たいした距離じゃない・・・と思いつつも、
トライシクルというもの、一度は乗ってみるか・・・
と乗り込んだ。
100ペソ(250円)を80ペソにまけさせた。
これでもふっかけられているのだろうが、地元民への観光代だ。 -
ガクガク・ドタバタ、乗り心地は褒められたものではなかった。
しかし思ったよりも遠かった。
勾配も急だった。
「バタッドまでなら、いくら?」と聞くと
「往復で1000ペソ」だと言う。
ずいぶんかかるものだ・・・・
「いつ行くんだ?」 「今日か?」 「明日か?」
とうるさい。 -
ビューポイントに到着したようだ。
家屋が並ぶカーブ手前でトライシクルは止まった。 -
道の脇に、下りていく石段があった。
杖をつき、手を引かれて歩く、赤い民族衣装のお婆さんがいた。 -
その先に文字通りのテラスがあって、、
バナウェ ビュー ポイント 山・渓谷
-
観光客が、民族衣装のおばあさんたちと肩を並べ、記念写真を撮っていた。
なんだ、商業主義がみえみえの観光スポットなのか・・・
と一瞬たじろぐ。 -
杖をついてやって来たおばあさんも、列の端に座った。
人生の粋も辛いも見てきたに違いないその顔を、失礼ながら、じっと見つめ続けた。
チェンライやチェンマイなどで、しわで覆われた老人の顔を描いている画家を見るが、まさにその画家が描くようて魅力的な顔だ。 -
正気に戻って、ユネスコの文化遺産に登録されたバウェイの棚田を眺める。
大地の起伏に魅せられる。
雄大であり優しくもある、このな地形を刻んできた時の長さに思いを馳せる。
頭の中が空っぽになっていくようだ。
人々が神々を信じる気持ちも、今なら理解できる。 -
これら棚田は、この地に住み着いたイフガオ族が作り上げてきてものらしい。
紀元前に始るという。
日本は弥生時代だ。
ボントックで出会ったガイドの話では、イフガオ族は中国の農耕技術を受け継いでいたらしい。
日本での渡来人のような人たちがいたのか? -
今走ってきた道とバナウェイの町も見える。
-
望遠を最大にして町を見る。
バナウェイは山頂の町ではなく、小さな盆地にできた町だった。 -
パノラマから目を転ずれば、このビューポイントは土産物屋だ。
-
お婆さんたちが頭に乗せている飾り物も売られている。
-
木製のバイクまである。
本体は大木のむくの木で作られている。
ゴムを張った車輪も回転でき、坂道を走り下ることもできそうだ。 -
おばあさんたちに頭の被り物を見せてもらう。
色とりどりの羽は、鶏の羽だと言う。
鶏ってこんなに美しい鳥だったのか!
服は木の皮からとった繊維で織ってある。
自分で糸をつむぎ、自分で染め、自分で織ると言う。
何と素晴らしい人たちなんだ! -
杖をつき、手を引かれて来たお婆さんは、村の最古老で95歳だ。
もう目は見えていない。
家族や一族みんなの助けで、仲良く暮らしている。
写真を撮らせてもらったが、お金は請求されなかった。 -
無料で観光客の相手をし、ここで一日中座っているのだろうか?
商業主義のビューポイントかと思ってしまったが、とんだ間違いだったらしい。
ごめんなさい。 -
帰りは自分の足で歩く。
歩いていると、トライシクルでは見落としてしまうものが見える。 -
たらいの中で、洗濯物と一緒に洗濯されている子どもの姿があったり、、、
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ブタを洗っている少女がいたりする。
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子どもたちの歓声が聞こえてくる建物があった。
のぞいてみると、ボランティアで運営されている教育施設だった。
子どもたちが塗り絵をしたり、アルファベットの練習をしていたり、歌を歌っている。 -
指導者らしき人が、あたたかく私を迎え入れてくれた。
子どもは自分の描いた絵を見せてくれた。
施設のことも説明してくれたが、いかんせん専門的で難しい英語は、私には理解できなかかった。 -
階下にも案内された。
そこでは子どもたちのための食事を作っていた。
十字架はないけれど、キリスト教に関係しているボランティア施設だった。 -
軒下にイフガオ民族の彫り物が刻んである家屋もあった。
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こんな小屋が、取り残されているように建っていたり、、、
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羽子板のような木工品を作っている家があったりもした。
「何に、使うの?」とたずねると、
「○○○ボールだよ。」
と答えてくれたが、○○○ボールが何なのかは、さっぱり分らなかった。 -
坂道を降りるに従って、見える景色も変わっていく。
-
その景色の変化も面白い。
-
民家の脇に棺のようなものがあったので、のぞいてみると、、
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木工品を製造している家だった。
一人のおじさんが、巨木からドアや椅子やテーブルを作っていた。
合板ではなく、本物の一枚板の製品だ。
日本ではさぞかし値打ちがあるのだろうが、ここではそうでもなさそうだ。
表の棺のようもものは、米を脱穀し、精米する道具だった。 -
展望台かあった。
ここもビューポイントの1つだ。 -
現れたのは、サビの浮いたヤリを持ったおじさんだ。
本物のサルの頭蓋骨と、鳥の頭が付いた羽飾りを頭に乗せて、意気揚々とポーズをとってくれる。 -
鳥の大きなくちばしの凄いこと。
サルの頭蓋骨のリアル感。
写真を撮ったためにチップを要求され、20ペソ札を手渡した。
先ほどの赤い民族衣装の親切なお婆さん方にも、チップをあげた方が良かったかな・・・
と、今になって後悔した。 -
幹線道路からはずれて、山に登っていく坂道があった。
アーチには「ELEMENTARY SHOOL」の文字がある。 -
道草ついでに登っていくと、やはり学校があり、、、
-
ちびっこたちが走っていた。
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教室には先生もいて、笑顔で中に招いてくれた。
数年前は日本の教員だったと話すと、ますます親切になって、、、 -
「バナウェイの学校も、よく見ていってね・・」
と他の先生も紹介してくれた。
カラフルで遊び心いっぱいの、まるで保育園のような教室だった。
バナウェイの先生は官僚的ではなく、自由人だった。 -
歩けば歩くほど、面白いことがたくさん見られる。
イヌと一緒の老夫婦から声をかけられ、、、 -
かっこいいギターを自慢にかかえる青年と、しばし話をし、、、
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景色に見とれる。
-
気づくと後からバスがやって来た。
昨日、私が乗ってきたボントックからのバスだ。
トライシクルは「遠い!」と言ったけど、歩いても何のことはなく、楽しい楽しいピクニックとなったのだった。
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