2017/06/13 - 2017/06/13
363位(同エリア1495件中)
風 魔さん
静岡市内の歴史ある古い建築工法の洋館を見学する小旅行の第二弾として、旧マッケンジー邸を訪ねました。
アメリカの茶貿易商の故ダンカン・J・マッケンジー氏は、喘息の持病があるため昭和15年(1940年)に駿河湾に面した海風の渡る松林の中に、赤い西洋瓦葺きの屋根、白壁のスパニッシュ・スタイルの住宅を建てました。
氏は静岡県特産の日本茶葉の振興、輸出の拡大などに大いに尽力されましたが、昭和26年に持病の悪化のため静岡で亡くなりました。
しかしエミリー夫人は夫が亡くなった後も静岡に留まり、私財を投じて社会福祉の向上に尽くて、自ら乳児院~保育園の経営を行い、その功績が称えられて昭和34年に静岡市・名誉市民の第一号に選ばれました。
その後夫人は高齢のため帰国することになり、その際社会福祉に役立てて欲しいと屋敷の半分が静岡市に寄贈されましたが、残り半分と建物は静岡市が買い取り歴史的記念建造物として、平成9年には「国登録有形文化財」に指定されました。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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旧マッケンジー邸は、国道150号線(久能街道)に面しています。
旅行記の写真は、すべて携帯電話のGPS機能付きのカメラで撮影したものです。 -
右手は久能海岸の砂浜から、駿河湾~太平洋へとつながります。
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本日は国道150線を清水側から西進して、旧マッケンジー邸を訪問する。
東名高速道路の静岡インターから、車で15分ほどの至近距離です。 -
旧マッケンジー邸の入り口門。
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長いエントランスを歩く。
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視界が開けたら、広い芝生の庭園が広がる。
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庭先の植栽の中に「 HOMAM 」の石碑。
マッケンジー氏は、日本の美術・骨董品収集と夜空を眺める天体観測を趣味としていたので、この邸宅にペガサス座の星・「HOMAM」(=勇者の幸福な星)の愛称を付けていました。 -
赤い西洋瓦と白壁のスパニッシュ・スタイルの邸宅。
竣 工: 昭和15年( 1940年 )
構 造: 木造地上2階建地下1階塔屋付・洋瓦葺き
規 模: 敷地 3134.66㎡
建築面積 282.10㎡
延べ床面積 555.66㎡ -
庭園の一角には、東屋があります。
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故エミリー夫人の「社会慈善活動」を称える静岡市の記念碑。
夫人は、社会慈善貢献活動により昭和34年静岡市の名誉市民・第一号に選ばれました。 -
南欧風の雰囲気ある邸宅。
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邸宅の広い敷地。
背景の建物は、静岡市立・大里東小学校の校舎です。 -
庭園は、ソフトボールの試合ができるほどの広さです。
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前庭に面したサンルーム。
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アーチ型の玄関口と窓枠。
塔屋の展望室からは、趣味の夜空を眺める天体観測を行いました。
地下室には、食品庫、ボイラー室、石炭庫などがありアメリカナイズされた建築設計です。 -
左側がアーチ型の玄関入り口。
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出窓のある食堂。
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マッケンジー氏に授与された、賞状~記念品などの展示品。
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ピアノのある部屋。
入り口にて来訪者の受付帳に記帳すれば自由に邸内を見学して、ゲストルームからは、久能海岸の向こうに駿河湾~太平洋が一望できます。 -
マントルピースの上には、マッケンジー夫妻の肖像画。
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マッケンジー氏は、茶貿易商として静岡特産の日本茶の輸出振興と拡大に尽力され、さらにエミリー夫人は静岡市の社会慈善活動につとめ、名誉市民第一号となりました。
氏は喘息の持病があるため、健康面から駿河湾の潮風渡る気候温暖なこの地を選んで邸宅を建てました。 -
建物の平面図。
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広い書斎室。
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マントル・ピースの上には、イラスト絵のような大名行列の日本画。
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レトロなガラス窓。
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明るい資料展示室。
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最近では、日本の近代遺産である西洋建築の建造物に関心が高くなり、県外から古い洋館建築マニアの見学者も増えつつあります。
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当邸宅を設計した、ウィリアム・M・ヴォーリズ氏と日本人の妻です。
氏は米国人宣教師、建築家ですが、明治38年に英語教師として来日した後、建築家活動により成功する。大正8年京都の一柳満喜子さんと結婚し、翌年近江セールズ㈱を設立してメンソレータムの販売を開始しました。その後近江ミッションを近江兄弟社(メンソレータムで有名)と改称して、昭和16年には日本国籍を取得し「一柳来来留」と改名しました。
その後、近江八幡市に居住して、名誉市民第一号として昭和39年死去されました。
< 代表的な設計作品 >
⇒ 明治学院礼拝堂・大丸百貨店心斎橋店・軽井沢テニスコートクラブハウスなど多数。 -
出窓の明るい景色。
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アメリカン・スタイルの厨房回り。
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大きな調理器具は、ウェスティング・ハウス社製の電気製品でした。
昭和15年代に竣工した建物としては、厨房の電気製器具や地下に食品庫を備えたモダンな建築様式です。 -
マッケンジー夫人がご高齢のため昭和47年帰国の際には、東京において美智子皇太子妃(現皇后陛下)に面会して見送られました。
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洋館の雰囲気ある、木造階段とアーチ型のガラス窓。
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二階の廊下。
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浴室の大きなバスタブとタイル壁。
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レトロな洗面台とコップ置。
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広い居間(客間)。
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マッケンジー氏の趣味である、日本の骨董品や美術品が保管されている部屋。
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ゲストルームのシングル・ベッド。
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ゲストルームのツイン・ベッド。
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部屋に付帯する化粧室には、ホテルのように水洗式のトイレとバスタブがありました。
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建物の中で唯一畳のある、日本人のお手伝い室。
当時の日本では、珍しい「スチーム暖房」の近代的な設備もあります。 -
玄関口回り。
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平成9年「国指定・登録有形文化財」の登録証。
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邸宅は、入場無料で一般に公開されています。
開館時間: 9時 ~ 16時30分
休館日 : 月・祝日の翌日・年末年始( 12/26 ~ 1/5 ) -
車庫には当時使用したクラシックな愛車が、今でも保存されています。
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大きな「キャデラックのエンブレム」。
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駐車場には、東京から訪れた見学者のレトロなアメ車。
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初夏の青空に、二本の高い松の木が潮風になびく。
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