2017/05/17 - 2017/05/17
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motogenさん
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朝日が昇るに従って青空が広がっていく。
谷間にかかる雲も薄れていく。
マリコン・ライステラスまで出かけよう。。
どんな所で、どんなものがあるのかは知らないが、知らない場所を歩き回るというだけで、良いではないか。
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-
朝食はビタミン豊富なフルーツだ。
しかしマンゴーという果実は、どのように皮をむいて食べるのものか?
適当に切れ目つけて皮をむしり、スプーンで削り取って食べてみるが、うまくいかない。
結局は、そのままムシャムシャとかじりつき、テーブルも手もベトベトとなって、手を洗う。
トマトはピーマンのように固かった。 -
昨日探して置いたジプニー停車場に行くと、すでにジプニーが停まっていて、満車に近い状態だった。
大きなイヌも乗っている。
少し恐かったが、買主のそばでおとなしくしていた。 -
しばらくすると、別の黒いイヌも乗ってきた。
でも誰も、イヌが乗ってきて困るとか、じゃまだと感じている人はいない。
優しい人ばかりだ。 -
このおばあさんたちは、無数のシワに刻み込んだ、働く素敵な顔になっている。
人は歳相応な顔だちが良い、若作りのCMに乗せられない方が良い、と思えてくる。 -
客はどんどん増えてきて、押し合いへし合いで、わずかな隙間にお尻を差し込んでいく。
左側の欧米人女性は、私と同じライステラスに行くと言う。
嬉しくなる。
中央の女性は、マリコン・ライステラスの文字の入ったシャツを着こんでいる。
この女性たちも観光客のようだ。 -
私の隣の男性が、欧米人女性の旦那さんだ。
マイアミ生まれなのに、アメリカ人らしくない綺麗な英語を話している。
一緒にマリコンに行くということで、意気投合し、女性が記念写真を撮ってくれた。 -
山の高みを目指してジプニーがうなる。
ものすごい急傾斜だ。
こんなにたくさんの荷物や人を乗せて、よくぞと登れるものだ。
毎日こんなにして走っているエンジンが、かわいそうになる。 -
眼下にボントックの町が見えた。
バナウェイに延びていく、チコ川に架かる橋も見える。 -
曲がりくねった坂道を、ジプニーは故障もせずに登っていく。
-
あれっ?
途中でマリコン・ライステラスのシャツを着た二人が降りてしまった。
この上に民宿があるらしく、長期滞在しているようだ。 -
一人降り、二人降り、しだいにジプニーは空になってきて、頂上付近になった頃には、欧米人夫婦と、私と、それに日本人的な発音の英語を喋る男性の、計4人となっていた。
マリコンは、この集落(村)の名前だった。 -
終着点で降りたが、何もない場所だった。
一人だったら、困ってしまっただろう。
欧米人夫婦は、一緒に降りた男性に従っている。
ガイドらしい。 -
3人は狭い通路に入り、崖っぷちを歩いていく。
私はその後を追った。 -
民家の脇を通っていくと、ギターをつまびく青年がいた。
欧米人がリクエストすると、恥ずかしそうにしながらも、一曲奏でてくれた。
純朴そのものの青年だった。 -
集落の行き止まりに、木材を組んだ柵が作られていて、それをかいくぐると、、
-
その下は、棚田だった。
あぜ道の右側は、相当な高さの崖になっている。
足がふるえ、めまいのするようなあぜ道なのに、3人はスタスタと進んでいく。
なぜ平気なんだろう?
覚悟決めて、歯をくいしばって付いて行くと、女性がポシャッと水の中に片足をつっこんだ。 -
棚田を眺める絶好の場所だった。
膝をガククさせ、慎重に座り込んでカメラを取り出した。
立ったままでは、とてもカメラなんかを構えられない。
断崖絶壁への淵に立っているのだ。 -
マリコンの集落も見える。
ガイドが棚田や集落の説明をしてくれる。
しかし英語力のない私には、説明の半分も理解できない。
誤解や不正確さが多々あることを前提に、私が理解できたことをまとめてみる。
このボントックやサガダの棚田は、遠い昔、台湾経由でやってきた中国系の人々が作ってきたらしい。
しかし、バナウェイの棚田は、マレーシア・インドネシアから渡ってきた中国系の人々が作ったものだと言う。
ボントックとバナウェイの棚田の違いを説明してくれるが、そこまでは理解できなかった。
ただ、棚田の文化は中国から伝わって来たことに、感銘を受けた。 -
ガイドは棚田に背を向けて、山を登り始めた。
-
どこに行くんだろう?
道がなくなってきた。 -
山の中に大きな土管のようなものが隠されていて、その中に木製の棺が置かれていた。
棺は巨木をくり抜いて作られたものだ。
この地方の昔の墓だという。
死者は土の中に埋めるのではなく、一種の風葬としたようだ。
棺を岩壁に吊るすサガダの風習と共通点があり、この風習はミクロネシア諸島から伝わってきたものだと言う。
この風習を守っていたのは狩猟民族で、米作りをする民族に追われて、山奥に閉じ篭もったようだ。 -
サガダのハンギング・コフィンは数も減り、今は観光化されたものしか残っていない。
狩猟民族の伝統文化は、博物館の中にしかない、と説明しながらガイドは歩いていく。
野生のパイナップルがあった。
パイナップル以外にも、たくさんの野生の実を見つけては、味見をさせてくれる。 -
所々に杭を打ち込んだ柵が設けられている。
大型獣の進入阻止をするものなのか・・・・? -
柵の向こう側は森が切れ、陽光がそそぎ、棚田が広がっていた。
-
田植えは終わったばかりだった。
規則正しく並んだ苗は、じか撒きではなく、1本1本手で植えられたものだ。 -
棚田の美しさ。
集落近くで見た景色よりも、数段美しく、雄大だ。
棚田は地主が独占していて、多くの農民は安い賃金で雇われたり、小作人となって貧しい生活を続けていると、ガイドは言う。 -
敗戦後に農地改革で農地を分け与えられた日本のように、地主をなくす政策を断行しないと、フィリピンは豊かにならず、治安も良くならないとも言う。
このガイドは只者ではない。
知識豊富な聡明なガイドだ。
そして話が面白い。 -
削り取られた太い木の幹があった。
削り取ったもので、△△△を作ったんだと説明するが、理解できなかった。
-
険しい斜面を登り始めた。
足を滑らせ、岩につまずき、足がもつれる。
難所では、欧米人の男性が私の手を引っ張り上げてくれた。 -
ガイドに呼び集められた。
草むらにキノコが生えていた。
「これがマジック・マッシュルームだ!」
「食べれば、天国にいる気分になるが、間違えれば、3日間はトイレでぐったりだぞ・・・」 -
「あの頂上が□□□山だ。 あそこまで登るぞ!」とガイド。
「ええっ! あんな上まで昇るの?」
顔を見合わせ、びっくりする私たち。
ここまで登って来たのに、まだあそこまで・・・ -
それでもぐちは言わずに、黙々と登っていく。
-
平らになった場所に、真新しい材木が置かれていた。
「ボントック周辺は伐採は禁止されている。
だから材木は高く売れる。」
「この材木は、ポリスが眠りこんだ深夜に、運び出されて・・・」 -
近くには、チェーンソウや電動のこぎりや発電機などが隠されていて、雨宿りための屋根だけの小屋もあった。
-
ぽっかり空いた草地もあった。
なんだ、ここは?
遺跡でもあるかのようだ。 -
もう少しで頂上だ。
足の疲れも忘れ、何があるのかわくわくしてきた。
しかし今回の旅、信じられない幸運が続く。
このマイアミ夫婦に出会わなければ、今頃何をしてたんだろうか・・・
何もない停車場でうろうろし、すごすごと帰っていたのではなかろうか。
それが、こんな大冒険ができている。
旅の神様がいるに違いない。
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この旅行記へのコメント (1)
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- trat baldさん 2017/06/20 07:10:58
- 本当に旅の神様が降りてきたみたいだ!
- motogenさん程の達人がマンゴーの直接かぶりつきをするとは(^o^)
一匹目の犬に首輪が付いてたにはビックリ、ジープニーの移動は楽しいね、motogenさんの日焼けがすごいけど長袖のシャツが要りそうだね。
どれほどの時間と手間がかかったか、、、、、棚田だけでも一見の価値は有るね。
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