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 朝日が昇るに従って青空が広がっていく。<br /> 谷間にかかる雲も薄れていく。<br /> マリコン・ライステラスまで出かけよう。。<br /> どんな所で、どんなものがあるのかは知らないが、知らない場所を歩き回るというだけで、良いではないか。

なぜ旅に出るんだろう? ましてやフィリピンの山岳地帯なんかへ(その10) マリコンにも旅の神様がいた

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2017/05/17 - 2017/05/17

129位(同エリア444件中)

motogen

motogenさん

 朝日が昇るに従って青空が広がっていく。
 谷間にかかる雲も薄れていく。
 マリコン・ライステラスまで出かけよう。。
 どんな所で、どんなものがあるのかは知らないが、知らない場所を歩き回るというだけで、良いではないか。

同行者
一人旅
交通手段
徒歩

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  •  朝食はビタミン豊富なフルーツだ。<br /> しかしマンゴーという果実は、どのように皮をむいて食べるのものか?<br /> 適当に切れ目つけて皮をむしり、スプーンで削り取って食べてみるが、うまくいかない。<br /> 結局は、そのままムシャムシャとかじりつき、テーブルも手もベトベトとなって、手を洗う。<br /> トマトはピーマンのように固かった。

     朝食はビタミン豊富なフルーツだ。
     しかしマンゴーという果実は、どのように皮をむいて食べるのものか?
     適当に切れ目つけて皮をむしり、スプーンで削り取って食べてみるが、うまくいかない。
     結局は、そのままムシャムシャとかじりつき、テーブルも手もベトベトとなって、手を洗う。
     トマトはピーマンのように固かった。

  •  昨日探して置いたジプニー停車場に行くと、すでにジプニーが停まっていて、満車に近い状態だった。<br /> 大きなイヌも乗っている。<br /> 少し恐かったが、買主のそばでおとなしくしていた。

     昨日探して置いたジプニー停車場に行くと、すでにジプニーが停まっていて、満車に近い状態だった。
     大きなイヌも乗っている。
     少し恐かったが、買主のそばでおとなしくしていた。

  •  しばらくすると、別の黒いイヌも乗ってきた。<br /> でも誰も、イヌが乗ってきて困るとか、じゃまだと感じている人はいない。<br /> 優しい人ばかりだ。

     しばらくすると、別の黒いイヌも乗ってきた。
     でも誰も、イヌが乗ってきて困るとか、じゃまだと感じている人はいない。
     優しい人ばかりだ。

  •  このおばあさんたちは、無数のシワに刻み込んだ、働く素敵な顔になっている。<br /> 人は歳相応な顔だちが良い、若作りのCMに乗せられない方が良い、と思えてくる。

     このおばあさんたちは、無数のシワに刻み込んだ、働く素敵な顔になっている。
     人は歳相応な顔だちが良い、若作りのCMに乗せられない方が良い、と思えてくる。

  •  客はどんどん増えてきて、押し合いへし合いで、わずかな隙間にお尻を差し込んでいく。<br /> 左側の欧米人女性は、私と同じライステラスに行くと言う。<br /> 嬉しくなる。<br /> 中央の女性は、マリコン・ライステラスの文字の入ったシャツを着こんでいる。<br /> この女性たちも観光客のようだ。

     客はどんどん増えてきて、押し合いへし合いで、わずかな隙間にお尻を差し込んでいく。
     左側の欧米人女性は、私と同じライステラスに行くと言う。
     嬉しくなる。
     中央の女性は、マリコン・ライステラスの文字の入ったシャツを着こんでいる。
     この女性たちも観光客のようだ。

  •  私の隣の男性が、欧米人女性の旦那さんだ。<br /> マイアミ生まれなのに、アメリカ人らしくない綺麗な英語を話している。<br /> 一緒にマリコンに行くということで、意気投合し、女性が記念写真を撮ってくれた。

     私の隣の男性が、欧米人女性の旦那さんだ。
     マイアミ生まれなのに、アメリカ人らしくない綺麗な英語を話している。
     一緒にマリコンに行くということで、意気投合し、女性が記念写真を撮ってくれた。

  •  山の高みを目指してジプニーがうなる。<br /> ものすごい急傾斜だ。<br /> こんなにたくさんの荷物や人を乗せて、よくぞと登れるものだ。<br /> 毎日こんなにして走っているエンジンが、かわいそうになる。

     山の高みを目指してジプニーがうなる。
     ものすごい急傾斜だ。
     こんなにたくさんの荷物や人を乗せて、よくぞと登れるものだ。
     毎日こんなにして走っているエンジンが、かわいそうになる。

  •  眼下にボントックの町が見えた。<br /> バナウェイに延びていく、チコ川に架かる橋も見える。

     眼下にボントックの町が見えた。
     バナウェイに延びていく、チコ川に架かる橋も見える。

  •  曲がりくねった坂道を、ジプニーは故障もせずに登っていく。

     曲がりくねった坂道を、ジプニーは故障もせずに登っていく。

  •  あれっ?<br /> 途中でマリコン・ライステラスのシャツを着た二人が降りてしまった。<br /> この上に民宿があるらしく、長期滞在しているようだ。

     あれっ?
     途中でマリコン・ライステラスのシャツを着た二人が降りてしまった。
     この上に民宿があるらしく、長期滞在しているようだ。

  •  一人降り、二人降り、しだいにジプニーは空になってきて、頂上付近になった頃には、欧米人夫婦と、私と、それに日本人的な発音の英語を喋る男性の、計4人となっていた。<br /> マリコンは、この集落(村)の名前だった。

     一人降り、二人降り、しだいにジプニーは空になってきて、頂上付近になった頃には、欧米人夫婦と、私と、それに日本人的な発音の英語を喋る男性の、計4人となっていた。
     マリコンは、この集落(村)の名前だった。

  •  終着点で降りたが、何もない場所だった。<br /> 一人だったら、困ってしまっただろう。<br /> 欧米人夫婦は、一緒に降りた男性に従っている。<br /> ガイドらしい。

     終着点で降りたが、何もない場所だった。
     一人だったら、困ってしまっただろう。
     欧米人夫婦は、一緒に降りた男性に従っている。
     ガイドらしい。

  •  3人は狭い通路に入り、崖っぷちを歩いていく。<br /> 私はその後を追った。

     3人は狭い通路に入り、崖っぷちを歩いていく。
     私はその後を追った。

  •  民家の脇を通っていくと、ギターをつまびく青年がいた。<br /> 欧米人がリクエストすると、恥ずかしそうにしながらも、一曲奏でてくれた。<br /> 純朴そのものの青年だった。

     民家の脇を通っていくと、ギターをつまびく青年がいた。
     欧米人がリクエストすると、恥ずかしそうにしながらも、一曲奏でてくれた。
     純朴そのものの青年だった。

  •  集落の行き止まりに、木材を組んだ柵が作られていて、それをかいくぐると、、

     集落の行き止まりに、木材を組んだ柵が作られていて、それをかいくぐると、、

  •  その下は、棚田だった。<br /> あぜ道の右側は、相当な高さの崖になっている。<br /> 足がふるえ、めまいのするようなあぜ道なのに、3人はスタスタと進んでいく。<br /> なぜ平気なんだろう?<br /> 覚悟決めて、歯をくいしばって付いて行くと、女性がポシャッと水の中に片足をつっこんだ。 

     その下は、棚田だった。
     あぜ道の右側は、相当な高さの崖になっている。
     足がふるえ、めまいのするようなあぜ道なのに、3人はスタスタと進んでいく。
     なぜ平気なんだろう?
     覚悟決めて、歯をくいしばって付いて行くと、女性がポシャッと水の中に片足をつっこんだ。 

  •  棚田を眺める絶好の場所だった。<br /> 膝をガククさせ、慎重に座り込んでカメラを取り出した。<br /> 立ったままでは、とてもカメラなんかを構えられない。<br /> 断崖絶壁への淵に立っているのだ。

     棚田を眺める絶好の場所だった。
     膝をガククさせ、慎重に座り込んでカメラを取り出した。
     立ったままでは、とてもカメラなんかを構えられない。
     断崖絶壁への淵に立っているのだ。

  •  マリコンの集落も見える。<br /> ガイドが棚田や集落の説明をしてくれる。<br /> しかし英語力のない私には、説明の半分も理解できない。<br /> 誤解や不正確さが多々あることを前提に、私が理解できたことをまとめてみる。<br /> このボントックやサガダの棚田は、遠い昔、台湾経由でやってきた中国系の人々が作ってきたらしい。<br /> しかし、バナウェイの棚田は、マレーシア・インドネシアから渡ってきた中国系の人々が作ったものだと言う。<br /> ボントックとバナウェイの棚田の違いを説明してくれるが、そこまでは理解できなかった。<br /> ただ、棚田の文化は中国から伝わって来たことに、感銘を受けた。

     マリコンの集落も見える。
     ガイドが棚田や集落の説明をしてくれる。
     しかし英語力のない私には、説明の半分も理解できない。
     誤解や不正確さが多々あることを前提に、私が理解できたことをまとめてみる。
     このボントックやサガダの棚田は、遠い昔、台湾経由でやってきた中国系の人々が作ってきたらしい。
     しかし、バナウェイの棚田は、マレーシア・インドネシアから渡ってきた中国系の人々が作ったものだと言う。
     ボントックとバナウェイの棚田の違いを説明してくれるが、そこまでは理解できなかった。
     ただ、棚田の文化は中国から伝わって来たことに、感銘を受けた。

  •  ガイドは棚田に背を向けて、山を登り始めた。

     ガイドは棚田に背を向けて、山を登り始めた。

  •  どこに行くんだろう?<br /> 道がなくなってきた。 

     どこに行くんだろう?
     道がなくなってきた。 

  •  山の中に大きな土管のようなものが隠されていて、その中に木製の棺が置かれていた。<br /> 棺は巨木をくり抜いて作られたものだ。<br /> この地方の昔の墓だという。<br /> 死者は土の中に埋めるのではなく、一種の風葬としたようだ。<br /> 棺を岩壁に吊るすサガダの風習と共通点があり、この風習はミクロネシア諸島から伝わってきたものだと言う。<br /> この風習を守っていたのは狩猟民族で、米作りをする民族に追われて、山奥に閉じ篭もったようだ。

     山の中に大きな土管のようなものが隠されていて、その中に木製の棺が置かれていた。
     棺は巨木をくり抜いて作られたものだ。
     この地方の昔の墓だという。
     死者は土の中に埋めるのではなく、一種の風葬としたようだ。
     棺を岩壁に吊るすサガダの風習と共通点があり、この風習はミクロネシア諸島から伝わってきたものだと言う。
     この風習を守っていたのは狩猟民族で、米作りをする民族に追われて、山奥に閉じ篭もったようだ。

  •  サガダのハンギング・コフィンは数も減り、今は観光化されたものしか残っていない。<br /> 狩猟民族の伝統文化は、博物館の中にしかない、と説明しながらガイドは歩いていく。<br /> 野生のパイナップルがあった。<br /> パイナップル以外にも、たくさんの野生の実を見つけては、味見をさせてくれる。

     サガダのハンギング・コフィンは数も減り、今は観光化されたものしか残っていない。
     狩猟民族の伝統文化は、博物館の中にしかない、と説明しながらガイドは歩いていく。
     野生のパイナップルがあった。
     パイナップル以外にも、たくさんの野生の実を見つけては、味見をさせてくれる。

  •  所々に杭を打ち込んだ柵が設けられている。<br /> 大型獣の進入阻止をするものなのか・・・・?

     所々に杭を打ち込んだ柵が設けられている。
     大型獣の進入阻止をするものなのか・・・・?

  •  柵の向こう側は森が切れ、陽光がそそぎ、棚田が広がっていた。

     柵の向こう側は森が切れ、陽光がそそぎ、棚田が広がっていた。

  •  田植えは終わったばかりだった。<br /> 規則正しく並んだ苗は、じか撒きではなく、1本1本手で植えられたものだ。

     田植えは終わったばかりだった。
     規則正しく並んだ苗は、じか撒きではなく、1本1本手で植えられたものだ。

  •  棚田の美しさ。<br /> 集落近くで見た景色よりも、数段美しく、雄大だ。<br /> 棚田は地主が独占していて、多くの農民は安い賃金で雇われたり、小作人となって貧しい生活を続けていると、ガイドは言う。

     棚田の美しさ。
     集落近くで見た景色よりも、数段美しく、雄大だ。
     棚田は地主が独占していて、多くの農民は安い賃金で雇われたり、小作人となって貧しい生活を続けていると、ガイドは言う。

  •  敗戦後に農地改革で農地を分け与えられた日本のように、地主をなくす政策を断行しないと、フィリピンは豊かにならず、治安も良くならないとも言う。<br /> このガイドは只者ではない。<br /> 知識豊富な聡明なガイドだ。<br /> そして話が面白い。

     敗戦後に農地改革で農地を分け与えられた日本のように、地主をなくす政策を断行しないと、フィリピンは豊かにならず、治安も良くならないとも言う。
     このガイドは只者ではない。
     知識豊富な聡明なガイドだ。
     そして話が面白い。

  •  削り取られた太い木の幹があった。<br /> 削り取ったもので、△△△を作ったんだと説明するが、理解できなかった。<br /> <br /> 

     削り取られた太い木の幹があった。
     削り取ったもので、△△△を作ったんだと説明するが、理解できなかった。
     
     

  •  険しい斜面を登り始めた。<br /> 足を滑らせ、岩につまずき、足がもつれる。<br /> 難所では、欧米人の男性が私の手を引っ張り上げてくれた。

     険しい斜面を登り始めた。
     足を滑らせ、岩につまずき、足がもつれる。
     難所では、欧米人の男性が私の手を引っ張り上げてくれた。

  •  ガイドに呼び集められた。<br /> 草むらにキノコが生えていた。<br /> 「これがマジック・マッシュルームだ!」<br /> 「食べれば、天国にいる気分になるが、間違えれば、3日間はトイレでぐったりだぞ・・・」

     ガイドに呼び集められた。
     草むらにキノコが生えていた。
     「これがマジック・マッシュルームだ!」
     「食べれば、天国にいる気分になるが、間違えれば、3日間はトイレでぐったりだぞ・・・」

  •  「あの頂上が□□□山だ。 あそこまで登るぞ!」とガイド。<br /> 「ええっ! あんな上まで昇るの?」<br /> 顔を見合わせ、びっくりする私たち。<br /> ここまで登って来たのに、まだあそこまで・・・

     「あの頂上が□□□山だ。 あそこまで登るぞ!」とガイド。
     「ええっ! あんな上まで昇るの?」
     顔を見合わせ、びっくりする私たち。
     ここまで登って来たのに、まだあそこまで・・・

  •  それでもぐちは言わずに、黙々と登っていく。

     それでもぐちは言わずに、黙々と登っていく。

  •  平らになった場所に、真新しい材木が置かれていた。<br /> 「ボントック周辺は伐採は禁止されている。<br /> だから材木は高く売れる。」<br /> 「この材木は、ポリスが眠りこんだ深夜に、運び出されて・・・」

     平らになった場所に、真新しい材木が置かれていた。
     「ボントック周辺は伐採は禁止されている。
     だから材木は高く売れる。」
     「この材木は、ポリスが眠りこんだ深夜に、運び出されて・・・」

  •  近くには、チェーンソウや電動のこぎりや発電機などが隠されていて、雨宿りための屋根だけの小屋もあった。

     近くには、チェーンソウや電動のこぎりや発電機などが隠されていて、雨宿りための屋根だけの小屋もあった。

  •  ぽっかり空いた草地もあった。<br /> なんだ、ここは?<br /> 遺跡でもあるかのようだ。 

     ぽっかり空いた草地もあった。
     なんだ、ここは?
     遺跡でもあるかのようだ。 

  •  もう少しで頂上だ。<br /> 足の疲れも忘れ、何があるのかわくわくしてきた。<br /> しかし今回の旅、信じられない幸運が続く。<br /> このマイアミ夫婦に出会わなければ、今頃何をしてたんだろうか・・・<br /> 何もない停車場でうろうろし、すごすごと帰っていたのではなかろうか。<br /> それが、こんな大冒険ができている。<br /> 旅の神様がいるに違いない。

     もう少しで頂上だ。
     足の疲れも忘れ、何があるのかわくわくしてきた。
     しかし今回の旅、信じられない幸運が続く。
     このマイアミ夫婦に出会わなければ、今頃何をしてたんだろうか・・・
     何もない停車場でうろうろし、すごすごと帰っていたのではなかろうか。
     それが、こんな大冒険ができている。
     旅の神様がいるに違いない。

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この旅行記へのコメント (1)

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  • trat baldさん 2017/06/20 07:10:58
    本当に旅の神様が降りてきたみたいだ!
    motogenさん程の達人がマンゴーの直接かぶりつきをするとは(^o^)
    一匹目の犬に首輪が付いてたにはビックリ、ジープニーの移動は楽しいね、motogenさんの日焼けがすごいけど長袖のシャツが要りそうだね。
    どれほどの時間と手間がかかったか、、、、、棚田だけでも一見の価値は有るね。

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