なぜ旅に出るんだろう？　ましてやフィリピンの山岳地帯なんかへ（その４） バキオ美人に気後れして

2017/05/13 - 2017/05/13

　目覚めは５時だった。
　２日分の睡眠とはいえ、１４時間も寝ていたことになる。
　本日はサガダ行きのバスターミナルを調べることにする。
　ついでに街の観察。
　いったいこの街は何なのか？
　山岳地域の素朴な町を想像していたのに、それとは全く違って、華やかで近代的なプチブルジョアの都会だ。
　街はお洒落な若者たちで埋めつくされ、女性たちには美人が多い。
　それも、きらびやかな衣装に、派手派手な化粧。
　自分にはちょっと苦手な娘たちだ。

エリア ルソン島(フィリピン)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩

　降り立ったビクトリーライナーのターミナルに寄ってみる。
　１階はチケット売り場と待合室で、、、

　２階に上がるとフードコートになっていた。

　みんなの食べているチキンラーメンを注文してみる。
　フィリピンではラーメンのことをマミと呼ぶらしい。
　そのマミは、あっさり味で食べやすく、１０７ペソ（２５０円）だった。
　チキンは細かく裂かれていて、ゆで卵が１個分乗っている。

　宿泊している場所は街の中心より南で、自然がたくさん残っている。
　といっても車はびゅんびゅん走っていて、静かではない。
　左の山の上にはSMモールのビルが覗いている。

　カーブした坂道を登って行くと、大きな道路が複雑に交わっている場所に出た。
　どの道がどこに通じているのか？
　その道もすぐに分岐しているので、さっぱり分からない。
　マップを睨み続けても、混乱するばかりだ。
　マップと現実の道路が、頭の中で合致していない。

　その交差点の近くに『YMCA』の建物があった。
　ドミトリーもあるバギオで唯一の格安宿泊施設のようだ。
　しかし宿泊施設は建物の一部で、施設の主な使用目的はYMCAの活動らしい。
　中に入ると体育館や各種の事務所があって、多くの若者たちが動き回っていた。
　宿泊施設の玄関はどこだ？
　迷った末に見つけたのは、左端にある入口だった。
　レセプションを訪ねると、個人部屋は１４２０ペソ（３５００円）、ドミは４００ペソ（１０００円）。
　ドミは予約なんかしなくても、当日で大丈夫との説明を受けた。

　北西方面への坂道を下っていく。
　ここが一番の繁華街なのか？
　レストランやカフェ、化粧品店や衣料店、各種の事務所と、お洒落な店が並んでいる。
　高級ホテルやコンビニもある。

　坂道を５００ｍも進むと、車で渋滞している道路に突き当たった。
　サガダ行きのバスが出ている『ダングワターミナル』は、ここを右折した場所にある。

　この三叉路は小さな広場になっていて、座り込んでいる人に混じって街を眺めた。
　ターミナルはここから３００ｍ先だ。

　下りてきた坂道を見上げてみる。
　本当にここは都会だ。
　この街で驚いたのは、ドキッとする美人が多いことだ。
　鼻筋の通った端正な顔立ちで、目元が妖しくきらめいている。
　クイッと盛り上がった腰つきと、スラリと伸びた脚は、アジア人の骨格てはない。
　こんなモデルのような美人たちを、じっと見つめる勇気はなく、ましてやカメラを向ける気力など、さらさら湧いてこない。
　「変なお爺さん」になってしまう。

　美人を撮るのは諦めて、歩道橋の上から向かう先を眺めてみる。

　道路の裏側には廃墟同然の建物があって、そこに暮らす人々が見える。
　バギオの住民の、みんながみんな豊かな暮らしをしているわけではないようだ。
　露出度の高い衣装に派手な化粧の美人と、スラムのような住居に住む人たち。
　未来の日本の格差社会の姿か？

　さてさて、ダングワターミナルはどこだろう？
　ジプニーが集結しているこの路地ではないようだ。

　この路地も怪しいが、どうも違う。

　グーグルマップの目印は、このビルの奥を指している。
　この下をくぐった先なのか？

　トンネルをくぐってみると、やはりそうだった。
　ターミナルらしき場所が見えてきた。

　バスやミニバン、ジプニーが所狭しと停車している。

　食べ物屋、雑貨屋の前は、バスやジプニーを待つ人で大混雑。
　「サガダ・・サガダ・・」
　と声を上げながら歩くと、「あっちだ・・」と教えてくれる人がいた。

　その指差す方を見れば、『BONTOC』、『BESAO』のパネルを付けたバスが停まっている。
　大きくてきれいなバスだ。

　ここがチケットを買う窓口らしい。
　サガダ行きの時刻表を見ると、
　・8:30 SAgada Ambasing
　・9:30 BESAO via Sagada
　・10:30 SAgada Ambasing
　・11.30 BESAO via Sagada
　となっている。
　明日のチケットを申し込むと、
　「３０分前に来れば大丈夫・・・」「予約はない・・・」と言われてしまう。
　苦手な英語なので、聞き間違えではないかと心配になるが、それ以上確認のしようがない。

　帰り道、バギオ大聖堂に立ち寄ってみた。
　階段途中にあるこのキリストの像は、実にリアルで生々しく、そして美しい。

　大聖堂もカラフルで、燦燦と太陽の光を浴びている姿に、ちょっとばかり感動する。
　バギオって陽光に輝く美しい街なんだ。
　目もくらむ美人たちと、輝く青い空と、白い教会・・・・
　やはりここは異国だ。

バギオ大聖堂 寺院・教会

　大聖堂の中には信者がぎっしりくつまっていて、ミサが行われていた。
　今日は土曜日。

　学生風の若者が出入り口に座っていた。
　学生風の清純そうな娘さんたちだ。
　この街は、学校が長期の休みには、学生たちが集ってくる街でもあるらしい。

　庭に座っている若者たちを狙って、遠くからさりげなくシャッターを押してみる。
　すごい美人にはカメラを向けることができないが、この程度の娘たちな許されるか？

　大聖堂の中から、この世のものとは思えない清らかな歌声が漏れてきた。
　心が洗われるような美しい合唱だ。
　賛美歌にこんな素敵なメロディーがあったのか・・・と、近づいて聞き惚れる。

　膝をついてお祈りをする姿も、胸に染み入る。
　神など信じない私だが、こんな敬虔な姿には感じ入ってしまうのだ。
　異国ならではの心境か・・・

　賛美歌をリードしていた若者たちが外に出てきた。
　なんだ、まだ悪戯ざかりの子どもではないか。

　庭に馬にまたがった騎士風の僧侶と、それに付き添う従者の像があった。
　ドラゴンクエストの、魔王に挑む勇者と僧侶みたいだ。
　楽しい！
　バギオは都会だけど、楽しい！

　午前中の街歩きはこれまでとして、ホテルに戻ることにした。
　本日歩いた道筋は赤い点だ。
　「来た道を戻ればいい・・」
と油断していたら、どこをどう間違えたのか、二度も迷ってしまい、疲れた。
　方向音痴ではない私なのに、こんな迷い方をするとは、実に困ったバギオだ。
　迷った道に青の点を付けてみた。
　多分、この道を進んでしまったのだろう。

この旅行記へのコメント （1）

• trat baldさん 2017/06/07 15:11:34

  脚は大丈夫なの？

  フィリッピンは右側通行だからバイクはヤバイとしてもレンタル自転車が欲しい雰囲気だね。
  マニラとは一味違う町並みと車や人々の服装から経済的な安定や治安の良さが窺い知れるバギオはルソン第一の目玉かもしれない。