フィリピンを初めて訪れ、週末に首都マニラを散策した。島国フィリピンは人口約1億人、面積は30万km2といずれも日本より若干少ない。国名のフィリピンは16世紀のスペイン皇太子フェリペにちなむ。首都はマニラ、市域の人口は約180万人であるが、周辺人口を含む大都市圏人口は2,300万人を超える世界最大の都市の１つだ。当然大気、水質汚染や交通渋滞などの都市問題や、貧困に伴う犯罪の発生率も世界有数の町である。緊張してニノイ・アキノ国際空港を降り立った。<br /><br />空港から敢えてバスと高架鉄道の公共交通機関を使って、まずはマニラの旧市街、イントラムロスと呼ばれる地域に向かうことにした。幸い空港からのバスの隣の席に、JTBの名札をつけた若い女性ガイドが座って来た。すかさず話しかけ、日本語でマニラの治安、危険地域や交通事情、観光のポイントなど有益な情報を得ることができた。さすがに日中ひなかに強盗はないとしても、高架鉄道などはスリによる被害が多発しているそうだ。丁重にお礼を言ってFacebookアドレスを交換して別れた。親切にもエドゥサ駅でチケット（プリペイドカード）の買い方を教えてくれて高架鉄道に乗り換え、身構えてセントラル駅に向かった。セントラル駅から目的地のイントラムロスまでは徒歩20分ほど、ここは16世紀にスペイン人によって建てられた、首都マニラの最古の地域だ。スペイン語で「壁の内側」、壁で囲まれた都市または要塞を意味する。1606年に完成、スペイン人の政治、軍事、宗教の中心地であった。イントラムロス内にはいくつかのローマ・カトリックのマニラ大聖堂やサン・アグスティン教会が築かれ、ドミニコ会、聖アウグスチノ修道会、フランシスコ会、イエズス会といった修道会によって運営された。<br /><br />フィリピンにはユネスコ世界遺産は6ヶ所あり、マニラ、パオアイ、ビガン、イロイロの4つの街に残るバロック様式の教会が、1993年にフィリピン初の世界遺産として登録された。いずれもスペイン統治下の16世紀に建てられ、メキシコなどと類似のバロック建築の影響を受けた石造の教会である。マニラ市内のサン・オウガスチン教会は、1571年に建築されたフィリピン最古の教会で、教会内に入るとしばし喧騒のマニラにいることを忘れて、スペインにいるような錯覚に陥ってしまう。教会は博物館になっており、礼拝堂にはステンドグラスの窓と、天井と壁に壁画が残っている。<br /><br />世界遺産ではないが、マニラ大聖堂の威容はサン・オウガスチン教会に劣らない。太平洋戦争で破壊されたが、戦後約10年かけて再建された。ロマネスク風のドームを持ち、ザルツブルクの街並みを思い出した。内部のステンドグラス、パイプオルガンは見ごたえがある。またいくつかの結婚式と遭遇し、フィリピンの今を垣間見ることができた。その後、イントラムロスの北の端にあるサンチャゴ要塞を訪れたところで日没となった。暗くなる前にはホテルにチェックインしようと駅への道を急いだ。<br /><br />宿は都心とは離れたオルティガス・センターのホリディインを押さえていた。ここまでの移動も敢えて高架鉄道を選んだが、これは後悔した。夕刻には凄まじいラッシュとなり、山手線以上の混みようとなった。当地ではリュックサックをお腹側に背負う若者が多いが、これを見習って荷物に常に気を配って何とか無事にホテルにたどり着いた。結果オーライとは言え、皆さんにはとてもオススメはできない。

フィリピンの世界遺産No.1 ：首都マニラのサン・オウガスチン教会とイントラムロスを訪れる

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2017/02/11 - 2017/02/12

246位(同エリア1794件中)

#世界遺産

ハンクさん

フィリピンを初めて訪れ、週末に首都マニラを散策した。島国フィリピンは人口約1億人、面積は30万km2といずれも日本より若干少ない。国名のフィリピンは16世紀のスペイン皇太子フェリペにちなむ。首都はマニラ、市域の人口は約180万人であるが、周辺人口を含む大都市圏人口は2,300万人を超える世界最大の都市の１つだ。当然大気、水質汚染や交通渋滞などの都市問題や、貧困に伴う犯罪の発生率も世界有数の町である。緊張してニノイ・アキノ国際空港を降り立った。

空港から敢えてバスと高架鉄道の公共交通機関を使って、まずはマニラの旧市街、イントラムロスと呼ばれる地域に向かうことにした。幸い空港からのバスの隣の席に、JTBの名札をつけた若い女性ガイドが座って来た。すかさず話しかけ、日本語でマニラの治安、危険地域や交通事情、観光のポイントなど有益な情報を得ることができた。さすがに日中ひなかに強盗はないとしても、高架鉄道などはスリによる被害が多発しているそうだ。丁重にお礼を言ってFacebookアドレスを交換して別れた。親切にもエドゥサ駅でチケット（プリペイドカード）の買い方を教えてくれて高架鉄道に乗り換え、身構えてセントラル駅に向かった。セントラル駅から目的地のイントラムロスまでは徒歩20分ほど、ここは16世紀にスペイン人によって建てられた、首都マニラの最古の地域だ。スペイン語で「壁の内側」、壁で囲まれた都市または要塞を意味する。1606年に完成、スペイン人の政治、軍事、宗教の中心地であった。イントラムロス内にはいくつかのローマ・カトリックのマニラ大聖堂やサン・アグスティン教会が築かれ、ドミニコ会、聖アウグスチノ修道会、フランシスコ会、イエズス会といった修道会によって運営された。

フィリピンにはユネスコ世界遺産は6ヶ所あり、マニラ、パオアイ、ビガン、イロイロの4つの街に残るバロック様式の教会が、1993年にフィリピン初の世界遺産として登録された。いずれもスペイン統治下の16世紀に建てられ、メキシコなどと類似のバロック建築の影響を受けた石造の教会である。マニラ市内のサン・オウガスチン教会は、1571年に建築されたフィリピン最古の教会で、教会内に入るとしばし喧騒のマニラにいることを忘れて、スペインにいるような錯覚に陥ってしまう。教会は博物館になっており、礼拝堂にはステンドグラスの窓と、天井と壁に壁画が残っている。

世界遺産ではないが、マニラ大聖堂の威容はサン・オウガスチン教会に劣らない。太平洋戦争で破壊されたが、戦後約10年かけて再建された。ロマネスク風のドームを持ち、ザルツブルクの街並みを思い出した。内部のステンドグラス、パイプオルガンは見ごたえがある。またいくつかの結婚式と遭遇し、フィリピンの今を垣間見ることができた。その後、イントラムロスの北の端にあるサンチャゴ要塞を訪れたところで日没となった。暗くなる前にはホテルにチェックインしようと駅への道を急いだ。

宿は都心とは離れたオルティガス・センターのホリディインを押さえていた。ここまでの移動も敢えて高架鉄道を選んだが、これは後悔した。夕刻には凄まじいラッシュとなり、山手線以上の混みようとなった。当地ではリュックサックをお腹側に背負う若者が多いが、これを見習って荷物に常に気を配って何とか無事にホテルにたどり着いた。結果オーライとは言え、皆さんにはとてもオススメはできない。