2017/02/26 - 2017/02/26
56位(同エリア1519件中)
琉球熱さん
私のお気に入りの芸術家、草間彌生女史の企画展が国立新美術館で開催されると聞き、事前にネットでチケットを入手し、穏やかな天候に恵まれた開幕最初の日曜日に出かけてきた。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 私鉄
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-
開催場所は国立新美術館。
気持ちよく晴れた日曜日、「こんな日こそ山に行くべきだったか」と思わないでもなかったが、この美術展を待ちきれなかったという事情もあり…
美術館の外も、草間ワールド国立新美術館 美術館・博物館
-
イチオシ
見よ、この美しい曲線!
この美術館は2007年1月に開館。国内5番目の国立美術館。
なんでも、床面積は日本最大とのことだ。
設計はあの黒川紀章氏。美術館としては、彼の最後の“作品”となった・・・ -
誘導路の並木も草間ワールド全開。
-
いや~ 絵になるねぇ
-
さて、いきなり会場。
この美術展の嬉しい所は、このポップアートの展示室では撮影OKと言う点。
かなり広いスペースに、女史の作品がズラリ。
入った瞬間、「おぉ~~」となる。 -
イチオシ
絵画のほかにこのような巨大なオブジェ。
原色の花が強烈なインパクトを与える。 -
「真夜中の花」・・・だったかな?
-
壁一面の絵と原色のオブジェの視覚的組合せが実に絶妙。
-
“水玉の女王”とも言われる女史だが、どうしてどうして、このようなポップアートも数多い。
どことなくキース・ヘリングを思わせる。 -
イチオシ
記念撮影する人多し。
よく見れば、植物と言うより“生き物”のような印象。 -
こんな不思議な絵、オブジェを創り出す草間彌生氏とはどんな人物なのか?
-
1929年3月22日、長野県松本市に生まれる。
生家は松本駅近くで種苗業を営み、裕福であったという。
10歳の頃より水玉と網模様をモチーフに絵を描き始め、水彩、パステル、油彩などを使った幻想的な絵画を制作。 -
・・・こう聞くと不自由のない子供時代を想像するが、実は少女時代より統合失調症を病み、繰り返し襲う幻覚や幻聴に苦しめられていた。
彼女が一心不乱にドットを描くのは、幻覚・幻聴の恐怖から身を守るための儀式でもある、とされる。 -
これは耳なし芳一が幽霊から身を守るために全身を経で埋め尽くした心理状態と似ているという。
-
そんな話を聞くと、これらの作品を「ポップアート」という明るい印象の言葉で括ることに、少々違和感もある。
-
そんな女史は1957年に渡米。
巨大な平面作品、ソフトスカルプチャー、鏡や電飾を使った環境彫刻を精力的に発表。
また、1960年代後半にはボディ・ペインティング、ファッション・ショー、反戦運動なども行った。
さらに、映画製作や新聞の発行などにも着手。多彩な才能を発揮。 -
1994年より野外彫刻を手がける。
国内では、福岡美術館、直島文化村、松本市美術館、松代駅前
海外では、TGV リール駅前(フランス)、ビバリー・ヒルズ(アメリカ)、平和公園(韓国)などに展示されている。 -
話は前後するが、彼女の絵の題材は、彼女を苦しめた幻覚や幻聴そのものという話もある。
凡人が見ると「アメーバか?」程度の発想しか湧いてこないが、そんな単純なものではないのだろう。 -
「私って天才!」
そう言ってのけてしまう女史。
確かに、凡人では到底理解できないような図柄である。 -
渡米後の才能の開花によって、「前衛の女王」と呼ばれるようになった女史。
自ら「前衛芸術家」と称している点が、既に凡人を超えているな。 -
この展示室を眺めるだけでも、「前衛」的であることは充分に感じることができる。
-
そんな小難しい話が頭をよぎりながらも、目の前の鮮やかな作品群は、凡人でも理屈抜きに楽しめる。
-
絵画、彫刻、映画、、、これだけでもマルチな芸術家と呼ぶに充分だと思うが、さらにファッションデザインや小説にまで活動の場を広げるとは、そしてそれらで数々の賞を受賞しているのだから、これは確かに“天才”。
-
1998年から1999年にかけてロスアンゼルス、ニューヨーク、東京で『大回顧展』を開催。
大きな反響を呼んだ。 -
2014年、イギリスアート・ニュースペーパー紙で「世界で最も人気のあるアーティスト」に、
2016年にはアメリカの「タイム」誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出される。 -
さて、この展示会場、実は“続きの間”がある。
この入口の先は撮影禁止。
なので作品群は会場で見てもらうしかないのだが、初期の作品が展示されていて、それは正に「前衛」。
女史が自称する「前衛芸術家」の真骨頂がここにある。
凡人にはさっぱりわからない。
美術の授業で提出したら、「もっとまじめにやりなさい!」と怒られそうなものが展示されている(笑) -
撮影禁止エリアを抜けて・・・
水玉と並んで女史を代表するモチーフ、カボチャ。
あの「瀬戸芸」でも話題だった、、、 -
イチオシ
これぞ“水玉の女王”
妙な存在感のあるマネキンたち。 -
草間彌生によって生命を吹き込まれた、とでも言おうか・・・
-
「前衛」ゾーンの出口
最後の最後に、あっと驚く仕掛けが。
現実が吹き飛ぶような体験・・・
これも実際に足を運んでもらうしかない。 -
2つの会場を後にして出口に向かうと、そこはグッズ売り場(笑)
別の意味での“草間ワールド”が広がる。
私が気に入ったイラスト、手ぬぐいである。 -
こちらも存在感充分のキーチェーン。
ディスプレイしただけで絵になる。 -
最新作?の富士山も手ぬぐいだ!
-
こんな壁紙に、こんな絵を飾ったら、さぞかし楽しいだろう。
-
こちらもいいねぇ~
-
こっちは缶バッジ
お値段お手頃。 -
おぉ、クッキーまで!
ポップな気分になれるだろうか?
ポップなオッサンというのもいただけないが・・・ -
これは紅茶だったかな。
カボチャ味、、、そんなわけはない。 -
相方がひどく固執した「YAYOIちゃん」(笑)
実は私も食指が動いた。
手ぬぐいと言い、YAYOIちゃんと言い、手頃だし面白いし、記念に買って行こうと思いつつ・・・ -
レジに並ぶこの行列を見て、即却下。
オープン間もなく入場し一時間半ほど見学して、この有様だ。
これが事前に分かっていたら、入場してすぐに寄っていたのに・・・ -
展示会場を出て、チケットを見せるとこんなシールを手渡される。
-
小さなブースの中は、観覧者が思い思いにシールを貼りつけて、一つの作品にしようという試み。
-
手渡されるシールは、いくつかのパターンがあり、同じ色でも大きさが違う。
台紙には「YAYOI KUSAMA」と印字されていて、このブースを出る時に回収される。持ち帰ることはできない仕組み。
この展示会の会期は3ヶ月。最終日にはどんな“作品”になっているのだろう? -
この行列・・・
入場待ちではない。レジ待ちである。
時刻は11時半。開館から1時間半でコレである。
皆、展示会を一通り見てきたはずの人たち。おそらくこの時点で100人ほど。 -
今回唯一の野外展示。
カボチャ
都会の真ん中、ビル街の中のカボチャ -
置かれる環境によって印象が変わるのだろう。
それも作者の意図の一つかな? -
このカボチャ、屋内からも見ることができるようになっている。
-
さて、人も多くなってきたので、そろそろ退散しますか。
-
美術館の前庭も、正午が近くなって格段に人が増えて来た。
やはり朝イチ(開館は10時)に来るのがベスト。 -
“水玉の女王”
類稀なる才能の持ち主
そんなイメージを持っていたのだが、幼少の頃からの病と闘ってきた彼女なりの武器、そしてプロセスが、KUSAMA'S worldを作っていたことを痛感。
また、来月も会いに行きます!
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この旅行記へのコメント (4)
-
- pedaruさん 2021/04/19 07:29:57
- 草間彌生
- 琉球熱さん おはようございます。
昔ロンドンに行ったとき、バスの窓からデパートが見えて、巨大な人形が立ってました。「あっ 樹木希林だ!」息子は叫びました。
実は草間彌生だったのです。海外でも評価は高いのでしょうね。
pedaru
- 琉球熱さん からの返信 2021/04/19 21:24:56
- RE: 草間彌生
- pedaruさん、こんにちは
書き込みありがとうございます
ロンドンですか!
確かに草間彌生さんは、海外で先に有名になりましたね
ニューヨークでも作品展は大変な人気だったとか
草間さんの作品を観たくて松本にも出向いたのですが、市内を循環するコミュニティバスまで「水玉」だったのは驚きでした
---------琉球熱--------
-
- picotabiさん 2017/02/27 20:39:30
- うわああ(; ・`д・´)
- すごい行列ですね… ほんと人気だよなー
一時期はまって松本の美術館まで行ったことあります。
性格的に無駄な小物は買わない主義なのですが、かぼちゃのハンカチすらも
買いたい値段ではなかったような…
今は地方の美術館にオブジェが多く見られますね。
若い頃の作品がすんばらしくて好きです。
- 琉球熱さん からの返信 2017/03/03 14:52:33
- RE: うわああ(; ・`д・´)
- picotabiさん 返事が遅くなってしまい申し訳ないです!<m(__)m>
草間さん、これほどとは予測してなかった・・・
でも、あの若冲ですら狂気じみた過熱ぶりでしたからね〜
笑ったのは、ここぞとばかり、彌生グッズを身に付けて来ていた人々。
中には黄色いかぼちゃと同じ柄のスカートをはいている人まで(笑)
そういうノリって好きじゃないんだなぁ(これも天邪鬼の性格ゆえ)
でも、あの“YAYOIちゃん”は欲しかった(笑)
初期の作品が好きだったなんて、picotabiさんも前衛芸術家だね!
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