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馳走屋河の 松山市二番町 日本屈指のご馳走屋さん ありったけの賛辞で送る ―夢のように美味しかった―夢のつづきを

旅行時期 2017/02/20 - 2017/02/21 (2017/02/28投稿

<br /><br />この店のジャンルはなんだろう?割烹でも創作日本料理とも違う、そうだ店名に答えはあった。とびっきりの「ご馳走屋」さんだ。<br />濃くて熱い緑茶をすすって、席を立つ前、ちょうど目の前のガラスケースで仕事をしていた店主に一言だけ洩らした。<br />「夢のように美味しかったです・・・・・・・・」<br />「ほんとですかぁ~」店主はこちらを一瞥もせず返答して会話は終わった。<br />夜9時半を過ぎて、店内はますます佳境を迎え、最初ははんなりした対応だった女将は余裕がなくなってきたのか大わらわの様子。<br />会計の安さに驚愕の声をあげた私を、多忙極まりないなか店の外のエレベーターまで見送ってくれた。<br />エレベーターはすぐきたが、名残惜しく開きスイッチを押させたままだ。<br />「せっかちなお客さんが多い中、食事も随分お待たせいたしましたのに、いつもやさしい声かけをくださりありがとうございました」<br />歳相応よりも肌は色艶があり、幾分火照った頬を緩め感謝された。<br />「いえ、美味しい食事には、その間というのもご馳走ですよ」<br />「慣れてらっしゃるようですね」<br />「東京の名店いくつか挙げるけどご存知?それらの店よりも遥かに凌駕するくらいに美味しかったです。店主にはあまり褒めた言葉かけてないけどね(笑)」<br />「ありがとうございます。天才シェフ、私はそう思っております、彼の料理をお召し上がりに是非またお越しくださいませ」<br />「もちろん、必ずお伺いします。食事もさることながら、なんせ、私は美人の大ファンですから(笑)」<br />そう、男なんて、人類のおまけみたいなもんだから(笑)―――。<br /><br />***************************************************************<br /><br />ホテルを立つとき、ドアマンに訊ねる。<br />「もう雨、大丈夫かな?」<br />頭上を見上げて微笑みながら首を傾げられたので、一応傘を持っていくことにした。<br />この辺り一帯は雨雲がかかっていたが、西の空は随分明るい、道後商店街を抜け、道後温泉駅に着いたときには西日がさし、西の空は真っ赤に燃えていた。<br />路面電車で道後温泉駅から市の中心地大街道まで。大街道を歩き、雨上がりの繁華街の路地を曲がり暗闇の中。<br />―――雑居ビルの外階段を昇り2階、重厚な扉。<br />福沢諭吉様が消えていく客単価の飲食店訪問は、よっぽどお気に入りにならないかぎり2回目訪問はない。<br />お眼鏡にかなったのはただいま全国で7店のみ。<br />前回の訪問からわずか2週間。<br />リピート最短記録をあっという間に塗り替えた。<br />6時開店同時の予約を入れたが、「6時15分にお願いしたい」と電話にでた前回訪問時感心したアグレッシブな板場の助手は言う。<br />―6時15分、雑居ビルの外階段を昇り2階、重厚な扉を開ける―<br />入ったすぐ右側に陶器の傘立てがあり、傘を差し込む。<br />その瞬間、この傘は忘れるだろうという予感があった。<br />でも、いいや。傘を取りに来る口実にまた来よう。<br />今夜は和装の女将が、にこやかに優雅に立っている。<br />でも、優雅なのは最初の20分くらいまでだと前回の訪問時に知っている(笑)。<br />「わぁ、眩しい!!今日も一段と温泉湯上りゆで卵のようにお肌つるんつるんですね~!!」とは、心の中だけで言ってみた。<br />次回は、ぜひ口に出して伝えよう。<br />「こんなに早くにありがとうございます」<br />時間帯のことかなと思い訝しがっていると<br />「いえ、間隔がね」と、微笑まれた。<br />名物が書き連なる惚れ惚れするくらい綺麗なチョークの字で書かれた黒板の正面、一番奥の席に案内される。隅っこ大好きな私が本領発揮する場所、しかも大将が居座るまん前、気分はすっかり常連さん気取りだ(笑)。<br />おそらく、来訪時間帯の順番に席が決まるだけなんだろうけど。<br />さて、ご馳走時にはビールなんか断じて飲まない主義。<br />前回は立春一番絞りがすこぶる美味かった。<br />今回も女将に全面的におまかせしようと後ろのカウンターを振り替える。<br />―あれ!?―<br />前回みかけなかった若い女性が働いている。<br />キリンのように華奢ですらりとして背が高く、束ねている髪が尾長鳥のように長い。<br />瞳はペルシャネコのように大きく鋭く睫は揚羽蝶が優雅に留まれるくらいに長く口元は太平洋の孤島の爬虫類のように引き締まっている。<br />瞬時に女将の存在が消えてしまった(笑)。<br />―なんと、美しい―<br />―そして、なんと彼女は陰と光を同時に宿しているのか―<br />彼女を一瞥したとたん、最近読んだ新海誠氏の小説『言の葉の庭』の主人公、古文の高校教師、雪野百香里先生の姿を自然と重ね合わせた。<br />アニメーション映像の雪野百香里先生はまったく知らない(小説だけで十分、世界がより効果的に満たされる)、文字だけの世界をなぞらい彼女を髣髴させられたのだ。<br />いつから どこで なぜ ここに<br />彼女をめぐる謎解きのような時間軸と空間軸がはじまった―――。<br /><br /><br />「まだほんの少し残ってるよっ。いいの?いいの?わたし飲んじゃうよっ」<br />女将は真鍮のグラスの底に2mmほど残っていた「尾根越えて」を下げようとするとき愛情たっぷりに妙になれなれしく突っ込んでくる。<br />前回と違い、こちらが面食らってしまうくらいの横柄な(でも愛のある)対応だ(こういうの最近では神対応っていうのですか?)。<br />後ろを通る度さりげなく肩をたたき、あるいは背中を摩り、一言残して去ったり、「待たせてるわねっ」と耳たぶを握ったり。<br />雲のようにポッカリ浮かんだ心地がする。<br />―これがきっと、夜の大人の世界なんだ―<br />繁華街の夜の世界にまったく無縁な私は、少年が生まれてはじめて映画館でのデートのときのようにうっとりする。<br />そして耳たぶをキュッと握られた暁には年甲斐もなく赤面し心臓音が高鳴るのがわかる。<br />そのいけない心根を打ち消そうとちょっとだけ杯を傾けるテンポがはやくなってしまった(それはちょっと作り話ですが)。<br />―――じっくり焼き上げられたメインの牛肉をいただく。繰り出される一皿一皿が―旨いっ!!―のビッグウェーブが押し寄せる。<br />「美人三姉妹もなにか飲まれます?」<br />最後の食事土鍋ごはんの前に女将に口走る。<br />「あら、よろしいんですか~~、私ワインいただいてもいい♪?」<br />「はいはい(笑)」<br />3時間たっぷり食事とお酒を楽しみデザート前、気づかぬうちに背後に影。<br />「ありがたくちょうだいします」と6つの瞳。<br />惚れ惚れするくらいスピーディーな手つきで料理をしあげる助手と雪野先生とネコちゃん女将。<br />「ほんと三人並ぶと美人三姉妹だね~~」と嘘偽りなく洩らす。<br />美人は大別して4種類、ワンちゃん系、ニャンコ系、ポンポコリン系、オキツネコンコン系だという持論。<br />―3人ともまちがいなく・・・・・猫姉妹だな―心のなかでつぶやく。<br />そして、美しいなかでもひときわ美しい彼女。<br />何を尋ねても一言ぶっきらぼうに返すだけの彼女。<br />私のトキメキ光線を余所に、常に素っ気無い彼女。<br />グラスを持った雪野先生が今夜はじめて微笑んだように思う。<br />彼女は教師をめざし、故郷を離れ遠路はるばるこの地の大学に学びにやってきた。<br />彼女を雪野百香里先生に重ね合わせたのも、まんざらではなかった―――。<br /><br /> 二人に見送られ、エレベーターで1階に降りて、はたと思いつく。<br />―そうだ、傘をやっぱり忘れてきた―<br />慌てて階段をかけあがる。<br />その傘はホテルで借りたものだった――――。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />3回目訪問につづく<br /><br />



この店のジャンルはなんだろう?割烹でも創作日本料理とも違う、そうだ店名に答えはあった。とびっきりの「ご馳走屋」さんだ。
濃くて熱い緑茶をすすって、席を立つ前、ちょうど目の前のガラスケースで仕事をしていた店主に一言だけ洩らした。
「夢のように美味しかったです・・・・・・・・」
「ほんとですかぁ~」店主はこちらを一瞥もせず返答して会話は終わった。
夜9時半を過ぎて、店内はますます佳境を迎え、最初ははんなりした対応だった女将は余裕がなくなってきたのか大わらわの様子。
会計の安さに驚愕の声をあげた私を、多忙極まりないなか店の外のエレベーターまで見送ってくれた。
エレベーターはすぐきたが、名残惜しく開きスイッチを押させたままだ。
「せっかちなお客さんが多い中、食事も随分お待たせいたしましたのに、いつもやさしい声かけをくださりありがとうございました」
歳相応よりも肌は色艶があり、幾分火照った頬を緩め感謝された。
「いえ、美味しい食事には、その間というのもご馳走ですよ」
「慣れてらっしゃるようですね」
「東京の名店いくつか挙げるけどご存知?それらの店よりも遥かに凌駕するくらいに美味しかったです。店主にはあまり褒めた言葉かけてないけどね(笑)」
「ありがとうございます。天才シェフ、私はそう思っております、彼の料理をお召し上がりに是非またお越しくださいませ」
「もちろん、必ずお伺いします。食事もさることながら、なんせ、私は美人の大ファンですから(笑)」
そう、男なんて、人類のおまけみたいなもんだから(笑)―――。

***************************************************************

ホテルを立つとき、ドアマンに訊ねる。
「もう雨、大丈夫かな?」
頭上を見上げて微笑みながら首を傾げられたので、一応傘を持っていくことにした。
この辺り一帯は雨雲がかかっていたが、西の空は随分明るい、道後商店街を抜け、道後温泉駅に着いたときには西日がさし、西の空は真っ赤に燃えていた。
路面電車で道後温泉駅から市の中心地大街道まで。大街道を歩き、雨上がりの繁華街の路地を曲がり暗闇の中。
―――雑居ビルの外階段を昇り2階、重厚な扉。
福沢諭吉様が消えていく客単価の飲食店訪問は、よっぽどお気に入りにならないかぎり2回目訪問はない。
お眼鏡にかなったのはただいま全国で7店のみ。
前回の訪問からわずか2週間。
リピート最短記録をあっという間に塗り替えた。
6時開店同時の予約を入れたが、「6時15分にお願いしたい」と電話にでた前回訪問時感心したアグレッシブな板場の助手は言う。
―6時15分、雑居ビルの外階段を昇り2階、重厚な扉を開ける―
入ったすぐ右側に陶器の傘立てがあり、傘を差し込む。
その瞬間、この傘は忘れるだろうという予感があった。
でも、いいや。傘を取りに来る口実にまた来よう。
今夜は和装の女将が、にこやかに優雅に立っている。
でも、優雅なのは最初の20分くらいまでだと前回の訪問時に知っている(笑)。
「わぁ、眩しい!!今日も一段と温泉湯上りゆで卵のようにお肌つるんつるんですね~!!」とは、心の中だけで言ってみた。
次回は、ぜひ口に出して伝えよう。
「こんなに早くにありがとうございます」
時間帯のことかなと思い訝しがっていると
「いえ、間隔がね」と、微笑まれた。
名物が書き連なる惚れ惚れするくらい綺麗なチョークの字で書かれた黒板の正面、一番奥の席に案内される。隅っこ大好きな私が本領発揮する場所、しかも大将が居座るまん前、気分はすっかり常連さん気取りだ(笑)。
おそらく、来訪時間帯の順番に席が決まるだけなんだろうけど。
さて、ご馳走時にはビールなんか断じて飲まない主義。
前回は立春一番絞りがすこぶる美味かった。
今回も女将に全面的におまかせしようと後ろのカウンターを振り替える。
―あれ!?―
前回みかけなかった若い女性が働いている。
キリンのように華奢ですらりとして背が高く、束ねている髪が尾長鳥のように長い。
瞳はペルシャネコのように大きく鋭く睫は揚羽蝶が優雅に留まれるくらいに長く口元は太平洋の孤島の爬虫類のように引き締まっている。
瞬時に女将の存在が消えてしまった(笑)。
―なんと、美しい―
―そして、なんと彼女は陰と光を同時に宿しているのか―
彼女を一瞥したとたん、最近読んだ新海誠氏の小説『言の葉の庭』の主人公、古文の高校教師、雪野百香里先生の姿を自然と重ね合わせた。
アニメーション映像の雪野百香里先生はまったく知らない(小説だけで十分、世界がより効果的に満たされる)、文字だけの世界をなぞらい彼女を髣髴させられたのだ。
いつから どこで なぜ ここに
彼女をめぐる謎解きのような時間軸と空間軸がはじまった―――。


「まだほんの少し残ってるよっ。いいの?いいの?わたし飲んじゃうよっ」
女将は真鍮のグラスの底に2mmほど残っていた「尾根越えて」を下げようとするとき愛情たっぷりに妙になれなれしく突っ込んでくる。
前回と違い、こちらが面食らってしまうくらいの横柄な(でも愛のある)対応だ(こういうの最近では神対応っていうのですか?)。
後ろを通る度さりげなく肩をたたき、あるいは背中を摩り、一言残して去ったり、「待たせてるわねっ」と耳たぶを握ったり。
雲のようにポッカリ浮かんだ心地がする。
―これがきっと、夜の大人の世界なんだ―
繁華街の夜の世界にまったく無縁な私は、少年が生まれてはじめて映画館でのデートのときのようにうっとりする。
そして耳たぶをキュッと握られた暁には年甲斐もなく赤面し心臓音が高鳴るのがわかる。
そのいけない心根を打ち消そうとちょっとだけ杯を傾けるテンポがはやくなってしまった(それはちょっと作り話ですが)。
―――じっくり焼き上げられたメインの牛肉をいただく。繰り出される一皿一皿が―旨いっ!!―のビッグウェーブが押し寄せる。
「美人三姉妹もなにか飲まれます?」
最後の食事土鍋ごはんの前に女将に口走る。
「あら、よろしいんですか~~、私ワインいただいてもいい♪?」
「はいはい(笑)」
3時間たっぷり食事とお酒を楽しみデザート前、気づかぬうちに背後に影。
「ありがたくちょうだいします」と6つの瞳。
惚れ惚れするくらいスピーディーな手つきで料理をしあげる助手と雪野先生とネコちゃん女将。
「ほんと三人並ぶと美人三姉妹だね~~」と嘘偽りなく洩らす。
美人は大別して4種類、ワンちゃん系、ニャンコ系、ポンポコリン系、オキツネコンコン系だという持論。
―3人ともまちがいなく・・・・・猫姉妹だな―心のなかでつぶやく。
そして、美しいなかでもひときわ美しい彼女。
何を尋ねても一言ぶっきらぼうに返すだけの彼女。
私のトキメキ光線を余所に、常に素っ気無い彼女。
グラスを持った雪野先生が今夜はじめて微笑んだように思う。
彼女は教師をめざし、故郷を離れ遠路はるばるこの地の大学に学びにやってきた。
彼女を雪野百香里先生に重ね合わせたのも、まんざらではなかった―――。

 二人に見送られ、エレベーターで1階に降りて、はたと思いつく。
―そうだ、傘をやっぱり忘れてきた―
慌てて階段をかけあがる。
その傘はホテルで借りたものだった――――。









3回目訪問につづく

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テーマ:
街歩き
エリア:
愛媛 | 松山
エリアの満足度:
評価なし

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