2016/12/31 - 2017/01/01
29位(同エリア222件中)
玄白さん
4Travelerの皆様、明けましておめでとうございます。拙い旅行記ですが、今年もよろしくお願いします。
年に一度の年末年始、自分と連れ合い双方の実家がある静岡県への帰省。以前は、大みそか、正月と昼間から飲んで食べてのぐうたら帰省だったが、3年ほど前からカメラを携行し、近場で富士山撮影をするようになった。3年目ともなるといささかマンネリ気味ではあるが、今回もいつものあちらこちらの撮影ポイントへ出かけたのであった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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12月30日に自宅を出発。午前中は、快晴だったが、昼過ぎになると富士山に雲がかかってしまい、富士山撮影は断念。
日が替わり12月31日の夜中、午前1時に起床、自分の実家から静岡市清水区の薩埵(さった)峠へ。
分かりにくく、非常に狭い山道を登ったところにある。行き方は静岡市の広報HP
http://www.city.shizuoka.jp/000_001369.html
にわかりやすく説明されている。
東名高速と国道一号線が交差する絶景が見られる展望台の駐車場からさらに東へ1kmほど行った由比、蒲原の街並みが見下ろせるところまで進む。
夜中に出かけたのは、富士山と由比の夜景を入れた星景写真を撮るためだったが、あいにく雲がかかり、星景写真は断念。雲が取れるまで車の中で待機。
5時半ごろになって、ようやく富士山が姿を現した。 -
既に空は明るくなり始めたが、まだ星は見えているので、短時間だが、星の日周運動を撮る。
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イチオシ
日の出30分前、マジックアワーが始まった。昨年は富士山の雪が異常に少なかったが、今年はいつものようにたっぷりの積雪で、冬の富士山らしい姿だ。
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富士山頂上に朝日が射し始め、赤みは十分とは言えないが紅富士出現。
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紅富士をアップで
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伊豆半島から昇る2016年最後の日の出。
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朝日に照らされて輝く駿河湾
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薩埵(さった)峠展望台近くの駐車場に立ち寄り、トイレ休憩。
ここからハイキングコースになっている遊歩道を西に行くと正面に富士山、眼下に東海道本線、東名高速、国道一号が走る有名な富士山撮影ポイントがあるのだが、今回はそちらはパス。 -
参考までに、2年前に撮影した薩埵峠での撮影。
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峠の駐車場からは、こんな風景が広がっている。
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薩埵峠での撮影を終えてから、富士山静岡空港へ。空港のレストランで朝食を摂り、富士山と飛行機のコラボ写真に再トライしようというのである。2年前に撮影に来たのだが、靄って富士山がよく見えなかったのである。
空港駐車場に着いたとき、8:50発の福岡行きのフジドリームエアライン機が飛び立ってしまった。タッチの差で間に合わず。 -
駐車場は満杯。地方空港にしては、そこそこフライト本数も多い(国内線7本、国際線3~6本)のだが、それでも赤字。平成26年度決算は、着陸料など収入229百万円に対して空港管理運営費・人件費は727百万円で、498百万円の赤字! この赤字は静岡県民の税金で補てんされている。
行政がやる事業は甘い計画で進め、結果は赤字垂れ流しとなることが多いが、静岡空港も例外ではない。
次のフライトまで時間があるので、空港内の食堂で朝食を済ませ、近くの蓬莱橋に行ってみる。ここも2年前に次いで2回目だ。 -
空港の周囲は牧之原台地の広大な茶畑が広がっている。富士山も良く見えるのだが、防霜ファンが林立していて、風景写真としては具合が悪い。
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蓬莱橋は大井川東岸が入口になっているのだが、偶然反対側から入れる道を発見した。東岸の入口では橋を渡るのに料金100円を徴収されるが、こちらからだと、タダで渡れるのである。
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蓬莱橋全景。大井川に架かる全長897.4mの世界一長い歩行者専用の木造橋(ギネス認定)である。ただし、この橋はよくある観光用に架けられた橋ではなく、明治時代、牧之原台地の茶畑開墾に携わる人達が、対岸の島田に食料・生活用品を買い出しに行くために架橋した生活に必要な橋だったのである。
木造のため、しばしば大井川の増水で破損・流失したが、その都度再建されてきた。最近では1965年に橋脚だけはコンクリート製に替えられた。 -
のんびり景色を眺めながら歩くと往復で30~40分はかかる長大な橋である。
長さ897.4mなので、「厄無しの橋」とか、長い木の橋=長生きの橋といった語呂合わせも観光に一役買っている。 -
富士山も入れようとすると、こんな構図になってしまう。
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イチオシ
「まむし注意」という立て札がたっている細い道を下に降りていくと、橋脚の間に富士山が見えるこんな構図の写真が撮れる。地元のカメラマンには人気の富士山撮影ポイントらしいが、今日はだれも撮影していない。
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大井川の水量がもっと多く、流れが穏やかだと橋や富士山の映り込みも映えるのだが、そんなに好条件には恵まれない。風景写真にのめり込んでくると、そんなことばかり考えてしまう。
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蓬莱橋の上に戻り、対岸まで歩いてみる。橋の上からの富士山。
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東側(島田側)の端まで来た。こちらから橋を渡るときは、この番小屋で、料金100円を払わねばならない。
渡り切るまえに、引き返そう。 -
橋の欄干は低く、風が強いときはちょっと怖いかもしれない。
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戻ってきた。
こんな土産物屋の小屋が立っている。大井川の小石を使った置物などを売っている。 -
土産物小屋の横に「蓬莱の島台」という小さな公園のような一角があり、そこに七福神などの像や蓬莱吉祥天が祭ってある。写真は蓬莱吉祥天。
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蓬莱とは何かなどを説明してある看板や大井川の地質学的歴史を解説した看板があちこちに建っている。
蓬莱の看板には、こんなことが書かれている。
<蓬莱の意味>
一、仙人が住むと言う幻の蓬莱山のこと。
二、我が国では、徐福が眺めた富士山のこと。
三、中国では、台湾を蓬莱島という。
四、唐の高宗が長安に建てた宮殿大明宮の別名。
五、蓬莱山の絵画のこと。
六、蓬莱山を模してこれに松竹梅・鶴・亀・高砂を州浜台にセットした婚礼、餐応用の飾り台(島台)のこと。(看板の原文より)
写真は蓬莱思想の基本は「愛和長寿」で、それを示す道祖伸のような像も置かれている。
秦の始皇帝が不老長寿の妙薬を求めて徐福を東海の蓬莱島に行かせたということが司馬遷の「史記」に書かれている。その徐福が、この地に来たという伝説があるので、上記の看板の一、二の説明に繋がっているのであろう。 -
大井川は、13万年~7万年前には、今の牧之原台地を流れていた。その当時の河口だった付近から発掘された化石を含んだ岩塊が展示されている。
不届き者が化石をはがさないよう、金網で囲まれている。 -
また静岡空港に戻る。
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ターミナルビルから400mほど歩いたところに、石雲院展望デッキという展望台がある。近くに龍門山石雲院という禅寺があるので、展望デッキの名前はそれにちなんでいる。また、禅の極意と関係深い円を多用した建築デザインになっている。
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広い展望台で、ガラス貼りの休憩スペースには、「呈茶コーナー」&「カフェコーナー」が設置されていて、週末と祝日の昼間は、無料で牧之原台地の緑茶とコーヒーの無料サービスがある。空港見学に来た人だけでなく、飛行機オタクのたまり場にもなっているようだ。
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11:30に定刻通り、ソウルからのエアソウルRS712便が到着。
エアソウルは2016年10月から週5便が就航するようになった。 -
この日の到着便は滑走路東側から進入するので、富士山と一緒に撮影しようとすると、飛行機はすでに着地してしまっている。
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この空港は茶の生産が盛んな牧之原台地の上に造成されている。西側の山の斜面には「茶」の文字が浮かび上がっている。
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赤い飛行機はフジドリームエアライン(FDA)の機体。
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エアソウル機と入れ替わり、FDA133便鹿児島行きが離陸準備
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離陸の時は西側から飛び立つ。やっぱり、富士山を入れた構図では、飛行機はまだ地上を走っている。
富士山の上空に飛行機を置こうとすると、この展望デッキではなく、滑走路東側に移動しなければならないのだが、あいにく富士山に雲がかかり始めたので、そちらに移動するのは断念。 -
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エアソウルの飛行機はRS711便となってソウルに向かって出発準備。わずか一時間で、燃料補給や清掃、機体整備を終えて出発だ。なお、エアソウルはアシアナ航空系のLCCである。
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エアソウル機が離陸準備している間に、遅れていたANAの千歳からの便が到着。
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タッチダウン
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富士山は、ほとんど、雲に覆われそうになっている。
富士子さんは、ほんとうに気難しい美人である。 -
着陸したANA機をアップで。背景に防霜ファンが林立する茶畑が見える。
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エアソウル機とANA機
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かろうじて頂上が出ている富士山
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離陸してすぐに、東から西に旋回。ソウルへ
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12時すぎたので、ターミナルビルに戻り、軽食のランチを摂る。
連れ合いが、売店で空港みやげを物色している間、ターミナルビル3階の展望台へ。 -
ANA便の機長をアップで写そうとしたが、窓枠が邪魔で撮れない。
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千歳からのANA機は13:05発の沖縄行きとなって出発。地上スタッフの見送りを受けて、タキシーイング開始。
到着してから出発までわずか40分。ANAも忙しい。 -
遠方にチョコッと顔を出している雪をかぶった山は南アルプスだ。
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富士山とANA機
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現在、富士山静岡空港に乗り入れているのは、この6社である。一応JALはFDAとのコードシェア便で、就航していることになっている。国際線は中国、台湾、韓国の3か国のみ。
東京~富士山~大阪という外国人観光客のゴールデンルートの真ん中に位置しているので、他の地方空港に比べれば、恵まれている方なのだろう。それでも大赤字という地方の厳しい現実がある。 -
飛行機撮りに飽きてきたので、実家の子供たちにケーキを買って戻る。
夕方、実家から歩いてすぐの海岸に出て、夕日に染まった富士山を一枚パチリ。
松林の中に見えているのは、「ディスカバリーパーク」という焼津市営の天文科学館の天文台である。 -
イチオシ
2017年元旦。
毎年、ディスカバリーパークの前で「焼津初日の出群舞」というよさこいイベントが行われる。それを見ながら、初日の出を迎えるというのがいつもの元旦の迎え方になっている。
今年は、とても暖かな正月なので、午前3時に起きて、天文館と星のグルグル写真を撮ってみることにした。 -
初日の出一時間前から初日の出を拝むために人が集まりだした。暖かいとは言え、真冬である。あちこちで海岸の流木を燃やして暖を摂っているグループがいる。
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夜明け前の富士山
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6:30 ヨサコイが始まった。初日の出を挟んで一時間ほど踊りが続く。
例年より参加者が少ないような・・・ -
旗振りも始まった。
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富士山の周りもほんのり赤みがさしてきた。
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初日の出!
伊豆半島上空に雲がかかっていて、雲を抜けて太陽が顔を出したのは、日の出6:54に遅れること15分後だった。 -
波打ち際は、初日の出を見に来た人たちで埋め尽くされている。
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イチオシ
初日の出は、日本人にとって特別なものなのだと改めて思う。たまに帰省したときは、この海岸で朝のウォーキングをするのだが、普段はジョギングや犬の散歩をする人、数人を見かけるだけなのだが、元旦の朝だけは有名神社の初詣のような人出でにぎわう。
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海面には、海霧が出ている。
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堤防の上には棕櫚(シュロ)の木が植えられていて、そのシルエットがヤシのようでもあり、どこか南国ムードが漂っている。
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ヨサコイの演目。地方色豊かなタイトルばかりだ。
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日が昇っても、よさこい踊りは続く。
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よさこいは続いているが、実家に戻り、雑煮をいただく。
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朝食の後は、三島市の連れ合いの実家に向かう。
途中、焼津港の外港である小川港に立ち寄り、新年を祝う漁船の大漁旗と富士山を撮影。 -
イチオシ
船の舳先にはユリカモメが羽を休めている。
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イチオシ
船の間から富士山
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以前は、岸壁に所狭しと漁船が並び、風になびく夥しい大漁旗が華やかだったが、随分、漁船の数が減って寂しくなってしまった。農業と同じく、漁業も高齢化と後継者不足で廃業している漁師さんが増えているのだろうか・・・
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一隻の漁船が入港してきた。元旦から操業?
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羽を休めていたユリカモメが時々飛び立ち、船の周りを旋回している。
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ユリカモメ君も富士山を眺めている?
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三島に向けて国道一号バイパスを車を飛ばす。途中、富士市の今宮地区に立ち寄り、茶畑と富士山の撮影。
牧之原台地の茶畑は防霜ファンが立ち並び風景写真にはならないのだが、ここは珍しく、防霜ファンや電柱がなく、絶好の富士山と茶畑のコラボ写真の撮影ポイントになっている。5月の茶摘みシーズンになると、大勢のカメラマンが押し寄せるところだ。 -
連れ合いの実家に到着。
夕暮れ時になったので、実家の裏の高台に行き、夕日に照らされた富士山の撮影。 -
この高台からは、駿河湾と沼津の街並みが見下ろせる。
駿河湾の彼方、静岡市清水区あたりに元日の太陽が沈みつつある。 -
初日の入りだ!
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イチオシ
大晦日の夜明け前に撮影に行った薩埵峠あたりに沈んでいるのだろうか
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イチオシ
日が沈み、富士山麓の裾野市にも街灯りが灯りだした。
そろそろ、連れ合いの実家での宴会が始まるので、撮影は切り上げて戻ることに。 -
翌1月2日
またまた、富士山と裾野市の街灯りを前景に、星の日周運動を撮ろうと午前3時半に起床。しかし、残念ながら薄雲が広がり、撮影断念。
風景写真の対象として、富士山は実に魅力的な被写体である。同じ場所で撮影しても、そのときの気象、季節、時間により、2つと同じ写真にはならない。そして、なかなか素直に姿を見せてくれず、じらされる。以前、富士山ばかり撮影している写真家がいると聞いて、よく飽きないものだといぶかっていたが、最近、その気持ちがわかるようになってきた。
今年も富士山病が続きそうだ。
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この旅行記へのコメント (2)
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- クッシーさん 2017/01/06 12:47:52
- 本年もよろしくお願いいたします
- 玄白さま
明けましておめでとうございます。
新年から美しい富士山、初日の出と縁起の良い風景を拝ませていただきました。
2017年も素晴らしい写真を楽しみにしております。
本年もよろしくお願いいたします。
クッシー
- 玄白さん からの返信 2017/01/06 21:35:04
- RE: 本年もよろしくお願いいたします
- クッシーさん
明けましておめでとうございます。
昨年は、拙い玄白の旅行記に訪問、いいね投票ありがとうございました。
今年もあまり変わり映えしませんが、旅行記作りに精を出したいと思っております。
今年もよろしくお願いします。
玄白
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