2016/12/09 - 2016/12/09
109位(同エリア976件中)
kojikojiさん
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- 旅行記1484冊
- クチコミ1138件
- Q&A回答73件
- 2,683,650アクセス
- フォロワー151人
昨年の12月に行ったミュンヘンベースのクリスマスマーケット巡りがあまりに楽しかったので、夏の頃から面白そうなツアーを探していました。そんな中で7月下旬に見つけたのがクラブツーリズム社の「ベスト・クリスマスマーケット2016第1位 ザグレブと10のクリスマス市」でした。クロアチアのザグレブをスタートに、スロベニアのリュブリアーナ、オーストリアのグラーツとザルツブルグとインスブルック、イタリアのトレントとボルツァーノとメラーノとヴェローナ、最後にベルガモの10か所の都市を周ります。ザルツブルグ以外は空白のエリアの小さな村だったり、行きたかったけど諦めていた場所ばかりでした。これは行かない訳にはいかないと申し込みを済ませました。そのため4カ月くらいかけて準備が出来たので現地についても困ることはありませんでした。各地の自由時間は1時間から4時間でその間に昼食もしなければならないので無駄な時間は全くありませんでした。
そして成田を出発してイスタンブールでトランジットして着いたのはクロアチアのザグレブです。クロアチアの地に足を踏み入れるのは今回が3回目でした。前の2回はイタリアのトリエステからバスでリエカに入り、フェリーでドブロブニクまで旅したのとヴェネツィアを出発した大型クルーズ船でドブロブニクに立ち寄っただけでした。その前にも1991年の秋にイタリアのバーリにいたことがありました。予定ではフェリーでドブロブニクへ渡ろうと思っていたのですが、テレビではドブロブニクの街がスルジ山からのロケットランチャーで破壊され、フェリーには人が鈴生りになって避難民がスタジアムに溢れていました。そんなことを思い出しながら到着したザグレブはいたって平和な都市でした。空港でバスに荷物を積み込んでしまえばほとんど空身で30分も走れば市内に到着です。後は心配なのは寒さくらいなものです。「イェラチッチ総督広場」まで全員で移動して、4時間の自由行動になりました。広場には雪の積もった森のようなマーケットが設けられて雰囲気は最高です。残念なのは昼過ぎまでの滞在なので夜のライトアップを見ることが出来ないことです。来る前にかなり細かく調べていて、行動をシュミレーションしておいたのは正解で、町中を迷うこともなく目的の場所にはほとんど行くことが出来ました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 社員・団体旅行
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 観光バス 徒歩
- 航空会社
- ターキッシュ エアラインズ
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- クラブツーリズム
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イスタンブールを午前8時20分に出発して2時間20分ほどのフライトと2時間の時差で時計を戻すと、ザグレブ到着は午前8時30分でした。荷物を受け取って集合して表に出て両替を済ませます。両替のカウンターとクレジットカードのATMがあったので並ばないで済むATMを利用しましたが、600クーナか1,200クーナが限度のようで、それ以上の金額を選択してもはじかれてしまいました。
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空港の目の前の公園でも木々は霧氷で白く凍り付いていました。ここで乗ったバスは最終のミラノまで一緒でした。ドライバーさんも同じでアントンさんというクロアチア人でした。年齢から言ってクロアチア紛争の頃にはいろいろあったと思いました。ドブロブニクの旧市街の中にアパートを借りた時、大家さんのアナさんと1991年の紛争について話をしたことを思い出しました。その時の彼女の遠くを見る視線と悲しそうな表情は忘れられません。
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イェラチッチ総督広場の近くでバスを降りて全員で移動します。最後にスーパーマーケットで買い物をすることにします。KONZUM(コンズム)はクロアチアにたくさんあるスーパーです。団体行動はここまでで添乗員さんと一緒にマーケット巡りをするもよし、別行動でもよしで午後2時10分に再集合です。
今回参考にしたのは:アドヴェント・イン・ザグレブのホームページです。
HP:http://www.adventzagreb.com/ -
ザグレブの人々が毎日眺めていた広場の騎馬像は旧ユーゴスラヴィア時代の1947年に撤去され、広場の名前は「共和国広場」に変わりました。隣国のスロヴェニアに続き1991年にクロアチアが独立すると同時に、馬に跨った「イェラチッチの像」が元の位置に戻り広場が復活します。1991年は2か月ほどかけてオーストリアからイタリアとスイスを旅していて接点も多かったので感慨深い年です。
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イェラチッチは1848年革命のときにウィーン・ハプスブルク家のフェルディナント1世の下で、ハンガリー革命を収めたことによってクロアチアの総督に任ぜられます。任期中に奴隷制廃止などの政策を実行します。
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イタリアのパドヴァのドナテッロの「ガッタメラータ騎馬像」とブダペストの「聖イシュトヴァーン騎馬像」が個人的な騎馬像の首位ですがこの像もなかなか良いです。
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イェラチッチ広場にある泉は「アドヴェント・クランツ」に姿を変えていました。戦地から戻ったイェラチッチが、水場に佇む美しい娘に声をかけたという言い伝えが残るマンドゥシェヴァツの泉です。これは添乗員さんの受け売りです。
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同じ広場でも管轄や経営が違うのか、いくつかのクリスマスマーケットに分かれていました。
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一見本物の雪のようですが、偽物の雪が噴きつけてあります。ザグレブではこのタイプの雪が何か所か見られました。
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まだ朝の10時なので店開き前です。
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広場の北側には花市場が立っていたので覗いてみます。日本に帰ったらお正月の準備をしないとと思ってしまいます。
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可愛らしい飾りが10クーナで約180円です。今回スロヴェニアとオーストリアとイタリアにも行きましたが、クロアチアが物価が一番安かったです。旅のスタートで買い物モードに入っていなかったのが残念です。
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といっても生のリースをここで買う訳にはいきませんが。
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花市場の奥の階段を上がると銅像がありました。「母をたずねて三千里」のマルコのお母さんを思い出しました。
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銅像の横にはザグレブで一番古い「ドラツ青果市場」があります。
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色鮮やかなリンゴやオレンジが並んでいます。
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クロアチアは養蜂が盛んなのではちみつもたくさん売っています。40クーナと格安ですが、この寒さで結晶化されていないので水や砂糖などが混ざっているのかもしれません。
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市場の奥には「聖母被昇天大聖堂」が望めます。
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大聖堂の前には黄金の聖母像を頂いたコラムがあります。下台には4人の黄金の天使が見えます。単純に考えるとミカエルとガブリエルとラファエルの三大天使とウリエルを加えた四大天使でしょうか。
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聖母マリアの慈悲深い姿です。頭の上の12の星の意味は教会が十二の使徒たちの教えを持つからで、聖ヨハネの黙示録の第12章には「それから、壮大なしるしが天にあらわれた。太陽に包まれた婦人があり、その足の下に月があり、その頭に十二の星の冠をいただいていた。」とあります。
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「聖母被昇天大聖堂」はクロアチアで最も有名な建物で、入り口左右の2つの塔はクロアチアで最も高い建造物だそうです。大聖堂の建設は1094年に始まり、タタール侵入時の1242年に破壊されてしまいますが13世紀末にゴシック様式で再建されます。そして1512年から1521年にかけてオスマン帝国軍の侵入に備えてまわりに城壁が建設されます。17世紀にはオスマン軍の撤退により塔の建設が再開されて、その際にはバロック様式に建て替えられます。1880年の大火で町も大聖堂も大きな被害を受けて、その後ネオゴシック様式の現在の姿になります。
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「神である主、常にいまし、昔いまし、後に来られる方、万物の支配者がこう言われる。『わたしはアルファであり、オメガである。』」黙示録1章8節。キリストの持つ聖書にアルファとオメガの文字が見えます。左右の2人の王の被るビザンチン風の王冠はハンガリーの王冠のように見えるのでラースロー1世の姿かもしれません。
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1880年のザグレブ大地震の後、ドイツ人建築家のヘルマン・ボレーによって大聖堂の外観はネオゴシック様式で修復されます。修復プランは美しいものでしたが、予算上の問題から安価なザグレブ郊外の砂岩を持ちたそうです。柔らかい砂岩が致命的で1900年代前半に南塔、1945年に北塔も修理されます。そして1990年以降ファサードの砂岩を石灰岩に変える工事が行われているそうです。
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かなり修復は進んでいるように思えました。
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典型的なゴシック様式の内陣です。束ね柱が美しいです。
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ちょうど東側に太陽があったのでステンドグラスが美しく輝いていました。
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横たわるのは第2次世界大戦後ユーゴの法廷で証拠不十分のまま戦争犯罪人にされたザグレブ大司教ステピナッツです。強制労働の後に減刑された1951年に当時のローマ教皇ピウス12世により枢機卿に任命されます。後に名誉回復がなされここに埋葬されます。1998年にはヨハネ・パウロ2世も墓の前で祈りをささげたそうです。
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父と子と精霊がマリアを祝福する戴冠の姿です。大天使や十二使徒の姿も見えます。
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17世紀の大理石の説教壇はイタリアで造られた物のように思えます。
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他にも若い頃のデューラーの描いた「ゴルゴダ」の三連祭壇画があったようですが見逃しました。
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表には修復された鐘楼の先頭部分が置かれてありました。後ろの壁は15世紀に築かれたオスマン・トルコ対策の城壁です。
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城壁に埋め込まれた時計は1880年の11月9日の大地震の時に止まった時計です。地震の起こった7時3分3秒を指しています。
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大聖堂前のカプトル広場にはマリア像のコラム以外にもクリスマスの設えがあります。
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12月下旬から1月6日の公現祭(エピファニア)までの数日の夕方、ここでキリストの降誕劇が催されるそうです。
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ザグレブの北にその名も「山の後ろ」という意味の「マリア・ビストリッツァ村」という所があって、美しい教会を囲むように350世帯1000人が暮らすそうです。小さな村には豊かな森が広がっていて、ブナやカシやカエデにポプラなど多くの種類の木々から、おもちゃが作られているそうです。そんなザゴリエ地方の木製の玩具がたくさん売られていました。ただちょっと思っていたようなクオリティでは無かったので購入には至らず。
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クロアチアと言えばドライイチジクで1キロ40クーナとお手頃価格です。大きくて柔らかいのを500グラムと小さいのを500グラムにしてもらい、ハーブの葉っぱも入れてもらいます。店のおばさんが「とにかく寒いのよ。」と言うので足元を見ると石畳の上に段ボールを敷いて寒さしのぎをしていました。手持ちのホッカイロをあげたら魔法のようだと喜んでいました。
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市場を抜けてトカルチチェヴァ通りの方へ向かいます。階段の脇にバロック風のファサードを持つ教会の脇の階段を下りて行きます。
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教会のニッチに置かれた聖母子像と教会の尖塔。
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トカルチチェヴァ通りのナイーブアートのお店の前にあった巨大な玉子には赤いハート「リツィタル」が描かれていました。
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クロアチアと言えばネクタイ発祥の地でもあります。
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Zagreb 360°の展望台のあるビルが見えました。時間があったら登ってみたかったのですが。4時間の自由時間では無理でした。
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緩やかな坂道を登って行くと世界各国からのツアーの人たちに出会います。この時期ヨーロッパ内でもクリスマスマーケット巡りは盛んなようで、この後のリュブリアーナやグラーツでは観光バスが1日に400台くらいやってくるそうです。
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聖ゲオルギウスの竜退治の像です。
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退治した後の祈りをささげているかのような姿です。ナマズのようなドラゴンの姿に見えます。
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中世にグラディッツを囲んでいた城壁には東西南北に4つの門があったそうですが、その中で残った東の門がこの石の門だそうです。
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一見屋根付きの通りのようですが、入った途端に世界が変わります。いきなり礼拝堂の中に入ったようです。
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18世紀の半ばに東門周辺で大火があり、くすぶる灰の中からこのイコンが無事に拾い出されたそうです。以来1760年に門が石造りに帰られたときに礼拝堂を設け、奇跡のイコンが納められたそうです。
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人々が奉納した石のプレートが信心の深さを感じさせます。
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道路を挟んで祈りをささげる場所があります。
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このような不思議な礼拝堂のレイアウトです。右側に礼拝堂、そして道路、左側にお祈りをささげる為の椅子が置かれてあります。
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ザグレブを歩いていて思ったのは鎧戸の美しさです。閉めてしまえば見えない内側のデザインの凝りようには驚きました。そしてオーストリア風の建物の多さです。これはイタリアのトリエステでも同じように感じたことです。現在のオーストリアとハプスブルグ家が隆盛を誇った頃の領土には大きな差があります。
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石の門の先に小さな広場があり「聖マルコ教会」が望めます。広場の周りには「国会議事堂」と「首相官邸」と「最高裁判所」の建物がありますが、どれも小ぶりでクロアチアの首都という感じはしません。
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この教会は19世紀末に大聖堂を手掛けたヘルマン・ボレーによりネオ・ゴシック式に改築されています。
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この屋根のザグレブの紋章をデザインしたタイルはハンガリーのペーチェのジョルナイ窯で焼かれたものです。ジョルナイの陶磁器は同じく19世紀末のハンガリーのアールヌーヴォーである分離派のレヒネル・エデンが多用したものでもあります。ブダペストで1週間レヒネル・エデンの建築巡りしたことがあるので懐かしく思います。
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こちらはクロアチア・スラヴォニア・ダルマチア王国の紋章です。ここだけ見るとレゴブロックみたいです。
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ファサードは14世紀のロマネスクの意匠が残っています。
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この聖マルコ広場には寂しくツリーが立っているだけでした。
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そのまま通りを下って行くと古いメルセデスの車がありました。よく見るとレストランの看板でした。その横が「ナイーブアート美術館」の入り口でした。この美術館も今回どうしても見たかった所です。
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2001年にリエカからドブロブニクへフェリーで移動した際に知り合った方とドブロブニクで数日一緒に行動しました。「イスラエルには日本人で一番出入国していると思う。」というフリーの添乗員の女性でしたが、その方が別れ際に小さいナイーブアートの額をくださいました。何とも言えないガラスと絵の美しさに魅かれました。それから15年経って想いが遂げられたわけです。
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妻は今回の旅行で初めてナイーブアートを知ったわけですが、全く知らなかった世界が広がったようでした。バスからの景色も違って見えたようです。
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イヴァン・ゲネラリッチ「Requisition」
ユーゴ時代の軍隊に家族同然の牛を持っていかれる農民の悲哀を感じます。このイヴァン・ゲネラリッチがクロアチアのナイーブアートの先駆者でフレビネ派の開祖になります。クロアチア紛争のさなかの1992年に亡くなっていますが、もう少し長生きで来たら現在のクロアチアを見ることが出来ただろうにと思います。 -
イヴァン・ゲネラリッチ「Harvesters」
同じ作家ですが一転して麦刈りの合間に休憩する農夫の姿を描ています。ベルトリッチの「NOVECENO(1900年)」という映画を思い出します。 -
イヴァン・ゲネラリッチ「Woodcutters」
お揃いの洋服を着た木こりたちの姿が面白いです。木を切り倒すのではなく枝を落としているみたいですね。 -
イヴァン・ゲネラリッチ「Eclipse of the sun」」
日食に驚いている農民たち。この世の終わりみたいな表情がいいですね。 -
イヴァン・ゲネラリッチ「Cows in the Forest」
森の中を歩く2頭の牛が人間に様な表情で描かれています。イスタンブールからのフライトで、眼下に見えた森の中の風景のようです。ナイーブアートの多くはガラスの裏面に描かれているので、反射してしまい写真に収めるのが難しかったです。 -
イヴァン・ゲネラリッチ「Death of Virius 1958」
ヴィリウスの死というタイトルなので、横たわる男性が死人と言う事でしょう。蝋燭や目を覆うタオルには民族的なセレモニーを感じます。雄鶏などにも意味があるのだと思いますがそこまで詳しく分かりませんでした。 -
ミヨ・コヴァチッチ「Winterlandscape with Woman」
老婆と冬の農村風景dす。ナイーブアートの多くにブリューゲルの絵のような冬の寒さやしけった雪の匂いが感じられます。 -
ミヨ・コヴァチッチ「Harvest」
この絵を観ているとやはりベルトリッチの「NOVECENO(1900年)」で小作人頭のダルコたちが大鎌で麦を刈っていると孫が生まれたと知らせが入るシーンのようです。隣り合わせの国ですが鎌の形状などがイタリアと違うのが面白いです。 -
ミルコ・ヴィリウス「Return in the Rain」雨の帰り道
雨が降っての帰り道は靴が傷むので裸足で帰るのでしょう。今度はエルマンノ・オルミの「木靴の木」という映画を思い出します。時代背景も近いからでしょうが、久しぶりに好きな映画を見た気分に浸れました。 -
イヴァン・ヴェチェナイ「The Evangelists on Calvary」
ゴルゴダの丘の福音書著者という題名の絵画です。タイトル通りゴルゴダの丘で磔刑にされたイエスの姿です。ロンギヌスの槍の痕があるので死んだあとの姿ですが、何とも言えない表情はまだ息があるようにも見えます。 -
そのイエスを取り囲むように鷲の姿の聖ヨハネと牛の姿の聖ルカが見えます。福音書を書いた彼らの姿はあまり絵画で現されないので新鮮な気持ちで観ることが出来ました。サン・ルカの姿を最後に見たのはテッサロニキの教会群のモザイクを見て歩いた時以来のような気がします。
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ヴェネツィアの守護聖人で有名な聖マルコは獅子の姿です。
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天使の姿の聖マタイ。
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ドラガン・ゴジ「Harvest in the Forest」
こういった素朴な絵画の方が心穏やかに鑑賞できます。 -
イヴァン・ヴィチェナイ「Cows Hauling Wood」
薪を運ぶ牛車よりもどこまでも続く枯れた枝の森に視線がいってしまいます。もう間もなく日が落ちようとしています。 -
マルティン・メフケック「Gipsy with Cat」
猫を抱いたジプシーの男性です。この辺りにもロマとかヒターノと呼ばれた彼らの生活があったのかと改めて知らされます。 -
ドラガン・ガジ「The Wind in Winter」
硝子を通しての色彩はあまりに透明で、引き込まれそうな錯覚に囚われます。 -
ミヨ・コヴァチッチ「Swineherd」
この絵などはブリューゲルの「雪中の狩人」を連想させるような構図です。 -
ハンガリー特産のマンガリッツァ種の豚のような毛深さです。ハンガリーとは縁が深いクロアチアですからこちらでも飼育されていたのかもしれません。
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ミヨ・コヴァチッチ「Singeing a Pig」
豚の野焼きです。このまま全部焼いてしまうとも思えないので、皮を焼き落としているのでしょうか。 -
当時の農民といってもそう遠くない時代ですが、農村の生活が鮮やかに伝わってきます。
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ヨシップ・ゲネラリッチ「Guiana'78」ガイアナ78
これは1978年11月18日にガイアナのジョーンズタウンで、ジム・ジョーンズに導かれた宗教団体人民寺院の信者909人を含む918人のアメリカ人が死亡した集団自殺を扱った作品です。 -
イヴァン・ラツコヴィッチ「Big Autumn」大きな秋
ザグレブの空港前の公園を思い出させるような風景です。若い頃は印象派の絵画があまり好きではありませんでしたが、南仏を旅していてアルルからモンペリエへ戻る車窓から糸杉を眺めていたら、ああういうことなのかと少し理解することが出来たような気がしました。それ以来印象派の絵画が好きになりました。 -
イヴァン・ラツコヴィッチ「Long Winter」長い冬
この後ザグレブからスロヴェニアのリュブリアーナへ移動する車窓の風景を見ていて、妻が「今回ナイーブアートを教えてもらって風景も違って見える。」と言ってくれました。またどこかへ連れて行ってあげたいと思う瞬間です。 -
エメリク・フェイエシュ「Vienna Stephansdom」
タイトルを見なくてもウィーンのシュテファン大聖堂と分かりました。ちょっとフンデルトワッサーっぽい印象も受けます。 -
エメリク・フェイエシュ「Milan Cathedral」
インドの宮殿のようでもありますが、真っ白なミラノのドゥオーモもこの人に掛かるとカラフルな色の洪水になります。屋根の上を歩いたことを思い出させるくらいの精度で描かれています。 -
エメリク・フェイエシュ「San Marks,Venice」
こちらはヴェネツィアのサンマルコ寺院です。このアングルで描いたら広場の3本の旗棒が入ってしまいますが、絵画は便利ですね。いらないものは消すことが出来ます。 -
エメリク・フェイエシュ「Paris,St Chapelle」
これもすぐに分かりました。パリのサント・シャペルですね。ゴシック様式の内陣のステンドグラスの美しさはここに勝るところは無いと思います。そんな感動が蘇ってきます。 -
イヴァン・ラブズィン「Orehovec Hills」
イスタンブールからの眺めではクロアチアは真っ平らな国でしたが、ザグレブより西や北のディナル・アルプスに近い地方の風景でしょうか。 -
イヴァン・ラブズィン「On the Hills-Primeval Forest」丘の上の原生林
ちょっと草間彌生を感じました。一連の作品はガラスの裏側からでは無く、キャンバスに描かれた普通の絵画です。 -
イヴァン・ラブズィン「Islands」クロアチアの海岸線はアドリア海で考えるとイタリアより美しいです。
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イヴァン・ラブズィン「Dawn」
日が沈む前の穏やかな午後の太陽です。ザグレブで観るから良さが分かる絵画ですね。 -
エウゲン・ブクテニッツア「Fishing Convay」
この絵は見事でした。クロアチアの海岸線をグレー一色で描き切っています。
実際はダルマチア式海岸の白い石灰岩と隙間に生える低木の景色ですが、遠目に見ると正にこんな感じです。リエカからヤドロリニヤのフェリーでザダール~スピリット~コルチュラ~ドブルブニクと海岸線は制覇したので間違いありません。 -
エンリコ・ベナッシ「The Arrival of Mark Antony in Alexandria」
タイトルからアントニーがエジプトのアレクサンドリアに到着した場面です。中央の女性はクレオパトラという事でしょうか。色遣いがインドのミティラー画みたいです。 -
ハラダ・タイジ「Hills and Valley in Late Autumn」
原田泰治さんの作品も展示してありました。彼は旧ユーゴスラビアの素朴画家イワン・ラブジンを新聞記事で知り、「心の生計を立てるために描く」という生き方と作品に感銘を受けて素朴画家を志します。 -
ドラゴ・ユラク「Luxury Boat」豪華客船
バリ島のネカ美術館に似たような絵があったことを思い出しました。そちらは題材がノアの方舟でしたが、とても似ている構図でした。 -
ソフィヤ・ナレティリッチ・ペナヴシャ「Frog Turtle」
これはカメ?カエル? -
ソフィヤ・ナレティリッチ・ペナヴシャ「Grea Owl」巨大なふくろう
大きな木彫の作品です。北海道に住む弟から聞いた話ですが「冬山登山中に前から子供が歩いてくるのを見て、そんなはずはないと思ったらおおきなフクロウだった。」そんな話を思い出しました。森の深いクロアチアなのでおおきなフクロウがいてもおかしくありません。 -
小さい美術館ですが時間がないにもかかわらず1時間近く見学してしまいました。
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「ロトゥルシュチャクの塔」までやってきました。基本的に塔には登りたいタイプなのですが…。時間があまりないので割愛します。
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その脇のテラスはクリスマスマーケットになっていました。
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ここもスプレーで雪が降ったようなディスプレイです。この時期ザグレブには雪が降らないのだと思います。
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それよりも美しいザグレブ旧市街の景色です。12月だというのにポカポカ暖かい日でした。去年のドイツのクリスマスマーケット巡りの時も数十年振りの暖冬だと聞きましたが今年も同じようです。
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テラスの前には巨大なスノーボールが置かれてありました。これは市内各所に置かれていました。夜は光るようです。
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一番眺めの良いポイントにはフレームが置かれ、記念写真の順番待ちの列が出来ていました。
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こうやって見るとものすごい寒い所のようですがそんなことはありません。
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絵になる風景ですが、モミの木の雪はニセモノです。
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ケーブルカー乗り場の横からの眺めはザグレブ駅方面を見ている感じです。ナイーブアートのような朦朧体の太陽が見えます。
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世界一短いケーブルカー「 ウスピニャチャ」の山頂側の乗り場です。
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ケーブルカーというよりはリスボンやブリュッセルにあるエレベーターのイメージです。
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ケーブルカー乗り場から西へ続く遊歩道もクリスマスマーケットになっていました。
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ザグレブのアドヴェントは手作り感があって和みます。
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屋台でもドイツなどの完成された重厚さは無く、大学の学園祭のノリを感じます。しかしお昼前後にクリスマスマーケットを歩いても物足りなさを感じます。夜に来たかったというのが正直な感想です。
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アッパータウンのゴルニグラドから見た霧氷で凍った木々とザグレブの街並みです。夜のうちに凍った霧氷が朝の光で溶けてきています。
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散歩道を下りきると「アドヴェント・トンネル」がありました。ここのイルミネーションを見たかったのですが、事前に日本で調べたら12月16日からでした。そして今日は12月9日です。
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トンネルの入り口には案内の看板が…。
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3Dのプロジェクションマッピングのようなものが見られるようでした。残念です。
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とぼとぼ歩きながらお昼を食べるレストランに向かいます。
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目的の店はすぐそこです。「スターリ・フィヤケル900」というクロアチア料理のレストランです。
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トリップアドバイザーでザグレブで23位、地球の歩き方にも載っていました。それよりも問題は空いているかです。
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席は空いていたので窓際の4人掛けにしました。注文の前に「我々はツアーツーリストなので時間があまりないので協力してほしい。」とお願いしました。ウエイターのおじさんは「まかしとけ。料理は5分で運んでくるから。」と頼もしいお言葉です。夜になるとキャンドルには2つ火が灯るようです。クリスマスまで残り2週間ちょっとです。
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「これは店からのサービスだよ。」とパプリカ風味のディップをいただきました。おいしかった~。
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店内で焼きたてのパンと一緒に出てくるのですからこれだけで手が止まりません。ここのパンは絶品であまりにおいしいので食べきれなかった分をもらって帰りました。
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飲み物はビールを注文しました。もちろん大きいグラスで。
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店に入った11時30分はガラガラでしたが、12時過ぎには満席近くになっていました。早い時間には行って正解です。
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PANはカールスバーグの酵母とモルトを受け継いだクロアチアのビールです。
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今回の旅の最初の乾杯です。「ジヴェリ(乾杯)!」
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最初にサラダが出てきました。本当に5分ちょとで料理が出てきました。ドレッシングか効いていて美味しいサラダです。
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妻はパシュティツァーダ(pasticada)というダルマチアの牛肉の煮込み料理を注文しました。柔らかいお肉と少しスパイシーなパプリカの効いたソースが絶品です。ちょっとグヤーシュを思い出す味です。付け合わせのジャガイモのニョッキもソースを絡めていただくと絶品です。
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そしてこの盛り合わせの1皿の(seljacki rucak)。お店の名物のロールキャベツもおいしいです。スパイシーなソーセージとザワークラウトにベーコンのような塩漬けの肉もおいしかったです。付け合わせのポレンタが北イタリアに近いことを感じさせます。そう考えるとハンガリーやドイツやイタリアやギリシャだったり、いろいろな国のテイストを感じられる料理でした。
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熱々のプレートの上に料理が並んでいるので最後まで冷めることもありません。なんだかんだ1時間近く食事に費やしてしまいました。でもおいしかったので大満足です。メインが80クーナ、全部で233クーナでしたので4,200円くらいのランチでした。
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イリツァ通りまで戻ってきました。
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イリツァ通りはトラムも通りとても賑わっていました。
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このブルーのトラムがザグレブというか東欧圏の国だったころのトラムの色ではないでしょうか。ブダペストの地下鉄とか同じような色使いだと思いました。
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ウスピニャチャ(ケーブルカー乗り場)の通りもクリスマスマーケットで賑わっていました。ここも夜だったら楽しいだろうなと思いました。
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イェラチッチ総督広場方面に向かいます。トラムの来ない通りは広くて歩くのには気持ち良い広さです。
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ペータル・プレラドビチの銅像が青空に映えています。彼はセルビア生まれのオーストリアハンガリー軍の軍人でありながら詩人であり作家でもあります。後ろの教会はセルビア正教会です。クロアチア紛争の時にドブロブニクの対岸のバーリにいた身としては複雑な気持ちになります。
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メインの通りを曲がったのはここを目指していました。
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「オクタゴン」というパサージュです。パリの主だったものやナントやブリュッセルのパサージュを巡ったほど好きなのでここは外せませんでした。
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オクトゴンは名前の通り中央のドームが八角形でした。大きなクリスマスツリーが1本立っていて、願い事が沢山吊るされていました。
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ドームの形状や雰囲気がブダペストのパーリジ・ウドヴァルというパサージュに似ています。ここは世界一美しい廃墟のようなパサージュでお薦めです。
ブダペストのパサージュ:http://4travel.jp/travelogue/10564605 -
集合時間まで残り40分となりました。
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オクタゴンの横にもクリスマスマーケットがありました。
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この辺りの通りは夜は賑わって楽しそうです。
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オクトゴンの外壁にあったプレート。下に由来が書かれているようです。
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「ズリニェバッツ公園」に到着しました。ここからザグレブ駅までスケートリンクや子供向けのクリスマスマーケットがありますが、全部回っている時間はありません。
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ズリニェバッツ公園のマーケットを少し歩いてみます。
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ドイツ語圏の豪華なクリスマスマーケットの小屋とは違った手作り感のある屋台がかえっていい感じです。かなり手作りの手工芸品が売られているので、ここでしか買えない感が漂っています。
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成田を夜に出て、イスタンブールで乗り継いで、早朝のザグレブについてお昼を食べて眠くなってきたタイミングなので、購買欲が全くない時間帯でした。
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ズリニェバッツ公園の中央には大きな東屋が建っています。夜はここでコンサートが開かれ賑わうようです。
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この東屋を見ていてケビン・コスナーの「ファンダンゴ」という映画を思い出しました。そのエンディングで別れた恋人と親友の結婚式をこんな東屋のある田舎町で開きます。その披露宴で恋人とダンスを踊り、姿を消すのですがケビン・コスナーの最高の映画だと思います。劇中の音楽も素晴らしくこの東屋を見ているとエンディングのブラインド・フェイスの「Can't Find My Way Home」が頭の中でリフレインします。
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ここまででこれ以上南側のクリスマス・マーケットを周る時間は無くなりました。
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お昼時間を合わせて4時間ではちょっと短い滞在時間でした。
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でもその分充実していたし、これから2時間30分ドライブしてスロヴェニアのリュブリアーナのマーケット巡りが待っています。
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集合場所へ戻る前にスーパーのコンズムに寄って、今晩飲むビールとバスで飲む水やジュース、クロアチア名産の黒トリフなんかを買いました。
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細かいクーナを寄付して聖ニクラオスと記念写真を撮りました。サンタクロースの期限の聖ニクラオスはトルコのアンタクヤの近くのミュラの大司教になる聖人です。15年ほど前に墓参りに行ったことを思い出します。
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ちょうど4時間の自由時間が終わって皆さん集合されていました。
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バスへ戻る途中の屋台で探していたサワーチェリーのリキュール、マラスキーノを発見しました。すぐに試飲させてもらって購入です。マラスキーノとイチジクのリキュールとレモンリキュールが一緒になった瓶を買ったのだけど、レモンのリキュールってリモンチェッロだったなと思います。でも帰ってから飲んだらどれも美味しかった。バスに乗り遅れそうになりながらリュブリアーナに向かいます。
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