高雄の散策

2016/11/14 - 2016/11/14

　蓮池潭や旗津といった観光地を歩いてみました。
　280万都市である高雄は地下鉄網もあり、セブンイレブンだらけで、大都会です。
　かつて日本の重要な軍港でもあった高雄港の港湾博物館は、日本統治下の港湾庁の建物で、高雄港と共に発展したこの町について少しだけ勉強もしました。

エリア 高雄(台湾)

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 鉄道 タクシー 徒歩

高雄と言えば蓮池潭(リャンチータン)

　どのガイドブックを見てもここの写真が出ています。
　というより、ここの写真以外では85ホテルの写真か、地下鉄の美麗島駅の写真しか見かけない。
　写真は龍虎塔。

左営蓮池潭/龍虎塔 滝・河川・湖

　清朝の時代にここに孔子廟が設けられ、この池を浄土に見立てて蓮の花を植えたとか。
　蓮池潭の名もそこから来たらしい。

　蓮の花と言っても、よく赤ちゃんが座っている写真などでお馴染みのオニバスだというのが売りに出来るかも。
　新しい葉が出てくるところはちょっと不気味な感じがあります。

台湾のくまモン

　公園の入口には次から次に観光バスが乗り付けては大量の観光客を吐き出してゆきます。
　この人形はその一角にあって高雄熊というキャラクターらしいですが、高雄付近のあちこちで見かけます。

　台湾でもくまモンは人気で、この蓮池潭もくまモンが訪れたことがあるらしい。
　地下鉄に、熊本を宣伝するビデオが流れていましたから、なにかキャンペーンでもやっていたのか。

　そういえば、後から訪れた台北のバスターミナルのビルでは北海道が誇る(？)人気キャラクターもんすけが何かの宣伝をするポスターを見かけました。
　ＨＢＣのゆるキャラです。

慈済宮

　龍虎塔のまえにありますが、清朝の康煕年間に建てられた寺を50年ほど前にこちらに移したとか。
　龍虎塔は40年くらい前に作られたから、地方の遊園地のアトラクションのようなものでしょう。
　その横では、さかんに水上スキーの練習をしていました。

　地元の人は、このあたりでテラピアか何かを盛んに釣っていました。
　キャッチアンドリリース。
　釣られても釣られてもまた掛かる。
　けっこう根性のある魚とお見受けしました。

行き方

　大抵は左営駅まで地下鉄で行ってバスかタクシーを利用します。
　私たちは、地下鉄の生態園区という駅にある貸し自転車を使ってゆきました。
　歩くには少し距離があります。

　貸し自転車は一時間無料で、それ以降は一時間10元です。
　旅行客が借りるには、クレジットカードと裏の3文字の入力が必要ですが、地下鉄の駅他観光客が来る場所にはステーションがあって、どこで返しても料金は一緒。

啓明堂

　池に沿って進むと真っ赤なお寺が見えてくる。
　1899年創建の啓明堂。
　関帝を祭っています。

啓明堂 寺院・教会

春秋閣 建造物

春秋閣

　啓明堂の向かいにある。

　かなりファンキーですが、こういうのを作る人というのはファンキーを意識しているのでしょうか。
　それとも「天然」なのだろうか。
　天然であるとすると、そのセンスはどこから来るのだろうか。

　逆に作為的であるとすると、その意図は何だろうか。
　宗教にファンキーは必要という考えになるのだろうか。

　色々な疑問がうずまく。

　中国の神、玄天上帝の座像だと言うのですが、後ろに写っている建物との比較で考えるとそうとうに大きい。
　それもそのはず、７２ｍもあるという。
　北方を守る水の神、だとか。

　玄というからには黒いのかというとけっこう赤い。

８５スカイタワーホテル

　ＭＲＴ(地下鉄)の三多商圏という駅で降りて、高雄市街のどこからでも目に入る８５スカイタワーホテルの展望台を目指しました。
　途中、入場券の割引チケット(150元)を売る店などがあります。
　チケット売りのおじさんは、息子の嫁が埼玉出身だという。
　埼玉出身の台湾人？
　いや、日本人だよ、今カナダに夫婦で住んでいる。

　周辺の道は暗く、あまり人影がない。
　ちょっと寂れた感じがあります。
　空き店舗も多いのだといいます。

　８５スカイタワーホテルは３４７ｍで、74階が展望台。
　自分でエレベータを操作して展望台に行くと、あまり人はいません。
　ゆっくりと夜景を楽しむことが出来る。

　それより、一階に入っていた宝石店がすごい。
　巨大な翡翠で作った1000万円くらいの布袋像がでーんと置かれている。
　ここは故宮博物館か。

高雄85ビル (高雄85ビル展望台) 現代・近代建築

　先ほどのチケット屋の近くにある弁当屋で夕食を調達。
　鉄道弁当というのを買って、無料のスープを持って椅子とテーブルの置かれた歩道に腰掛けて頂く。
　65元＝220円。

六合夜市

六合夜市 市場

美麗島駅

　六合夜市の目の前に地下鉄の美麗島駅入口があります。
　そこから降りると世界で二番目に美しい地下鉄駅と唱っている。
　なんでも、アメリカの旅行サイトの投票結果だという。
　4500枚あるというステンドグラスは、写真より実物を見る方がきれいです。

　一位はどこなんだろう。


美麗島事件

　調べてみると、美麗島というのはポルトガル人が台湾のことをそのように呼んだので、台湾の別名として用いられるようになったそうです。
　そして、1979年に高雄で起きた民主化運動が美麗島事件と呼ばれています。

　台湾の総統は蒋介石から息子の蒋経国へ、そして李登輝と続く。
　李登輝は1996年に総統の国民選挙を実施して民主化を成し遂げる。
　その流れの中で、「美麗島」という雑誌を主宰していた集団のデモ事件とその弾圧が、民主化への大きな流れを作ったといいます。

美麗島駅 駅

　この駅の名前にそんな政治的意味合いが込められていたとは知りませんでした。
　作品のテーマは「祈り」だそうです。

　独裁政治は鋭い刃物のように切れ味が良いですが、その刃先は絶えず向きを変えます。
　いつどっちに向かうのか、民衆は祈るしかないのでしょう。

　その刃を制しようとすれば多くの血が流れる。

　六合夜市で50元で買ったシャカトウ。
　たいてい150元くらいします。
　以前にシンガポールで食べて以来。
　これは旨いです。
　見つけたら是非食べてみることをお薦めします。

高雄港クルーズ

　世界第12位の貨物取扱量だそう。

　日本統治時代の建物が博物館として使用されています。
　高雄港のたどった道のりが詳しく説明されている。
　戦後、連合軍によって使用できないようにされた港を再び浚渫して復活させた大工事の様子が中心に展示されています。

高雄香蕉故事館 観光名所

日本統治時代の観光地図

　現在では、もう一カ所砂嘴の部分に出入り口が設けられています。

旗津(チージン)へ

　フェリーターミナルからタクシーで5分くらい(300円)のところに旗津行きの渡し船が出る港があります。
　片道25元＝90円。

旗津フェリー 船系

旗津

　船着き場です。
　タクシーで海底トンネルを通ってやってくることも出来ますが、かなり遠回りになるという。
　旗津は思ったより立派な市街地が広がっています。

旗津輪渡站 (旗津フェリーターミナル) 船系

　数百メートルも歩くと商店街が終わり、南シナ海が目に入りました。

イン ヤン ホテル ホテル

　海岸を整備して美しいビーチを蘇らせたといいます。
　夕日が沈む海を、大勢の市民や観光客が眺めています。

　高雄は、この日も日中30度を超える暑さになりましたが、この時間になるととても過ごしやすい。
　砂の上に腰を下ろして、沈む夕日をいつまでも見ていたい気持ちです。